オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

■□5月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)

2006-05-14 14:01:00 | 5月句会
■風薫る季節になりました。母の日の今日は、青葉冷なのでしょうか、小さなストーブがほしいような天候です。奄美大島は入梅、北海道は、辛夷や躑躅のあとに、桜が満開となったというニュースに、日本列島の長さを知らされました。
今月も各地からの俳句を楽しませていただきました。ご多用のなか、オンライン句会にご参加いただき、ありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。互選は、40名の方が互選とコメントをくださり、大変ありがとうございました。句会のお世話をしてくださいました皆様、お疲れさまでした。来月のオンライン句会を楽しみにお待ちください。これで、オンライン5月句会を終わります。(2006年5月14日)

今月は、高橋信之・池田多津子・臼井虹玉・高橋正子の4人のチームでお世話をいたしました。

■5月句会全作品
http://www.suien.net/NetKukai/online/k0605z.htm

■投句選句箱
http://6802.teacup.com/suien/bbs

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

5月句会入賞句/金・銀・銅賞

2006-05-03 18:21:48 | 5月句会
【金賞】
★山々を映し代田のつながれり/池田多津子
代田に水が入ると代田は一面の水につながる。そこにいつもの見慣れた山々が姿を映し、新しい風景を作っている。田植え時の風景がさらりと詠まれた。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★麦の香のほのと寄せ来る砦跡/井上 明
砦は今は昔のこととなり、高台にその跡が残るのみ。その砦の跡に、熟れ麦の香がほのかに寄せてくる。郷愁の句。(高橋正子)

★そよぐものみな軽やかに五月来る/臼井虹玉
五月のさわやさに、そよぐものは、みな軽い。若葉もかろやかにそよぐ。洗濯物も。もろもろの軽さが、心まで軽やかにしてくれる。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★新緑の光の中へ駆け出す児/藤田裕子
新緑のあふれる光へ、駆け出す幼子もまた、光のようだ。いきいきした季節には、幼子もいきいきと活動する。(高橋正子)

★校庭の記念の大樹楠若葉/伊藤華将
どっしりとして、なにも隠すところのないおおらかな句。楠を記念樹とした生徒たちは、楠の若葉が茂るように、頼もしく成長していることであろう。(高橋正子)

★青時雨少年漕ぎ出す車椅子/希往来
車椅子で青葉を降る雨の中へ出て行くには、「漕ぎ出す」というほどの力がいる。まるで、ボートでも漕ぎ出すかのような少年の姿が、たくましい。(高橋正子)

※選者作品は、金銀銅賞から割愛した。

特選7句/5月句会

2006-05-03 18:21:28 | 5月句会
【高橋信之特選7句】
★迷い来し郭公声を撒きて去る/矢野文彦
動詞の多い句は、俳句では珍しいが、それだけに、作者の思いが強く伝わってくる。「郭公」の姿を、その「声」で捉えた。作者の心深くに捉えた。(高橋信之)

★樟若葉絵馬の触れあふ軽き音/齊藤真人
願い事の書かれた「絵馬」である。「軽き音」がいい。「樟若葉」の大きな蔭の中の風景で、願い事であれば、深刻でないのがいい。(高橋信之)
下五の「軽き音」がより一層のすがすがしさをかもし出している。御参りも気分が良かったことでしょう。(伊藤華将)
絵馬が揺れて爽やかな音が心地よく聞こえ、願い事はきっと叶うことでしょう。(大石和堂)

★そよぐものみな軽やかに五月来る/臼井虹玉
五月の爽やかな風が心も弾み好きな季節です。(篠木 睦)
とても爽やかさがあって、あっさりとした中に自然が詠まれていて気持ちが良いです。五月らしい句と思います。(河ひろこ)

★山々を映し代田のつながれり/池田多津子
田植の前に代田の水面に映す山並みが畦をこえて連なって見える。かって日の本は瑞穂の国と教わった者が今でもおおらかに味合える農村に残る景色です。好きな一句です。(志賀たいじ)
田植え前の農村のおだやかな風景です。山々が畦を越えて連なっていることを素敵に詠まれました。(黒谷光子)
水をはった代田に山並みが映り、広々とした田園風景が美しく見えてきます。(藤田裕子)

★新緑の光の中へ駆け出す児/藤田裕子
眼前に景が飛び込んできました。まさにその通り。昼休みなど、明るい新緑の光に囲まれた校庭に向って、ボールなどを手に持ち、児童が駆け出して行きます。(飯島治蝶)

★高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介
★青時雨少年漕ぎ出す車椅子/希往来

【高橋正子特選7句】
★早苗田の囲むこの村四十戸/黒谷光子
「この村」は、自分の住んでいる村だろう。四十戸が暮らす村は、小さい村ながら、早苗田に囲まれ、早苗のみどりも、水の照り返す様も美しい。(高橋正子)

★浴室にさらの石鹸薄暑の夜/臼井虹玉
おろしたての新品の石鹸を家族が入る前の浴室に置くと、さわやかな匂いに満たされる。薄暑の夜の清潔感がいい。(高橋正子)
僅かに汗ばむようになった頃、一日の疲れを洗い流す浴室に、おろしたての石鹸。まっさらの石鹸は、いつも嬉しいものですが、薄暑のお風呂場ほど、その喜びが映える場所は、あまりない気がいたします。(かわなますみ)

★麦の穂の青き勢い活けており/岩本康子
「活けており」に生活感があって、この句をリアルにしている。青麦の穂の勢い、そのままのような句。(高橋正子)
"青の勢い"に感じいりました。(澤井 渥)

★植え終えし早苗の列は雨の輪に/碇 英一
植えられてようやく水におさまった、早苗の一つ一つのみどりに、雨の輪ができ、田植えの済んだ安堵が伝わる。(高橋正子)
田植えし終えて一安心しているところが伺えます。「早苗の列は雨の輪に」は、とても好きです。(祝 恵子)

★校庭の記念の大樹楠若葉/伊藤華将
★高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介
★麦の香のほのと寄せ来る砦跡/井上 明

特別選者特選7句/5月句会

2006-05-03 18:21:02 | 5月句会
【宮地ゆうこ特選7句】
★たんぽぽの絮のふくらみ来て軽し/高橋信之
中7下5のことばのリズムがふうわりと、いかにも微風に乗って絮の軽さが寄せてくるようなやさしさです。(宮地ゆうこ)

★校庭の記念の大樹楠若葉/伊藤華将
★そよぐものみな軽やかに五月来る/臼井虹玉
★きのうより白のあふれる花茨/高橋正子
★山々を映し代田のつながれり/池田多津子
★植え終えし早苗の列は雨の輪に/碇 英一
★新緑の光の中へ駆け出す児/藤田裕子

【大給圭泉特選7句】
★蛙鳴きしんと夜更けの闇があり/高橋正子
蛙の声だけあとは真っ暗な田園の静かさがつたわります。(大給圭泉)

★外孫につわものふたり武者人形/河ひろこ
孫の句は難しいと言いますが、この句はユーモアも愛情もあり、良い句と思いました。(古賀一弘)

★夏桑の風さわさわと千曲川/大山 凉
★はつなつの海の青きにとどまらず/宮地ゆうこ
★月雲に覆われ蛙鳴くばかり/黒谷光子
★雨雲を支えて代田広がりぬ/長岡芳樹
★樟若葉絵馬の触れあふ軽き音/齊藤真人

【池田加代子特選7句】
★山々を映し代田のつながれり/池田多津子
美しい日本の山里の季節が、瑞々しく詠まれました。代田がつながり、山々がつながり、心が広がるようです。(池田加代子)

★夏桑の風さわさわと千曲川/大山 凉
★五月晴れ突き上げるように大欅/竹内よよぎ
★浴室にさらの石鹸薄暑の夜/臼井虹玉
★きのうより白のあふれる花茨/高橋正子
★樟若葉絵馬の触れあふ軽き音/齊藤真人
★高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介


特別選者
■オンライン句会特別選者は、過去に、以下の22氏にお願いしましたが、今回は、上記の3氏です。
藤田洋子・野田ゆたか・堀佐夜子・安丸てつじ・藤田裕子・古田けいじ・碇英一・おおにしひろし・祝恵子・霧野萬地郎・岩本康子・多田有花・守屋光雅・河ひろこ・平田弘・日野正人・志賀たいじ・篠木睦・臼井虹玉・池田多津子・黒谷光子・大山 凉

入選Ⅰ/5月句会

2006-05-03 18:20:39 | 5月句会
【入選Ⅰ/10句】
★それぞれの彩の雫を若葉雨/黒谷光子
重なる若葉からしずく雨。その雨は、若葉の緑の色調を少しずつ変えながら、それぞれ彩をもって降ってくる。若葉雨の美しさがよい観察をもって詠まれた。(高橋正子)
さまざまな若葉の彩に染まった無心の雨雫。一滴一滴が生き生きと感じられます。(矢野文彦)

★歯ブラシの音健やかに夏めけり/小川美和
歯ブラシの音と共に爽やかな朝の一こまを思います。(碇 英一)

★大樟の枝を四方へ青嵐/齊藤真人
四方へ枝を大きく張り出した樟の大樹の堂々たる姿と青葉の勢いを思います。(臼井虹玉)

★豆御飯食ぶ子の頬を丸くして/飯島治蝶
豆御飯を作った嬉しさ。何より可愛い子が美味しそうに食べてくれた、この季節ならではの喜びが伝わってきます。(今村七栄)

★牛放ちなだらかに伸ぶ五月の丘/池田加代子
なだらかに伸びる丘に収穫、成長への期待と希望があるように感じました。5月らしい句。(尾崎 弦)

★青嵐Tシャツの白ふくらます/あみもとひろこ
「白」を強調したことで、さっぱりとした青嵐の質感が伝わってきました。(木村 修)

★一条の光に固く水芭蕉/河ひろこ
★若葉光空限り無く澄み渡る/堀佐夜子
★胸弾む母校への道みな若葉/大石和堂
★病窓に向きあう丘の新樹燃ゆ/かわなますみ

入選Ⅱ/5月句会

2006-05-03 18:18:35 | 5月句会
【入選Ⅱ/25句】
★五月晴れ突き上げるように大欅/竹内よよぎ
通勤途中の街路樹の欅が今、まさにこの状態です。私もこの欅を詠みたいと思っていました。本当に生命力溢れる樹です。(岩本康子)

★わさび咲く水の冷やこさ深山晴/野田ゆたか
深山も晴れて、わさびが生きいきと育っている。「水の冷やこさ」に清涼感がある好きな句です。(小川美和)

★筍の朝掘り置かる勝手口/伊藤華将
日の目を見るとえぐ味や灰汁を抱くという筍。美味を求めて朝(未明)堀にしたという筍が置かれている勝手口、季節と共にある農家のいい生活が見えて好きな句です。(野田ゆたか)

★アミ族のリズム高鳴る五月闇/畑 育子
アミ族の激しい太鼓のリズムと踊り、暗闇に忍び寄る夏の熱気を感じます。(長岡芳樹)

★橋くぐり燕五月の川に触る/甲斐ひさこ
★桐咲きし岩に波噛む川下り/大給圭泉
★緩やかに弧を繰り出して卯波かな/中村光声
★膝の子へおとぎ話やシャボン玉/古賀一弘
★塾の子ら駆けゆく土手に若葉風/志賀たいじ
★苔清水きれいな風が吹いている/宮地ゆうこ
★一輪の深紅の薔薇を文机に/安丸てつじ
★標なき道尽くところ沢清水/尾 弦
★うつろえる刻(とき)の速さよ薔薇真っ赤/おおにしひろし
★豆飯の青の艶めき椀に盛る/大山 凉
★青梅の球面上に雨光る/古田けいじ
★卯波立つ裾洗わして夫婦岩/篠木 睦
★さざ波に早苗の揺れて良き日和/今村七栄
★代掻けば四方に広がる水鏡/長岡芳樹
★画布広げ千畳敷は初夏の風/河野渓太
★蛸数匹トロ箱詰まり魚市場/祝 恵子
★電車来る新樹の下の石畳/吉田 晃
★風薫る父の手許に華免状/湯澤正枝
★緑蔭やすぐに売れたる古茶釜/木村 修
★燕来る湯屋の煙突巻くように/長瀬正之
★若葉風展望台に手振る人/澤井 渥

5月句会選者詠

2006-05-03 18:16:32 | 5月句会
■選者詠/高橋信之
★たんぽぽの絮のふくらみ来て軽し
中7下5のことばのリズムがふうわりと、いかにも微風に乗って絮の軽さが寄せてくるようなやさしさです。(宮地ゆうこ)
風に乗りふわりと来たたんぽぽの絮毛のなんと軽いことか、手に触れた実感を上手く表現されていると思います。(甲斐ひさこ)

★風が風追い来て新樹のきらきらす
風が風を追う、次々に風が吹いてくる五月のさわやかさが新樹のきらめきに見えてきます。(池田多津子)

★燕飛ぶ鋭き影が地を切りし

■選者詠/高橋正子
★蛙鳴きしんと夜更けの闇があり
蛙の声だけあとは真っ暗な田園の静かさがつたわります。(大給圭泉)

★松蝉の松の匂いを鳴きふらす
★きのうより白のあふれる花茨

5月句会互選集計結果報告

2006-05-03 18:13:16 | 5月句会
■互選高点句/池田多津子集計

14点 山々を映し代田のつながれり/池田多津子
11点 そよぐものみな軽やかに五月来る/臼井虹玉
 9点 風が風追い来て新樹のきらきらす/高橋信之
 8点 出漁の漁船に小さな鯉のぼり/池田多津子
 7点 麦の穂の青き勢い活けており/岩本康子
 7点 それぞれの彩の雫を若葉雨/黒谷光子
 7点 樟若葉絵馬の触れあふ軽き音/齋藤まこと
 7点 高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介

■5月句会のご案内■

2006-05-02 18:26:50 | 5月句会
投句選句箱
投句受付中です。上記の<投句選句箱>をクリックして、ご投句ください。締め切りは、5月13日(土)の夜12時です。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。

★投句①:5月13日(土)、句会前日の夜12時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。5月句会は、夏の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。
[題名欄]は、「投句」とお書きください。
[メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。
会員外は、準会員としてご参加いただけますので、事務局のアドレス<npo_suien102@mail.goo.ne.jp>へお申し込みください。
★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:5月14日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。
★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。
金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。