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奥様は海外添乗員〜メモリアル

ライオンに涙する朝

          

なかなか暗くならない空をよそに早々とベッドにもぐり込んだ夕べ。おかげで夜中すぎには目覚めてしまったわけだけど、乗り継ぎで真夜中に到着することを思えばなんたる幸福か。気になった朝一番の天気予報は雲時々晴れ時々雨。ヨーロッパの天気予報はいつだってこうだ(笑)。さて、ルツェルンの朝は決まって【ライオン記念碑】の見学からはじまる。ここスイスの歴史を垣間見れる一枚岩に彫られた大きな碑は、ヨーロッパ一古い木造の屋根付き橋である【カペル橋】と並ぶこの街の観光ポイント。

今でこそ金融に保険、精密工業や観光業等で栄え豊かな国というイメージのあるここスイス。でもそれはまだまだ近代になってからのこと。主だった産業もなく過酷な自然と向き合う厳しい生活を余儀なくされていた時代、この国が貴重な外貨を稼ぐ手段としてスイス兵を各国へ輸出していたことは、平和な世に生きる者にとっては驚きの事実だ。ちなみに彼らの優秀さは現在でもバチカンを守る衛兵が全てスイス人であることからもわかる。ローマがまだローマ法王領であった時代に、他国からの攻撃に最後まで諦めることなく戦い抜いたのがスイス兵だったからだ。

そんな長い時代の中でお隣りフランスで起こったフランス革命時、ルイ16世ら家族をやはり最後まで勇敢に守り抜こうと命を落としたスイス兵たちを偲んで制作されたのがこのライオン慰霊碑だ。今にも息絶えようとするライオンが大切そうに抱えるのはブルボン王朝の紋章である百合の描かれた盾。でもライオンが守ろうとしたのは他国の王族なんかではなく、自国スイスに残して行った家族たちだったことだろう。そんな思いで眺めるライオン像に毎度のことながら声を詰まらせる私も、今日はなんとか無事乗り切ることができた。なぜって、課外授業でやって来ていた小学生たちのあまりの賑やかさに負けたから(笑)…



みなさんからのコメントはいつも楽しく読ませていただいています。ただ諸々の理由によりこの年明けからコメントへのお返しはしていませんのでどうぞご了承下さい。また旅関係のご質問やリクエストに関しては、できるだけ今後のブログ上に反映させていきたいと思っています。

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