『坂の上の雲』を読み始めた。
四度目となる。
気に入った部分には付箋とメモ書きがなされている。
だんだんと愛着が湧いてきた。
以前、こんな部分に付箋を貼っていた。
真之の場面だ。
***
戦術家たらんとする者はまずそういう自分をつくらねばならぬとかねがね思っている。
戦術というものは、目的と方法をたて、実施を決心した以上、それについてためらってはならないということが古今東西のその道の鉄則のひとつであり、そのように鉄則とされていながら戦場という苛烈で複雑な状況下にあっては、容易にそのことがまもれない。真之はそれを工夫した。平素の心掛けにあると思った。
「明晰な目的樹立、そしてくるいない実施方法、そこまでのことは頭脳が考える。しかしそれを水火のなかで実施するのは頭脳ではない。性格である。平素、そういう性格をつくらねばならない」
***
目的を達成するため、自分自身の性格までもを作り上げる意志。
そんな生きざまに魅かれて思わず線を引いた。
四度目となる。
気に入った部分には付箋とメモ書きがなされている。
だんだんと愛着が湧いてきた。
以前、こんな部分に付箋を貼っていた。
真之の場面だ。
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戦術家たらんとする者はまずそういう自分をつくらねばならぬとかねがね思っている。
戦術というものは、目的と方法をたて、実施を決心した以上、それについてためらってはならないということが古今東西のその道の鉄則のひとつであり、そのように鉄則とされていながら戦場という苛烈で複雑な状況下にあっては、容易にそのことがまもれない。真之はそれを工夫した。平素の心掛けにあると思った。
「明晰な目的樹立、そしてくるいない実施方法、そこまでのことは頭脳が考える。しかしそれを水火のなかで実施するのは頭脳ではない。性格である。平素、そういう性格をつくらねばならない」
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目的を達成するため、自分自身の性格までもを作り上げる意志。
そんな生きざまに魅かれて思わず線を引いた。