【1分で判明!病気チェック】尿量減る夏から秋は要注意「尿路結石」
罹患率は年々上昇、いまや7人に1人が生涯一度は発症する。何といっても辛いのは、脇腹から背中にかけて現れる強烈な激痛。経験者は5年以内に半数が再発するといわれる。結石の成分は尿に排出されるので、脱水で尿量が減る夏から秋は要注意シーズンだ。
【夏は2倍発症増える】
尿をつくる腎臓にできた石(腎臓結石)がポロリと落ちて、尿管に詰まれば「尿管結石」、膀胱に行けば「膀胱結石」、尿道に詰まれば「尿道結石」。
だが、9割以上は腎臓と尿管の結石で発作が起こる上部尿路結石だ。
この石の正体について、獨協医科大学越谷病院・泌尿器科の岡田弘教授は「ほとんどがカルシウムとシュウ酸が結合したもの。通常、尿中濃度の割合は(カルシウム)10対1だが、結石ができるかどうかはシュウ酸の量が大きなファクターになる」と説明する。
尿量が減ると結石ができやすく、大汗をかく夏から秋にかけての発症者は他のシーズンより2倍ぐらい増えるという。
【腎臓が腫れて激痛】
典型的な症状の七転八倒する激痛は、左右ある腎臓の石ができた方の脇腹から背中にかけて現れる。その強烈な痛さは病気が原因で起こる痛みでは急性心筋梗塞、急性すい炎と並んで最大級だ。
「結石は4ミリぐらいであれば尿と一緒に自然に排出されるが、大きくなって腎臓の出口や尿管の途中に詰まると尿を排出させにくくなって腎臓がパンパンに腫れて激痛を発する」(岡田教授)
発作が起きたら痛みは和らぐことなく増すばかり。病院では、体の外から衝撃波で結石を破壊する「ESWL」や尿道から内視鏡を入れてレーザーで破壊する「TUL」などの治療が行われる。
【予防は食べ合わせで吸収を減らす】
では、結石を作らせないためには、どんなことを注意するべきなのか。
岡田教授は「シュウ酸はほとんどの野菜に含まれるので食事制限は難しい。シュウ酸を多く含む食品を食べるときはカルシウムを多く含む食品と一緒にとれば、腸から吸収される前にカルシウムと結合して便に排泄される」とアドバイスする。
とくにシュウ酸含有量の多いホウレン草やタケノコは、カツオ節などをかける。紅茶はミルクを入れるのがいいが、「よく使われるミルクの代替品は植物油からつくられているので意味がない」と岡田教授。
ビールを飲むときもツマミにチーズや小魚をとるといい。また、オレンジやレモンなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸には結石を抑制する働きがあるという。
「水分を多く取ることも重要。1日最低5-6回は排尿に行くぐらい取るべき」(岡田教授)
夏は意識して尿量を増やすことを心がけよう。
★「尿路結石」チェックリスト
□毎日のように飲酒する
□肉類の料理をよく食べる
□乳製品をあまりとらない
□魚類はあまり食べない
□ほうれん草をよく食べる
□紅茶や緑茶をよく飲む
□甘いジュース、缶コーヒーをよく飲む(果糖が多い)
□帰宅が遅く、いつも夕食をとってすぐ寝てしまう
□肥満である
※該当が多いほど発症しやすい。獨協医科大学越谷病院・泌尿器科/岡田弘教授作成
2010.08.30 ZAKZAK
罹患率は年々上昇、いまや7人に1人が生涯一度は発症する。何といっても辛いのは、脇腹から背中にかけて現れる強烈な激痛。経験者は5年以内に半数が再発するといわれる。結石の成分は尿に排出されるので、脱水で尿量が減る夏から秋は要注意シーズンだ。
【夏は2倍発症増える】
尿をつくる腎臓にできた石(腎臓結石)がポロリと落ちて、尿管に詰まれば「尿管結石」、膀胱に行けば「膀胱結石」、尿道に詰まれば「尿道結石」。
だが、9割以上は腎臓と尿管の結石で発作が起こる上部尿路結石だ。
この石の正体について、獨協医科大学越谷病院・泌尿器科の岡田弘教授は「ほとんどがカルシウムとシュウ酸が結合したもの。通常、尿中濃度の割合は(カルシウム)10対1だが、結石ができるかどうかはシュウ酸の量が大きなファクターになる」と説明する。
尿量が減ると結石ができやすく、大汗をかく夏から秋にかけての発症者は他のシーズンより2倍ぐらい増えるという。
【腎臓が腫れて激痛】
典型的な症状の七転八倒する激痛は、左右ある腎臓の石ができた方の脇腹から背中にかけて現れる。その強烈な痛さは病気が原因で起こる痛みでは急性心筋梗塞、急性すい炎と並んで最大級だ。
「結石は4ミリぐらいであれば尿と一緒に自然に排出されるが、大きくなって腎臓の出口や尿管の途中に詰まると尿を排出させにくくなって腎臓がパンパンに腫れて激痛を発する」(岡田教授)
発作が起きたら痛みは和らぐことなく増すばかり。病院では、体の外から衝撃波で結石を破壊する「ESWL」や尿道から内視鏡を入れてレーザーで破壊する「TUL」などの治療が行われる。
【予防は食べ合わせで吸収を減らす】
では、結石を作らせないためには、どんなことを注意するべきなのか。
岡田教授は「シュウ酸はほとんどの野菜に含まれるので食事制限は難しい。シュウ酸を多く含む食品を食べるときはカルシウムを多く含む食品と一緒にとれば、腸から吸収される前にカルシウムと結合して便に排泄される」とアドバイスする。
とくにシュウ酸含有量の多いホウレン草やタケノコは、カツオ節などをかける。紅茶はミルクを入れるのがいいが、「よく使われるミルクの代替品は植物油からつくられているので意味がない」と岡田教授。
ビールを飲むときもツマミにチーズや小魚をとるといい。また、オレンジやレモンなどの柑橘類に多く含まれるクエン酸には結石を抑制する働きがあるという。
「水分を多く取ることも重要。1日最低5-6回は排尿に行くぐらい取るべき」(岡田教授)
夏は意識して尿量を増やすことを心がけよう。
★「尿路結石」チェックリスト
□毎日のように飲酒する
□肉類の料理をよく食べる
□乳製品をあまりとらない
□魚類はあまり食べない
□ほうれん草をよく食べる
□紅茶や緑茶をよく飲む
□甘いジュース、缶コーヒーをよく飲む(果糖が多い)
□帰宅が遅く、いつも夕食をとってすぐ寝てしまう
□肥満である
※該当が多いほど発症しやすい。獨協医科大学越谷病院・泌尿器科/岡田弘教授作成
2010.08.30 ZAKZAK