オンライン句会入賞発表

■水煙発行所主催■

■□6月句会ご挨拶/高橋正子(オンライン句会主宰)

2006-06-11 12:45:13 | 6月句会
■大方の地域が入梅したことでしょう。梅雨の降り具合は、いかがでしょうか。松山の今日は、薄日の差すお天気で、鶯がよく鳴いて心地よい風が吹いています。入賞の皆様おめでとうございます。今月は、52名の方に、季節感溢れる句をご投句いただきました。また、45名のかたから互選と、丁寧なコメントをいただきました。ありがとうございます。コメントから頷かされることも多くあり、ともに、楽しく過ごさせていただきました。句会のお世話をしてくださいました皆様、お疲れさまでした。来月のオンライン句会を楽しみにお待ちください。これで、オンライン6月句会を終わります。(2006年6月11日)

今月は、高橋信之・池田多津子・臼井虹玉・池田加代子・高橋正子の5人のチームでお世話をいたしました。

■6月句会全作品
http://www.suien.net/NetKukai/online/k0606z.htm

■投句選句箱
http://6802.teacup.com/suien/bbs

▼伝言などは、下の<コメント>にお書きください。

金・銀・銅賞/6月句会

2006-06-10 11:01:22 | 6月句会

【金賞】
★青梅雨に今朝の欅の明るさよ/おおにしひろし
青梅雨にすっぽり包まれた欅の緑が、今朝はことさらに明るく思えた。青葉となり、梅雨を受けて、欅の葉には、真緑のあるべき色となった本来の明るさがある。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★風青しすくと青年ブロンズ像/飯島治蝶
「風青し」は、青葉や繁茂した草木を揺るがして吹く少し強い風だが、その風に、すくと立つ青年のブロンズ像が、青年らしさを象徴している。「風青し」も青年像に相応しい言葉である。なによりも迷いの無い句である。(高橋正子)

★沖に今ヨットレースの帆が一線/池田加代子
下五の「帆が一線」は字余りで、そこに緊張感があり、上五の「今」には、臨場感がある。いい詩だ。言葉が重くないのもいい。平易なのだ。(高橋信之)

【銅賞/3句】
★音涼し山からの水池に落ち/宮地ゆうこ
雨が上がったあとなのだろう、山に降った水は、涼しい音を立てて池に落ちる。流れるのではなく、落ちる水なので、耳に聞こえるその音は、体までも涼しくしてくれそうだ。(高橋正子)

★ゆるやかに牛の反芻夕焼ける/志賀たいじ
牛を置いて「夕焼ける」大きな風景が鮮明だ。季語「夕焼ける」の働きがいい。季語は、一句の中に生かされ、初めて季語となる。(高橋信之)

★鉄骨の組まれ夏野は尚青き/小川美和
組まれている鉄骨の間を透かして、夏野が見える。鉄骨があることによって、茫漠とした夏野も、その青さが目に鮮明にまた、生き生きと映る。硬質な鉄骨と、柔らかな夏野の組み合わせも、それぞれをひきたてている。(高橋正子)


特選7句(1)/6月句会

2006-06-10 11:00:40 | 6月句会
【高橋信之特選7句】
★オカリナの音色清みゆき青嶺へと/藤田裕子
いいリズムがあって快い響きだ。特別なところが無いのもいい。作り手のいい心境が伝わってくる。(高橋信之)

★沖に今ヨットレースの帆が一線/池田加代
沖に見えるは海の蒼とよっとの白。帆が一線だからヨーイドン寸前の光景だと思われて此方まで緊張が走ります。夏の海そのものです。(堀佐夜子)ヨットレースのスタートなのでしょう。晴れの日の爽快な海の様子が目に浮かびます。(高橋秀之)

★チャグチャグと響き青田を通る馬/畑育子
地方色豊かな原風景,植田周辺の華やかな賑わいが偲ばれる。(おおにし ひろし)

★ゆるやかに牛の反芻夕焼ける/志賀たいじ
牛の反芻の姿が伸びやかに詠まれていて、その姿がゆっくりと夕焼けに包まれる情景は一幅の絵のようです。季語が動かない静かな感動の句です。(河ひろこ)
明るい夕焼け空とやや翳りつつある牛の影と。大きな空と地を想います。ゆったりとした時の流れ。(小西 宏)

★青梅雨に今朝の欅の明るさよ/おおにしひろし
朝、雨に濡れた欅、緑が洗われたようにしっとりと美しく、梅雨の時期の欅が明るく感じられます。(藤田裕子)

★音涼し山からの水池に落ち/宮地ゆうこ
★風青しすくと青年ブロンズ像/飯島治蝶


【高橋正子特選7句】
★沖に今ヨットレースの帆が一線/池田加代
青い海と白いヨットの帆の色合いが美しく見え、スタート寸前の緊張感が伝わります。(甲斐ひさこ)

★ゆるやかに牛の反芻夕焼ける/志賀たいじ
ゆっくりとした牛の動きが夕焼けの中に浮き出し、またとけ込んで、充実した一日の終わりを思います。(池田多津子)

★青梅雨に今朝の欅の明るさよ/おおにしひろし
生まれたみどりを、いきいきと育てる梅雨が、まわりを青に染め、いちだんと明るい欅がある。ほんものの明るさが溢れていると思いました。(あみもとひろこ)

★音涼し山からの水池に落ち/宮地ゆうこ
★風青しすくと青年ブロンズ像/飯島治蝶
★飲み干され翳すブルーのラムネ玉/河ひろこ
★鉄骨の組まれ夏野は尚青き/小川美和

特選7句(2)/6月句会

2006-06-10 11:00:01 | 6月句会

【守屋光雅特選7句】
★さみだれや近江は波の音とあり/大石和堂
柿本人麿の歌を想い起こした。作者は万葉の旅をしているのかも知れぬ。梅雨も旅に好いものだ。あふみの国に行ってみたくなった。(守屋光雅)

★ラムネ飲むきれいに響くところまで/かわなますみ
泡とガラス玉が生む音が一番「きれいに響くところ」を耳に探しながら飲む、清涼なひととき。「きれいに響くところ」は人それぞれで漠然としているようでも、作者の得ようとする「響き」に心が引き寄せられるのは、その繊細さへの共鳴でしょうか。(池田加代子)

★草丈の伸びて草笛響き初む/池田多津子
夏にむかうはつらつとした生命力のようなものを感じます。「草笛」が効果的です。(尾崎 弦)

★胡椒瓶幾度も振りて梅雨の入り/木村 修
★日の差して六月の街輝きぬ/石井秀子
★虞美人草風に揺らせて画布のなか/河野渓太
★飛び交ひて水を掠めし夏燕/小西宏


【堀佐夜子特選7句】
★沖に今ヨットレースの帆が一線/池田加代子
沖に見えるは海の蒼とよっとの白。帆が一線だからヨーイドン寸前の光景だと思われて此方まで緊張が走ります。夏の海そのものです。(堀佐夜子)

★さみだれや近江は波の音とあり/大石和堂
湖水の波音とそぼ降る雨音の調和が見事です。構図も雄大で好きな句です。(安丸てつじ)
静かに降る雨の音とおだやかな波の音、湖畔に立つ作者など情景が想像でき好きな句です。(黒谷光子)

★長男の二の腕太し更衣/木村 修
夏ごとにどんどん成長していく子。衣更えの時期に改めて、頼もしく驚きをもって見ている様子がさわやかです。(希往来)

★朝の業笹散る道を掃く宮司/平田弘
★お揃ひの赤いシャツ着て西日中/栗山豊明
★虞美人草風に揺らせて画布のなか/河野渓太
★開け放ち薔薇の香りを通しけり/大給圭泉


【渋谷洋介特選7句】
★放牧の牛の乳房や若葉風/河ひろこ
広々した山野で、青草をたっぷり食べた、牛の乳房の張りが瑞々しい。(渋谷洋介)

★麦秋の道まっすぐに蒼天へ/今村七栄

初夏の爽やかな田園の情景が目に浮かびます。(大山 凉)

★青梅雨に今朝の欅の明るさよ/おおにしひろし
★トルコ桔梗の白の清楚を抱き帰る/臼井虹玉
★故郷を離れてながき瓜の花/齊藤真人
★菜園に名札大きく茄子の花/堀佐夜子
★沖よりの風にあじさい藍増せり/池田加代子


特別選者
■オンライン句会特別選者は、過去に、以下の25氏にお願いしましたが、今回は、上記の3氏です。
野田ゆたか(2回)・安丸てつじ(2回)・藤田裕子(2回)・古田けいじ(2回)・碇英一(2回)・おおにしひろし(2回)・河ひろこ(2回)・藤田洋子・堀佐夜子・祝恵子・霧野萬地郎・岩本康子・多田有花・守屋光雅・平田弘・日野正人・志賀たいじ・篠木睦・臼井虹玉・池田多津子・黒谷光子・大山凉・宮地ゆうこ・大給圭泉・池田加代子


入選Ⅰ/6月句会

2006-06-10 10:59:29 | 6月句会
【入選Ⅰ/10句】
★竹の皮脱ぎて節目のはっきりと/大山 凉
竹の生長の速さと鮮やかさが夏にふさわしい感覚です。(平田 弘)

★竹が皮脱ぎ竹林の色となる/渋谷洋介
竹が皮を脱いで、竹林の仲間入りをした。色も同じような色になった。よく景が見えます。(飯島治蝶)
一筋の竹に散る一枚の皮、そこから、竹林全体の色の変化へと、一息に視野が広がる驚きに惹かれます。(かわなますみ)

★二把三把菖蒲の動く大湯船/守屋光雅
大らかに詠まれていて、菖蒲のかおりも、あおさもゆったりと伝わります。(小川美和)

★田水張る山も深空も近く入れ/甲斐ひさこ
★薊咲きクロスの墓みち海光る/岩永美恵子
★谷水のひびく里に来合歓の花/あみもとひろこ
★雲湧ける山間の村青田吹く/中村光声
★晴天にすっくとのぼる立葵/大給圭泉
★くちなしの花水平に香を開く/池田多津子
★菖蒲切り花びら大事に抱き帰る/黒谷光子

入選Ⅱ/6月句会

2006-06-10 10:58:40 | 6月句会
【入選Ⅱ/20句】
★留守番の夜は金魚に声をかけ/長瀬正之
留守番の淋しさが良く出ている。何も言わぬ金魚が淋しさを癒してくれる。(古賀一弘)

★桑の実の昔のままの色で生る/宮島千生
★たっぷりと雨を受けつつ薔薇の咲く/丸山草子
★木漏れ日の中を斜めに竹落葉/古田けいじ
★帰省子の呉れしバーボン西部の香/安丸てつじ
★晴れた日の窓辺に座り氷菓子/高橋句美子
★下草に夏蜜柑の花零れけり/吉田晃
★短夜や父の形見の万年筆/栗山豊明
★夏嵐広野の牛は石となる/希往来
★地酒屋の紺に染まりし夏のれん/長岡芳樹
★深煎の珈琲の香と薫風と/野田ゆたか
★田の畦に箱形一つ余り苗/町田智司
★初鰹潮の香零る漁港かな/古賀一弘
★銀杏青葉連なる高さ京路へと/祝恵子
★朝顔苗彩色々に買う夕べ/堀佐夜子
★たわわなる実を表して枇杷の色/碇英一
★明易し吾もサッカーのサポーター/矢野文彦
★薄西日東京湾のふくらめり/尾弦
★谷の宿不意に鳴き出す初河鹿/篠木 睦
★手作りの水鉄砲や竹細工/高橋秀之

6月句会選者詠

2006-06-10 10:58:01 | 6月句会
■選者詠/高橋信之
★朝空を拡げ燕の自在に飛ぶ
★花胡瓜朝の散歩の楽しみに
★初夏の空あおあおパソコン画面にも


■選者詠/高橋正子
★ゆうすげに月まだ淡くありにけり
暮れかかった野の、まだ昇りきらぬ淡い月光の下で、火を点す様に開くはじめる夕菅の情感がしんみりと伝わってくる好きな句です。(志賀たいじ)
夏の明るい夕べ、月はまだ淡く地上のゆうすげが鮮やかな月の色を見せている。次第に夕闇がせまり色を失うゆうすげと輝きを増す月の姿が幻想的です。(宮地ゆうこ)

★梅雨月の光り増し来て萱の上
★紫陽花の波音すぐに聞くもあり

6月句会互選集計結果報告

2006-06-10 10:57:04 | 6月句会

■互選高点句/池田多津子集計

15点 ゆうすげに月まだ淡くありにけり/高橋正子
12点 風青しすくと青年ブロンズ像/飯島治蝶
12点 沖に今ヨットレースの帆が一線/池田加代子
11点 ラムネ飲むきれいに響くところまで/かわなますみ
11点 ゆるやかに牛の反芻夕焼ける/志賀たいじ
10点 さみだれや近江は波の音とあり/大石和堂
10点 田水張る山も深空も近く入れ/甲斐ひさこ


■6月句会のご案内■

2006-06-09 12:56:00 | 6月句会
投句選句箱
投句受付中です。上記の<投句選句箱>をクリックして、ご投句ください。締め切りは、6月10日(土)の夜12時です。

▼ご投句、ご選句は、下記の要領で、お願いします。
★投句①:6月10日(土)、句会前日の夜12時までに投句箱へご投句ください。
★投句②:当季雑詠3句。6月句会は、夏の句です。
★投句③:[投稿者欄]には、仮に英字(ABCなど)を一字か二字お書きください。作者の氏名はお書きにならないでください。 [題名欄]は、「投句」とお書きください。 [メール欄]には、水煙ネットに登録のアドレスをお書き込みください。アドレスのない投句は、削除されます。会員外は、準会員としてご参加いただけますので、事務局のアドレス<npo_suien102@mail.goo.ne.jp>へお申し込みください。
★選句①:投句箱に書き込まれた句のなかから、あなたの好きな句を7句選んで、その番号だけを書き込んでください。
★選句②:6月11日(日)午前6時から正午までに選句7句を書き込んでください。コメントも(一句)お書きいただければ、幸いです。
★選句③:[投稿者欄]には、ご自身のお名前を、[題名欄]には、「選句」とお書きください。
★発表①:午後3時から入選句を発表しますので、入選句の作者名をお知らせください。
★発表②:午後4時の最終発表で、オンライン句会は終わります。金・銀・銅賞には、後日賞品が送られます。楽しみにして、お待ちください。