早い話が:星くずのブーメラン=金子秀敏
「デブリ」とはフランス語で崩れ落ちた岩のかけら。「スペース(宇宙)デブリ」と言えば、宇宙に放置された人工衛星やロケットの破片である。宇宙ゴミとも言われる。
中国がミサイルを使った衛星撃墜実験を行ったら、握りこぶし大のスペースデブリ517個が発生した。地球の周囲を周回している。もしも、ほかの人工衛星や宇宙ステーションに衝突したら大事故になるという。
日本政府はこのデブリで中国を非難した。確かにデブリの発生は問題なのだが、よく考えるとデブリはブーメランのように日本自身に戻ってくる問題でもある。
なぜなら、宇宙空間を飛んでくる敵のミサイルを迎撃ミサイルで爆破するという米国のミサイル防衛(MD)システムに、日本は資金面、技術面で協力しているのである。
ミサイル防衛に反対する米国の科学者たちは「ミサイルの迎撃は大量の宇宙ゴミを出すので、低軌道を使う人工衛星が永久に使えなくなる」と警告している。中国製のデブリが悪いなら、ミサイル防衛で出る米国製デブリも非難されなければならない。
ではデブリの出ない衛星攻撃兵器ならいいのか。中国の実験後、米国政府が公表した資料によると、中国が研究しているのはミサイルによる衛星撃墜だけではない。「米国の衛星は最近、中国から地上レーザーの照射を受けたが、損害はなかった」という。宇宙軍拡で米国を追う中国はデブリの出ないレーザー兵器も研究しているのだ。完成しているかもしれない。
かつて米国とロシアが弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約を結んでいた当時、ミサイルによる衛星攻撃は禁止されていた。レーザー兵器はそれに代わって開発された。
地球の周りには日本の衛星も回っている。破壊されては困る。日本が中国に申し入れるべきは、衛星攻撃兵器の禁止ではないだろうか。
だが、これもブーメランである。衛星のミサイル攻撃を禁じたABM条約を一方的に破棄したのは、米国のブッシュ大統領である。ミサイル防衛に不都合だったからだ。
一方、ジュネーブ軍縮会議で衛星攻撃兵器の禁止を提案してきたのは中国だ。米国は反対した。日本が中国の宇宙軍拡に反対しようとするなら、ミサイル防衛にも反対しなくては筋が通らないのである。(専門編集委員)
【毎日新聞 2007/2/8】-------------------
まぁ、ここまで屁理屈並べて中共を徹底擁護してると、もう呆れるのを通り越して感心すらします。念のために申しますが、コレは人民日報の記事ではありません。日本の毎日新聞の記事ですwww
すでに実害のある中国のミサイル実験と、防衛のための迎撃ミサイルの研究を同列に論じる事もさることながら、中国の(デブリの出ない)レーザー兵器開発を歓迎しているかのような記事には目を疑うばかりです。ま、日本も中国を見習ってレーザー兵器開発しろ、と言いたいなら分かるけど。
>日本が中国の宇宙軍拡に反対しようとするなら、ミサイル防衛にも反対しなくては筋が通らないのである。
「筋が通らない」などと、得意げに言ってますが、中国のミサイル数百発が日本に照準を向けられている現状をご存じないのかと。
そもそもこの度中国が起こした問題はデブリを撒き散らしたこと。日本のミサイル防衛とは本質的に違う。以前沖縄でパトリオット配備に反対した連中同様、迎撃ミサイルで敵国を攻撃できる、とでも勘違いしているんジャナイカ。筋が通らないのはオマエだ!
なんだかんだ回りくどいこと言っても、毎日新聞の言いたいことは中国共産党万歳だろ?