ヤフー、無料の連載漫画・1月から

2006年12月18日 | その他
 ポータル(玄関)サイト最大手のヤフーは来年1月、無料の漫画連載を始める。11月に休刊した少年コミック雑誌の連載を、ヤフー上での無料連載に切り替える。大手を含む他出版社とも無料配信の交渉を始めた。コミック雑誌は低迷しており、無料の電子雑誌を宣伝と割り切って読者を増やす需要が高まると判断した。ヤフーは有料の電子単行本(コミック)の拡販や、広告収入の拡大にもつなげる。
 電子コミック販売サイト「ヤフー!コミック」で来年1月15日から、ソフトバンクグループの出版社、フレックスコミックス(東京・港)の少年漫画雑誌「ブラッド」の連載漫画を無料で掲載する。20を超える連載を月―金曜日の毎日掲載し、各漫画の最新話を1カ月間読めるようにする。
 閲覧ソフト(ブラウザー)を使って、ページをめくるように読み進める。来年3月には、角川春樹事務所の映画「蒼き狼」のコミック版も無料配信するなど、新たな連載も追加する。
 ブラッドは4月に創刊された月刊誌で、実売部数は5万部弱。雑誌市場の低迷で採算が合わず11月に休刊。無料でも雑誌より赤字額を少なくできるネット配信に切り替える。約30万人の読者の獲得を目指す。フレックスは連載終了後、単行本にまとめ販売する計画。
 雑誌の作品をネットに掲載するのは1カ月間だけ。そのため続きや以前の話を読みたい読者を、有料の単行本や電子コミックの販売に結びつけられるとみている。
 ヤフー!コミックは約6000作品の電子コミックを販売するサイト。1巻300円程度で読める。旧作をデジタル化して販売しており、10月の利用者は前年同月比30%増と成長している。現在はパソコン向けだけだが、2007年度にはソフトバンクモバイルをはじめとする携帯電話にも対応する予定。
 電子コミックは手軽に読める携帯電話向けを中心に市場が拡大している。インターネット生活研究所では、電子コミックの市場規模は05年度に34億円で、「今後倍々ペースで拡大する」と予測している。出版科学研究所(東京・新宿)の調べでは、05年のコミック雑誌の推定販売額は前期比5%減の2421億円で、初めてコミックス(単行本)を下回った。