個別指導塾 ONE-S(ワンズ)のブログ

堺市上野芝にある個別指導塾です。進学から補習、不登校の子どもの学習サポートなど、さまざまな子どものニーズにこたえます

教科書を読めと言われるけれども

2018-06-22 10:48:13 | 教室から
こんにちは。堺市西区の上野芝にある個別指導の学習塾ONE-S(ワンズ)の塾長の松下です。

中間テストが終わったと思ったら、もう来週には期末テストが始まります。中学生もゆっくり休む間もなく、テスト勉強をしなければならず大変ですね。私もテスト用のプリント作成に追われる日々で、もう少しテストの間隔を広げてくれたらなーとぼやいています。

市によって使用する教科書が異なりますし、学校が違えば先生の教え方も異なりますので、生徒たちに授業で使用するノートを持ってきてもらい、教科書とノートを見ながら生徒の学力に合わせてテスト対策のプリントを作っていきます。

基本的にどの科目も作成しますが、どちらかといえば暗記用のプリントと数学の計算問題のプリントが多いですね。社会の暗記なんて教科書何回も読めばいいと思われるかもしれませんが、これがなかなか難しいんです。

どの中学校でも定期テストが終われば成績表が配られます。自分の得点のほかに、学年の平均点や、点数の分布のグラフもあります。以前学力の二極化の話のときにも書いたように、最近は20点未満の生徒の数がぐんと増えています。1ケタの点数の生徒の人数が1割を超えている学校もあります。

特に注目すべきは社会や国語で20点未満の子どもが増えているということです。多くの人は「国語なんて特に勉強しなくてもなんとなく書けるので、そこそこ点数はとれるよな。社会なんて前日にでも一夜漬けで頑張ればなんとかなるよな」と思われるでしょう。確かにその通りなんです。数学がわからない、理科の計算分野がわからないというのは、以前も今も変わらずたくさんいます。ですが、国語と社会ができない子は明らかに増えてきました。

原因の1つは、中学3年生で教科書に書いてある内容を理解できない子が2~3割いるというニュースは以前ここでも紹介しましたよね。まったくわからないという子もいれば、なんとなくわかるけれども主語と述語がわからないので、ぼんやりとしか理解できないという子も多く含みます。こういった子たちは、国語の文章はなんとなく理解できても設問の意味を正確に理解できません。たとえば、「~は何だと筆者は考えていますか。それがわかる1文の初めの五字を書き抜きなさい」という設問に対して、筆者の考えが書かれている文を探すのではなく、5字のまとまった言葉を一生懸命探しています。あるいは、筆者の考えが書かれている文が見つかったとしても、その文の初めの5字という意味がよくわかっていないため、文の途中から書いてしまったりします。

問題を解くという以前に、そもそも文を読み取る力がなく語彙力も少なすぎます。それが国語だけでなく、社会にも影響を及ぼします。社会なんて丸暗記ですが、それは教科書を読んで意味がわかるから覚えることができるのであって、内容がわからないまま教科書を読んだところで語句を覚えることができるはずがありません。

たとえば地理の教科書の一部を書きます。「持続可能な社会を実現するには、限りある資源と環境を将来にわたって利用できるようにすることが大切です。資源が少ない日本では、再生可能エネルギーの活用とともに、資源の消費の見直しや、環境に配慮した省エネルギーの技術を生かした取り組みが行われています。」

ここでは持続可能な社会という部分が太文字で書かれています。この部分を読んで、読解力があまりない子どもが理解できるでしょうか?おそらく何もわからないと思います。まず持続可能って何? 再生可能エネルギー? 消費の見直しや環境に配慮するって?となるでしょう。もちろん理解できる子は教科書を読んで覚えていけばいいのですが、私が言いたいのは教科書を読んで覚えるという方法がだれにでもあてはまるという考え方は間違っているということです。読んでも意味がわからない子にとっては、この時間は無駄でありストレスをためる時間になってしまいます。

だからこそ、教科書を読んで覚えさせるのではなく、オリジナルの問題を作成する必要があるのです。もっとかみ砕いた表現を使い、遠回しな言い方ではなく、もっとダイレクトな表現で問題を作ります。それでも理解できない子もいますが、その場合はそこを詳しく説明します。そうすることによって、「なるほど!これはこういう意味やったんやな。やっとわかったわ」となり、スムーズに暗記ができるようになります。

また、確かに子どもの国語力の低下は大きな問題で、もっと真剣に国全体で解決していかなければならないのですが、それ以外に国に要求したいのは、「教科書をもう少しおもしろくしてください」ということですね。私も問題を作成するとき、教科書を隅から隅まで読みますが、これがまた本当におもしろくない!(笑) おもしろくしようと工夫して写真やグラフなども以前よりかなり多く入れていますが、肝心の中身がつまらなさすぎます。これでは子どもが興味を持つのは厳しいでしょうね。こんなつまらない教科書を何回も読むのは、もはや拷問です。おそらく大人が読んでもおもしろくないでしょうね。社会に関しては教科書というよりも、漫画や映像で授業した方がずいぶんと効果的なような気がします。長くなりましたので、これについてはまた別の機会にしますね。

それではみんな。この期末テストもきちんと乗り切って、気持ちよく夏休みに入りましょう!

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