「花いんげんの煮豆」
主な伝承地域 中之条町、嬬恋村、草津町(吾妻地域)、長野原町
主な使用食材 紅花いんげん
歴史・由来・関連行事
野菜やこんにゃく芋、フルーツなどさまざまな農畜産物を栽培している吾妻地域。中でも花豆とも呼ばれる花いんげん(紅花いんげん)は、中之条町、嬬恋村、草津町、長野原町などの高地で栽培されており、吾妻地域の特産品となっている。標高900m~1,300m、夏の冷涼な気候のみで育つ、大きな実のいんげん豆で、吾妻地域で作られるものは特に「高原花豆」と名付けられ、親しまれている。花いんげんの調理法としては、風味豊かな豆の味をそのまま味わえる「煮豆」にするのが一般的。あっさりとしつつも、ほのかな甘みが感じられる。花いんげんを乾燥させて保存しているので、食べやすくするために、やわらかく煮て仕上げる煮豆が根づいたとされている。花いんげんを使った料理も、その多くが煮豆にしてからのアレンジレシピとなっている。
食習の機会や時季
よく取れる特産品だからこそ、地域の祭りなどの行事や冠婚葬祭、おもてなしの際に供されている。また、吾妻地域では花いんげんの煮豆をおせちに入れることも。家庭によっては、収穫した豆を神棚に供えることもあるのだという。
飲食方法
洗って一晩ほど水に浸した花いんげんをたっぷりの水で数回煮る。その後、砂糖と塩で味付けして煮含める。煮汁から豆を取り出す際は、熱いうちに取り出すと表面にしわができてしまうので要注意。花いんげんの煮豆はそのまま食べられることが多いが、甘露煮や甘納豆、赤飯、ようかんなどのさまざまな料理にも活用されている。特に中之条町ではてんぷら、長野原町ではまきおはぎなどの郷土料理が親しまれている。
保存・継承の取組(伝承者の概要、保存会、SNSの活用、商品化等現代的な取組等について)
家庭で一般的に作られているが、近年は甘納豆や缶詰として加工され、観光客向けの土産物としても販売されている。また、「吾妻の花豆」をブランド化するため、吾妻農業事務所普及指導課では、「ベニバナインゲンPR動画」を制作。花いんげんの周知活動や栽培支援を行っている。
*https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/k_ryouri/search_menu/menu/32_15_gunma.html より
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