じぶんの足でたつ、それが教養なんだ

「われこそは」と力まないで、じぶんの歩調でのんびりゆったり歩くのがちょうどいい。

いまこそ、教師に

2007-03-17 | 随想(essay)
 文部科学省によると、国公立大学の一般入試の志願者数は昨年より1万6843人少ない48万8527人で、志願倍率も0・2ポイント下がり4・8倍だった。志願倍率を下げた学部が多い中、教員養成課程の学部の志願倍率は、昨年の4・9倍に比べ0・5ポイント低い4・4倍。2000年以降では最低の倍率で、志願者数も4万6814人と初めて5万人を切った。前期日程では、教員養成課程のある37大学38学部のうち、26学部で倍率が下がった。(yomiuri on line・07/03/16)
教師の仕事が大変であるのは当たり前なのに、そうでないと思っている人がたくさん教職についていないか。「教師の犯罪」の多様多彩ぶりをみれば、このことは明らかです。倍率が何倍になるかは問題外で、ようするに子どもと徹底的につきあう気がなければ、教師はやめた方がいい。一本の法律によって様変わりする部分は、じつは教育の表面であって、水中深くは少しも変わらない。子どもと真剣に向きあい、その子の仕合わせを祈るがごとくに交わろうとする人間の出番はそこにあるのです。
「デリケートな感能に生きる子ども達に、涸れはてた荒びぬいた、僻みきった、乾涸した感情を以て大人」が何とかできると愚かにも考えている現在の教育は、じつは教育でもなんでもないのであって、それは事務、それもまことにやり切れない事務になり下がってしまっているのです。温度や湿度に一喜一憂するような具合に、世の中の上っ面の風潮に足下を救われないような目と手と心をもちたいものです。