今一番ホットなキーワード。それは『黒幕』。
社会を騒がせる「耐震強度偽造事件」の中からこぼれ落ちてきた、この言葉。
一般庶民の日常会話には決して出てこない、特権階級の間でしか使うことが許されなかったキーワードでもあります。
それほどまでに、「黒幕」という言葉からは禍々しい瘴気が発せられておりました。
イタチが三百年生きると黒幕になるらしいとか、
山で黒幕を見たら石になってしまうらしいとか、
黒幕を見ても北に向かって三度お辞儀をすれば命だけは助けてくれるらしいとか、
東北地方の老人たちは今でもその名を口に出すのを恐れて、黒幕供養の祈祷を欠かさないと聞きます。(聞きません)
しかし今度の「耐震強度偽造事件」によって現れた黒幕が、ただのヨボヨボのジジイであったことが明るみになったことによって、
ようやく庶民レベルでも安心してその言葉を口に出来るようになったのです。
来年の流行語大賞ノミネートは確実であろうと思われるほどに、今では誰もが「黒幕」という言葉を気軽に使っているので
ございます。
くろまく 【黒幕】
自分は表面に出ず、かげにいて、計画したり人に指図したりして、影響力を行使する人。
※大辞林より
目立ちたがりやで単細胞なでしゃぱりを陰から意のままに操る高度な心理テクニックとカリスマ性を持つのが、本当の「黒幕」。
まさに、キング・オブ・ワルといったところでしょうか。
キング・オブ・バカが日常レベルで大量発生しているのに対して、キング・オブ・ワルはほんの一握りの、選ばれた
者にしかなる資格はありません。
そんな数少ない「黒幕」によって、日本という国は食い尽くされているのですよ!!
★日本の黒幕図鑑★
耐震強度偽造事件の黒幕 TBSを牛耳る橋田壽賀子ファミリーの黒幕 薬害エイズ事件の黒幕
内河健 石井ふく子 安部英
なんということでしょうか。各業界の黒幕をこうして並べて見てみると、驚くほど皆似ております。
尖った鼻。垂れがちな目。たるんだ頬。そしてメガネ。どこか魔女っぽいこの顔こそが「黒幕顔」なのね。
キッチンの暗闇に潜むゴキブリのように、黒幕はなかなか明るい場所には出てきません。
ゴキブリホイホイを仕掛けても小物のゴキブリしか捕らえられないように、肥え太ったボスのゴキブリ(略してボスブリ)は、
なかなか正体を見せないのです。それ程までに、ボスブリは狡猾かつ巧妙に立ち回り、ヘタに刺激すればバサバサと羽を広げて
飛んできて、コックローチを構えた人間に襲い掛かってくる恐れすらあるのです。
かつて東北地方の老人が「黒幕」と「妖怪」を同一視していたように(してません)、都会に生きる我々にとっても黒幕は、
巨大な羽を広げて飛んでくる巨大ゴキブリそのものなのです。
しかし我々は、逃げるわけにはまいりません。
暗闇に潜むゴキブリをいぶりだし、一日も早く退治してやらなければならないのです。そうすることによって初めて、
わたしたちは「日本」という「我が家」に安心して住むことが出来るのですから!!!
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