山野に自生するが庭や鉢で栽培されることもある。蔓性の落葉潅木なので蔓が何本も絡み合いながら他の木に巻きついて成長する。雑木山などでは何本もの木にわたって絡みながら花を咲かせていることがある。これを懸り藤とも言う。また藤棚を作って棚の下に休んで楽しむ。晩春から初夏にかけての艶麗な花である。房状に咲く花だから藤房というがこの房が風に揺れるのが藤浪である。一般に藤は紫色のものが多いが、山藤の変種に白藤がある。古くから愛でられてきた花であり、藤の名所もおおい。
松に消え竹柏に現れ藤盛 関 圭草(せき・けいそう)
竹柏(ちくはく)は梛(なぎ)の漢名という。この句は奈良の春日大社の藤を詠んでいる。奈良には梛の木も多いから、藤は松や梛にも懸かっているのであろう。松の木の太い幹に隠れた花は、横の梛の木のところで現れるというのである。藤の花が移動したわけではないが、作者にはそのように見えたのである。まるでかくれんぼをしているように。懸藤の様子を動いているもののように捉えている。実際、藤の蔓はゆっくりではあるが動いて行くのだ。作者は故人であるが元東洋紡社長。昔は俳句をやっている企業人は多かった。(勢力海平)
松に消え竹柏に現れ藤盛 関 圭草(せき・けいそう)
竹柏(ちくはく)は梛(なぎ)の漢名という。この句は奈良の春日大社の藤を詠んでいる。奈良には梛の木も多いから、藤は松や梛にも懸かっているのであろう。松の木の太い幹に隠れた花は、横の梛の木のところで現れるというのである。藤の花が移動したわけではないが、作者にはそのように見えたのである。まるでかくれんぼをしているように。懸藤の様子を動いているもののように捉えている。実際、藤の蔓はゆっくりではあるが動いて行くのだ。作者は故人であるが元東洋紡社長。昔は俳句をやっている企業人は多かった。(勢力海平)
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