【高橋信之特選7句】
★夏場所や大川渡る触れ太鼓/宮島千生
大きな景を詠んで、骨太の句だが、「触れ太鼓」の軽快な響きがあって、初夏の快い水の流れや風の流れを感じさせてくれた。(高橋信之)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白百合が咲き忌日がめっぐてきます。亡くなられた方のお姿も偲ばれるような静かで凛としたものを感じます。(黒谷光子)
★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
この景、この山梨にも時折見受けます。曇り空の日などは、村中にその煙の匂いが籠もりなんともいえない郷愁にしたります。 (湯澤まさえ)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
田植えの準備が整ってゆく田が、ゆっくりと澄んでゆく情景が懐かしい。 (中村光声)
★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風に鳴るように風鈴をつるし、夏の訪れを楽しんでいる様子がとてもさわやかです。(笠間淳子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
初夏の若葉の明るさ、清々しく爽やかな季節感を感じさせていただきました。(藤田洋子)
★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
抱えていらっしゃるのは、母の日の赤いカーネーションでしょうか。爽快な五月の風の中、お母様への感謝の気持ちもいっしょに抱えて歩かれているのでしょうね。(多田有花)
★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
花見の宴とは違って、葉桜の集いには、日常のいい安らぎがある。 風光り、風薫る季節である。(高橋信之)
【高橋正子特選7句】
★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
カーネーションを脇に抱えて、帰りを急いでいるのだろう。風が、カーネーションに、また自分の顔に吹くのが感じられた。(高橋正子)
★白服で画家上京す絵画展/齋藤良一
いいお天気の昼間は汗ばむことも多いこの季節、個展を開かれたのか、画家ご自身が上京してこられました。白服に画家の清新な気持ちも現れているようです。(多田有花)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
ご両親の忌日を迎えられ、過ぎた日のことを思い返していらっしゃるのでしょう。思い出の中で亡き人は微笑み、あるいは語りかけてくれたりもします。(多田有花)
★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
村を覆いつくすほどの煙、こういう風景はなかなか見られなくなっているのではないでしょうか。(多田有花)
★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
お花見ではなく、葉桜になってなおそこに人が集う、緑陰を求めてでしょうか。人の生活の近くにある桜の姿がほほえましいです。(多田有花)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
何もかもインスタントに速く速くという世の中ですが、一日をかけて澄む、という表現に作物が育つ自然のリズム、変わらぬ自然の時を刻むテンポ、が織り込まれています。(多田有花)
★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風を楽しむ夏という季節を迎えた喜び、風が通る場所を選んで軒下に風鈴を吊られたのでしょう。”風の高さ”が見事です。(多田有花)
■特別選者
【吉田晃特選7句】
★薫風や胸広げ行くサイクリング/松原恵美子
「胸広げ行く」に物理的な効果と心理的な効果があります。軽快にペダルを踏む作者の笑顔が見えるようです。(吉田晃)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
代掻きは結構時間と手間のかかる作業である。稲を植えるのであるから、泥は細かく処理されていなければならないのだ。何時間もかけた代掻きが終わった。そのときから、少しずつ泥が沈殿し、水が透明になっていくのである。目に見えない時間の流れをうまく表現している句であり、静かな中にも力強さを感じる。(吉田 晃)
★城跡の風万緑を揺らしおり/中村光声
石垣の残る風景であろう。そこに吹く五月の風が、城の移り変わりを見続けてきた木々を揺らしているのである。作者はそこに武士(もののふ)の姿を見ているのかもしれない。 (吉田 晃)
★万緑や乗馬クラブの赤き屋根/矢野文彦
緑ゆれる下に赤い屋根の家がある。馬の息づかいがして、時折いななきが聞こえ、目に映る風景が生き生きとしている。これから暑さに向かうのであるが、健康な喜びが満ちているように感じられる。季語「万緑」が作者の心の有り様をよく表している。(吉田 晃)
★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
夕暮れの景色を落ち着いた言葉でうまく切り取っている。多忙であったのであろうが、よい一日が終わりかけていることが想像できる。「葦」は非常に生命力の強い植物であり、水は全ての命の源である。その水の匂いが夕暮れの中にあるというのだ。(吉田 晃)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白い百合は、心穏やかに故人の冥福を祈っている作者の心であろう。感謝の心の供花を、故人は微笑んで見ていることであろう。派手な飾りは全くないが、それに勝る作者の心が見える気がする。(吉田 晃)
★卯の花の小さく連なり食卓へ/高橋句美子
卯の花は、邪悪な土地の精霊を追い払う役目を持っているという。そんなことまでは意識していないであろうが、白い花群れ咲く一枝を食卓に飾る、家庭を大切にしている家族の心が伺える。(吉田 晃)
【岩本康子特選7句】
★若葉抜け空へ空へと子の声は/高橋信之
若葉を抜けて可愛いこどもの声が青空に高く広くどこまでも響く明るい句だと思います。(岩本康子)
★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
紫陽花の花の咲き初めをよく観察され見事に詠まれた句だと思います。(岩本康子)
★川風を腹一杯に鯉のぼり/吉川豊子
文句なしに気持ちのいい句です。鯉は本来川や池に棲んでいるものですから、川風はさぞかし美味しかったことだと思います。(岩本康子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
どんな建物が造られていくのでしょうか。図面を見ている人々の夢と希望が感じられます。(岩本康子)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
掻いたばかりの代田の濁りがゆっくりと澄んでいく様子がよく分かります。実際に代掻きを経験された方でないとこのような句は生まれないと思うのですが......。(岩本康子)
★薫風や大樹を揺らすざわめきに/小川美和
社や森の青々と茂った大樹が風を受け、次第に大きなうねりとなりざわめく景が目に浮かびます。(岩本康子)
★人去りて色しずもりし藤の花/大給圭泉
藤棚の下に人が集まって賑やかな時は藤の花も華やかに明るく見えたが、その人々も去ってしまうと急に静かになり、藤の花の色までどこか寂しそうである。それを「色しずもりし」と詠まれたところに惹かれました。(岩本康子)
【藤田荘二特選7句】
★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きの途中で汗を拭いながら振り返ったのでしょうか、それとも時間をかけて見守っているのでしょうか、澄んでいく水に初夏の太陽の光が反射したり、緑が映ったりする情景が眼にうかびます。「初めの」の明るい語感と「水澄めり」の静かな
語感が素敵です。(藤田荘二)
★嵐去り夏山むっくと現るる/藤田裕子
「むっく」が初夏の山の表情、空気が澄んで鮮明に、近づいて見える量感をうまくとらえていると思いました。平野から見る初夏の山のイメージ通りです。縦走の途中とみると夏を通してもこの「むっく」はいい表現だと感じました。(藤田荘二)
★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
言われてみればそのとおりですが、やはり紫陽花はその葉のみずみずしい葉の色からはじまり、梅雨の時期の鮮やかな色彩を準備するからこそ「紫陽花」です。紫陽花の花の時期の移り変わりをあらためて教えてもらいました。(藤田荘二)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
時間をかけてつくった田をいとおしみながら見ている作者の気持ちを感じました。どんな景色が水を張った田に映っているのか、いろいろ想像させてもらいました。晴れた空や緑、曇り空、あるいは静かな雨、いづれにしろ時間の流れのしっとりと
した情感があります。(藤田荘二)
★新緑を蹴り上げ足下の空青し/飯島治蝶
鉄棒での元気の良さが「新緑を蹴り上げ」で的確に伝わりました。「足下の空」という視点の変化にもスムーズにつながって歯切れの良い表現と思いました。(藤田荘二)
★初夏の雷まよい心の弾きけり/大給圭泉
梅雨明けの大きくとどろく激しい雷ではなく、ちょっと遠くに響く初夏の雷の趣の表現として好ましく思います。「まよい心」に惹かれました。雷の状況と作者の何かに惑う気持ちをない交ぜにした感じですね。(藤田荘二)
★青琵琶を一枝添えて竹筒に/堀佐夜子
青琵琶の青さと質感、量感が竹筒ととてもマッチすることを教えてくれました。これをおいた部屋は大変落ち着いた雰囲気になると思います。「挿して」ではなく「添えて」が活けるときの指の動きの優雅さを思わせてくれます。(藤田荘二)
【池田加代子特選7句】
★緑蔭のはやも生まれて喫茶せり/高橋正子
日差しの強い日に、涼やかな緑蔭に憩うのは、夏のはじめの喜びのひとつです。喫茶店の白いクロス、籐の椅子、看板や庇の赤みなど、緑をより美しく引き立てる鮮やかな色彩も目に浮かび、心地よさを共感させていただきました。(池田加代子)
★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きは、いまは耕耘機でされるので、列という言い方がされている。代掻きの作業が進んでいくうちに、初めのほうは、水が澄んできている。代掻きの経過によって、代田の様子、人の動きなど、情景があざやかに浮かんでくる。(高橋正子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
新築の家屋を建とうとするところに立って、設計図面を広げている。若葉風が心地よく、ここに建つ家に住む人の心地よい暮らしまでもが想像できる。(高橋正子)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
整備し終わって田植えを待つ田圃。作業で濁っていた田も、水が澄んできて田植えを待つばかり。その安堵感と、景の美しさが伝わってきて、好きな句です。(高橋正道)
★とびこんで来て胸奥にばらの赤/あみもとひろこ
一瞥にして目に飛び込んできた「ばらの赤」は、一瞬すでに胸の奥に棲みついて離れない。薔薇の花の鮮烈さが読者の心にも残ります。(小西 宏)
★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
★車窓から桐か藤かと楽しかり/いなゆきの
★夏場所や大川渡る触れ太鼓/宮島千生
大きな景を詠んで、骨太の句だが、「触れ太鼓」の軽快な響きがあって、初夏の快い水の流れや風の流れを感じさせてくれた。(高橋信之)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白百合が咲き忌日がめっぐてきます。亡くなられた方のお姿も偲ばれるような静かで凛としたものを感じます。(黒谷光子)
★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
この景、この山梨にも時折見受けます。曇り空の日などは、村中にその煙の匂いが籠もりなんともいえない郷愁にしたります。 (湯澤まさえ)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
田植えの準備が整ってゆく田が、ゆっくりと澄んでゆく情景が懐かしい。 (中村光声)
★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風に鳴るように風鈴をつるし、夏の訪れを楽しんでいる様子がとてもさわやかです。(笠間淳子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
初夏の若葉の明るさ、清々しく爽やかな季節感を感じさせていただきました。(藤田洋子)
★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
抱えていらっしゃるのは、母の日の赤いカーネーションでしょうか。爽快な五月の風の中、お母様への感謝の気持ちもいっしょに抱えて歩かれているのでしょうね。(多田有花)
★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
花見の宴とは違って、葉桜の集いには、日常のいい安らぎがある。 風光り、風薫る季節である。(高橋信之)
【高橋正子特選7句】
★カーネーション脇に抱えて風が吹く/高橋句美子
カーネーションを脇に抱えて、帰りを急いでいるのだろう。風が、カーネーションに、また自分の顔に吹くのが感じられた。(高橋正子)
★白服で画家上京す絵画展/齋藤良一
いいお天気の昼間は汗ばむことも多いこの季節、個展を開かれたのか、画家ご自身が上京してこられました。白服に画家の清新な気持ちも現れているようです。(多田有花)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
ご両親の忌日を迎えられ、過ぎた日のことを思い返していらっしゃるのでしょう。思い出の中で亡き人は微笑み、あるいは語りかけてくれたりもします。(多田有花)
★一村を覆いつくして麦を焼く/おおにしひろし
村を覆いつくすほどの煙、こういう風景はなかなか見られなくなっているのではないでしょうか。(多田有花)
★葉桜や人の集いの真ん中に/いなゆきの
お花見ではなく、葉桜になってなおそこに人が集う、緑陰を求めてでしょうか。人の生活の近くにある桜の姿がほほえましいです。(多田有花)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
何もかもインスタントに速く速くという世の中ですが、一日をかけて澄む、という表現に作物が育つ自然のリズム、変わらぬ自然の時を刻むテンポ、が織り込まれています。(多田有花)
★風鈴を風の高さに吊りにけり/宮本和美
風を楽しむ夏という季節を迎えた喜び、風が通る場所を選んで軒下に風鈴を吊られたのでしょう。”風の高さ”が見事です。(多田有花)
■特別選者
【吉田晃特選7句】
★薫風や胸広げ行くサイクリング/松原恵美子
「胸広げ行く」に物理的な効果と心理的な効果があります。軽快にペダルを踏む作者の笑顔が見えるようです。(吉田晃)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
代掻きは結構時間と手間のかかる作業である。稲を植えるのであるから、泥は細かく処理されていなければならないのだ。何時間もかけた代掻きが終わった。そのときから、少しずつ泥が沈殿し、水が透明になっていくのである。目に見えない時間の流れをうまく表現している句であり、静かな中にも力強さを感じる。(吉田 晃)
★城跡の風万緑を揺らしおり/中村光声
石垣の残る風景であろう。そこに吹く五月の風が、城の移り変わりを見続けてきた木々を揺らしているのである。作者はそこに武士(もののふ)の姿を見ているのかもしれない。 (吉田 晃)
★万緑や乗馬クラブの赤き屋根/矢野文彦
緑ゆれる下に赤い屋根の家がある。馬の息づかいがして、時折いななきが聞こえ、目に映る風景が生き生きとしている。これから暑さに向かうのであるが、健康な喜びが満ちているように感じられる。季語「万緑」が作者の心の有り様をよく表している。(吉田 晃)
★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
夕暮れの景色を落ち着いた言葉でうまく切り取っている。多忙であったのであろうが、よい一日が終わりかけていることが想像できる。「葦」は非常に生命力の強い植物であり、水は全ての命の源である。その水の匂いが夕暮れの中にあるというのだ。(吉田 晃)
★百合開く白一色に忌日過ぎ/藤田洋子
白い百合は、心穏やかに故人の冥福を祈っている作者の心であろう。感謝の心の供花を、故人は微笑んで見ていることであろう。派手な飾りは全くないが、それに勝る作者の心が見える気がする。(吉田 晃)
★卯の花の小さく連なり食卓へ/高橋句美子
卯の花は、邪悪な土地の精霊を追い払う役目を持っているという。そんなことまでは意識していないであろうが、白い花群れ咲く一枝を食卓に飾る、家庭を大切にしている家族の心が伺える。(吉田 晃)
【岩本康子特選7句】
★若葉抜け空へ空へと子の声は/高橋信之
若葉を抜けて可愛いこどもの声が青空に高く広くどこまでも響く明るい句だと思います。(岩本康子)
★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
紫陽花の花の咲き初めをよく観察され見事に詠まれた句だと思います。(岩本康子)
★川風を腹一杯に鯉のぼり/吉川豊子
文句なしに気持ちのいい句です。鯉は本来川や池に棲んでいるものですから、川風はさぞかし美味しかったことだと思います。(岩本康子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
どんな建物が造られていくのでしょうか。図面を見ている人々の夢と希望が感じられます。(岩本康子)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
掻いたばかりの代田の濁りがゆっくりと澄んでいく様子がよく分かります。実際に代掻きを経験された方でないとこのような句は生まれないと思うのですが......。(岩本康子)
★薫風や大樹を揺らすざわめきに/小川美和
社や森の青々と茂った大樹が風を受け、次第に大きなうねりとなりざわめく景が目に浮かびます。(岩本康子)
★人去りて色しずもりし藤の花/大給圭泉
藤棚の下に人が集まって賑やかな時は藤の花も華やかに明るく見えたが、その人々も去ってしまうと急に静かになり、藤の花の色までどこか寂しそうである。それを「色しずもりし」と詠まれたところに惹かれました。(岩本康子)
【藤田荘二特選7句】
★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きの途中で汗を拭いながら振り返ったのでしょうか、それとも時間をかけて見守っているのでしょうか、澄んでいく水に初夏の太陽の光が反射したり、緑が映ったりする情景が眼にうかびます。「初めの」の明るい語感と「水澄めり」の静かな
語感が素敵です。(藤田荘二)
★嵐去り夏山むっくと現るる/藤田裕子
「むっく」が初夏の山の表情、空気が澄んで鮮明に、近づいて見える量感をうまくとらえていると思いました。平野から見る初夏の山のイメージ通りです。縦走の途中とみると夏を通してもこの「むっく」はいい表現だと感じました。(藤田荘二)
★紫陽花のまず葉の色に咲き初めぬ/かわなますみ
言われてみればそのとおりですが、やはり紫陽花はその葉のみずみずしい葉の色からはじまり、梅雨の時期の鮮やかな色彩を準備するからこそ「紫陽花」です。紫陽花の花の時期の移り変わりをあらためて教えてもらいました。(藤田荘二)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
時間をかけてつくった田をいとおしみながら見ている作者の気持ちを感じました。どんな景色が水を張った田に映っているのか、いろいろ想像させてもらいました。晴れた空や緑、曇り空、あるいは静かな雨、いづれにしろ時間の流れのしっとりと
した情感があります。(藤田荘二)
★新緑を蹴り上げ足下の空青し/飯島治蝶
鉄棒での元気の良さが「新緑を蹴り上げ」で的確に伝わりました。「足下の空」という視点の変化にもスムーズにつながって歯切れの良い表現と思いました。(藤田荘二)
★初夏の雷まよい心の弾きけり/大給圭泉
梅雨明けの大きくとどろく激しい雷ではなく、ちょっと遠くに響く初夏の雷の趣の表現として好ましく思います。「まよい心」に惹かれました。雷の状況と作者の何かに惑う気持ちをない交ぜにした感じですね。(藤田荘二)
★青琵琶を一枝添えて竹筒に/堀佐夜子
青琵琶の青さと質感、量感が竹筒ととてもマッチすることを教えてくれました。これをおいた部屋は大変落ち着いた雰囲気になると思います。「挿して」ではなく「添えて」が活けるときの指の動きの優雅さを思わせてくれます。(藤田荘二)
【池田加代子特選7句】
★緑蔭のはやも生まれて喫茶せり/高橋正子
日差しの強い日に、涼やかな緑蔭に憩うのは、夏のはじめの喜びのひとつです。喫茶店の白いクロス、籐の椅子、看板や庇の赤みなど、緑をより美しく引き立てる鮮やかな色彩も目に浮かび、心地よさを共感させていただきました。(池田加代子)
★代掻きの初めの列の水澄めり/吉田晃
代掻きは、いまは耕耘機でされるので、列という言い方がされている。代掻きの作業が進んでいくうちに、初めのほうは、水が澄んできている。代掻きの経過によって、代田の様子、人の動きなど、情景があざやかに浮かんでくる。(高橋正子)
★若葉風新築図面の広げらる/尾弦
新築の家屋を建とうとするところに立って、設計図面を広げている。若葉風が心地よく、ここに建つ家に住む人の心地よい暮らしまでもが想像できる。(高橋正子)
★一日をかけて代田の澄みゆけり/池田多津子
整備し終わって田植えを待つ田圃。作業で濁っていた田も、水が澄んできて田植えを待つばかり。その安堵感と、景の美しさが伝わってきて、好きな句です。(高橋正道)
★とびこんで来て胸奥にばらの赤/あみもとひろこ
一瞥にして目に飛び込んできた「ばらの赤」は、一瞬すでに胸の奥に棲みついて離れない。薔薇の花の鮮烈さが読者の心にも残ります。(小西 宏)
★青葦に水の匂いの空暮れる/藤田洋子
★車窓から桐か藤かと楽しかり/いなゆきの
「カーネーション」の句も入選Ⅰにお取りいただき、重ねてお礼申し上げます。
そして臼井虹玉様、 池田多津子様、岩本康子様、多田有花様、お疲れ様でした。
入賞の方々おめでとう御座います。
【藤田荘二特選7句】に「青枇杷を一枝添えて竹筒に」をお選び下さりコメントも添えて頂きまして有難う御座いました。又、「橋涼し」に藤田裕子様、祝恵子様、選を有難う御座いました。「青枇杷」に藤田荘二様、矢野文彦様、選とコメントを有難う御座いました。六月句会を楽しみにしております。
ございました。楽しく有意義な時を過ごすことができました。
池田多津子様、多田有花様 お世話役本当にお疲れ様でした。
吉田 晃様、岩本康子様、藤田荘二様、池田加代子様 選者の任ご苦労様でした。
信之先生 「夏場所」の句を特選七句にお選び下さり
有難うございます。先月に引き続き骨太と
言う過分なお言葉を頂き嬉しく思います。
これからの励みに致します。
飯島治蝶様、堀佐夜子様、松原恵美子様、吉川豊子様
同句に選を頂き感謝致します。
小西宏様、古賀一弘様、宮本和美様、いなゆきの様、
藤田裕子様、渋谷洋介様、村井紀久子様、河野渓太様
「今年竹」の句に選を下さり有難うございました。
湯澤まさえ様 「楠若葉」をお採り頂き有難うございました。
この度は「紫陽花の」の句を、岩本康子さま特選、藤田荘二さま特選にお採り頂き、コメントを頂戴しまして、大変嬉しくお礼申し上げます。
同句に貴重な選を下さいました、宮島千生さま、黒谷光子さま、飯島治蝶さま、篠木睦さま、中村光声さま、碇英一さま、多田有花さま、おおにしひろしさま、いなゆきのさま、木村修さま、河野渓太さま、ありがとうございます。千生さまにはコメントも頂きまして、有難く拝読しました。
また、齋藤良一さまには「夏服の」の句をお選び下さいましたこと、感謝申し上げます。
おかげ様で、心に遺る初夏のひと日を過ごさせて頂きました。皆さまに感謝いたします。
信之先生、岩本康子様、池田加代子様の特選7句に「若葉風」の句をお選びいただき、ありがとうございました。同句に選をいただきました黒谷光子様、藤田洋子様、齋藤良一様、前川鳰波様、池田多津子様、ありがとうございました。正子先生、岩本康子様、藤田洋子様、池田多津子様にいただいたコメント、うれしく拝読いたしました。
また、「祭後」の句に選をいただきました大給圭泉様、湯澤まさえ様、「新茶」の句に選をいただきました多田有花様、渋谷洋介様、ありがとうございました。大給圭泉様、渋谷洋介様にはコメントを添えていただき、重ねてお礼申し上げます。
初夏の気持ちのよい風が吹く一日、皆様の佳句にふれることができ、有意義な一日を過ごさせていただきました。ありがとうございました。
藤田荘二様、「夏山」の句を特選7句にお選びいただきまして、すてきなコメントも賜りまして、お礼申し上げます。飯島治蝶様、丸山草子様、木村修様、河野渓太様、同句に選をいただきまして有難うございます。
岩本様「藤の花」の句を特選にお選び戴き嬉しいコメントを添えてくださり有難うございます。
藤田荘二様「初夏」の句を特選にお選び戴き嬉しいコメントを添えてくださり有難うございます、同句をいなゆきの様、お選び戴き嬉しいコメントも添えてくださり有難うございます。
志賀様、宮島様、「桐の花」の句をお選び戴き有難うございました。皆様の佳句を読ませて戴き有難うございました。
信之先生と正子先生の特選に「百合開く」の句を選んでいただき、銅賞までいただき、心よりお礼申し上げます。とても嬉しく励みといたします。あらためて父母の供養ができたように思えました。正子先生、コメントをありがとうございました。
特別選者の晃様には「青葦」「百合」の句に選とコメントをいただき、加代子様に「青葦」の句に選をいただき、有花様、光子様、「百合」の句へコメントをありがとうございました。
同句に選句いただいた皆様、大変ありがとうございました。皆様からの温かいコメント心に沁みて嬉しく感じました。
藤田荘二様、「新緑を蹴り上げ足下の空青し」の句を特選7句にお選び頂いた上、嬉しいコメントを添えて頂きありがとうございました。同句に、国武光雄様、吉川豊子様、ご選ありがとうございました。
また、『教室に墨書の「成長」若葉時』の句を入選Ⅰにお選び頂きありがとうございました。この句に、黒谷光子様、小河原銑二様、ご選頂きありがとうございました。多田有花様には嬉しいコメントを添えて頂きありがとうございました。皆々様の佳句を読ませて頂きありがとうございました。来月も楽しみにしております
池田加代子様には「ばら」の句を、特選七句にお選び頂き、心よりお礼申し上げます。宏さまには、同句にコメントをいただき嬉しく読ませて頂きました。一弘様、英一様、正道様には選を頂き有難うございました。これからも、ますます充実した句会となることをお祈り申し上げます。