岡山市立市民病院 総合診療グループ(ER+GIM)

岡山市立市民病院の総合診療グループである『総合内科』と『救急総合診療科』の日常の雰囲気を伝えていきます。

卒研センター主催「M&Mカンファレンス」(2016/04/15)

2016-04-30 09:57:37 | 院内カンファレンス
こんにちは。Dr.Waveです。

4/15に2016年度の第1回目のグランドカンファである『M&Mカンファレンス』を開催しました。

今年度より金曜日の「ケースカンファレンス」と「M&Mカンファレンス」は卒後臨床教育研修センター主催となりました。
「OCH救命救急 M&Mカンファレンス」は、2016年度より「卒研センター主催『M&Mカンファレンス』」という名称に変更となります。


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今回のテーマは「患者確認」についてでした。

同姓同名の患者の潜在的可能性にどう対応するかについて議論しました。
途中から、名前の他に確認事項を何にするかということで話が進みました。
いろいろ意見が出ましたが、様々な場面に汎用性の高い「生年月日」がよいであろうということとなりました。

では「同姓同名」「同生年月日」の可能性についてはどうするか。
それについては患者さんとの会話の中に、過去のカルテ記録を参考に同一人物であることを確認できるような内容を盛り込む習慣を身につけるのはどうかと意見がでました。


つい先日岡山県倉敷市にある倉敷中央病院が中四国の病院で初めて「JCI」認定を受けました。
JCIとは「Joint Commission International」の略で、アメリカの医療分野における第三者評価機関「The Joint Commission」の国際版として1994年に設立されたNPOです。
患者の安全や医療の質向上が世界基準で組織的かつ継続的に取り組まれているかを審査して認定します。

このJCIの本質は医療の質と安全の担保です。
医療の質とは何か。
その病院スタッフが統一されたmissionを共有し均一な診療サービスを提供をできているかどうかということです。
一つの病院ながら誰が担当になるかで受ける診療サービスの質が変わることは最終的に質の低い病院組織と評価されます。

この医療の質のなかで最も重要事項となっているものに安全があります。
米国では多数の「Mr. Smith」さんがいるというお国事情もありますが、同姓同名のような潜在的なリスクに対して病院が組織的(システム的)な対策を立てているかどうかが重要です。

医療の質とは何か、患者の安全を守るシステムとは何か。
今後もM&Mカンファレンスを通して議論し身につけていきたいと考えています。