昨日から始まった【トンデモ映画の世界】。
日本がまだオラオラに元気だった「1960年代」をキーワードに、当時公開されたトンデモ日本映画を
紹介してみようというこの企画。
前回は『秘録おんな牢』と『続 秘録おんな牢』を紹介しました。
そして今回紹介するのは―――――
『秘録・おんな寺』。
主演はもちろん、安田道代。
「牢」では飽き足らなくなり、今度は「尼寺」を舞台に道代が暴れまくります。
しかも、キャッチコピーはさらなる過激化の一途を辿り、
抱いた美男を死ぬまでなぶり、美女は裸で責め殺す!!!
女を救う女の寺で痴情に明け暮れる女の集団!!!
・・・・・・だって。
もうホラーなんだかコメディなんだかよくわからないヤケクソっぷり。
「もういい加減にしなさいよ」と思わずツッコミを入れたくなりますね。ここまでくると。
さすがに映画会社も、理由もなく美男をなぶり殺したり、退屈しのぎに美女を責め殺したりする
のは良くないと思ったのか心機一転、さらなる続編を作ります。↓
それがこれ、『尼くずれ』。
気になるコピーは・・・・
姿は尼だが、中身は凄い!!
女になりたい、くずれてみたい、いっそ地獄の底までも!!!
・・・・・。
なんともただれた感じのする宣伝文句。
主演はもちろん、安田道代。
女因やったり、くずれた尼をやったりと、キング・オブ・ヨゴレの栄冠を欲しいままにする安田道代。
もう誰にも彼女を止めることはできません。
映画関係者の方には是非、瀬戸内寂聴を主役にした平成版『尼くずれ』のリメイクを検討していただきたい。
ちなみに、「秘録シリーズ」では他にも、江戸城大奥を舞台にした『秘録 おんな蔵』という映画もあります。
さらにちなみに、この安田道代という女優は現在、「大楠道代」という名で映画を中心に女優活動を続けております。
最近では、寺島しのぶ主演の『赤目四十八瀧心中未遂』や、ビートたけし主演の『座頭市』なんかに出てました。
酒焼けしたようなダミ声の痩せたオバちゃん、覚えてませんか??
道代も今やすっかり年を取って、場末な路地裏が似合うただのババアになってしまいましたが、
40年ほど前は煌びやかな映画業界の中に燦然と輝くトップ女優だったのです・・・・。時の流れって、残酷ね♪
そして最後に紹介する映画はこれ。
『ダンプ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども』
いきなり、「くたばれ野郎ども」と言われても戸惑うばかり。
ポスターをじっくり見ても、これが一体どんな内容の映画なのかさっぱりわかりません。
てか、大映がどういうコンセプトのもとにこの映画を作ろうとしたのか想像すらつきません。
その場のノリだけで作ったのでしょうね。
しかもキャッチコピーがまた強烈。
ボリウム、馬力はダンプ級!!ケツ圧最高ヒップで勝負!!!
ボイーンで一発、悩殺パンチ!!!モーレツ艦隊堂々出撃!!!
・・・・・・・・まったく意味がわからない!!!
ケツ圧最高のヒップで何の勝負をすると言うか。
ボイーンで誰に悩殺パンチを喰らわすと言うのか。
モーレツ艦隊って・・・・一体何!!??
こんなにも安い雰囲気かつ意味不明な映画を作れてしまうほどに、
当時の日本は平和だったということでしょうか??
宣伝ポスターを見るだけで脳死状態に陥りそうなこの映画は、昭和という時代が生んだ、立派な国産兵器である!!
今こそ自衛隊はこの映画『ダンプ・ヒップ・バンプ くたばれ野郎ども』を携え北朝鮮に乗りこみ、
ジョンイル君に見せるべきである。そして彼の圧制に苦しむ民を、悪辣非道な社会主義から解放してやるべきである。
わたくしはそう願わずにはいられないのである。
それではみなさん、今日はこの辺でさらならなのである。
【関連リンク】
★大映ビデオミュージアム 秘録女因シリーズ