オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

■□7月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)

2006-07-08 18:29:43 | 7月句会
■台風3号が北上するなか、梅雨の最中の句会となりましたが、44名の俳句の好きな方にご参加いただきまして、盛会のうちに終えることができました。入賞の皆様おめでとうございます。夏本番を控えた佳句に出会うことができ、たのしく過ごさせていただきました。選句にも大勢の方が参加され、それぞれの見方やお立場からのコメントもいただきまして、ありがとうございました。大変勉強になりました。本州の梅雨明けは、もう少し先になるのでしょうか。梅雨明けが待たれます。天候不順な折、ご自愛くださいまして、ご健吟くださいますよう、祈念いたします。

なお、オンライン8月句会はお休みです。その代わり、<盂蘭盆チャット句会/8月9日(水)(旧7月16日/満月)>がありますので、ご参加ください。お待ちしています。以下のチャット句会もありますので、楽しみにお待ちください。
●お月見チャット句会/10月6日(金)(旧8月15日/十五夜)
●十三夜チャット句会/11月3日(金)(旧9月13日/十三夜)

今月は、高橋信之・池田多津子・臼井虹玉・池田加代子・高橋正子の5人のチームでお世話をいたしました。(2006年7月9日)

■7月句会全作品
http://www.suien.net/NetKukai/online/k0607z.htm

■投句選句箱
http://6802.teacup.com/suien/bbs

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

金・銀・銅賞/7月句会

2006-07-08 18:24:38 | 7月句会

【金賞】
★水着の子太き腕(かいな)で水を切る/飯島治蝶
水を切って泳ぐ子どもの健康でたくましい姿が、明快に詠まれている。腕を上げ、たくましく水を切る場面がクローズアップされ、一枚のポスターを見るようだ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★風立ちて時空を渡す天の川/篠木 睦
天の川の表現として、「時空を渡す」は、よく言われることかもしれないが、この句のよさは、天の川の下に立って、「風立ちて」と感じたところである。天の川の下にあって、風を感じる。そのことが、むしろ時空を感じることになっている。 (高橋正子)

★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし
棚田は、まさに水平だ。「積み上げ」ているから、なお、実感として受け入れたのだ。「青時雨」の抒情が句を整えた。(高橋信之)

【銅賞/4句】
★伸びゆきて山に色なす今年竹/池田多津子
今年竹の色は、万緑の山にあって特別で、あかるい緑を置くことになる。「伸びゆきて」の措辞がうまく働き、伸びやかな句になっている。(高橋正子)

★日暮より向日葵向きを緩めたる/碇英一
向日葵は、たくましい。一日たくましいかというと、そうではなく、日暮れからは、その力を緩める。かっと照りつける日には、力強く真向かい、入日には、ゆるやかに向きを変える。緩急が、太陽とともにある向日葵である。(高橋正子)

★満山の音かき集め西日去る/木村 修
一山のもろもろの音、木々のざわめきなどをすべてかき集めて、西日は静かに、おもむろに沈んだ。音を引き連れて沈んだのだ。日が沈むときの静寂と残照を詠んだ。(高橋正子)

★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
子どもらが、蜻蛉を追って補虫網を振り回す。蜻蛉は、風の吹く高さを飛ぶから、子どもたちは、風の高さに網を振る。高く差し上げられた網と、ひろびろと吹く風を飛ぶ蜻蛉が涼しげである。(高橋正子)


特選7句(1)/7月句会

2006-07-08 18:23:40 | 7月句会
【高橋信之特選7句】
★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし
棚田に降る夏の雨ガ水平な段々畑を青く染め抜いている光景が良い。(平田 弘)
水平に積み上げられた田を潤す雨。静かで大らかな景が広がります。(小川美和)

★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
捕虫網を持った子らの蜻蛉を追う姿を詠んだ句です。高々と網をかざしながら蜻蛉を目で追う子供たちは昔も今も変わりませんね。暑さなんて感じないものですよね。(堀佐夜子)
とんぼ釣りの子供の様子が生き生きと描かれ読んで元気を頂きました。(今村七栄)

★水着の子太き腕(かいな)で水を切る/飯島治蝶
身近な子どもの生活を詠んで、写生がいい。観察がいい。作り手の眼がいいのは、その内面がいいからで、心のこもった句だ。(高橋信之)

★仕事場の空は筑波嶺麦の秋/湯澤まさえ
景色が自然と浮かびでてきます。とくに麦の秋の季語がフィツトしています。(齊藤真人)

★伸びゆきて山に色なす今年竹/池田多津子
今年竹に魅力を感じました。(町田智司)
今年竹の健やかさ、成長の早さ、その勢いを山に見た、大きな景に力を感じます。茂ったり色づいたりするほかに、「伸びゆきて」山に新たな色をなすのは、若竹なればこそでしょう。(かわなますみ)

★黍の花土からの芯真っ直ぐに/碇英一
★満山の音かき集め西日去る /木村 修

【高橋正子特選7句】
★背泳ぎの真向かう空の青さかな/河ひろこ
体験したことのない私も背泳ぎの爽快さを感じました。(黒谷光子)
あおむけで泳ぎ空の青さを気持ちよく味わっている。(大給圭泉)
青空を見上げながら背泳ぎをする爽快さは素晴らしいでしょうね。泳げない私の憧れでもあります。(大山 凉)
青空を見上げてぽっかり海に浮かぶのはとても気持ちのいいものです。少女時代の郷愁にも誘われました。やっぱり、泳ぐのは海が一番ですね。今年は是非実行したいと思わされました。(岩本康子)

★水鶏なき母の忌日の雨模様/湯澤まさえ
水鶏なく梅雨の夜、亡くなられたお母様の思慕が切ない。(渋谷洋介)

★風立ちて時空を渡す天の川/篠木 睦
季語がどうかというよりスケール感がいいと思いました。「風立ちて」が効果的です。(尾 弦)

★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
蜻蛉を追いかける子どもたちの懐かしい風景です。風をきって動く網や子どもたちの元気な声が好きです。(池田多津子)

★日暮より向日葵向きを緩めたる/碇英一
★マンションの四角に四角に梅雨空へ/高橋信之
★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし

特選7句(2)/7月句会

2006-07-08 18:22:11 | 7月句会
【平田弘特選7句】
★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし
棚田に降る夏の雨ガ水平な段々畑を青く染め抜いている光景が良い。(平田弘)

★七夕の飾りに元気な子等の歌/岩本康子
園児らの元気な歌声が聞こえてきます。(篠木 睦)

★背泳ぎの真向かう空の青さかな/河ひろこ
★風立ちて時空を渡す天の川/篠木 睦
★とりどりの高さ青さよ夏の畑/臼井虹玉
★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
★浮橋を沈めて梅雨の重さかな/古賀一弘

【志賀たいじ特選7句】
★万緑の笠積み上げて高野道/野田ゆたか
緑深い高野山の参道を先行く行者の笠が重なり合って積み上げてる様に見える。後から登りゆく作者の視線と息づかいが伝わってくる敬虔な山の景を目前に見ている様で好きな句です。(志賀たいじ)

★一日を七夕竹の明るかり/高橋正子 
★日暮より向日葵向きを緩めたる/碇英一 
★マンションの四角に四角に梅雨空へ/高橋信之
★水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし 
★風立ちて時空を渡す天の川/篠木 睦 
★水鶏なき母の忌日の雨模様/湯澤まさえ

【祝恵子特選7句】
★とりどりの高さ青さよ夏の畑/臼井虹玉
区画された菜園を思い浮かべました。それぞれに育った高さの、収穫出来る野菜、期待している作者が居ます。

★浴衣娘の弾む心の見へかくれ/とくのあけみ
★七夕と言う約束のような旅/野田ゆたか
★万緑や岩に腰置く修験僧/伊藤華将
★風吹けば青田波立つ次々と/丸山草子
★子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
★五百羅漢父の面影半夏生/渋谷洋介


特別選者
■オンライン句会特別選者は、過去に、以下の26氏にお願いしましたが、今回は、上記の3氏です。
野田ゆたか(2回)・安丸てつじ(2回)・藤田裕子(2回)・古田けいじ(2回)・碇英一(2回)・おおにしひろし(2回)・河ひろこ(2回)・堀佐夜子(2回)・守屋光雅(2回)・藤田洋子・祝恵子・霧野萬地郎・岩本康子・多田有花・平田弘・日野正人・志賀たいじ・篠木睦・臼井虹玉・池田多津子・黒谷光子・大山凉・宮地ゆうこ・大給圭泉・池田加代子・渋谷洋介

入選Ⅰ/7月句会

2006-07-08 18:20:51 | 7月句会
【入選Ⅰ/10句】
★あじさいの先ずうすみどりありてより/甲斐ひさこ
紫陽花の花の咲き初めるころのみずみずしさが、うすみどりという言葉に集約され、またこれからの花の色をも思いおこしました。(あみもとひろこ)

★荒梅雨に幌ふかぶかと乳母車/臼井虹玉
突然の荒梅雨に見舞われ他のであろう。児を守って、深々と幌をかぶせた心情が伝わってくる。(おおにし ひろし)

★袖通す仕立て下ろしの藍浴衣/大山 凉
暑い夏の日が終り、行水をしてさっぱりとなり、仕立て下ろしの藍浴衣を着る涼感たっぷりの句。(古賀一弘)

★きらきらと光りに乗りて夏の船/長岡芳樹
★妹と茅の輪くぐりぬ8の字に/あみもとひろこ
★涼やかに笹の葉挿されドア開く/小川美和
★青栗の棘まだ柔く光りけり/古田けいじ
★良寛の書なり涼風天に舞ふ/河野啓太
★少年の部屋に土匂うカブトムシ/池田加代子
★木も草も居場所定かに梅雨深し/矢野文彦

入選Ⅱ/7月句会

2006-07-08 18:19:44 | 7月句会
【入選Ⅱ/19句】
★猫足の四脚テーブルメロン切る/町田智司
猫足とメロンの取り合わせがおもしろい。(伊藤華将)

★蝦夷梅雨の波音ひびく夜半かな/石井秀子
梅雨の無い筈の北海道にもこのような季語があるのですね。広辞苑にもちゃんと載っていました。海辺の宿でしょうか。旅情を誘われます。(安丸てつじ)

★梅雨湿り潮の香ほのとテーブルに/尾弦
★入梅の夕べいっとき照り映えぬ/かわなますみ
★江戸風鈴優しき風を引き寄せて/祝恵子
★老鶯や辺り清しき雨になり/藤田裕子
★海境の空深きより夏かもめ/中村光声
★暮れなずむ空へ平らに合歓の花/黒谷光子
★匂いきて源平分かつ蓮の花/野田ゆたか
★富士山にかかりゆく雲胡麻の花/大給圭泉
★少年の夢にヤマトよ浮いて来い/安丸てつじ
★茫然と流れに眩む出水かな/平田弘
★河鹿鳴く草木すべてのうえに鳴く/丸山草子
★朝顔の咲き初める色深き青/堀佐夜子
★夜の闇に潜みし烏瓜の花/齊藤真人
★笑み湛ふ子安観音雲の峰/井上明
★昼寝より目覚めし子犬飼うことに/今村七栄
★炭焼きの煙の淡し揚羽蝶/渋谷洋介
★ギシギシと軋む抽斗半夏生/希往来

7月句会選者詠

2006-07-08 18:18:19 | 7月句会
■選者詠/高橋信之
★マンションの四角に四角に梅雨空へ
うっとおしい梅雨空へ向かって、マンションが四角く高く建っています。マンションに住む人々の生活も見えてきて、明るく感じます。(藤田裕子)

★捕虫網高きに振って子が楽し
★ゆさゆさ揺れて葉桜のふところ深し

■選者詠/高橋正子
★一日を七夕竹の明るかり
★紫陽花の変化のおわりのはなだいろ
★梅雨雀空翔くことをやや忘る

7月句会互選集計結果報告

2006-07-08 18:16:45 | 7月句会
■互選高点句/池田多津子集計

15点 子らの網風の高さに蜻蛉追う/志賀たいじ
14点 水平に棚田積み上げ青時雨/おおにしひろし
14点 背泳ぎの真向かう空の青さかな/河ひろこ
 9点 風立ちて時空を渡す天の川/篠木睦
 8点 とりどりの高さ青さよ夏の畑/臼井虹玉
 7点 縄文の紅音弾け蓮開く/中村光声

■7月句会のご案内■

2006-06-30 10:29:23 | 7月句会

投句選句箱
投句受付中です。上記の<投句選句箱>をクリックして、ご投句ください。締め切りは、7月8日(土)の夜12時です。水煙ネット会員とインターネット俳句協会会員をもって、この句会の会員としますので、その他の参加希望者は、準会員として、事務局のアドレス<npo_suien102@mail.goo.ne.jp>へお申し込みください。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:7月8日(土)、句会前日の夜12時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。7月句会は、夏の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。

★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:7月9日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。

★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。