にいはんは周回遅れ

世間の流れとは違う時空に生きる

ニュースのその後二題

2008-08-07 | オーマイニュース

まずは前回のエントリの続報から。

オーマイニュース(以下OMN)が掲載から数時間で削除した藤倉善郎記者の記事は、その後一部修正を経て再掲載されました。Yahoo!ニュースにも再配信されています。

再掲載にあたって追加された編集部の注釈によれば、写真差し替えの為に記事を一旦取り下げたとの事。前回のエントリのコメント欄でハンドルネーム(以下HN)石達夫さんが指摘していますが、初出時の写真からは藤倉氏らが住んでいるマンションが特定される恐れがあり、それで写真を差し替えたものと推測されます。

そして、写真とともに本文も一部修正されています。どのように修正されたか、前述のコメント欄に寄せられたHN名無しヲチャーさんのコメントを一部引用しますのでご覧下さい。なお、初出時の記事はこちら。(引用部分はイタリック体で表示、フォント変更・太字は筆者)

・中国の国家公務員の記述を削除
・記者が借りたという記述を、記者の部屋と書き換え
・読点をひとつ削除

編集部の注釈では本文の修正について触れていませんから、写真差し替えのどさくさに紛れてこっそり本文にまで手を入れたかのごとき印象を受けます。ただ、その後中国では正当な手段で取材をしているメディアの記者に対して(武装)警察が暴行を加える事件が発覚しました。それを考えると、おそらくは取材証など持っていないであろう藤倉氏は、自らの安全に配慮するに越した事はありません。

その後「上から貧民街に見えた場所に行ってみたら、実は下町や横丁と言った方がふさわしかった」というしょうもないオチがついた第2弾の記事も掲載されました。レンタル自転車公安への出頭など、PJニュースに掲載された小田光康氏による北京レポートの二番煎じに思えるネタも多いのですが、常に単独で行動しているわけでもありませんし、まあそれは仕方のない事でしょう。今後の記事に期待します。


今回取り上げるもう一つのその後は築地市場移転問題についてです。

OMNでは軸丸靖子記者が追い続けてきたこの話題、以前のエントリで触れたように、7月12日の移転反対デモと13日の専門家会議の模様は軸丸氏によって伝えられました。その後、26日に専門家会議の最終回が開催されています。

前回の記事で、軸丸氏はこれまでになく強い調子で築地市場の豊洲移転反対を訴えており、当然26日の模様も記事になるものと思っていたのですが、今度は開催から10日過ぎても記事が掲載されません。豊洲移転反対派の報告を読む限り、最終回とはいうものの決して消化試合の趣はなく、相当ヒートアップしていた感があるにも関わらずです。

これは一体どういう事でしょう?

残念ではありますが、前回の記事が軸丸氏の最後っ屁だったように思えてなりません。

軸丸氏は、記事の後半で自身が豊洲移転反対派であると明らかにした上でその理由を延々と述べています。これは、昨年11月、外国人の指紋押捺反対デモを取り上げた記事のコメント欄で 一応、編集部の人間なので、自分の意見は極力記事中に出さないようにしています。 と説明しているスタンスとは180度異なります。

軸丸氏のスタンスが変わったのか、それとも編集部の人間ではなくなる(なくなった)から自分の意見を出せるようになったのか。OMNの現状と軸丸氏が7月に執筆した記事が築地関連の2本だけだった事を考えると、前者の可能性は限りなくゼロに近いでしょう。

ですが、仮にそうだとしても一般の市民記者として記事を書く事はできるはずです。

築地の問題同様に軸丸氏がOMNで継続して取り上げてきた福島県立大野病院事件は、全ての審理が終了し、8月20日に判決が言い渡される事になっています。軸丸氏はこの裁判のレポートも尻切れトンボで終了させてしまうのでしょうか?

判決の模様を今でもOMNに残っている編集部員が書いてもいいのかもしれませんが、この裁判は軸丸氏が初公判からずっと一人で追い続けてきました。まだ地裁の段階ですから、判決が下されたからといってそれが即裁判の終了を意味するわけではないのですが、それでも一つの大きな区切りにはなります。あと一回、判決の模様を伝えればOMNのこの特集は完結するのです。

判決当日は他のメディアもその様子を伝えるとは思いますが、このニュースはOMNのサイト上で軸丸氏の署名記事を読みたいと強く願います。