昔の望遠鏡で見ています

彗星を見に行く

 夕方の空を望める田んぼの中に、ネオワイズ彗星を見に行くことにする。車で出発して間もなく、予定している場所から見て西の方の空に、大きな雲があることが判った。その北側には、積乱雲も見えるので、急遽、目的地を変えることにした。今度の場所は、昔から馴染みのある南にある町だ。一人で星を見る時は、周囲をよく知っているところが良い。暗くなって周囲から物音が聞こえたりすると、気になって星見どころではなくなるからだ。
 小一時間掛かって、日の入り直後に到着。早速、双眼鏡を使って、北西の空を捜す。



 双眼鏡は、愛用の7倍50トロピカルだ。これは遠近両用の眼鏡を使っている目にも、鮮やかな景色を見せてくれる。空だけでなく、明かりが点き始めた家々や、頂上に雲を抱く遠くの山々などに、見とれてしまった。夕暮れの景色を、双眼鏡で見るのは、とても楽しいことだと感じた。かつて、この双眼鏡を使って、マックノート彗星を日没前の低空に見たものだが、今回はそこまで明るくないようだ。次に写真三脚を出し、カメラをセットする。最近のオートフォーカスレンズは、そのままでは無限遠が出ないため、遠景でピントを出しておく。
 しばらく北西の空を、彗星捜索をまねて捜す。ここが踏ん張りどころだと、ずいぶん捜したが見えない。そのうち南東の空の木星に続きベガ、アンタレス、そしてアークトゥールスも見え始める。そこから春の大曲線を想像して、やっとのことで北斗七星を見つける。彗星は、その下の方だ。ここまでくると、後は順調で、二つの恒星とその上の淡い彗星が見え始めた。核がしっかりとしていて、尾も右上に伸びているのが判る。
 木星で、もう一度ピントを出して、撮影することとした。




 彗星は、中央やや右側に見える。




 中央を拡大したもの。

 星は、気付くまでが大変で、一旦見えると、それまで見えなかったのが不思議なくらい良く見えるものだ。しかし、今回は見えてこない。あたりを見回すと、暗くなるのと同時に、雲も湧いてきてるらしい。そのうち、雲が広がり始めたので、少し残念だったが終了とした。
 

 

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