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MAGNATIC / STEPS AHEAD

2007-09-03 00:31:07 | Music
JAZZ

マイケル・ブレッカーとマイク・マイニエリが率いるフュージョンバンド"STEPS AHEAD"のアルバム「MAGNATIC」がリマスター盤としてリリースされた。
これは1986年にリリースされたアルバムで、日本国内では初CD化らしい。
リリース当時友人からこの輸入版CDを借り、カッコいいサウンドに魅了され、超お気に入りの1枚となった。
あれから10年ぐらいCDショップ等でこのアルバムを探し続けていたが、ついに見つからず・・・。
事実、この間まで中古マーケットではこの輸入版CDが1万円以上のプレミアがついていた。
まさに待望のリリースだ。

もともと彼らは"STEPS"という名前でアコースティック・ジャズ・グループとして活動していた。
その後電子楽器を積極的に利用し、フュージョンバンドとして活躍するようになる。
アメリカ国内には"STEPS"というバンドが既にいたため、その後"STEPS AHEAD"と改名した。
アコースティック時代の彼らの音楽も好きだったが、このアルバムは結構衝撃的だった。
自分が知っていたサウンドとは全然違ったし、スタイナーホーンと呼ばれるシンセサイザーサックスやシンセヴァイブなどが多用され、とてもクールでカッコ良かった。

改めて久しぶりに聴くと今でも全く古さは感じず、とにかくシビれるの一言。
特に大好きだった1曲目の"Trains"や2曲目の"Beirut"は今聴いても鳥肌ものだ。
"Trains"はノリのいいアコースティック・ギター・カッティングをバックに、マイケルとマイクのダブルシンセによるテーマがとても印象的な曲だ。
この曲で聴けるマイケルのテナーソロはのびのびとしていて非常に気持ちいい。
またエンディング近くで聴けるハイラム・ブロックのギターソロもハードロックテイストにあふれカッコいい。
一転2曲目の"Beirut"はテンションの高い曲で、タイトル通りちょっと中近東風なテーマで始まる。
この曲ではマイケルは終始スタイナーEWIを使っており、ソロでもこの新しい楽器の魅力を存分に引き出している。
最初の一音がサンプリングしたオーケストラヒット! くぅー、シビれるなぁ。
当時簡易保険ホールで彼らのライブを観たが、マイケルがスタイナーでこの音を出した瞬間、鳥肌が立ったのを今でも覚えている。
この時の演奏は"STEPS AHEAD LIVE"としてレーザーディスクでリリースされており、
プレイヤーも持ってないくせにこのディスクを買っていた。(友人にビデオに録画してもらいましたが・・・。)
この曲、マイクのヴァイブソロもかなりいいんだよね。

改めて聴き直すととリズムを支えているドラムのピーター・アースキンとベースのビクター・ベイリーのコンビネーションが素晴らしいことを発見した。
ともに"Weather Report"出身だが、在籍時期が違ったので一緒に演奏することは無かった。
職人的なブラシワーク等渋い演奏を披露していたピーターだが、ここではクールでエッジの効いたプレイが聴ける。
こういうプレイもするんだ・・・と新鮮な驚きを感じた。
ピーターとビクターの組み合わせは意外だったが実にシックリきている。

他にもダイアン・リーブスがボーカルで入った"Magnetic Love"やマイケルとマイクのデュオによるデューク・エリントンの"In a Sentimental Mood"など聴き所満載のアルバムだ。

マイケル・ブレッカーは数年前に白血病で他界してしまったので、もう彼の新しい演奏は聴けない。
また一人偉大なプレーヤーが逝ってしまい、つくづく残念だ。

フュージョン好きでまだ"STEPS AHEAD"を聴いたことないアナタ、このアルバムはすごくオススメですよ。
期間生産限定らしいので、また無くならないうちにお早めにどうぞ。


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