夫婦でシネマ

夫婦で見た映画と、個別に見た映画について感想をかいてます。全て映画館で見た映画で、ミニシアター系の映画をたくさん紹介!

スピード・レーサー

2008年07月11日 | さ行の映画
Story
レーシング一家に育ったスピード(エミール・ハーシュ)は、レース事故で死んだ兄の遺志を継いでレーサーとなり、地元のレースでぶっちぎりの優勝を果たした。その才能に目をつけたローヤルトン(ロジャー・アラム)からスポンサーの申し出を受けるが、家族と共にレースに出ることを望みこれを断る。するとローヤルトンの態度が一変、すべてのレースは八百長で、スピードは勝てないと言い放つ。その言葉を証明するようにレースでの妨害が始まり…。(goo映画より)
2008年/アメリカ/ラリー・ウォシャウスキー  アンディ・ウォシャウスキー監督作品





評価 ★★★★

『マトリックス』のウォシャウスキー兄弟が日本アニメの『マッハGoGoGo』を実写化!

インディアナ・ジョーンズにCGは合わないけど、最初からCGありきで作られたこの映画ではまったく違和感がありませんでした。キャラクター、ストーリー、そして何より映像がアニメ感覚で仕上げられていて、特に一番ハマっていたのはクリスティーナ・リッチですね。リッチはもともとアニメキャラみたいな顔立ちと体型ですが、その個性が引き立てられてマンガチックで可愛かったです。

ドラマ部分が意外にしっかり描かれているので、カーアクションも盛り上がりました。単にレースに勝ちたい!という願望だけではなく、八百長試合をからめて、どうしても勝たなければならない!という動機付けがはっきりしているからですね。
そのレースシーンは派手ではありますが、意外と迫力は感じられません。やはりCGだと、金属の車体が軋むような重量感をうまく表現出来ないためだと思います。しかしこれは、マシンのありえないアクションを楽しむ映画であって、リアルなカーアクション映画とは全く種類がちがうので、これはこれで良いと思いました。

ところで、レーサーXのコスチュームは「デスレース2000年」でデヴィット・キャラディーンが演じたレーサー;フランケンシュタインになんとなく似てました。確かに、車に武器を搭載してレースをするというのは「デスレース」的ではあります。カーレースの基を辿れば「ベン・ハー」で描かれた戦車競争に行き着くとすれば、変にスポーツマンシップを気取ってレースするよりも、なんでもありの格闘技にしてしまった方が潔くて気持ちが良いかも。





評価 ★★★★

主役のスピードには数百人に及ぶ俳優から選ばれた期待の新星エミール・ハーシュ!

想像していたよりずっと面白かったです。というのは、アニメの実写化とはいえ、ストーリーの中に人間ドラマがしっかりと描かれていたからだと思います。CGをふんだんに使った映像もすごく良くて、ポップな感じの色彩が、この映画の世界観ととてもマッチしていましたね。

「マッハGoGoGo」が放映されていた時は私は生まれていなかったので、このアニメはちらっとしか観たことがないのですが、キャラクター、車のデザインといい、映画でもそのまんまアニメのとおり表現されていたのは、日本人から見ても嬉しかったです。ウォシャウスキー兄弟のこの日本アニメへの愛情が伝わってくるような感じがしましたね。特に、クリスティーナ・リッチがハマり役で、髪型も日本アニメのヒロインとまったく同じだったのが嬉しかった♪

カーアクションは、CGで表現されているとはいえ、やはり迫力があって見応えがあります!そのなかでも、スピードが家族の窮地を救うために出場した「カーサ・クリスト・ロードラリー」のシーンは、カー同士のぶつかり合いが凄まじくて、いちばん迫力がありました。スピードがなんとか相手の攻撃をかわしてゴールするシーンがあるのですが、その時のスピードのポーズが「マッハGoGoGo」の主人公のおなじみのポーズとかぶるものがあって、なんともアニメチックなところが可笑しかったです。

また、レーサーXがスピードに向かって言うセリフがとても良かったですね。「なんのためにレースで走るのか?それは駆り立てられるからだ。走る理由を見つけたときの君の顔が見たい。」(たしか、こんなようなセリフでした。^^;)なんか、グッとくる良いセリフだったんですよね。

このセリフで、村上隆さん著の「芸術企業論」での一節を思い出しました。彼が言うには、(カーレーサーでも芸術家でも)なにか一つのことを極めた人物が頂点に立った時に(もしくは成功した時に)、その人にしか見れない景色というものがあるのではないかと、その「何か」を知りたいがために、人は突き動かされるのではないかと、というものなのですが、まさに私にとってこの一節を思い起こさせてくれた良いセリフでしたね。

冒頭で人間ドラマがしっかりと描かれていたと書きましたが、この映画がカーレースだけではなく、どちらかというと家族の絆に焦点を当てて描かれていたことに好感が持てました。
映像は近未来的ですごく新しい感じがするのに、ストーリーはどちらかというと70年代のドラマを見ているような感じで、すごくレトロなんですよ。新しいものと古いものが見事に融合した面白い映画でした。


映画『スピード・レーサー』公式サイト


(「スピード・レーサー」2008年7月 長野 岡谷スカラ座にて鑑賞)

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2 コメント

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お久しぶりです (KGR)
2008-08-03 11:49:54
面白かったですよね。

アメリカでは散々でしたが、
日本では受けてほしい映画でした。

評論家の皆さんの影響なのかどうか知りませんが、
あまり当たっていないようで残念です。
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こちらこそお久しぶりです (wanco)
2008-08-03 19:39:24
KGRさん、こんばんは。

コメとトラバ、ありがとうございました。
YOKOHAMAタイヤもタイアップしたのに当たらなくて残念でした。
だけど、wancoもnyancoもこの映画はとても楽しめて、アニメの世界観にどっぷり浸った感じでした。
あらためて、オリジナルのマッハGoGoGoは時代を経ても遜色のない、よく出来たアニメだったんだなと感心しました。
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