大日本印刷など、おすすめ情報を携帯端末に配信する基本システムを開発

2007年09月28日 | システム/アプリケーション/ソフト
現在地や時間から予測した行動に生活者の嗜好を加味した“街なか”の情報を配信


 大日本印刷株式会社(本社:東京 社長:北島義俊 資本金:1,144億円 以下:DNP)は、パロアルト研究所(*1)(以下:PARC)と共同で、生活者の現在地や時間、個々の嗜好に適した、“街なか”のお奨め情報を携帯端末に配信する基本システムを開発しました。


【背景】 
 現在、携帯端末は通話やメールなどのコミュニケーション手段としてのみならず、モバイルサイト・Webサイトの閲覧やコンテンツのダウンロードといった情報収集の手段として広く活用されています。また、携帯端末の普及に伴い、情報の利用シーンが屋内だけでなく屋外へも拡大しています。DNPは、このような動向に応えて、さまざまな先進的技術の研究実績を有するPARCと共同で、携帯端末を活用した”街なか”での情報利用を促進するため、生活者の状況に合わせて適切な情報を配信するシステムの開発を2005年より進めています。本システムの利用により、生活者は、自ら情報を検索することなく、最適なタイミングで、状況に適した情報を入手することができるようになります。 


【システムの概要】
 携帯端末のGPS(*2)などにより得られる生活者の位置情報や時間といったコンテキスト情報(*3)を用いて、“街なか”の「食べる」「買う」「見る」「遊ぶ」といった行動から、確率が高いものを独自のアルゴリズムで予測します。さらに、予測した行動に関わる店舗やイベントなどの情報の中から、あらかじめ登録された生活者の嗜好、閲覧履歴などに合ったものを選別し、推薦情報として携帯端末に配信します。
 生活者は、携帯端末に、必要なアプリケーションをインストールし、自分の嗜好を登録すれば、このシステムを利用することができます。
 推薦情報は、生活者の嗜好に合った順番で携帯端末上に一覧表示されます。
一覧表示だけでなく、店舗やイベント会場などの位置を地図上へ表示することも可能です。
 行動や時間、場所を選択すると、その条件に合わせた情報の閲覧も可能です。


【今後の展開】
 DNPは、今回開発した基本システムをプロトタイプとして、2008年初旬より、“街なか”での情報配信を行う実証実験を予定しています。また、2009年の事業化を目指し、国内の店舗・出版社・通信キャリア・携帯端末機メーカーとの協業を積極的に推進していきます。 


(*1) パロアルト研究所(PARC):
 Palo Alto Research Center 本社:米国・カリフォルニア州 CEO:マーク・バーンスタイン。物理学、コンピューター、生物学、社会科学などの分野で研究・開発を行っている。米国ゼロックス社の研究施設として、1970年に開設され、2002年に法人組織として独立。レーザープリンタ、分散コンピューティング、イーサネット、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)、オブジェクト指向プログラミング、ユビキタス・コンピューティングといった革新的な技術を開発・提唱したことで知られている。
 http://www.parc.com/

(*2) GPS(Global Positioning System):
 人工衛星を利用して位置を測定するシステム 

(*3) コンテキスト情報:
 「コンテキスト」とは「文脈」の意。ここでは生活者がおかれている状況に関する情報を指し、プログラムの判断材料となるもの。