すべての原因は自分の中に

以前の職場で、私は昇任試験を受けた。
運よく若いときに昇進した。

周りの目は、励まし、妬み、温かさ、冷たさがあった。
励ましてくれる、温かい言葉をかけてくれる人になびく自分があった。
部下もできた。
全員年上のベテランだった。
父親に近いほどの人もいた。
最初の1か月は、目も合わさず、口もきいてももらえなかった。
20歳以上も年下の若造が突然自分の上司になる・・・
ベテランの人たちにとっては、認めがたい上司だったのだ。

苦しかった。
冷えた視線を投げかける人を恨みたくもなった。

でも違っていた。
苦しいのは、自分が未熟だから。
相手が悪いのでも、他人のせいでもない。
すべては自分の未熟さが所以だった。
そして、私の心の中には“傲慢”の芽がでていたのに違いない。

一から懸命に勉強した。
がむしゃらに仕事した。
自分から「教えてください」と言えるようになった。
そして、みんなが心地よく仕事ができる環境づくりに努めた。
そのためには下働きもした。
責任をとることも覚えた。
視線は次第に温かくなっていった。




今も苦しいことはある。
ついつい他人のせいにしたり、周りを批判したくなる自分がいる。
違うのだ。
苦しいのは自分が未熟だから。

“すべての原因は自分の中にある”のだ。
人を批判するのでなく、まっすぐに自分を省みることができる。
そして、喜んでみんなのために尽くすことができる。
そんな人もまた「志民」と呼ぶのだと思う。

今日も真の志民を目指して歩む。