終盤は面白かったけれど、前半の展開が遅くて、いくぶん退屈だった。
戦前の場面のはずなのに、「小学校」とか「中学校」という言葉が使われているのは、いかがなものか。
せいぜい中学1年、というより小学校高学年ぐらいの男の子が「中学校」に通っている。旧制中学校とは思えないし。
そもそも、主人公は、終戦直後(おそらく、敗戦から数日後)から過去を回想しているはず(ネタバレ?)。
そこに、いまの「小学校」「中学校」を持ち込むのは、どうなんだろう。日記が偽書というわけじゃあるまいし。
さらに言うなら、終戦直後にもかかわらず広島や長崎に原爆が落ちたのを知っている。「町を根こそぎなくして、市民のほとんどが死に絶え、毒がばらまかれて、今後五十年は草も生えない」とか。
また、「技術者だった夫は、大和に乗ったまま敵艦隊とまみえることなく海に沈みました」とか。この主人公も、なにか特殊能力を持っているのだろうか、、、、。
物語としては、おもしろかったのだけど、こうした小さいことに引っかかってしまった。星はつけられません。