おやぢタイプ

音楽とマラソンと、時々、映画と府中

RIVER the joni letters / HERBIE HANCOCK

2007-12-16 23:50:48 | Music
JAZZ

本作はジャズ・ピアニスト、ハービー・ハンコックが女性シンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルに捧げたオマージュアルバムだ。
今年は他ににプリンス、エルビス・コステロ、ビョーク等のアーティストによる『トリビュート・トゥ・ジョニ・ミッチェル』と言ったアルバムも出ている。
こちらも非常に興味を惹かれるが、なぜ今ジョニ・ミッチェルなんだろうか?
調べてみたら、2002年に引退宣言したジョニ・ミッチェルが今年5年ぶりに復帰し、新作を発表していた。
そうか、彼女の復帰をみんな歓迎していたのか。

実は大好きなベーシスト、ジャコ・パストリアスが彼女のアルバムに参加していた時期があり、その関係でアルバム数枚とライブDVDも持っている。
ギターによる弾き語りで、当時はフォークとジャズが混ざったようなサウンドだったが、ズシンっと、しかもストレートに心に響く作品が多かった。
彼女の作品とジャコのメロディアスな美しいベースとの相性が素晴らしく、好んで良く聴いていた。

そのジョニ・ミッチェルに敬意を表して、ジャズ界の巨匠ハービー・ハンコックがオマージュ・アルバムを創ったとなると非常に興味深い。
本作はハービー・ハンコックにとっても、9年ぶりのアコースティック・ジャズ作品となるらしい。
ほとんどがジョニの曲をカバーしていて、ゲストボーカルを迎えた曲も5曲ある。
ジョニ自身もゲストボーカルとして1曲参加しており、他にノラ・ジョーンズやティナ・ターナー、コリーヌ・ベイ・レイなどが名を連ねる。

聴いてみたらジャズアルバムとして非常に素晴らしい作品であることが分かった。
とにかくハービーのピアノが非常にいい。
彼の作品は結構聴いているし、ジャズ・フェス等でも生演奏を何度も聴いているが、これはその中でもかなり素晴らしいと言えるのではないか。
ジョニの世界観を崩さず、ハービーらしい美しくテンションの高いピアノ演奏により、見事なジャズの作品に昇華している。
盟友、ウェイン・ショーターのサックスがこれまたスゴクいい。
まるでハービーの演奏に触発されているかのようだ。
ノラ・ジョーンズのジャージーなボーカルはジョニ作品になかなかマッチしている。
ソウルフルなティナ・ターナーのボーカルはジョニ作品に一味違うテイストを与えている。
ジョニ自身が歌っている曲を聴くと、これぞまさしくジョニ・ミッチェルという感じで、不思議な安堵感がもたげるが、ここでもハービー・ハンコックの洗練されたピアノは作品にモダンなテイスト与えている。

本作は久しぶりにハービーの偉大さを再認識させられたアルバムだ。
ジョニ・ミッチェル・ファンなら絶対オススメの一枚だが、純粋なジャズアルバムととしても、かなりクオリティの高い作品だと思う。
彼のアコースティックジャズ作品を心待ちにしていた方、即聴くべし。

お気に入り度: 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿