オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

●4月句会全作品

2007-04-15 09:43:38 | 4月句会
■2007年
■4月句会全作品
□下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/npo_suien126/


投句箱

■4月句会/4月15日(日)のご案内■

2007-03-27 18:11:37 | 0704月
選句箱
投句締切。選句をお願いします。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:4月14日(土)、句会前日の午後6時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。4月句会は、春の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。

★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:4月15日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。

★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。

■主宰・選者: 高橋信之
■副主宰・選者: 高橋正子
■事務局:臼井虹玉
■ITスタッフ: 池田多津子・多田有花

NPO法人水煙ネット事務局

3月句会ご挨拶とお礼

2007-03-18 10:20:15 | 3月句会
■□3月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会副主宰)
今日の横浜は朝からお彼岸らしい気持のよいお天気になりました。このところの冷え込みも幾分やわらいだように思えます。桜もまもなく咲き始めることでしょう。ご多用の中、オンライン3月句会にご参加くださいまして、投句、選、コメントにいたるまで、ありがとうございました。早春の明るい句に出会い気持がリフレッシュでき、あすからの元気をいただきました。

主宰の信之先生、また句会の作業等を担当くださいました、多津子さん、有花さん、虹玉さん、大変お世話になり、ありがとうございました。今月の特別選者として、野田ゆたかさん、おおにしひろしさん、祝恵子さん、志賀たいじさん、選句とコメントをありがとうございました。これでオンライン3月句会を終わります。また、来月をたのしみにご健吟ください。

■□3月句会ご挨拶/池田多津子(管理・集計)
今朝は冷え込みましたが、今日の愛媛も暖かな彼岸の入りとなりました。3月句会には、44名の方の投句、そして、そのほとんどの方に選をいただき、ありがとうございました。入賞の皆様、おめでとうございます。年度末を迎え何かとご多忙の方もいらっしゃることと思います。これから一日一日と暖かくなってくると思いますが、皆様お元気でお過ごしください。
 3月句会は、高橋信之先生、正子先生のご指導のもと、多田有花、臼井虹玉、池田多津子の3人のチームでお世話いたしました。

3月句会入賞発表①

2007-03-18 10:18:10 | 3月句会

■3月句会
□2007年3月18日

【金賞】
★男らの胸まで浸かり蓮を植う/宮島千生
蓮は、泥田や浅い溜池などに植えられる。乾かないことと、日当たりがよいことが条件なので、自然深い泥に植えられる。胸辺りまで泥に浸かって植える仕事は、やはり男の仕事といえる。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★丘一つ芽立ち始めし木のいろに/おおにしひろし
なだらかな丘であろう。丘全体が芽吹き染めた木のいろとなって、やわらかな早春の景色をなしている。「丘一つ」がいい。(高橋正子)

★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
若布を海から今採ったところ。一抱えの若布を波間から採って現れた。海は静かなようでも、春先の風に波立っている。たくましい海辺の生活が知れる。(高橋正子)

【銅賞/4句】
★その先に水のまぶしさ犬ふぐり/藤田洋子
犬ふぐりが咲いている先には、川が流れているのか、きらきらとした池があるのか。反射する水の光りがまばゆいほど。犬ふぐりの青と水の取り合わせが清潔。(高橋正子)

★菜の花を残して畝の新たなる/碇 英一
菜の花は今まっさかり。そこを残して、ほかは耕され、新しい畝が作られ、植えものの準備が調った。菜の花は種を採るためかもしれないが、そこに咲かせたままにする気持がやさしい。(高橋正子)

★新刊の図書を抱きて春風に/多田有花
新刊の図書には、本の匂いがして、これから読もうとする気持を高めてくれる。買い求めた新刊書をもって、春風のなかにいることは知的なよろこび。(高橋正子)

★退院の日は雑踏の春であり/中村光声
退院となった日に、雑踏を歩いてゆかねばならなかった。静かな入院生活から、一度に明るい雑踏に踏み出した戸惑いが、「雑踏の春」を眩しんで詠まれた。(高橋正子)


【高橋信之特選7句】
★燦々とミモザ溢るるガラス越し/池田加代子
「燦々と」に作者の実感がある。「ガラス越し」であれば、それは生活の実感で、嘘のない句。 (高橋信之)
部屋からガラス越しに見えるミモザは、外の直接の光りで見るのと少し違って、「燦々と」輝いて見える。それを捉えて感覚がいい。(高橋正子)

★地下茎を深く沈めて葦芽ぐむ/藤田洋子
★新刊の図書を抱きて春風に/多田有花
★丘一つ芽立ち始めし木のいろに/おおにしひろし
★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
★男らの胸まで浸かり蓮を植う/宮島千生
★菜の花を残して畝の新たなる/碇 英一

【高橋正子特選7句】
★ふらここの夜には夜のたたずまい/臼井虹玉
ふらここは、ブランコ。昼間は子どもたちに楽しげに揺られていたのに、夜は静かに垂れて動くこともない。ひとつのブランコが昼は昼の、夜は夜のたたずまいであることの発見がある。(高橋正子)

★その先に水のまぶしさ犬ふぐり/藤田洋子
★新刊の図書を抱きて春風に/多田有花
★丘一つ芽立ち始めし木のいろに/おおにしひろし
★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
★退院の日は雑踏の春であり/中村光声
★男らの胸まで浸かり蓮を植う/宮島千生


【野田ゆたか特選7句】
★電車の音遠くに聞いて朝寝かな/多田有花
寝心地のよい今の時期、遠音を聞きながらうつらうつらされている作者。暖かな穏やかな景が広がってきて好きな句です。(野田ゆたか)
 
★菜園の手許離れぬ紋白蝶/渋谷洋介
★辛夷咲く伊予路しずかに日が暮れて/おおにしひろし
★ものの芽の影育ちおり雑木山/大給圭泉 
★そこにだけ明るき光菫草/古田けいじ
★舟唄や霞の下を最上川/阿部昭
★願いつつ初蝶に遇いし嬉しさよ/大山 凉

【おおにしひろし特選7句】
★御空よりひかり零して初蝶来/中村光声
初蝶が陽光の中で飛んでいる。中句が蝶を見た喜びと共に、春の到来を感じ取った作者の実感を強めた。(おおにしひろし)

★自由という高さに舞えり春の鷹/古田けいじ
★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
★入学や節目ふしめに撮る写真/湯澤まさえ
★春泥に幼なき思い踏んでみる/志賀たいじ
★旅立つ子見送る駅舎なごり雪/大山由起
★角の無き男鹿ひっそり竹の秋/安丸てつじ

【祝 恵子特選7句】
★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
海の中よりざばざばと現れる、若布を抱き滴らせながら、力強さに惹かれます。(祝 恵子)

★供花挿してしばし鶯聞く山に/藤田洋子 
★春雷やくるりと廻る紙飛行機/篠木睦 
★ふくらみそむはなのつぼみのなかやすみ/堀佐夜子
★海猫連れて流氷群の戻り来る/大山由起
★天籟とあるいしぶみが花の下/清水清正
★末黒野の若草山に萌ゆるもの/安丸てつじ

【志賀たいじ特選7句】 
★その先に水のまぶしさ犬ふぐり/藤田洋子
身近にある犬ふぐりの向うにある水のひかりへの透明感ある詠みに惹かれました。(志賀たいじ)

★ふらここの夜には夜のたたずまい/臼井虹玉
★丘一つ芽立ち始めし木のいろに/おおにしひろし 
★波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子 
★囀りに風来て風と去りゆける/高橋信之
★角の無き男鹿ひっそり竹の秋/安丸てつじ
★菜の花を残して畝の新たなる/碇 英一

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

3月句会入賞発表②

2007-03-18 10:17:50 | 3月句会
■3月句会
□2007年3月18日

【入選Ⅰ/10句】
★初音聞くシーツ真白く干し終えて/黒谷光子
シーツを干し終えた時鶯の初音が何処からともなく聞こえた。春の光が満ち満ちて、幸せな朝。真白の措辞が効いている。(古賀一弘)

★啓蟄の土にきのうの雨の色/矢野文彦
きのうの雨で、大地は黒々としてやわらかい。啓蟄という日への思いの感じられる御句だと思います。(臼井虹玉)

★茶畑の高さを山の風光る/あみもとひろこ
山の斜面に作られた茶畑、丸く刈り取られた茶の木の並びに春の日差しがあたり、おおらかな明るさを感じさせてくれます。(多田有花)

★真っ先に明るさとなる花菜かな/木村 修
春の特徴はなんといってもその光のまばゆい明るさ。中でも花菜の眼の覚めるような黄色を見るとき、その思いを強くします。「真っ先に」という言葉に作者の喜びがあふれています。(多田有花)

★卒業式門出に降りし初の雪/飯島治蝶
暖冬異変の今年でしたが、ようやく春になっての初雪。まるで教え子たちの門出に間に合うように降ってくれた雪に、作者の万感の思いが重なっています。(多田有花)

★ものの芽の影育ちおり雑木山/大給圭泉
冬の終わりごろ、枯一色だった雑木山も春が進むにしたがい少しずつ、本当に少しずつ色の変化が現れています。(多田有花)

★パンジーを水に浮かせて玄関に/祝 恵子
レストランでテーブルにお花だけを入れたボウルが出されていることがあります。パンジーのカラフルな花びらの色が目に浮かびます。さらりと詠まれて素敵な句です。(多田有花)

★そこにだけ明るき光菫草/古田けいじ
菫はほんとうにこういう雰囲気を持っています。光を集めて山路に咲いている、そんな印象です。(多田有花)

★川瀬行くいたどり紅く土を割る/丸山草子
川沿いに歩いていて、いたどりが芽を出しているところを目にされたのでしょう。春を感じますね。細やかな観察が生きた句です。(多田有花)

★辛夷咲く空を木立をカンバスに/笠間淳子
白い辛夷の花が青空を背景に咲きそろいました。花の色、空の色が眼前に浮かぶような印象を受けます。(多田有花)

【入選Ⅱ/20句】
★野火走り半鐘乱打や草千里/古賀一弘
広々とした野の枯草を焼く。中七に燃え広がる勢いがある句です。これからが、本格的な春。作者の春らしい春を待つ気持ちが伝わってきます。(飯島治蝶)

★草餅やローカル線の親子連れ/阿部 昭
のんびりと走るローカル線の車内で草餅を食べる親子連れに家族の温かみを感じます。(高橋秀之)

★春の花舗色とりどりの野の様を/藤田裕子
★あたたかやゼンマイ時計正午指す/甲斐ひさこ
★きらめきて大き蛇行を春の川/松原恵美子
★堤防の花菜燃え立つ筑後川/國武光雄
★菜園の手許離れぬ紋白蝶/渋谷洋介
★花菜の黄絵の具流れて宵の酒/小河原銑二
★朝の間の雨は続かず暖かし/野田ゆたか
★地虫出でコンクリートへ濃ゆき影/尾 弦
★新聞の片隅飾る梅便り/高橋秀之
★雪柳風に吹かれて花こぼす/堀佐夜子
★野も丘も春光溢れコッツウオルズ/河野渓太
★子らの声土捏ね繰りて水温む/滑川けい子
★大三角の星座きらめき春の空/湯澤まさえ
★天籟とあるいしぶみが花の下/清水清正
★春寒や風にさからい地虫出づ/吉川豊子
★末黒野の若草山に萌ゆるもの/安丸てつじ
★春の夜に波の音のみ聞こえけり/友田 修
★黄の風の高きに揺れて竹の秋/大山 凉

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

選者詠

2007-03-18 10:17:25 | 3月句会
■選者詠/高橋信之
★春浅き声を残して子ら去りぬ
★寺苑ひろびろ空に桜の芽を散らし
★囀りに風来て風と去りゆける
生命の繁殖期を告げる小鳥の囀りが、一陣の風と共に去ってしまった。新しい場所を求めてか、作者の心象風景が重なる。(中村光声)

■選者詠/高橋正子
★大樹なる藪の椿の紅ほしき
★囀りのサムシサムシと高枝に
★諸葛菜摘み帰りては濃むらさき

互選集計結果報告/3月句会

2007-03-18 10:17:06 | 3月句会
■互選高点句/池田多津子集計

17点 波間よりざばと若布の抱かれ来る/池田多津子
12点 その先に水のまぶしさ犬ふぐり/藤田洋子
10点 男らの胸まで浸かり蓮を植う/宮島千生
 8点 丘一つ芽立ち始めし木のいろに/おおにしひろし
 8点 春泥に幼なき思い踏んでみる/志賀たいじ
 8点 児らが皆ガリバーとなる蝌蚪の池/宮島千生
 8点 菜の花を残して畝の新たなる/碇英一
 7点 新刊の図書を抱きて春風に/多田有花
 7点 自由という高さに舞えり春の鷹/古田けいじ
 7点 舟唄や霞の下を最上川/阿部昭


選句箱

3月句会全作品

2007-03-18 10:16:44 | 3月句会
■2007年
■3月句会全作品
□下記のアドレスをクリックしてご覧ください。
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投句箱

■3月句会/3月18日(日)のご案内■

2007-03-13 09:32:44 | 3月句会
投句箱
※投句は終了しました。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:3月17日(土)、句会前日の午後6時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。3月句会は、春の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。

★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:3月18日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。

★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。

■主宰: 高橋信之
■選者: 高橋正子
■事務局:臼井虹玉
■ITスタッフ: 池田多津子・多田有花

NPO法人水煙ネット事務局

2月句会ご挨拶とお礼

2007-02-18 15:29:31 | 2月句会
■□2月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)
オンライン2月句会をお楽しみいただけましたでしょうか。今年は、暦の上だけでなく、例年になく暖かい日が続いています。観梅や、草木の芽を見る楽しみ、また外出の楽しみも増えていることでしょう。今月の句会には、そんな句が多く、楽しませていただきました。投句に始まり、選、コメントをいただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。それぞれ方の選を読む楽しみも加わり楽しい句会となりましたことを、お礼申し上げます。
今月の特別選者として、藤田裕子さん、安丸てつじさん、堀佐夜子さんをお願いいたしました。お三方、どうもありがとうございました。信之先生には選ならびに句会運営にあたり、お世話になりました。多津子さん、虹玉さんにもご協力いただきました。ありがとうございました。これで、オンライン2月句会を終わります。
来月のオンライン句会を楽しみに、ご健吟ください。

■□2月句会ご挨拶/池田多津子(管理・集計)
第76回2月オンライン句会を開催しましたが、47名の方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。入賞の皆様おめでとうございます。今年は比較的暖かい日が続いていますが、全国各地の「春」を感じる多くの佳句に出会うことができました。選句にも37名の方が参加され、すてきなコメントもいただき、ありがとうございました。希望あふれる春が近づいて参ります。皆様、お健やかにお過ごしください。ありがとうございました。

今月は、高橋正子・臼井虹玉・池田多津子の3人のチームでお世話をいたしました。(2007年2月18日)

2月句会入賞発表

2007-02-18 11:40:02 | 2月句会
■2月句会
□2007年2月18日

【金賞】
★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

★雪解けの風吹き変わる奥信濃/池田加代子
奥信濃が効いている。雪解けの風が、ある時吹き変わる。奥信濃の独特の風の変化を敏感に捉えている。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★春雲を引き寄せ海の真青なる/臼井虹玉
海の平らかな青に、引き寄せられるように、海に近く浮かぶ春雲。大きく伸びやかな景色が明るい。(高橋正子)

★白梅の白くっきりと日を返し/渋谷洋介
「くっきりと日を返し」に、白梅がさんさんと日を浴びて、汚れなく咲いている姿が読み取れる。(高橋正子)

★菜の花や高階の窓灯りゆく/堀佐夜子
抒情のある句。菜の花が咲き、高階に住む人たちの窓々にも灯がともりだす。「灯りゆく」は、あの窓、この窓に灯が灯ってゆく時間の経過が詠まれた表現で、読み手の心にも、菜の花のような灯りをともしてくれている。(高橋正子)

※選者詠は、金銀銅賞から割愛しました。

特選7句

2007-02-18 11:37:08 | 1月句会
【高橋信之特選7句】
★港湾の動きに満ちて春浅し/高橋正子
「港湾の動き」は、様々だ。船舶の動き、海水の動きは、もちろんのこと、桟橋での人の動きもある。「満ちて」に春であることを感じ、春浅き「港湾」の風景を詠んだ。(高橋信之)

★春雲を引き寄せ海の真青なる/臼井虹玉
海の平らかな青に、引き寄せられるように、海に近く浮かぶ春雲。大きく伸びやかな景色が明るい。(高橋正子)

★これよりは大阪春橋風光る/祝恵子
大胆に言い切ったところがいい。「これよりは大阪」である。「風光る」大阪である。(高橋信之)

★白梅の白くっきりと日を返し/渋谷洋介
「くっきりと日を返し」に、白梅がさんさんと日を浴びて、汚れなく咲いている姿が読み取れる。(高橋正子)

★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声
日本では、アラビア文字は馴染みがない。手書きでも活字でも右から左に横書きし、文字と文字を漢字の草書のように続け書きにする。「アラビア文字」と「春寒」との取り合わせの句で、季語「春寒」が効いた。(高橋信之)

★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

【高橋正子特選7句】
★雪解けの風吹き変わる奥信濃/池田加代子
地名の奥信濃が効いている句だと思いました。雪解風が色々吹き変ることもよく解る気がする地だす。説得力のある好きな句です。(志賀たいじ)

★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

★菜の花や高階の窓灯りゆく/堀佐夜子
抒情のある句。菜の花が咲き、高階に住む人たちの窓々にも灯がともりだす。「灯りゆく」は、あの窓、この窓に灯が灯ってゆく時間の経過が詠まれた表現で、読み手の心にも、菜の花のような灯りをともしてくれている。(高橋正子)

★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

★水仙の白際立ちて雨となる/矢野文彦
水仙の花の白は、やがて雨となるとき、辺りのものの中でひときわ目立ち、印象に残る。水仙の一花一花をよく見た句。(高橋正子)

★桜まだ固き花芽で空ふさぐ/高橋信之
いつも桜の木の下を仰ぎ、まだ固そうと同じ思いです。空をふさぎ伸び、伸びはった枝は逞しく楽しみです。(大給圭泉)

★雪解やある朝速き川の音/木村 修
冬の間聞きなれた瀬音。今朝は少し違う。少し水かさが増え、流れも速くなっている。春が近づき、上流の雪が解けたせいだろう。春が近づく喜びを感じた朝の風景。 (古田けいじ)

【藤田裕子特選7句】
★晴れる日も曇る日も窓の桜草/藤田洋子 
窓辺に置かれた桜草に、日々心癒される思いが致します。喜びも悲しみも桜草に話しかけたくなります。(藤田裕子)

★シリウスの青き瞬き春浅し/岩本康子
春浅き夜空にシリウスの煌めきが感動的です。「青き瞬き」が星の煌めきを一層引き立てていて、惹かれました。 (甲斐ひさこ)

★旅心さそう四温の航の跡/村井紀久子
船が出ていく航跡を見ていると、見るだけではなく旅に出てみたくなるという。読んで同じ思いになる共感の一句です。(小川美和)

★春の雨四角に洩らすビル灯り/大給圭泉 
★飛機発てり早春光をひきながら/尾 弦
★下萌へ影際やかに列車行く/かわなますみ 
★浮島の光ゆたかに春の鴨/湯澤まさえ

【安丸てつじ特選7句】
★春一番大仏さまを風よけに/村井紀久子
鎌倉の大仏様であろう。先日関東は大荒れの春一番とテレビが報じていた。リアル感のなかにも滑稽味があるこなれた佳句。 (安丸てつじ)

★青空を蹴上ぐ子馬の脚細し/志賀たいじ
まだ脚の細い子馬ながら、青空に向かって蹴上げる力が強いことが「蹴上ぐ」に表現されていると思います。春に生まれた命への愛を感じます。 (竹内よよぎ)

★返されて陽射し隅々春の土/大山 凉
冬の間眠っていた田畑の土も返されて陽射しを浴びいきいきとして、これから始まる農耕への思いを感じます。 (黒谷光子)

★花菜風海峡またぎ須磨の上/小河原銑二 
★厨より父の牡蠣剥く音静か/かわなますみ
★干し素麺器用に捌き春浅し/堀佐夜子
★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声

【堀佐夜子特選7句】
★シリウスの青き瞬き春浅し/岩本康子
浅春のよく晴れた夜空にひと際青く煌く星は大犬座の首星、シリウスです。私は書物で知り得ただけですが、実際に眺められた作者の感動が伝わって来るようです。 (堀佐夜子)

★水仙の白際立ちて雨となる/矢野文彦
★菜の花の桟敷降り立ち瀬戸の海/小河原銑二
★弓を引く少年の背に春夕焼/宮島千生
★海光る浪花の春はもうそこに/高橋正道
★コルク抜く音のよき日や日脚伸ぶ/大山由起
★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声

入選Ⅰ

2007-02-18 11:29:50 | 1月句会
【入選Ⅰ/10句】
★ゆったりと巨船を乗せて春の潮/岩本康子
春の海らしいおおらかさや温暖な気候まで感じられます。「巨船を乗せて」に感服いたしました。(碇 英一)

★さざんかの目白のあたりの枝の揺れ/碇 英一
さざんかの蜜を吸いにやって来た目白の営みと連動したさざんかの枝の動きがいきいきと感じられます。(臼井虹玉)

★日脚伸ぶ響き新や豆腐売り/松原恵美子
日が長くなったおだやかな一日に耳にする、豆腐売りの、(おそらくラッパの音の)長閑な感じが生活の中の春らしいひとこまを感じさせます。(臼井虹玉)

★御所の絵に連なる春の東山/安丸てつじ
御所の絵を目の前に鑑賞しながら外に目をやれば、まるでその絵の続きのように春の東山の風景が在った。情景に広がりを感じさせられる御句と思います。(臼井虹玉)

★春夕焼け雲に残して子ら帰る/あみもとひろこ
一日を元気に遊んだ子どもたちを見送るかのように真っ赤に染まった夕焼け雲がきれいです。名残を惜しむ春夕焼けです。(池田多津子)

★白梅の満ちて高きへ香をはなつ/小川美和
満開の白梅が匂っています。「満ちて」「高きへ」と白梅の香の深さと広がりを感じます。(池田多津子)

★青空は揚雲雀鳴くためにある/おおにしひろし
雲雀のために青空があると言い切っているのが印象的です。澄み切った青空に雲雀の声が心地よく聞こえます。(池田多津子)

★青麦の田のとびとびの長四角/黒谷光子
「とびとび」は、作者の発見。「長四角」があってのことで、「青麦の田」に相応しい表現だ。(高橋信之)

★青天に白さつくせり梅の花/竹内よよぎ
「梅の花」はか弱そうだが、凛としたところがある。「青天に白さつくせり」であれば、なおのことである。(高橋信之)

★大空へ冬芽立ちたる大樹かな/大山由起
木々の芽はみな空へ向いています。大きな樹の冬芽が大きな空へ向かって立つ、スケールの大きい句だと思います。(池田多津子)

入選Ⅱ

2007-02-18 11:28:07 | 1月句会
【入選Ⅱ/19句】
★黒板に卒業までの日数かな/阿部 昭
三学期に入れば友達同士纏まって休み時間など入試も然る事ながらサイン帳を回したり黒板に担任の先生の似顔絵を書いたりとしながらあと何日と生徒たちが学校生活を送っている感じがよく出ていると思います。(湯澤まさえ)

★雛僧の足袋裏ならぶ春の学堂/齋藤良一
雛僧の初々しさと、春という季節の、希望に満ちた感じがよく似合って、さわやかさのある御句と思います。(臼井虹玉)

★春の雨集まる川の音高く/池田多津子
★春の雨暗き中にも匂い来る/友田 修
★夕暮るる匂いとどめし白梅よ/藤田裕子
★今着きしばかりの駅に梅匂う/甲斐ひさこ
★傾ける崖に傾き梅咲けり/大給圭泉
★ひとつづつ咲き重なりて梅の空/尾 弦
★白木蓮蕾祭りのごと拡げ/古田けいじ
★つれづれに句作の旅や春立つ日/吉川豊子
★春一番湖城の跡の波しぶき/野田ゆたか
★寝ころびて夢を結ぶや春の芝/高橋正道
★落椿重なり合える古戦場/清水清正
★爛漫と天守囲める梅花かな/河野渓太
★のどけしやすやすや眠るおくるみに/丸山草子
★梅を撮る背過ぎりたる鳥の影/古賀一弘
★春めくや球音響く河川敷き/飯島治蝶
★やわらかく真綿丸めた春の雲/滑川けい子
★影惹いて小鳥飛立ち連翹咲く/湯澤まさえ

選者詠

2007-02-18 11:25:47 | 1月句会
■選者詠/高橋信之
★桜まだ固き花芽で空ふさぐ
いつも桜の木の下を仰ぎ、まだ固そうと同じ思いです。空をふさぎ伸び、伸びはった枝は逞しく楽しみです。(大給圭泉)

★どれもが天へ無数の冬芽の強き意志
★春浅き日の横浜の中華そば

■選者詠/高橋正子
★港湾の動きに満ちて春浅し
「港湾の動き」は、様々だ。船舶の動き、海水の動きは、もちろんのこと、桟橋での人の動きもある。「満ちて」に春であることを感じ、春浅き「港湾」の風景を詠んだ。(高橋信之)

★雪嶺の白を厳しく遠き富士
遠く眺める富士の「雪嶺」の白さを「厳しく」と表現された作者の気持ちが伝わる。凛とした自身の意志のようなものと富士の孤高の美しさがうまくマッチしているように思いました。(尾 弦)
遠くの富士を望める日は、特別。大気が冴え雪嶺の映える頃、その日は増えるが、ただ嬉しいばかりでなく、冷厳な山とともに在るという快い緊張感を覚える。 ―― 子どもの頃から感じつつ、言葉にできずおりました心境を、この「白を厳しく」が言い尽くして下さったようです。 (かわな ますみ)

★春の泉流れくだれる薔薇の園