高山の頂上を思わせますが、白いのは雪ではありません。
まっ白いのは、2000~1500万年前に噴火し淡水湖に堆積した火山灰でできた凝灰岩です。
その後の地殻変動により、二上山方向に大きく(50~30°)傾斜しています。そして、浸食により硬い地層が取り残されました。
二上山と屯鶴峯の南端を望む。
地層がすごく傾斜しています。自然な状態で保全されていますので、危険なところには決して近づかないようにしてください。特に砂がかぶっているところは滑って危険です。
すごくスケールが大きく見えますが、実は高度は140m程度、一番低いところが110m程度。高度差は30m程度しかありません。
グランドキャニオンのように切れ込んだ谷
屯鶴峯西端より、大阪府側を望む。ブドウ栽培のビニールハウスが見えます。
二上火山群の春日山を背景に、左側(南側)が太子町春日、右側が(北側)が羽曳野市飛鳥の農園。
おお! これは、大阪層群と上部ドンズルボー層の不整合面か。
大阪層群には、多くのチャートが含まれています。
奇勝にふさわしい、面白い風景ですね。白い鶴が屯(たむ)ろしているようにみえる峯なので、屯鶴峯と言うそうです。
*奇勝の「奇」:「抜きん出た、すばらしい」の意
今にも落ちそうな岩石。岩石の落下方向に入るのは危険です。また、行かれる時は充分な装備でお出かけください。
京都大学防災研究所付属地震予知研究センター 屯鶴峯観測所
西日本を中心に8か所ある研究センターの観測所の一つ。
1965年度から地震予知研究計画が始まり, これに基づく観測所として,1967年6月にこのトンネルを利用した防災研究所附属屯鶴峯 地殻変動観測所が発足しました。庁舎は坑道 の北約800mの地に鉄筋コンクリート2階建 で,1969年3月に竣工,観測坑道の入り口に は遠隔記録室が建設され,データが庁舎まで 伝送されます。当観測所は内陸地震と海溝型地震の両者を対象とする立地条件にあり,これらのデータによる観測・研究 はますます重要さが増すといえます。(以上、「地震予知研究センター」ブログより)
この場所で太平洋戦争の末期1944年ごろから当時の陸軍により,最後の抵抗の拠点とすべく延長2km におよぶ網の目状の防空壕が掘削されました。そして、予定していた航空総軍戦闘指令所などの軍事施設 が完成する前に終戦を迎えました。戦後、この戦争遺跡 ともいうべきトンネルの一部 が,地震予知を目指す研究のための地殻変動観測坑道と して活用されています。
イノシシ居るんや...しかも、新しい...
二上山と屯鶴峯
夕暮れ真近の屯鶴峯
北方面の通り抜けはできません。また、北側の道は藪漕ぎが必要で、非常に迷いやすいので避けたほうがいいです。私も日中に迷いました。
近年、無料駐車場(5台程度)やトイレが整備され、行きやすくなりました。
道路も、二車線の快適な道路です。ただし、近くに採石場があり、大型車両が通行します。充分ご注意ください。
関連記事:・知ったはりますか、屯鶴峯(どんずるぼう) 2014.12.25.
・雪の屯鶴峯 2015.1.3.
撮影:2015.3.13. 奈良県香芝市穴虫 屯鶴峯
2015.3月14日 ( HN:アブラコウモリH )
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