オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

2月句会ご挨拶とお礼

2007-02-18 15:29:31 | 2月句会
■□2月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)
オンライン2月句会をお楽しみいただけましたでしょうか。今年は、暦の上だけでなく、例年になく暖かい日が続いています。観梅や、草木の芽を見る楽しみ、また外出の楽しみも増えていることでしょう。今月の句会には、そんな句が多く、楽しませていただきました。投句に始まり、選、コメントをいただき、ありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。それぞれ方の選を読む楽しみも加わり楽しい句会となりましたことを、お礼申し上げます。
今月の特別選者として、藤田裕子さん、安丸てつじさん、堀佐夜子さんをお願いいたしました。お三方、どうもありがとうございました。信之先生には選ならびに句会運営にあたり、お世話になりました。多津子さん、虹玉さんにもご協力いただきました。ありがとうございました。これで、オンライン2月句会を終わります。
来月のオンライン句会を楽しみに、ご健吟ください。

■□2月句会ご挨拶/池田多津子(管理・集計)
第76回2月オンライン句会を開催しましたが、47名の方にご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。入賞の皆様おめでとうございます。今年は比較的暖かい日が続いていますが、全国各地の「春」を感じる多くの佳句に出会うことができました。選句にも37名の方が参加され、すてきなコメントもいただき、ありがとうございました。希望あふれる春が近づいて参ります。皆様、お健やかにお過ごしください。ありがとうございました。

今月は、高橋正子・臼井虹玉・池田多津子の3人のチームでお世話をいたしました。(2007年2月18日)

2月句会入賞発表

2007-02-18 11:40:02 | 2月句会
■2月句会
□2007年2月18日

【金賞】
★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

★雪解けの風吹き変わる奥信濃/池田加代子
奥信濃が効いている。雪解けの風が、ある時吹き変わる。奥信濃の独特の風の変化を敏感に捉えている。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★春雲を引き寄せ海の真青なる/臼井虹玉
海の平らかな青に、引き寄せられるように、海に近く浮かぶ春雲。大きく伸びやかな景色が明るい。(高橋正子)

★白梅の白くっきりと日を返し/渋谷洋介
「くっきりと日を返し」に、白梅がさんさんと日を浴びて、汚れなく咲いている姿が読み取れる。(高橋正子)

★菜の花や高階の窓灯りゆく/堀佐夜子
抒情のある句。菜の花が咲き、高階に住む人たちの窓々にも灯がともりだす。「灯りゆく」は、あの窓、この窓に灯が灯ってゆく時間の経過が詠まれた表現で、読み手の心にも、菜の花のような灯りをともしてくれている。(高橋正子)

※選者詠は、金銀銅賞から割愛しました。

特選7句

2007-02-18 11:37:08 | 1月句会
【高橋信之特選7句】
★港湾の動きに満ちて春浅し/高橋正子
「港湾の動き」は、様々だ。船舶の動き、海水の動きは、もちろんのこと、桟橋での人の動きもある。「満ちて」に春であることを感じ、春浅き「港湾」の風景を詠んだ。(高橋信之)

★春雲を引き寄せ海の真青なる/臼井虹玉
海の平らかな青に、引き寄せられるように、海に近く浮かぶ春雲。大きく伸びやかな景色が明るい。(高橋正子)

★これよりは大阪春橋風光る/祝恵子
大胆に言い切ったところがいい。「これよりは大阪」である。「風光る」大阪である。(高橋信之)

★白梅の白くっきりと日を返し/渋谷洋介
「くっきりと日を返し」に、白梅がさんさんと日を浴びて、汚れなく咲いている姿が読み取れる。(高橋正子)

★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声
日本では、アラビア文字は馴染みがない。手書きでも活字でも右から左に横書きし、文字と文字を漢字の草書のように続け書きにする。「アラビア文字」と「春寒」との取り合わせの句で、季語「春寒」が効いた。(高橋信之)

★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

【高橋正子特選7句】
★雪解けの風吹き変わる奥信濃/池田加代子
地名の奥信濃が効いている句だと思いました。雪解風が色々吹き変ることもよく解る気がする地だす。説得力のある好きな句です。(志賀たいじ)

★梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
「白のはじめ」が、みずみずしい。それにより、青空は太初よりの深さを持つことになった。(高橋正子)

★菜の花や高階の窓灯りゆく/堀佐夜子
抒情のある句。菜の花が咲き、高階に住む人たちの窓々にも灯がともりだす。「灯りゆく」は、あの窓、この窓に灯が灯ってゆく時間の経過が詠まれた表現で、読み手の心にも、菜の花のような灯りをともしてくれている。(高橋正子)

★澄む水に春めく動き貝が噴く/志賀たいじ
貝が水を噴き、貝を入れている澄んだ水が動くと、その動きの春めいて感じられること。やわらかな水の動きに春がある。(高橋正子)

★水仙の白際立ちて雨となる/矢野文彦
水仙の花の白は、やがて雨となるとき、辺りのものの中でひときわ目立ち、印象に残る。水仙の一花一花をよく見た句。(高橋正子)

★桜まだ固き花芽で空ふさぐ/高橋信之
いつも桜の木の下を仰ぎ、まだ固そうと同じ思いです。空をふさぎ伸び、伸びはった枝は逞しく楽しみです。(大給圭泉)

★雪解やある朝速き川の音/木村 修
冬の間聞きなれた瀬音。今朝は少し違う。少し水かさが増え、流れも速くなっている。春が近づき、上流の雪が解けたせいだろう。春が近づく喜びを感じた朝の風景。 (古田けいじ)

【藤田裕子特選7句】
★晴れる日も曇る日も窓の桜草/藤田洋子 
窓辺に置かれた桜草に、日々心癒される思いが致します。喜びも悲しみも桜草に話しかけたくなります。(藤田裕子)

★シリウスの青き瞬き春浅し/岩本康子
春浅き夜空にシリウスの煌めきが感動的です。「青き瞬き」が星の煌めきを一層引き立てていて、惹かれました。 (甲斐ひさこ)

★旅心さそう四温の航の跡/村井紀久子
船が出ていく航跡を見ていると、見るだけではなく旅に出てみたくなるという。読んで同じ思いになる共感の一句です。(小川美和)

★春の雨四角に洩らすビル灯り/大給圭泉 
★飛機発てり早春光をひきながら/尾 弦
★下萌へ影際やかに列車行く/かわなますみ 
★浮島の光ゆたかに春の鴨/湯澤まさえ

【安丸てつじ特選7句】
★春一番大仏さまを風よけに/村井紀久子
鎌倉の大仏様であろう。先日関東は大荒れの春一番とテレビが報じていた。リアル感のなかにも滑稽味があるこなれた佳句。 (安丸てつじ)

★青空を蹴上ぐ子馬の脚細し/志賀たいじ
まだ脚の細い子馬ながら、青空に向かって蹴上げる力が強いことが「蹴上ぐ」に表現されていると思います。春に生まれた命への愛を感じます。 (竹内よよぎ)

★返されて陽射し隅々春の土/大山 凉
冬の間眠っていた田畑の土も返されて陽射しを浴びいきいきとして、これから始まる農耕への思いを感じます。 (黒谷光子)

★花菜風海峡またぎ須磨の上/小河原銑二 
★厨より父の牡蠣剥く音静か/かわなますみ
★干し素麺器用に捌き春浅し/堀佐夜子
★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声

【堀佐夜子特選7句】
★シリウスの青き瞬き春浅し/岩本康子
浅春のよく晴れた夜空にひと際青く煌く星は大犬座の首星、シリウスです。私は書物で知り得ただけですが、実際に眺められた作者の感動が伝わって来るようです。 (堀佐夜子)

★水仙の白際立ちて雨となる/矢野文彦
★菜の花の桟敷降り立ち瀬戸の海/小河原銑二
★弓を引く少年の背に春夕焼/宮島千生
★海光る浪花の春はもうそこに/高橋正道
★コルク抜く音のよき日や日脚伸ぶ/大山由起
★春寒やアラビア文字の巨き船/中村光声

入選Ⅰ

2007-02-18 11:29:50 | 1月句会
【入選Ⅰ/10句】
★ゆったりと巨船を乗せて春の潮/岩本康子
春の海らしいおおらかさや温暖な気候まで感じられます。「巨船を乗せて」に感服いたしました。(碇 英一)

★さざんかの目白のあたりの枝の揺れ/碇 英一
さざんかの蜜を吸いにやって来た目白の営みと連動したさざんかの枝の動きがいきいきと感じられます。(臼井虹玉)

★日脚伸ぶ響き新や豆腐売り/松原恵美子
日が長くなったおだやかな一日に耳にする、豆腐売りの、(おそらくラッパの音の)長閑な感じが生活の中の春らしいひとこまを感じさせます。(臼井虹玉)

★御所の絵に連なる春の東山/安丸てつじ
御所の絵を目の前に鑑賞しながら外に目をやれば、まるでその絵の続きのように春の東山の風景が在った。情景に広がりを感じさせられる御句と思います。(臼井虹玉)

★春夕焼け雲に残して子ら帰る/あみもとひろこ
一日を元気に遊んだ子どもたちを見送るかのように真っ赤に染まった夕焼け雲がきれいです。名残を惜しむ春夕焼けです。(池田多津子)

★白梅の満ちて高きへ香をはなつ/小川美和
満開の白梅が匂っています。「満ちて」「高きへ」と白梅の香の深さと広がりを感じます。(池田多津子)

★青空は揚雲雀鳴くためにある/おおにしひろし
雲雀のために青空があると言い切っているのが印象的です。澄み切った青空に雲雀の声が心地よく聞こえます。(池田多津子)

★青麦の田のとびとびの長四角/黒谷光子
「とびとび」は、作者の発見。「長四角」があってのことで、「青麦の田」に相応しい表現だ。(高橋信之)

★青天に白さつくせり梅の花/竹内よよぎ
「梅の花」はか弱そうだが、凛としたところがある。「青天に白さつくせり」であれば、なおのことである。(高橋信之)

★大空へ冬芽立ちたる大樹かな/大山由起
木々の芽はみな空へ向いています。大きな樹の冬芽が大きな空へ向かって立つ、スケールの大きい句だと思います。(池田多津子)

入選Ⅱ

2007-02-18 11:28:07 | 1月句会
【入選Ⅱ/19句】
★黒板に卒業までの日数かな/阿部 昭
三学期に入れば友達同士纏まって休み時間など入試も然る事ながらサイン帳を回したり黒板に担任の先生の似顔絵を書いたりとしながらあと何日と生徒たちが学校生活を送っている感じがよく出ていると思います。(湯澤まさえ)

★雛僧の足袋裏ならぶ春の学堂/齋藤良一
雛僧の初々しさと、春という季節の、希望に満ちた感じがよく似合って、さわやかさのある御句と思います。(臼井虹玉)

★春の雨集まる川の音高く/池田多津子
★春の雨暗き中にも匂い来る/友田 修
★夕暮るる匂いとどめし白梅よ/藤田裕子
★今着きしばかりの駅に梅匂う/甲斐ひさこ
★傾ける崖に傾き梅咲けり/大給圭泉
★ひとつづつ咲き重なりて梅の空/尾 弦
★白木蓮蕾祭りのごと拡げ/古田けいじ
★つれづれに句作の旅や春立つ日/吉川豊子
★春一番湖城の跡の波しぶき/野田ゆたか
★寝ころびて夢を結ぶや春の芝/高橋正道
★落椿重なり合える古戦場/清水清正
★爛漫と天守囲める梅花かな/河野渓太
★のどけしやすやすや眠るおくるみに/丸山草子
★梅を撮る背過ぎりたる鳥の影/古賀一弘
★春めくや球音響く河川敷き/飯島治蝶
★やわらかく真綿丸めた春の雲/滑川けい子
★影惹いて小鳥飛立ち連翹咲く/湯澤まさえ

選者詠

2007-02-18 11:25:47 | 1月句会
■選者詠/高橋信之
★桜まだ固き花芽で空ふさぐ
いつも桜の木の下を仰ぎ、まだ固そうと同じ思いです。空をふさぎ伸び、伸びはった枝は逞しく楽しみです。(大給圭泉)

★どれもが天へ無数の冬芽の強き意志
★春浅き日の横浜の中華そば

■選者詠/高橋正子
★港湾の動きに満ちて春浅し
「港湾の動き」は、様々だ。船舶の動き、海水の動きは、もちろんのこと、桟橋での人の動きもある。「満ちて」に春であることを感じ、春浅き「港湾」の風景を詠んだ。(高橋信之)

★雪嶺の白を厳しく遠き富士
遠く眺める富士の「雪嶺」の白さを「厳しく」と表現された作者の気持ちが伝わる。凛とした自身の意志のようなものと富士の孤高の美しさがうまくマッチしているように思いました。(尾 弦)
遠くの富士を望める日は、特別。大気が冴え雪嶺の映える頃、その日は増えるが、ただ嬉しいばかりでなく、冷厳な山とともに在るという快い緊張感を覚える。 ―― 子どもの頃から感じつつ、言葉にできずおりました心境を、この「白を厳しく」が言い尽くして下さったようです。 (かわな ますみ)

★春の泉流れくだれる薔薇の園

互選集計/池田多津子

2007-02-18 11:24:46 | 2月句会
■互選高点句/池田多津子集計

13点 青空を蹴上ぐ子馬の脚細し/志賀たいじ
10点 桜まだ固き花芽で空ふさぐ/高橋信之
10点 梅ひらく白のはじめを青空に/藤田洋子
 9点 花菜風海峡またぎ須磨の上/小河原銑二
 8点 下萌へ影際やかに列車行く/かわなますみ
 8点 シリウスの青き瞬き春浅し/岩本康子
 7点 雪解けの風吹き変わる奥信濃/池田加代子

■2007年2月句会/2月18日(日)のご案内■

2007-02-04 16:14:59 | 1月句会
選句箱
※互選をお願いします。

投句箱
※終了しました。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:2月17日(土)、句会前日の午後6時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。2月句会は、春の句ですが、冬の句も許されます。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。

★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:2月18日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。

★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。

■主宰: 高橋信之
■選者: 高橋正子
■事務局:臼井虹玉
■ITスタッフ: 池田多津子・多田有花

NPO法人水煙ネット事務局