そして あれこれ言いたい

あちこち散漫なブログ

若者たち

2008-03-30 14:11:28 | 磐音
品川柳次郎
木下一郎太
松平辰平
重富利次郎
井筒源太郎
井筒遼次郎
別府伝乃丈
結城奏之助

おばさんとしては
さわやかな若者が好きです

彼らが成長していく様子が心地よい

磐音も成長しているし
迷いながら生きているのがうかがえるところが嬉しい


武左衛門の
おぬしは深川を捨てていくのだ
という声に
「磐音どうなのか」
と自問している姿がある

迷いなくただ颯爽としているんじゃないところがいいんだね




朔風の岸

2008-03-26 22:00:22 | 磐音
どの巻の磐音も忙しいが
朔風の岸での彼はとても忙しい

大晦日の両国橋での出来事から始まって
商家の凄惨な殺人事件に巻き込まれ
妹の伊代と源太郎の婚礼の話があり
祝いの品をおこんさんと見たてに出かけ
関前藩の物産取引に奔走し
佐々木道場の具足開きの試合に出場し
今津屋の店先での嫌がらせ騒動をあっという間に解決し
柳次郎と武左衛門とともに旗本の知行地修善寺に旅し
やくざの絡んだ騒動を終結させ
江戸に戻ると中川淳庵の拘引事件で彼を助けだし
こんどは絵師の北尾重政に関わる殺傷事件に関わって

と列挙するだけでも大変だ

考えてみると此の巻には磐音の転機の兆しが見えている

佐々木玲圓と速水左近との
このまま市井に埋もれさせてよいものか
いや、世間が磐音の剣を必要とするときが巡ってくる
との会話がある

佐々木道場を継ぎ否応なく将軍家に関わっていく彼の今後を暗示している

佐々木道場に頻繁に通うようになるのはこの頃からではないか


またそれとは別に
修善寺での騒動はまさに花山大吉と焼津の半次のお話のようだ
吉奈の唐次郎と蓑掛の幸助を相争うように仕向けるはずが
かえって双方を敵に回してしまうというおもしろ楽しい時代劇ストーリー

柳次郎の啖呵に惚れ惚れとしてしまう磐音の姿につい微笑んでしまう
手ぬぐいを泥棒被りにし顔に泥を塗りつけた磐音と柳次郎をを想像するのも楽しい


そして藩邸では
なんともお馬鹿さんの福坂利高
磐音をやり込めてやりたかったんでしょうね
ひどい言葉を投げたね

磐音の赤面なんてなかなか見られない
私には印象的だ



等々でお気に入りの巻である





鯖雲の城

2008-03-25 23:15:38 | 磐音
関前藩地元でのお話し
関前の美しい風景が描かれ作者の愛情が感じられる

あ、関前藩は架空の藩であるからもちろん実写ではない
でも
泰然寺へと続く白萩の階段の風景を海から眺めた景色
茜とんぼが飛び交う琴平、慎之助、舞の墓のある半島の突堤の風景
浜辺のある海 岩場の海の様子
城下の町並みなど

それはそれはなつかしい様に描かれている

鯖雲が浮かぶ青い空に映えるお城がはっきりと目に浮かぶ

磐音を慈しみ育てた故郷が余すところなく描かれ
彼の穏やかで愛情深い性格の形成に関与したことが伺われる

ストーリーは血なまぐさいお家騒動なんだけど
なつかしく美しい風景の中で描かれていて
豊かな読後感

本田鐘四郎 改め 依田鐘四郎

2008-03-22 00:39:49 | 磐音
佐々木道場の師範
いつも若い門弟に囲まれているせいか
気持ちが若い 純情だ 屈託がない いや なさそうに見える

結婚生活がこんなにいいものだとは思わなかった

などと臆面もなく言ってしまうのだ


だが

依田家に婿入りし西ノ丸御近習に取り立てられてしまう

鐘四郎に悲劇が待ち受けているような予感がしてならない

こんなに底抜けにいい奴を殺さないで お願い

彼は西ノ丸さまを守ることに命をささげるだろう
でも家基が死ぬのは史実なのだから
きっと鐘四郎は盾となって・・・・

違う展開ならそれはそれでいいが





おこんさん

2008-03-21 08:18:22 | 磐音
今津屋奥向きに10年勤めている女中頭なんだけど
今津屋のお内儀さんが病がちなせいか奉公人以上の仕事もし かなりな待遇である
お内儀さんが亡くなって数年は奥向き一切取り仕切っていたのだろう

しっかり者の新しいお内儀さんが来てからは
空の巣症候群に罹ったようだ



磐音に逢ったときから磐音に魅かれていたんだ
彼に恋人がいると知ったとき
しかもけっして叶うことのない恋に対する磐音の決意を知ったとき

彼女の心情は如何に!?

心優しい彼女は二人を応援する
磐音には好意を抱いているし憎からず思っている

だから磐音に接する機会が増え時間が経過するにつれて
彼女の恋心は高まっていく

磐音も彼女に魅かれていく

磐音が白鶴太夫となった奈緒さんをずっと陰ながら守っていこうと決意した時から
奈緒さんはこの世で磐音の妻となることは叶わなくなった
永遠の 存在となったのだ

おこんさんはそれを承知である

磐音と襖一枚隔てた奈緒さんとの身を切るような別れの場面は
彼自身が狂ってしまうことを自ら断ち切ったのだ
二人が遭ってしまえば後は破滅の道しか残されていないだろう
或いは二人でひっそりとくらすことももしかしたら可能かもしれない

これまでの全てを捨ててその道に進まないでくれて
ありがとうね 磐音

おこんさんを大事にしてね






坂崎正睦さま

2008-03-20 00:39:28 | 磐音
私はこの御仁好きである

いえ御仁と呼ぶのははばかられる
いわずとしれた磐音のお父上にして豊後関前藩の国家老である

清廉潔白の士で謹厳実直
私腹を肥やさんとする前国家老一派や後の江戸家老一派に悩まされつつ
藩政立て直しに邁進する

ただ人がいいのよね
心ならずも彼らの専横を許してしまう
また藩主が許しもしない磐音の藩からの暇乞いを
磐音の心持を尊重して許している

リベラルやなあ

いや子煩悩やなあ かな

こんな風に割り切れないのが人間だし
正義を愛するのも善き人であるし
私にとって身近な感じである

ただいつでも自分を犠牲にして
腹掻っ捌く覚悟が見受けられるのが
私とは違うね
というか武士なんでしょうね





ちりの実生活情報

明日は転職のための面接です
今勤めているデイサービスセンターが
今月いっぱいで閉鎖のため






品川柳次郎

2008-03-18 13:44:52 | 磐音
最初この名前を読んだとき
真っ先に思い出したのが
品川隆二

竹村武左衛門とのコンビで出てきたから
まるで 花山大吉(or 月影兵庫)と焼津の半次 のようだっと思った

おもしろかったなあタイトルは忘れたなあ
用心棒などしながらすっとこどっこいな旅を楽しんでいた二人組

だから初めはそんなイメージで捉えていた
だってやくざな地回りなどの用心棒の仕事をもってきたりしてたし
登場した時はヨワッチイ用心棒だし

ところがどうして 柳次郎さん

本所北割り下水の江戸っ子できっぷもいいし下世話に通じ
貧乏御家人とはいえ母上の薫陶で性格も良い
こんな息子 いいなあ

磐音の弟分だね
でも最近は磐音が偉くなっちまって 登場場面が少ないなあ

柳次郎が笹塚さんを救ったのが最後の花道なんてことになりませんように


磐音 本の紹介

2008-03-17 19:39:46 | 磐音
陽炎ノ辻―居眠り磐音 江戸双紙 (双葉文庫)
佐伯 泰英
双葉社

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これが二十数巻も続く 居眠り磐音江戸双紙 の 第一巻

筋立てにちょっと無理があるかなあ と思われるのだが(すみません)
でも一番大事な物語の端緒

作家は 佐伯泰英さん 
ご自分では 月刊佐伯とも言われていると
それは自嘲か 自負か

どちらでも良い
これほど面白く読ませていただいているのです

たまに齟齬があるのは自明の理

どうぞこれからも面白いお話をお願いいたします



磐音 人気の秘密

2008-03-16 22:43:51 | 磐音
磐音は
➀ 国家老の嫡男で つまり下世話でいえばいいとこのお坊ちゃま
  なのに長屋暮らしの浪人
➁ めっぽう腕が立つ剣術家
  悪人をばったばったと切り倒す
③ 姿がよくて性格がめちゃくちゃいい
  上つ方から下々までファンがいっぱい

ということで
痛快時代劇王子様ヒーローとしての資質が満載

お話しも
次から次へ事件勃発
市井の小さな事件から将軍家に関わる事件まで息をもつかせぬ
そこに奈緒さんやおこんさんとのラブストーリーも絡む

一度読み始めたら途中で止まらない





磐音

2008-03-16 13:34:30 | 磐音
作品に散りばめられている小道具が心憎い

料理もそのひとつ
豪華な高級料理というわけでないの
ぶりと大根の煮付け
ひじきと豆の煮たの
鰯や鯖の焼いたのに大根おろしとか
蓮根蒟蒻人参椎茸の炊きあわせとか
庶民の食べ物

またそれを無心に美味しそうに食べる磐音がいる

食べる場所も
2間9尺の長屋
お店の台所
一膳飯屋とかそんなところ

温かい湯気や匂いがすぐに思い出される

また
大根の切れっぱしがあるから
それで雑炊でもつくろうか

とかいう発想も身近なんだな