おやぢタイプ

音楽とマラソンと、時々、映画と府中

デュエッツ II / トニー・ベネット (Duets II / Tony Bennett)

2011-11-13 22:25:21 | Music
JAZZ

現在のアメリカを代表するポピュラー・ジャズ・ヴォーカリスト、トニー・ベネットの新作『デュェッツ II』がリリースされた。
トニー・ベネットは15度ものグラミー賞獲得している大御所中の大御所。
今年85歳の超ベテランがさまざまなジャンルで活躍する著名なヴォーカリスト達とデュエットするというのが本作の企画。

実は 5年前、80歳のトニーは『DUETS: アメリカン・クラシック』というデュエット・アルバムをリリースしている。
このアルバムは彼の最大のヒットアルバムとなったらしい。
果たして、2匹目のどじょうとなるのか?

しかし、とにかくゲストがスゴイ!
曲順に紹介すると、レディー・ガガ、ジョン・メイヤー、エイミー・ワインハウス、マイケル・ブーブレ、k.d.ラング、アレサ・フランクリン、シェリル・クロウ、ウィリー・ネルソン、クイーン・ラティファ、ノラ・ジョーンズ、ジョシュ・グローバン、ナタリー・コール、アンドレア・ボチェッリ、フェイス・ヒル、アレハンドロ・サンス、キャリー・アンダーウッド、マライア・キャリー!
更に日本盤ボーナストラックにジャッキー・エヴァンコ、ジュディ・ガーランド!
洋楽ファンならいずれもご存知のビッグネームばかりだ。

こんな豪華なゲストを集められる人はアメリカの音楽界にはそうそういないだろう。
これらのそれぞれ畑の違うヴォーカリストとスタンダードなジャズを歌うのだ。

録音は生バンドの演奏に合わせて、二人で歌うという昔ながらの方法が取られている。
あらかじめ録音されたオケに歌を載せているわけではない。
アドリブとかも入るので、その都度異なる仕上がりになる。
こういった録音方法に慣れていない若手もいるが、トニーはその時その時のライブ感にこだわったのだろう。

しかし、85歳のトニーが元気だし、その声がなんと艶やかなことか!
人は85歳でこんな色気のある歌を歌えるのか、これ自体が驚異だ。

ゲスト・ヴォーカルもそれぞれの持ち味を出しつつ、楽しんで歌っている。
個人的に一番驚いたのはアルバムトップに収録されたレディ・ガガとのデュエットとなる「ザ・レディ・イズ・トランプ」。
彼女のジャズ・ボーカルが非常にいいのだ。
もともと歌唱力のあるアーティストだが、こんなにジャズがはまるとは予想してなかった。
アルバムの中で唯一のアップ・テンポ・ナンバーで、掛け合いも楽しく、微笑ましい。
本作収録曲の中では一番のお気に入りだ。

ほかにも7月に27歳の若さで亡くなったエイミー・ワインハウスとのデュエットも収録されている。
これは3月にロンドンで録音されたものらしく、貴重な作品となっている。

レディ・ガガとの曲以外はどれもしっとりとした仕上がりになっている。
他の曲で好きなのは、クラシック界のアンドレア・ボチェッリとの「ストレンジャー・イン・パラダイス」。
男性同士のデュエットになるが、アンドレア・ボチェッリのストレートで伸びやかな声が印象的。
他に女性ラッパーの草分けで女優でもあるクイーン・ラティファとのデュエットの「フー・キャン・アイ・ターン・トゥ」もいい。

今回、DVD付きの初回限定版を購入したが、約30分のメイキングが収められているDVDがまたいい。

参加アーティスト達が心底、トニー・ベネットをリスペクトしていて、彼と共演出来たことを喜んでいることがよく伝わってくる。
最初は大御所がその地位を利用して、豪華ゲストを集めてきたんじゃないの?なんて考えてましたが、大変失礼しました。
それだけ偉大なアーティストなんだと改めて実感しました。

収録曲のPVをリンクしたので、85歳の艶やかな声をしばし楽しんで欲しい。
言うまでもないが、このアルバムも大ヒット間違い無しだね。


お気に入り度: 


Tony Bennett & Lady Gaga - The Lady Is A Tramp


Tony Bennett & Amy Winehouse - Body And Soul


Tony Bennett & Andrea Bocelli - Stranger In Paradise


Tony Bennett, Norah Jones - Speak Low



最新の画像もっと見る

コメントを投稿