北方から渡ってくる小さい鳥、つまり渡り鳥であることがはっきりしている小さい鳥のことである。「小鳥来る」という季語もあるが、庭に来た雀などは季語とはならない。あるいは籠の中で飼われているカナリヤハや文鳥なども季語とはならない。通俗的に使う小鳥とは違うことを注意しなければならない。
小鳥来て午後の紅茶のほしきころ 富安風生
遠くから渡って来た小鳥を見るとどういうわけか人は楽しくなるようだ。「たのし」という言葉が入った句も多い。この句も楽しいとは言っていないが、その気分が滲み出ている。小鳥と紅茶とは関係ないのに、なぜか紅茶がほしくなったというのである。
あきらかに小鳥来てゐる庭木かな 高浜年尾
「あきらかに」とわざわざ確認しなければならないほど、小鳥の句は難しいのである。庭の木が動くので、小鳥かなと思ってよく見たら、やはり小鳥であった。
小鳥は渡り鳥を指すので「渡り鳥」の項目に含めている歳時記もある。
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