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横浜市港北区新羽町

横浜市北部にある「にっぱ」の町会活動を紹介いたします。
ブログは移転しました。

【水没した倉敷市真備町、新羽・新吉田地区はそっくりの地形 災害は忘れたころにやってくる(地域活動ワンポイント知識)】2018/10/15

2018年10月05日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
資料⇒日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」が始まった
内容

 1 日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」が始まった
 2 平安時代に連続して起きた地震と噴火がそっくり
 3 10年以内の南海トラフ巨大地震発生確率 20~30%

水没した倉敷市真備町と新羽町の地形がそっくり

 7月(2018年)に、岡山県倉敷市の真備町が水没しました。この真備町の地形をよく見ましたら、なんと新羽・新吉田地域とそっくりでした。鶴見川は、新吉田東で早淵川と合流しています。真備町も川が合流しているところで、本流の水位が高すぎて支流が溢れてしまいました。早渕川が溢れると、新吉田東からこの新羽町の交通局車両基地辺りまで水没してしまいます。
 新羽車両基地の横を流れる鶴見川は昔から暴れ川であって、昭和60(1985)年ころまでは、梅雨時と台風シーズンはいつも水が出ていました。水が出ると新田小学校は休校になることもあって、内心嬉しい気持ちを必死で控えていた記憶があります。中学、高校は町田市に通っていたので通わなくてはなりません。自宅から制服のズボンをまくり上げてサンダル履きで、靴と靴下を抱え最寄りの41系統バス停まで水の中を歩きました。
 もし、当時地下鉄があったならば、新羽駅をあざみの方面に発車して左にカーブするところで車窓から眺めたならば、一面が池と映ったと思います。

田んぼだったので、地震の際は液状化が心配
 新羽町の鶴見川に接する平地は、もともと田んぼでした。周囲から低くて新羽町の三分の一が水没してました。今は、その上に工場や住宅がありますので、直下型の地震が起きた場合は、液状化が心配されます。北新横浜から新羽まで地下鉄と併行して走る道路がありますが、その歩道は2011年3月11日の揺れで一部波打ったままになっています。

日本人の「寛容」は自然災害大国に住む気質
 非常事態発生時には「同胞」として助け合わなければならないことを、私たちはご先祖から受け継いでおり、日本人の「寛容」は、自然災害大国の住民としての気質に基づくものでもあります。
 自分が地域活動に関わるきっかけとなったのは、1995年の阪神淡路大震災でした。救助隊の到着や公的な援助が受けられるまでの最初の48時間、まさに命を繋ぐための助け合いは、お隣さんであり地域コミュニティでした。これは、東日本大震災も同じでした。
 ですから、平時でも、そこに住んでいる皆さんの顔が見えるコミュニケーションがあれば、「あの人知ってる、新羽のひとだよ」というだけで、いざというときは安心して助けを求めることができますし、日頃の防犯、安全安心な地域の創造に繋がります。

歴史上の自然災害 
 歴史を嗜むものが共有している情報として、東日本大震災前後からの地震や火山の噴火活動は、今から1149年前の平安時代に発生した貞観三陸沖地震の状況とそっくりだと言われています。その地震から18年後に世界最大の地震とも言われている仁和地震が発生しています。
 今では、大きな地震の発生は周囲に歪をもたらすという研究があり、この横浜でも直下型地震の発生が心配されていますが、仁和地震と同様の南海トラフ巨大地震の発生についても、度々新聞で報道されています。
 平安時代は18年後に巨大地震が発生しました。東日本大震災からまだ7年(2018年)です。災害は忘れたころにやってくる、ではありませんが、まだまだ日頃から公私にわたって、関心を持っていただきたいと思います。

資料⇒日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」が始まった
内容
 1 日本列島は千年ぶりの「大地変動の時代」が始まった
 2 平安時代に連続して起きた地震と噴火がそっくり
 3 10年以内の南海トラフ巨大地震発生確率 20~30%
(文責:事務局)
参考:新羽町自治会役員会資料


【第3期港北区地域福祉保健計画概要版 「ひっとプラン港北」について(地域活動ワンポイント知識)】

2018年06月23日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
第3期港北区地域福祉保健計画概要版
計画期間 平成28年度~32年度
ひっとプラン港北

「ひっとプラン港北」(港北区地域福祉保健計画)は、その地域に住む誰もが自分らしく安心して暮らせるまちを目指し、地域住民と関係団体、行政、事業者などが連携して地域の福祉保健課題の解決に取り組み、助けあい、支えあいのある地域づくりを進める計画です。

計画の背景
港北区は人口・世帯数ともに市内最多で、年齢を問わず単身世帯が多いことが特徴です。また、5歳未満の子どもの割合が市全体より高く、そのほとんどは核家族です。今後も人口は緩やかに増加し、高齢者の占める割合が高くなることが見込まれています。

ひっとプラン港北の概要
計画の構成
港北区地域福祉保健計画は、区内13の「地区計画」と、「区全体計画」から構成されています。これらは、基本理念や計画推進の柱を共有して一体的に策定されており、計画の推進にあたっても、相互に連携しながら取組を進めていきます。
基本理念
誰もが安心して健やかに暮らせるまち 港北
すべての区民が人とのつながりをつくりながら、できるだけ長く健康に自立して過ごすことを基本に、助けあい、支えあいのある安心して暮らせるまちを目指します。
計画推進の柱と愛称
「ひろがる」、「つながる」、「とどく」を計画推進の柱とし、この3つの頭文字「ひ」、「つ」、「と」をつなげた「ひっとプラン港北」を計画の愛称としています。

計画推進の柱と具体的な取組
この計画では、基本理念のもとに3つの計画の柱ごとに、重点取組と取組目標を定めました。また、区役所・区社会福祉協議会(区社協)は、地域ケアプラザと連携して、具体的な取組を設けて役割を明確にするとともに、地域での取組例を各取組目標ごとに示しています。

推進の柱1 ひろがる
理解と参加のひろがりによる活発な地域づくり
世代を超えて理解と参加を促し、活発で持続可能な地域づくりを進めます。
重点取組1 幅広い住民の地域活動への参加促進
取組目標
1 地域活動の魅力を伝え、多くの住民の理解を深めます。
2 多様な地域活動への参加のきっかけをつくり、継続に向けた支援を行います。
具体的な取組
・各世代にあわせた効果的な媒体を用いて、地域活動の重要性や魅力を発信すると同時に、地域の活動団体等が情報を発信する取組を支援します。
・地域活動への多様な参加のあり方についての啓発を進めると同時に、参加のきっかけをつくります。
・様々な世代が感じている地域課題を当事者同士で共有する場をつくり、課題解決しようとする取組を支援します。
・多様な経験、スキルを持った人材が、自治会町内会をはじめとする地域活動団体と連携するきっかけをつくります。
・港北区ボランティアセンターにおける、活動支援およびコーディネート機能を強化します。
・港北区区民活動支援センターや地域ケアプラザ等のボランティアをコーディネートする施設が連携し、ボランティアの育成と活動支援を行います。
地域での取組例
・地域活動に関する情報発信(広報紙、ホームページなど)
・IT活用に関する講座の開催
・多様な世代にとって参加しやすい行事や活動の企画、運営
・子育てや介護をしている人等が活動に参加するきっかけづくり
・ボランティア講座、技術講習会、活動体験の開催
・個人の趣味や特技を活かせる活動の場づくり
重点取組2 地域活動の活性化と拡がり促進
取組目標
1 円滑な福祉保健活動の推進のために、地域資源の活用を進めます。
2 多様な活動団体のネットワークづくりを進めます。
具体的な取組
・既存の施設や空き家、空き店舗等の活用を進めます。
・地域福祉保健を推進する事業に対して、補助金等の資金支援を行います。
・活用できる人材、拠点、補助金等の情報を整理し、地域に提供します。
・地域活動の企画、運営、広報等の支援を強化します。
・自治会町内会活動、地区社会福祉協議会への支援を強化します。
・地域活動団体と、企業、施設等との協働を支援します。
・様々な分野の活動団体が情報交換、交流する場を設け、連携のきっかけをつくります。
地域での取組例
・多様な団体と連携した地域活動の展開
 連携する団体の例 : 老人クラブ、子ども会、趣味のサークル、企業、学校、商店会、福祉施設、市民活動団体
・同じ地域で活動する団体同士の連携促進(活動交流会、ボランティア連絡会など)
重点取組3 未来を担う次世代育成
取組目標
1 地域ぐるみで子どもを見守り、子ども自身が心身ともに成長していく力を育てていけるような、子育てにやさしいまちづくりを進めます。
2 次世代を担う子どもたちに、地域との関わりやつながりの大切さを理解してもらい、地域への愛着心を育てます。
具体的な取組
・子育てに関する相談・支援機能をもつ拠点を拡充します。
・子育て支援に関わる人材や関係機関等のネットワークを強め、地域の子育て支援の活性化と人材の支援・育成を行います。
・子どもの居場所づくりを進めます。
・地域ぐるみで子育てを見守る風土づくりを進めます。
・子どもの虐待や貧困等への対応に、より一層学校と連携して取り組みます。
・小中学生やその保護者に向けた地域活動への理解を深める取組を、学校と連携して推進します。
・福祉教育の充実を図り、次世代の活動者を育成します。
地域での取組例
・子育て世帯が参加する住民交流の場づくり
・子育てに関する情報発信
・子育て応援キャンペーン活動の実施
・安心、安全なまちづくりの推進
・子どもが福祉や地域への理解を深める機会づくり
・学校やPTAと連携した地域活動の推進
・プレイパークの運営

推進の柱2 つながる
人のつながりで進める安心なまちづくり
住民同士の交流と多様性の理解を進め、健康で安心して暮らせるまちづくりを進めます。
重点取組1 人と人とのつながりづくり
取組目標
1 住民一人ひとりが地域とつながり、支えあうことの重要性について理解を深める取組を進めます。
2 住民が交流する機会、場を増やします。
具体的な取組
・自ら人と交流し、地域とつながりをつくっておくことの重要性の啓発を進めます。
・健康づくりや趣味の活動など、交流につながる多様なきっかけづくりに取り組み、また、地域が行うそれらの活動を支援します。
・地域の福祉活動団体等と連携し、地域とつながりを持ちにくい方への働きかけを行います。
・交流の場や「居場所」を運営するための資金面の支援や、場の確保に向けた関係機関との調整を行います。
地域での取組例
・多世代が参加する住民交流イベントの開催
・趣味の講座の開催による交流のきっかけづくり
・小スペースを活用したお茶飲み会の実施
・サロンや居場所の立ち上げ、運営(子育て、高齢者、異世代交流など)
・閉じこもりがちな方への声かけ
重点取組2 年齢や障がいの有無にかかわらず、誰もが参加できる場づくり
取組目標
1 地域には様々な人が暮らしていることへの住民の理解を深めます。
2 年齢、障がいなどにかかわらず、参加できる場を増やします。
具体的な取組
・障がいや病気、国籍など、地域に暮らす様々な方への理解を深める取組を進めます。
・学校や企業と連携して福祉への理解を深めます。
・年齢や障がいにかかわらず主体的に参加できる地域活動の実施に向けて、働きかけを行います。
・様々な場において高齢者が活躍できる機会を検討し、実施します。
・老人クラブの取り組む幅広い活動を発信することにより、加入促進の取組を支援します。
・障がい者が利用する施設等と地域がつながるきっかけをつくります。
・公的施設などの整備にあたっては、高齢者、障がい者、子どもなど、誰もが利用しやすい福祉のまちづくりの視点を持って取り組みます。
・バリアフリーの推進に関する啓発に取り組みます。
・障がい児・者のための外出相談室「おでかけGO!港北」の機能を高め、利用を促進します。
・身近な地域での障がい児・者の居場所づくりを進めます。
地域での取組例
・地域行事への参加呼びかけと、配慮が必要な方への対応の検討
・高齢者や障がい者等の能力や特性を活かした活動の展開
・地域の福祉施設と協働した交流の機会づくり
・認知症カフェ、障がい児・者の居場所づくりの実施
重点取組3 健康寿命を延ばす取組の推進
取組目標
1 健康づくりや「つながり」づくりの大切さへの理解を深めます。
2 身近な地域で健康づくりを行う場、機会を増やします。
具体的な取組
・健康づくりへの関心、意欲を高める仕掛けづくりを行います。
・外出や他者との交流などの「つながり」が健康を保つことへの啓発を行います。
・保健活動推進員や食生活等改善推進員が、他の委嘱委員や活動団体と連携して取り組む自主的な健康づくり活動を支援します。
・身近な地域で介護予防の取組ができる場や機会を増やします。
・学校、保育園と連携した子どもや子育て世代への啓発など、幅広い世代への食育活動を推進します。
地域での取組例
・ウォーキング、ラジオ体操など健康づくり活動の実施
・介護予防、認知症予防講座の開催
・コミュニティレストランの運営

推進の柱3 とどく
支援がとどく仕組みづくり
必要とする人に的確に支援が届く仕組みづくりや、身近な地域で相談できる環境整備を進めます。
重点取組1 支援が必要な方を発見し支援につなげる仕組みづくり
取組目標
1 日常的な近隣関係や福祉保健活動を通じた緩やかな見守りを推進します。
2 支援が必要な方を速やかに把握し、支援につなげる仕組みをつくります。
具体的な取組
・福祉関連事業者や医療機関、学校と連携して、認知症や障がい、児童虐待等の理解に関する普及啓発に取り組み、緩やかな見守りや異変への気づきにつなげます。
・支援が必要な当事者に対して自ら発信することの重要性について啓発を行います。
・施設、学校、事業者等と連携し、支援が必要な方を確実に把握する仕組みをつくります。
・個人情報の適切な利用について、住民の理解を深めると同時に、行政が保有する個人情報を活用し、要支援者を把握する仕組みづくりを行います。
地域での取組例
・啓発講座、福祉教育、認知症サポーター養成講座などの実施
・日常生活の中の緩やかな見守り(近隣の見守りも含む)
・ITを活用した見守りシステムの開発
・公的施設や商店街等と連携した徘徊高齢者の発見、通報の仕組みづくり
・地域活動で把握した要支援者への対応を共有する場づくり(ボランティア連絡会など)
重点取組2 身近な場所で相談・支援が受けられる環境整備
取組目標
1 地域と専門機関等が連携し、地域で支援が必要な人を支える仕組みをつくります。
2 身近な地域で相談や支援が受けられる環境を整えます。
具体的な取組
・必要とする人が的確にサービスの情報を得られるよう、情報発信の工夫や相談を受ける支援者のスキルアップに取り組みます。
・既存の福祉施設の機能を強化することを含め、相談・支援機能をもつ拠点を拡充します。
・高齢者や障がい者、子育てなど分野別の支援者ネットワークを強化し、支援の質の向上を図り、区域の課題解決に向けた検討を行います。
・住み慣れた地域で自分らしい生活を送ることができるよう、医療と福祉の連携を強化し、包括的な支援・サービス提供の仕組みをつくります。
・住民と活動団体、関係機関等が地域の課題について共有し、対応を検討する場をつくっていきます。
・地域たすけあい型ボランティア活動への支援を強化します。
・民生委員・児童委員が活動しやすい環境をつくります。
・生活困窮者の自立支援を強化します。
地域での取組例
・地域型ボランティア(家事支援、育児支援、障がい児の通学支援など)
・日常的な見守り活動
・高齢者などの外出を支援する地域交通の運営
・経済的困難な状況にある小中学生等を対象にした学習支援
重点取組3 災害に備えた要援護者支援の仕組みづくり
取組目標
1 災害時に、必要な人に適切に支援が届くような環境整備を進めます。
2 災害時の支援が円滑にできるよう、日頃から住民同士の顔の見える関係や、支援の仕組みをつくります。
具体的な取組
・防災、減災に向けた啓発を進め、住民の災害に対する意識を高めます。
・災害時に支援が必要と思われる方の情報を地域の防災組織に提供することにより、要支援者を地域で把握する仕組みづくりに取り組みます。
・地域で行われる日常的な見守り活動の充実や、住民同士の顔の見える関係づくりを支援します。
・災害時要援護者支援を含めた地域の防災活動への支援を強化します。
・医療機関等と連携し、災害時に最も効果的な救護活動を行う仕組みづくりを進めます。
・様々な状況の方の人権に配慮した避難所運営を、地域の防災拠点運営委員会と協働で進めます。
・災害時のボランティア活動をスムーズに運営するための災害ボランティアセンターの体制整備に取り組みます。
地域での取組例
・自助・共助に関する住民への啓発
・災害時の助けあい(災害時要援護者支援)
・防災拠点訓練等を活用した要援護者支援訓練
・日常的な見守り活動

地区計画
連合町内会・地区社会福祉協議会を単位として、策定・推進する計画です。
その地区の住民が主体となり、地域の特性や資源を活かしながら、福祉保健を中心とした地区の生活課題の解決に取り組んでいます。連合町内会や自治会町内会、地区社会福祉協議会、地域の福祉保健活動団体、施設などの方々が参加する地区計画推進委員会が主体となって計画を推進しています。
※地区計画の詳細は、地区別の計画をご覧ください。

地区計画の愛称
1 光と活力に満ちあふれる日吉
2 未来へ 夢 育む これからのまち 綱島
3 ハートフル大曽根
4 思いあいのまち 樽町
5 みんなで支えあうまちづくり 菊名地区
6 わが町師岡
7 『あいの町大倉山』
8 わがまち篠原
9 たすけあうまち城郷
10 「和・輪・話」のまち にっぱ
11 いいな!みんなのまち 新吉田
12 明るく 楽しく 支えあう ヒューマンネットワーク あすなろ
13 みんなが笑顔 助け合いのまち高田

計画の進め方
区役所・区社協は、共同事務局として区全体計画推進の総合的な調整や進行管理を行うとともに、身近な地域の福祉保健活動の拠点である地域ケアプラザとも連携しながら、地区計画の推進組織を支援します。

発行・お問合せ
港北区役所 福祉保健課 事業企画担当
TEL 540-2360 FAX 540-2368
E-mail ko-fukuhoplan@city.yokohama.jp
HP http://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/fukuho/fukuhokeikaku.html
 
社会福祉法人 横浜市港北区社会福祉協議会
TEL 547-2324 FAX 531-9561
E-mail info@kouhoku-shakyo.jp
HP http://www.kouhoku-shakyo.jp

参考:港北区役所 福祉保健課 事業企画担当 第3期計画

【地域の安心と安全を確保する顔の見える地域の創造「平成30年度港北区スポーツ推進委員全体研修会」(地域活動ワンポイント知識)】

2018年06月03日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【地域の安心と安全を確保する顔の見える地域の創造「平成30年度港北区スポーツ推進委員全体研修会」】

 6月3日(日)平成30年度「港北区スポーツ推進委員全体研修会」が開催されました。
スポーツ推進委員(旧体育指導委員)とは国のスポーツ施策を地域で推進する市町村の特別非常勤公務員です。報酬は全国平均で年45000円だそうですが、横浜市は報酬はありません。(※他に特別非常勤公務員の身分を有するのは、民生委員と消防団員)
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 本日は、港北区155人の委員にお集まりいただき、現在の活動の礎となっている昭和50年代の横浜市の施策、21世紀への構想から、公務員としての職務、活動の目的やオリンピック、パラリンピックのことについてもお話させていただきました。
また、ペタンクとグラウンドゴルフについて各一時間の講義があり、日ごろの大会運営で生じたケースや必要なローカルルールなどについて、155人の委員の皆さん全員での議論もしていただきました。

1 生涯スポーツ構想とさわやかスポーツ
・教育委員会の理念
⇒高齢化社会に対応するスポーツ施策は、「高齢者のみを対象とするのではなく、すべての住民を対象に、地域ぐるみで実現すべきである」
・この理念に基づいて、昭和59(1984)年に教育委員会は、体育指導委員組織を中心として地域ぐるみの健康・体力づくりのモデル事業として「地域健康体力づくり生涯スポーツ推進モデル事業」を3年間実施。この事業ではじめて「生涯スポーツ」という言葉が使われる
・昭和62(1987)年、教育委員会と民生局の事業が合体して、新しい種目の全市的な普及を目的とした「ヨコハマさわやかスポーツ」が誕生
・体育指導委員、日本体育協会スポーツ指導員等で構成される「ヨコハマさわやかスポーツ普及委員会」が組織された

2 着実に進められてきた横浜のスポーツ施策
(1)国際港都横浜にふさわしい国際競技大会の企画・誘致・開催
  横浜国際女子駅伝、2002年のサッカーワールドカップ、世界トライアスロンシリーズ横浜大会、横浜マラソン、ラグビーワールドカップ2019™、東京2020オリンピック・パラリンピック
(2)競技専門施設の設備の検討
 横浜アリーナ、横浜国際総合競技場
(3)地域に根ざした生涯スポーツ施策の展開と指導者養成事業のあり方
 わたくしたちスポーツ推進委員が中心的な役割を担い指導力を発揮して、体育協会、さわやかスポーツ普及委員会と協力しながらスポーツ施策を推進
(4)体育・スポーツ研究施設整備の検討
 スポーツ医科学センター

3 スポーツ推進委員はボランティアか
・スポーツ基本法で市町村の特別非常勤公務員の身分を有する
・スポーツ推進委員は、国のスポーツ施策を推進する三本柱の一翼、誇りを持って職務を遂行。
※「スポーツ推進会議」(国)、「スポーツ推進審議会」(県市町村)

4 私たちスポーツ推進委員の活動の目的は、スポーツを普及させることだけではない

<地域コミュニティの活性化>
・日本は現存する世界最古の国家
・小さな集落の思いが自然発生的に集約されて、いつのまにか国家が形成されたという稀有な国
・日本の地域のあり様そのものが日本国家のあり様
・日本の底力は、地域コミュニティの力
・スポーツの力を借りて地域住民の健康と元気を維持し、地域の活性化に貢献する

<地域の安心と安全を確保する顔の見える地域の創造>
・大きな災害の時、命を繋ぎ救助や公助が受けられるまでの最初の72時間は、地域の人々が寄り添って助け合う「共助」が命を繋ぐために極めて重要
・顔が見える地域の創造こそが、地域の安心と安全を作り出す
・スポーツマンシップ、協力し助け合う精神に基づく地域活動は、「顔の見える地域」を創造する意義ある活動

【おまけ】パラリンピックの発祥
・第一回はロンドン、第二回は、昭和39(1964)年の東京オリンピック
・日本では、障害を持つ人に積極的に技能を与えてきた
・傷痍軍人が一日も早く社会復帰できるようにと、障害を乗り越えて技量を身に付けたり、スポーツができるように厳しく指導
・外国人選手と厳しい指導の下で訓練された日本の選手との間に著しい技量の差
・東京パラリンピックでは、車いす競技を対象にした外国人選手だけの第一部大会、すべての障害者を対象にした日本人選手だけの第二部大会に分けて開催
・金メダルの獲得数は、その国のGDP総額で決まる
 東京2020オリンピックの日本の金メダル獲得数を予測
 日本(JAPAN)2016年GDP:4兆9386億ドル÷3300億ドル=15個 →開催国のプラス8個を加えて23個

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---以下講演録-----
1 生涯スポーツ構想とさわやかスポーツ
 私たちが使う「生涯スポーツ」という言葉ですが、この「横浜スポーツ百年の歩み」によりますと、最初に使用されたのは、今から34年前、昭和59(1984)年に教育委員会で実施した「地域健康体力づくり生涯スポーツ推進モデル事業」だそうです。
 この「地域健康体力づくり生涯スポーツ推進モデル事業」は、高齢化社会に対応するスポーツ施策は「高齢者のみを対象とするのではなく、すべての住民を対象に、地域ぐるみで実現すべきである」との考えから、今も続いている学校施設の開放による有効活用と併せて、当時の体育指導委員組織を中心として地域ぐるみの健康・体力づくりのモデル事業としてを3年ほど実施されました。
 日ごろのスポーツ活動になじんでいない中高齢者、家族を主な対象として、新しい種目を含めた各種スポーツ教室・大会、地域スポーツの日といった定期的なスポーツ活動の実施、体力測定・講演会といった啓蒙活動を体育指導委員が企画し、実施するというものでした。
 しかし、体育指導委員の負担が著しく増大し、これを全市的に展開するにはかなり無理があると判断されたようです。
 一方で、民生局では、高齢化社会の到来に対応するために、高齢者の生きがいづくりと健康の保持・増進を図ることを目的に、軽スポーツの普及を計画していました。
 昭和62年度予算要求のときに、教育委員会と民生局の共通部分が指摘されたことから、両事業を合体させて、昭和六二(1987)年度より、新しい種目の全市的な普及を目的とした「ヨコハマさわやかスポーツ」に転換され、「シャッフルボード」「インディアカ」「ペタンク」「バウンドテニ
ス」「チェックボール」「ディスクゴルフ」の「ヨコハマさわやかスポーツ」六種目が誕生しました。

 全市民を対象とした活動は、スポーツセンターを事務局として区ごとに、体育指導委員、市の健康体力づくり指導者養成講座修了者、日本体育協会スポーツ指導員、県のスポーツリーダー、老人会のスポーツ委員等で構成される「ヨコハマさわやかスポーツ普及委員会」を組織し、当時スポーツセンターを管理していた財団法人横浜市スポーツ振興事業団があたりました。これが昨年(2017年)30周年を迎えた「さわやかスポーツ」の発祥です。
 こういった事情から、さわやかスポーツ普及委員にはいまもたくさんのスポーツ推進委員が所属しているのだと思います。

 そして、昭和六三年からは、真の意味での地域ぐるみの運動を目指して、町内会連合会、青少年指導員、子ども会、PTA連絡会にもはたらきかけて普及活動は強力に推進されました。このような経緯があって、地域のスポーツ施策の推進にあたっては、今もスポーツ推進委員が指導力を発揮して中心的な役割を担い、連合町内会、青少年指導員、子ども会、PTAに働きかけて活動されていますし、学校開放事業(文化スポーツクラブ)にも深く関わっているのだということが、よく理解できます。

2 着実に進められてきた横浜のスポーツ施策
 もうひとつご紹介したいのが、当時検討された二十一世紀を目指した生涯スポーツ推進構想です。
 第一二期横浜市スポーツ振興審議会(任期昭和六二年一月一日から昭和六三年一二月三一日)で、四つを検討課題が提言されました。21世紀の現在、この構想のほとんどが実現しています。

ひとつは、「(1)国際港都横浜にふさわしい国際競技大会の企画・誘致・開催」です。横浜交際女子駅伝、2002年のサッカーワールドカップの招致、世界トライアスロンシリーズ横浜大会の招致、横浜マラソンの開催、そして、来年のラグビーワールドカップ、その後の東京オリンピックにお
ける競技の誘致と、国際港都横浜にふさわしい国際競技大会が企画され、誘致され、開催されています。

二つ目は「(2)競技専門施設の設備の検討」。すべての区においてスポーツセンターが建設され、横浜アリーナ、横浜国際総合競技場が建設されています。

三つめは「(3)地域に根ざした生涯スポーツ施策の展開と指導者養成事業のあり方」。わたくしたちスポーツ推進委員が中心的な役割を担い指導力を発揮して、体育協会、さわやかスポーツ普及委員会と協力しながらスポーツ施策を推進しています。地域では連合町内会、青少年指導員、子ども会、PTAを巻き込んで生涯スポーツ施策を推進しています。

四つ目は「(4)体育・スポーツ研究施設整備の検討」ですが、スポーツ医科学センターが設置されています。

3 スポーツ推進委員はボランティアか
 さて、今日はもうひとつ皆さんにお話ししたいことがあります。皆さんスポーツ推進委員は自らの時間と労力を使い、自発的に利他の精神で地域のスポーツ振興に大変な貢献をされていますので、まさに「ボランティア」としての特徴を持っています。
 ですが、ご存じのとおり、私たちスポーツ推進委員は、スポーツ基本法で市町村の特別非常勤公務員という身分が保障されています。やっていることはまさに「ボランティア的」であっても、その実態は職務であり活動中は「勤務」です。
 ちなみに、私の知る限りでは自治会町内会でこの特別職の非常勤公務員の身分を有するのは、民生委員と消防団員、そしてわたくしたちスポーツ推進委員だけです。

 遡ること 昭和25(1950)年 全国に先がけて「横浜市健民体育指導員」制度が発足しました。昭和32(1957)年に文部事務次官通達「地方スポーツ振興について」で体育指導委員が制度化され、昭和36(1961)年にスポーツ振興法が制定されて、体育指導委員の法的身分は非常勤の特別職公務員として確立されました。
 そして、平成23(2011)年のスポーツ基本法により、体育指導委員はスポーツ推進委員と名称変更され、国レベルの「スポーツ推進会議」、県市町村に設置される「スポーツ推進審議会」と並んでスポーツ推進委員は、日本のスポーツの推進体制を構成する三本柱の一翼を担う重要な任務を課せられています。
 国家のこういった任務を遂行するためには、「ボランティア」といった意識ではなく、国家のスポーツ施策の一翼を担う一公務員であるとう自覚のもと、誇りを持って職務を遂行していただきたいと、そう願います。

4 私たちスポーツ推進委員の活動の目的は、スポーツを普及させることだけではない
<地域コミュニティの活性化>
 私たちの活動は、表向きはスポーツの普及活動です。では、一体私たちスポーツ推進委員は何のためにスポーツの普及活動をしているのでしょうか。
 結論から言えば、地域コミュニティの活性化であり、地域の安心と安全を確保するためです。

 世界にはおおよそ200近くの国がありますが、日本は現存する世界最古の国家。では、日本の建国はいつなのかといいますと、わからない。1789年のフランス革命のようにたくさんの血が流されて自由を勝ち取ったということもなければ、アメリカのようにインディアンと戦って大陸を制圧したというものでもありません。
 日本はこういった革命だとか独立を争いで勝ち取ったという歴史がまったく見当たらないので、仕方なく日本書紀や古事記に記されている「神武天皇の即位した日を建国した日にしておこう」ということにしちゃいました。これは、実はまことに素晴らしい幸せなこと。

 弥生時代に西側で農耕がはじまり、人々は協力して田畑を開墾し、多くの家族が集まって集落が形成され皆で協力しあって生活するようになりました。そういった小さな集落の思いが自然発生的に集約されて、いつのまにか国家が形成されたというのが日本です。

 こういった成り立ちから、日本の地域のあり様そのものが日本国家のあり様でもあるわけで、「日本の底力は、地域コミュニティの力」だといわれる所以でもあります。だからこそ、地域を寂れさせてはいけないし、私たちスポーツ推進委員活動は、スポーツの力を借りて地域の人々の健康と元気を維持し、地域の活性化に貢献する活動なのです。

第二位:サンマリノ共和国(イタリアの中にある小さな国)で1300年
第三位:デンマーク1100年
第四位:イギリス952年です。
皇紀2678年 平成30年 西暦2018年

<地域の安心と安全を確保する顔の見える地域の創造>
 日本は、地震を筆頭として、津波、土砂崩れ、噴火、大雨・大雪と、国土が狭いにも関わらず、ありとあらゆる天然災害大国です。お隣の大陸では、大きな災害に襲われたら、他の場所に街を作って街ごと移住するというようなことがありますが、国土の狭い日本では、今住んでいる場所を復
興し、再び住みよい豊かな街にしていかなくてはなりません。自然災害大国である日本は、非常事態発生時に「助け合う」ことが生き延びるために不可欠です。
 昨年の委嘱式の時に少し申し上げましたが、大きな災害の時、命を繋ぎ救助や公助が受けられるまでの最初の72時間の助け合いは、まさに隣近所であり、自治会町内会であり、地域の人々が寄り添って助け合う「共助」が命を繋ぐために極めて重要だったと報告されています。
 平時でも、地域にコミュニケーションがあり、顔が見える地域であれば、それだけで防犯、安全安心な地域となります。
 私たちスポーツ推進委員が共有する、スポーツマンシップ、協力し助け合う精神に基づく地域活動は、こういった災害時にも皆で助け合うことができ、顔の見える絆のある地域の創造に繋がる意義ある活動なんです。

【おまけ】パラリンピックの発祥
 さて、2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されますが、最後にちょっとだけよもや話。
 パラリンピックは、昭和23年のロンドンオリンピックの開会式当日に「車いす選手のための競技大会」を開催したことが始まりですが、次の第二回パラリンピックは、昭和39(1964)年の東京オリンピックと同時開催で実施されました。

 これは、世界では障害者を社会の邪魔者としかしていなかった頃に、日本では、障害を持つ人にむしろ積極的に技能を与えて、自活できる道を得ることができるようにしてきたということが大きく影響しています。
 たとえば、目の見えない人であれば、按摩師(あんまし)、鍼灸医(しんきゅうい)、琵琶法師(びわほうし)、三味線師、琴師など、耳が聞こえなかったり手足が不自由な人であっても、人形師、細工師、彫金師などの職人として、幼い頃から修行を重ねて、自立できるようにし、社会全体
としても、積極的にこれらの職の人たちを活用していく文化が熟成されていました。
 幕末で有名な勝海舟の祖父は越後の盲人でしたが、厳しい修行を重ねて江戸に出て按摩業をはじめ、コツコツと貯めたお金で金貸しを始めて財を成し、そのお金で御家人の株を買って武士となりました。
 そして、勝海舟の父は、41石取りの御家人である勝甚三郎のもとに養子入りして勝の姓を名のり、その子が勝海舟です。
 そういった文化は、明治以降も継続され、日清日露戦争で腕や足を失ってしまった傷痍軍人が一日も早く社会復帰できるようにと、障害を乗り越えて技量を身に付けたり、スポーツができるように厳しく指導することが行われていました。
 こういったことから、第二回パラリンピックは、昭和39(1964)年の東京オリンピックと同時開催で実施されることになりました。したがって、第二回ではありますが、実質的なパラリンピックを開催したのは、まさに前回の東京オリンピックだったのです。

 ところが、当時、世界の選手と厳しい指導の下で訓練され技量を身に付けた日本の選手とではあまりにも差があったことから、車いす競技を対象にした外国人選手だけの第一部大会、すべての障害者を対象にした日本人選手だけの第二部の大会に分けて実施されることになりました。

 次はオリンピックの金メダル獲得数の予測について、ご存じの方もいらっしゃると思いますが、金メダルの獲得数は、その国のGDP総額でほぼ決まります。つまり、世界クラスの選手を生み出す一国の能力を測る最善の尺度がGDP総額です。さらに、開催国であればプラス8個、旧共産圏
の国であった場合はプラス3個を加えて、金メダル獲得数を予測するそうです。計算方法は、GDP総額÷3300億ドル。なので、2年前のGDPですが、これを参考に予測しますと、次のとおり。
【第1位】アメリカ(United States)2016年GDP:18兆5691億ドル →57個
【第2位】中国(China)2016年GDP:11兆2182億ドル→34個
【第3位】日本(JAPAN)2016年GDP:4兆9386億ドル →開催国のプラス8個を加えて23個
さぁ、楽しみです。

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(文責:新羽地区スポーツ推進委員連絡協議会会長 小松)
参考:港北区スポーツ推進委員全員研修会資料

【日本の教育はいつの時代も官と地域との連携、地域と学校が一体で育んできました(地域活動のワンポイント知識)】

2018年05月08日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【日本の教育はいつの時代も官と地域との連携、地域と学校が一体で育んできました】

<スポーツも体育もどちらもすてきな言葉>
 先日の新聞に「体育の日」を「スポーツの日」に改称するという記事が掲載されてました。「スポーツ」という外来語が、今ではすっかり日本に馴染んだ言葉となり、体を育むということを包括した、スポーツに親しみ、スポーツを楽しみ、スポーツマンシップ、健康な心身をつちかうという2011 年に制定されたスポーツ基本法の趣旨に則った事情によるものだと思います。
 ところが、ある新聞記事では「体育は、教育的な重圧を感じる表現なので」というような理由を挙げていました。まことに残念なことです。日本では、すべての国民に対する教育を昔から大切にしてきました。ですから、識字率はいつの時代も世界一ですし、道徳的な民度もまことに高いわけです。

<米百俵(こめひゃっぴょう)の逸話>
 米百俵(こめひゃっぴょう)の逸話はご存じの方が多いと思いますが、長岡藩の小林虎三郎は黒船が来航したときに、横浜開港を建言したこの横浜と縁のある人物でもあります。幕末の戊辰戦争のときに虎三郎は、やってくる官軍に対し、幕府の正当性をしっかりと訴えながら、なおかつ戦わないという独自の非戦論を唱えました。
 しかし、長岡藩は他藩と同盟を結んで開戦し、結果は敗れて14万2700石あった藩の収入は、わずか6分の1の2万4000石に減じられてしまいました。藩士たちは貧窮のどん底に追いやられてしまいます。
 あまりの藩内の貧窮ぶりに、藩主の親戚の三根山(みねやま)藩の牧野氏がみかねて、長岡藩に米を百俵送ってくれることになりました。
 飢えに苦しむ藩士たちからしてみれば、ひさびさに米にありつけるありがたいことです。けれど、百俵の米というのは、藩士とその家族の数で頭割りしたら、ひとりあたりわずか2合程度にしかなりません。長岡藩の武士たちは、その妻子に至るまで、みな腹を空かせていました。
 しかし、武士は民のためにあります。戦乱を招き、結果として民にまで苦労をかけている。二度とそうならないためには、二度と同じことが起こらないようにしっかりとした人材を育成する必要があると、藩の大参事となっていた小林虎三郎は考えました。
 「長岡藩の家訓は『常在戦場』にある。戦場にあれば、腹が減っても勝つためには、たとえ餓死してでも我慢をしなければならぬ。貴公らは、その家訓を忘れたか。百俵の米も、食えばたちまちなくなる。だが教育にあてれば、明日の一万、百万俵となる」と、そう藩士を説得して、その百俵を元手に、長岡藩内に学校が建てられました。 現在は、長岡市立阪之上小学校、新潟県立長岡高等学校となっています。

<富国強兵 地域と一体となって教育環境を創造する>
 時は明治になります。豊かで強い国を作るために、緊急に全国的な学校教育制度を確立し学校を整備する必要がありました。明治四(1871)年 7 月18 日に文部省を設置し、学制取調掛という掛を設置して、イギリス・アメリカ・ドイツ・オランダの教育制度を研究します。
 しかし、できたばかりの政府には、まったくお金がありません。では、政府は一体どうしたかというと、翌明治5(1872)年に「学制」を頒布(はんぷ)し、府県でこれを実施するためのわずかな国庫交付金を決定しただけでした。
一 日本中の津々浦々に学校を作りなさい
一 幼年期は男女別なく全児童を学校に通わせなさい
一 地方官はこの趣旨を国民全員に漏れなく伝えなさい
※1参考
 それを伝え聞いた者は、誰もが自身で何ができるかを考えました。農村では、貴重な労力が奪われるとの反発もありましたが、それでも地域の有力者は土地を提供し、あるいは、資金を提供し、商人は資材や材料を提供しました。職人は技術を提供し、村人は労力を提供しました。技術や教養あるものは子どもたちにそれを教えました。
 そうやって、「学制」頒布(はんぷ)して、わずか3年後の明治8年には、24,225校の小学校が設置され、児童数は1,925,112人にも達しました。このように、日本の教育は、いつの時代も地域と学校が一心同体で育んできました。

<横浜教育ビジョン>
 この地域と一体となって教育環境を創造するという伝統は、横浜でも実施されています。2018年度は学校の取り組みが少し変わりました。横浜市では、「横浜教育ビジョン」という長期の構想があって、「教育行政は現場主義に徹します。家庭、そして地域の教育力を高めます。学校を開きます。」というような目標があって、以前から学校施設を地域行事や地域のスポーツクラブ、文化サークルに開放する「学校開放事業」というのがあります。かつては学校の教職員がその運営を行ってましたが、近年は地域団体や利用団体の代表者で構成する組織で自主的に運営しています。
 そして、2018年度から地域、家庭との連携、協働により、地域参画型の多様な学校を目指すために、連合町内会長、地域団体の代表、PTA会長、学校・地域コーディネータ、学援隊代表を委員とする学校運営協議会が設置されました。
 全国的には、学校や教育施設で凶悪な事件が発生したこともあって、学校を閉ざして防犯設備を導入し、あるいは、警備会社へ委託して部外者の立ち入りを制限し、防犯体制を強化する傾向もありますが、しかし、どんなにセキュリティを強化しても、警備体制を強化しても、日常の地域の皆さんの目に勝る防犯はありません。学校施設を利用している皆さんの目、地域住民の目が、学校と子供たちの安全と安心を護ることに繋がっています。(文責:事務局)

【参考:※1 学制(抜粋現代語訳)】
 「みなさんにお願いしたいのは、これから一般の国民は、華族、武士、農民、職人、商人、あるいは男女の区別さえもいっさいへだたりなく、町でも村でも家庭でも、学校で学ばないものなど、ひとりもいないようにする、ということです。ご父兄のみなさんは、この趣旨をよく理解し、お子さんたちへの愛情をさらに厚くして、子供達を必ず学校に通わせなさい。もちろん高度な学問については、その教育を受ける受けないの判断は、それぞれのご判断におまかせします。けれど、幼年教育については、男女の別なく、全児童を学校に通わせなければなりません。それが親の責務というものです。地方官においては、片田舎の身分の低い者にいたるまで、この趣旨が国民全員に洩れなく伝わるよう、学制の意味を詳しく各人に申し、諭(さと)し、文部省の規則に従って、学問が普及するよう努力しなさい。」


【「コドモ」という音は万葉の昔からあり、コドモは神仏と「供にある」ので「子供」としました(地域活動ワンポイント知識)】

2018年05月05日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
 「コドモ」という音は万葉のむかしからあり、江戸時代に「子供」という字をあてたことから、「子供」は当て字で二字熟語です。この字を当てたのは、7歳までは神様の預かりものとされていたことから、子供は神仏と「供にある」、「供する」という意味の常用漢字の「供」を使用し、「子供」と表記されていました。
 しかし、こういった子供を神仏と同格に大切するという意味を理解しない一部の団体から「供」という漢字は「大人の手下」という感じがするという、イデオロギー的な声があったことから、ひらがな表記で記載することもあるようです。子供の「供」とは、まさに子供を大切にするという意味ですので、「子供」と正しく表記しましょう。


(文責:事務局)


【自治会町内会について(地域活動ワンポイント知識)】

2018年04月13日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【自治会町内会について】
 自治会町内会は、同じ地域に住む人々が協力し合って、知己の様々な課題に対応したり、イベントを通して地域の絆を深めるなど、安全で安心して暮らせる地域の創造を目指して活動を行う自治組織です。その地域に住む人は誰でも、会の主旨に賛同して加入することができます。一般に、こういった組織を地縁団体と呼びます。

<1.自治会町内会等の法人化(認可地縁団体)とは>
 自治会町内会等は、地方自治法上「地縁による団体」とよばれ、市長の認可を受けることにより、法人格を取得し、法律上の権利義務の主体となることができるとともに、その団体名義で不動産登記を行うことができる制度です。

<2.法人化制度の主旨>
 平成3年4月の法改正以前は、自治会等が保有する集会施設などの財産管理については、自治会等の名義で登記が出来なかったことから、会長や役員等の方々の個人名義又は共有名義で登記されていました。その場合、
①登記名義者が転出するたびに変更登記を行う必要があり、手続きが非常に面倒である。
②移転登記を行わないでいるうちに相続人が特定できなくなってしまった。
③登記名義者が死亡した場合に、相続人が多数いたり、遠隔地に居住していたりして手続きが遅延した。また、相続人との間で所有権の争いが生じた。
④登記名義者の債権者が、不動産を差し押さえて競売してしまった。
など、さまざまな問題が生じていました。

 このことから平成3年4月に地方自治法が改正され、これまで任意の団体であった自治会が、市長の認可を得ることによって、法律上の権利能力を有する「法人格」が認められるようになりました。

地縁による団体の認可(自治会町内会の法人化)の手続き
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kyodo-manabi/shiminkyodo/jichikai/houjinka.html



<3.港北区の自治会町内会による主な活動>
1 きれいで安全安心なまちのために(清掃、防犯、防災活動)
2 地域の絆づくりのために(行事やイベントの開催、情報提供など)
3 誰もが安心して暮らせるために(見守り・交流活動など)

<4.行政から自治会町内会への依頼>
1 自治会町内会現況届の提出
 会員の連絡先など自治会町内会。地区連合町内会の状況を毎年度当初に区役所に提出します。
 現況届等書式のダウンロード
 https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/kurashi/kyodo_manabi/kyodo_shien/jichikai/02tiikikatudouhojyo.html

2 広報紙の配布
 広報よこはま港北区版、県のたより、ヨコハマ議会だよりについて、すべての世帯に配布します。
 広報ヨコハマのダウンロード
 https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/koho-kocho/koho/insatsubutsu/koyoko/

3 選挙啓発ポスターの掲示・チラシの配布
 選挙実施時、投票日などをお知らせする選挙啓発ポスターの掲出やチラシの回覧、配布を行います。
4 イベント・行事開催届、露天(模擬店)等開設届の提出
 連合町内会、自治会町内会が主催するイベントで食品を提供する場合は、その内容について区役所生活衛生課に届け出します。また、不特定多数の方が集まるイベントや自治会町内会のイベントにおいて露店、模擬店、キッチンカーでコンロを使用する場合は、開設者は港北消防署予防課にその内容について届け出します。

行事(お祭り・イベント)での出店に関する手続について
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/shoku/yokohamaWEB/gyomu/gyouji.html

行事開催届の記入見本
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/shoku/yokohamaWEB/gyomu/gyouji.files/gyoujikinyuumihonn.pdf

食品関係営業許可等
https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/kurashi/kenko_iryo/shoku/kaisetu-s.html


5 ごみ集積場所の設置、管理、資源集団回収
(1)ごみ集積場所 ごみ集積場所、おおむね 10~30 世帯に1か所を基準に設置場所を選定。ごみ集積場所を利用する住民で清掃、維持管理を行っています。
(2)資源集団回収 新聞・雑誌や缶・ビン・ペットボトルなど資源物の回収は、自治会町内会単位で契約をしています。ごみの軽量化・リサイクルに向けた取組にご協力をお願いします。

<5.港北区社会福祉協議会から自治会町内会への依頼>
1 日本赤十字社資への出資
2 港北区社会福祉協議会世帯会費
3 社会を明るくする運動実施委員会会費
4 赤い羽根共同募金年末たすけあい 募金のお願い
(文責:事務局)
参考:港北区 自治会町内会活動のしおり - 横浜市ほか


【地域と学校が一体となって、子供たちが自らの頭で考え、自らの手で造り、自らの足で前進する自覚を育んでいきたい(地域活動ワンポイント知識)】

2017年10月06日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【地域と学校が一体となって、子供たちが自らの頭で考え、自らの手で造り、自らの足で前進する自覚を育んでいきたい】

 地域コミュニティが希薄になってきますと、間接的に聞いたこと、誰かが見たことをそのまま鵜呑みにし、地域の付き合い、まさに自治会、町内会のことや、地域コミュニティの問題、市政や国政といった面倒なことは、誰かの頭で考えてもらい、自身のこと以外は他人任せといったような振る舞いが見受けられるようになってきます。

 ところが、そういった他人任せの行為が、どういうわけか、個人の尊重だとか、人権だとかという概念で正当化されてしまいます。
 しかし、そんな他人頼り、近隣や地域に無関心で公との関わりが少なければ、常に他者の意見や何かに頼っているような状況に置かれ、明確な自身のアイデンティティを持つことができず、その精神の隙間に、あらゆる魔の手が忍び込もうとします。
 そんな他人頼りな子どもたちは、なんと自身の運命まで誰かに委ねようとすらしてしまいます。
 地域と学校が一体となって、子供たちが自らの眼でうつつ(現実)を観察し、現実を素直に受け入れることで、自らの頭で考え、自らの手で造り、自らの足で前進するという自覚を育んでいきたいものです。
(文責 事務局)

参考:アイデンティティ: 青年と危機 エリク・H. エリクソン著


【横浜市保健活動推進員(地域活動ワンポイント知識)】

2017年06月30日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【横浜市保健活動推進員(地域活動ワンポイント知識)】
 横浜市保健活動推進員は、昭和23(1948)年に制度が発足しました。横浜市保健活動推進員は地域の健康づくりのリーダーです。自治会町内会の推薦により市長から委嘱された約4000人が、区役所と協力しながら、地域における健康づくりの推進役として、生活習慣病予防などの 健康づくり活動や各地域における体力測定、ウォーキング、禁煙啓発活動、健康体操などを行っています。 保健活動推進員の選出については、各自治会町内会で1名が推薦されますす。任期は2年、依頼時期 11月。報酬はありません。
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/kenkozukuri/kakushu/hokatsu.html

平成30(2018)年に70周年を迎え、これまでの軌跡をたどり今後の活動に生かすため記念誌が作成されました。
保健活動推進員の70年のあゆみ
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/kenkozukuri/kakushu/hokatsu.files/0008_20190314.pdf
市保健活動推進員会の活動紹介
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/kenko-iryo/kenkozukuri/kakushu/hokatsu.files/0009_20190314.pdf
担当 福祉保健課
(文責:事務局)
参考:港北区 自治会町内会活動のしおり - 横浜市ほか


【「明察功過」地域の安全と安心を維持するために(地域活動ワンポイント知識)】

2017年06月01日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【「明察功過」地域の安全と安心を維持するために(地域活動ワンポイント知識)】
 私たち地域に住むひとりひとりの「良心」の総意が地域の安心安全を維持する要です。
 聖徳太子の十七条憲法に「十一に曰わく、功過(こうか:功績と過ち)を明察(めいさつ:明らかに察して)賞罰必ず当てよ。このごろ、賞は功においてせず、罰は罪においてせず。事(こと)を執(と)る群卿(ぐんけい:まちぎみたち)よろしく賞罰を明らかにすべし。」とあります。
 これは、「官吏たちの日ごろの行いをよく見て、良い風土を創り、良い結果をもたらす行いには支援し褒め、悪い結果をもたらすような行いは、結果が出る前に叱り、罰し、正しなさい。指導的な立場で政務にあたっている官吏は、賞罰を適正かつ明確におこなうべきである。」と言っています。地域で活動する私たちは決して公務員ではありませんが、その活動は「公務」そのものですので、「官吏」の立場となんら変わりはありません。

 現代では、どちらかというと「結果主義」で、事件が起きてから警察が動く、成功も失敗も、結果が出てから評価するというのが「あたりまえ」の常識になっていますから、「結果が出る前に叱り、罰し、正しなさい」とは、現代社会の政治や行政や司法とは、真逆の姿勢でもあります。

 現代社会における、「起きた結果だけを評価する」という社会姿勢は、すべてではありませんが、実はとっても無責任な姿勢という一面があります。
 事故が発生した、火災が発生した、失敗した、事件が起きた、当事者を処分し、事件の犯人を逮捕するのはあたりまえです。けれど社会の姿勢としては、これは事故を起こした当事者や犯人に対する責任転嫁でしかありません。本来は、事故も、事件も、火災も「ない」ことが一番です。
 
 この「明察功過」簡単に言えば、「あらかじめ結果を察して先に手を打ちなさい。予防しなさい。」という姿勢ですが、これは、地域で安全と安心を維持していく活動においてはもっとも重要なことであることは言うまでもありません。

 割られた窓ガラスを放置しておくと、どんどんガラスが割られるということは有名ですが、本当に怖いのは、ガラスが割られることではなくて、そういったことに目を瞑(つむ)るということから、私たちの心が蝕まれることなのです。

 心が蝕まれると、どこに出てくるかというと、地域のあちらこちらでゴミが散らばり、モノが壊され、しまいには、観ながルールを守らなくなり、無用な対立が生じてしまいます。

 地域の安全と安心を維持する、守る、予防するとは、日常の小さなこと、小さなルールを疎かにすることなく、地域の人たちが当然のように振る舞えること。ちょっとした変化を捉えて、その場で修正し、あるいは、ちょっとだけ改善していくこと、これが一番大切なことです。

【余談】
 横浜市で、福島から避難してきた生徒への「いじめ」が発覚し、教育長の処分に市長が言及しました。昨年(2016年)は、川崎で中学一年生が暴行を受けて亡くなるという事件がおきました。

 イジメが起きてから、「たいへんだ、たいへんだ」といって騒ぎ、「イジメた奴は誰だ」とばかり、学校内で犯人探しをはじめます。しかし、そんなことをすれば生徒間にも、PTAと教師の間にも疑心暗鬼が起こり、生徒の絆もPTAと教師の関係も、ズタズタに引き裂かれてしまいます。なぜそうなるかといえば、責任を「イジメた生徒に転嫁している」からです。
 本来は、イジメが起こらない校風を作る、イジメが起きそうなら、その徴候を察して、先に生徒たちと話し合い、イジメの発生を未然に防ぐ。
 親も生徒も、社会が一番望んでいるのは、イジメがない社会、学校であり、そのことほうが、よっぽど大切なことです。
 こうした「先んじて手を打つこと」、「察する」ことを大切にしようとする社会姿勢の場合、その責任は、誰が負担するのでしょう。学校であり、教師たちであり、親でもあります。ですから、問責・逮捕する側に逆に結果責任が生じます。
 「察する」「予防する」という社会姿勢は、その責任は人の上に立つ側がすべてを負担することになります。
 「察する」という社会姿勢は、それだけ施政者に厳しいのです。

 かつて、江戸時代の八代将軍、徳川吉宗の享保20年間は、江戸の小伝馬町の牢屋に収監された犯罪者の数はゼロ人だったそうです。誰ひとり逮捕される人がいませんでした。
 それはお役人がさぼっていたとか、そういうことではなくて、当時下手人を逮捕することが手柄ではなくて、犯罪を防止することが手柄であったことから、犯罪が起これば、それは担当している同心とその上司の与力の責任になるので、彼らは必死になって犯罪抑止に務めたようです。
 犯罪の発生を未然に防ぐという体制が、完全に定着していたからこそ実現できたということが研究で明らかになっています。
 
 さて、先ほどは「現代ではどちらかというと『結果主義』で、事件が起きてから警察が動く・・・・」って書いてありますが、結果主義を批判しているわけではありません。
 現代はMBOだとか欧米の価値観がもてはやされていますが、日本は情緒的、欧米は論理的なので、どちらも大切です。
 ただ、結果に至るまでに、根本的に大切な価値観があるのだということを「明察功過」は言っています。
 この「現代では」は聖徳太子にとっては、十七条憲法を制定した時が「現代(このごろ)」であり、その時は、大陸から仏教が伝来して価値観が大きく変わった時代でもありました。そんなときに、「このごろ(現代では)、賞は功においてせず、罰は罪においてせず」と説いたわけです。
 
 では「個人レベルで良い行いをやったって、社会が変わるわけでないし、影響ないじゃん」と思ってしまいますが、そうではありません。
 いきなり大きな事例を持ち出しましょう。日本の原子力発電所は、まことに危険だと指摘されることがあります。それは、壁が薄いこと。アメリカの911のテロではありませんが、飛行機と言わずとも、セスナ機が突っ込んできて、それこそ冷却する手段を失ってしまえば、福島第一発原子力発電所級の災害が発生してしまいます。
 しかし、現在まで日本では起きていません。それは、「日本ではそういったことを考えたり実行したりする人間がいない」ということが「あたりまえ」になっているからです。これは、まさに、ひとりひとりの良心が家族の、組織の、会社の、地域の、そして日本の「あたりまえ」にしているわけです。
 福島第一原子力発電所は沸騰型軽水炉といって、構造上まことに問題のある原子炉でした。これが加圧型軽水炉であれば、あのような災害にはなりませんでした。
 日本の技術者は、沸騰型軽水炉は良くないし日本の環境には合わない、加圧型軽水炉を導入すべきだという良心は持っていましたが、おそらくアメリカの売込み圧力に負けてしまい、自分の良心に背いてまで、導入してしまったのだと思います。まさか、数十年後に津波に襲われるなんて思ってもいなかったでしょう。しかし、残念な結果が出てしまったわけです。
 
 新幹線も開業以来人身死亡事故がゼロという実績があります。しかし、もしテロ組織があの小さなプラスチック爆弾を身に着けて乗車し、時速300キロで走行中に爆破させたとすれば、想像するだけで恐ろしいことになります。
 どんな技術を持ってしても、防ぐことができないリスクがあります。そのリスクをを防ぐことができるのは、まさに、私たち日本人のひとりひとりの「良心」の総意でしかありません。
 
 私の恩師は「神なき知育は知恵ある悪魔を育てることなり」と日々説いてました。
 「神」とは、人として生きるための原理原則であり道徳です。
 「神なき合理主義は、ニヒリズム(虚無主義)を生むことなり」と私は思っています。目的と道徳を常に携えて、すべてのことを考える礎としていきたいと思います。(文責:新羽地区スポーツ推進委員連絡協議会会長 小松)


【タウンニュース 港北区スポーツ推進委員連絡協議会の会長に就任した 小松 賢吉さん (地域活動ワンポイント知識)】

2017年05月29日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
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○…今年度、港北区スポーツ推進連絡協議会会長に就任。99年の体育指導委員着任から約20年活動してきた。「日本の底力は地域コミュニティの力。スポーツ振興を通して地域にとって大切な『共助』の精神を醸成していければ」と語る。

○…実は、子どもの頃からの難聴者。「合う補聴器がなく、今は基本的に、相手の言葉が聞こえないんですよ」。明るく滑らかに話す口調からは想像できないが、通常は口元の動きで相手の言葉を推測し、どうしてもわからないときは筆談だという。各会議の場でも、周囲が筆談などでフォローしてくれるため、背伸びせずありのままの自分で職務を遂行。「できない自分をさらけ出し、恥をかくことで、周囲の方のサポートもいただきながら、健常者と障害者が共生できる環境を作ることができれば」

○…「スポーツ推進委員」は各町会に1人置かれ、地域行事である運動会(健民祭)や盆踊り大会、駅伝大会などの企画運営を行う。町会活動に関わろうと思ったきっかけは、95年の阪神淡路大震災。横浜と神戸が共通点の多い街であることが「他人事ではない」という意識につながった。当時、子どもも小さかったが自分は近所に顔見知りがいない状況。何か災害が起きた時、助け合うには日頃からの関わりが必要と町会活動に飛び込んだ。

◯…小3からボーイスカウトに参加。自然・田舎が大好き。趣味の自転車では、息子と毎年夏休みに10年かけて、北海道を一周した。中学から玉川学園に進学。同学園モットー「人生の最も苦しい いやな辛い損な場面を真っ先きに微笑みを以って担当せよ」を今も胸に刻む。教員免許も取得したが教師や教育への夢は叶わず、しかし現職の横浜市交通局ではコンピューターの導入から携わり「非常にやりがいのある仕事」とどこまでも前向き。この明るい笑顔が周囲を巻き込み、今の人望を形づくっている様子を垣間見た気がした。


【世界的に有名な「横浜市歌」と地域コミュニティについて(地域活動ワンポイント知識)】

2017年04月13日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
 みなさんは「横浜市歌」をどのくらいの頻度で歌ってますでしょうか。
 地域活動をやっていると、少なくとも一般の皆さんよりは多く歌う機会があります。横浜市では、成人式、横浜市関連団体の大会や行事、市立学校の卒業式と入学式、開港記念日の式典などで演奏・斉唱されています。
 横浜市立の小学校では校歌とともに市歌の歌唱指導がありますので、多くの方が歌えます。筆者も小学生のころは、まだ少し聞こえていたので、この頃に覚えた歌は歌うことができます。ちなみに、県の行事もよく参加しますが、県民歌「光あらたに」はあまり歌った記憶がありません。さて、この「横浜市歌」は、明治42(1909)年に、横浜開港50周年を記念して作られました。
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【横浜市歌】
わが日の本は島国よ (わがひのもとはしまぐによ)
朝日かがよう海に (あさひかがよううみに)
連りそばだつ島々なれば (つらなりそばだつしまじまなれば)
あらゆる国より舟こそ通え (あらゆるくによりふねこそかよえ)
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⇒(1番で国家観)
我が陽出国、日本は島国で、
朝日が輝く恵みの海に囲まれた連なりそびえる豊かな島々の国なので、
たくさんの国から船が通ってくる。
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されば港の数多かれど (さればみなとのかずおおかれど)
この横浜にまさるあらめや (このよこはまにまさるあらめや)
むかし思えば とま屋の煙 (むかしおもえばとまやのけむり)
ちらりほらりと立てりしところ (ちらりほらりとたてりしところ)
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⇒(2番で歴史認識)
港はたくさんあるけれども、この横浜に勝る港はない。
かつてこのあたりは、炊事場の煙がちらほらとあがるところでした。
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今はもも舟もも千舟 (いまはももふねももちふね)
泊るところぞ見よや (とまるところぞみよや)
果なく栄えて行くらんみ代を (はてなくさかえてゆくらんみよを)
飾る宝も入りくる港 (かざるたからもいりくるみなと)
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⇒(3番で過去への感謝と現在と未来への創造)
今は(と言っても今から108年前ですが)、何百何千の船が停泊する港です。
永久(とわ)に栄えゆくために「飾る宝」とは、世を彩(いろど)る文化や物資を、これからも受け入れる港です。
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 歌詞は短いのですが、1番で国家観、2番で歴史認識、3番で過去への感謝と現在と未来への創造が織り込まれています。さすが・・・森鴎外の作詞です。作曲は「村祭り」や「村の鍛冶屋」を作曲した南能衛(みなみよしえ)
 すでに 108年も歌われていますが、争いの世紀といわれる20世紀に国がなくなったり、街が破壊されたりという近代の歴史を鑑みると、こんなに長く歌われている市歌というは世界でもめずらしいと思います。
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 そんな古い市歌を持ち、古くからの横浜市民は自らを「浜っ子」と呼んで誇りとしています。筆者は、「浜っ子」ではなくて、「江戸っ子」です。東京には8年、横浜には50年住んでいますが、東横線で行けばすぐにおじいちゃん、おばあちゃんに会うことができるので、祭りだ神輿だと、しょっちゅう、じいちゃん、ばあちゃんのところに行ってました。テレビでは、東京の暮らしは「人と人との関係を断ち切ったドライでかっこいい都会暮らし」などと気取っているような場面もありますが、50年前の面影がそのままであるところもあって、昔から住んでいる人達にとっては、地域のコミュニティは大変盛んです。神社のお祭りとかお神輿などの古い伝統も受け継がれています。
 後楽園や東京大学がある文京区は、東京の中でも地域コミュニティがたいへんしっかりしているということで、全国でも有名です。
 新羽町は田んぼが埋め立てられて住宅街に、地下鉄の駅が二つも出来てたくさんのマンションが分譲されて、市街化調整区域以外は、筆者が昭和40年に越してきた頃の面影はほとんど残っていません。1995年の阪神淡路大震災の惨状をみて、35歳で地域活動に関わり20年ちょっとになりますが、東京よりも新羽町の方が、隣近所、人と人との関係が希薄だということはいつも感じていました。それは、先祖代々からここに住居を構えていたわけではなく、ここ新羽町自治会が昭和40年にあちこちから人がここに集まって形成された地域だからだと思います。
 しかし、震災の被災地の避難所にみられるように、何かあれば地域、地元で互いに助け合わなければ生きていけないのが、人というものです。そして、人は、人と人との関係の中で、はじめて人として成長することができます。あまり、個人主義が優先されてしまうと日本人としての成長を阻害することになってしまいます。
 いま、区役所でも自治会町内会への加入を呼び掛けていますが、ご近所コミュニティや、自分の住む地域の誇りを取り戻すことが、よりよい日本の将来につながるのだと思っています
(文責:事務局)


【横浜市環境事業推進委員(地域活動ワンポイント知識)】

2016年08月26日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
 環境事業推進委員の制度は1993年に始まりました。環境事業推進委員は、ヨコハマ3R夢ス リ ムプランを進めるうえで、分別・リサイクルの「資源循環型」だけではなく、ごみそのものを減らす「発生抑制」を推進し、地域においてごみの減量による脱温暖化に向けた3R行動のほか、清潔できれいな街づくり等に取り 組んでいます。委嘱期間は、2年間で、自治会・町内会から1名を推薦しています。報酬はありません。
 なお、1970(昭和45)年度からはじまった、市長が「環境事業協力員」として委嘱する「清掃協力員制度」が前身です。1981(昭和56)年度からは、横浜を誰にも誇れる清潔な街にするため、住民と行政機関が一体となって美化を進めようという「ヨコハマさわやか運動」の一環として、ごみ集積場所の清潔保持や地域清掃活動のリーダーとしての役割、「ごみの減量化・資源化」の啓発活動を行いました。
その後、活動をより効率的に運営するため、1983(昭和58)年度に「環境事業協力員連絡会」を設立し、「きれいな街づくり」を目指した地域活動を行い、環境問題に対する市民意識の高まりに合わせるように、横浜市はこれまでの大量生産・大量消費という「使い捨て型」から「資源循環型」社会への転換をめざし、1993(平成5)年度に「横浜市廃棄物等の減量化、資源化及び適正処理等に関する条例」を制定。条例の中で、地域での廃棄物の減量化・資源化などの活動の活性化と協力体制強化を図るため、従来の環境事業協力員制度を発展させるかたちで同年、「環境事業推進委員制度」を新設されました。
 2011(平成23)年度からは、分別・リサイクルが中心の「資源循環型」社会だけでなく、ごみの発生そのものを抑制し、ゴミの減量・脱温暖化に向けた横浜市のごみ減量計画「ヨコハマ3R夢(すりむ)プラン」の一翼を担っています。
担当 資源循環局 港北事務所
(文責:事務局)
参考:港北区 自治会町内会活動のしおり - 横浜市ほか


【障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行された背景について(地域活動ワンポイント知識)】

2016年07月27日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が施行された背景について】

<障害者差別解消法の主旨に鑑みて、意識して障害者を登用すること>
 2016年4月から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:障害者差別解消法)が施行されました。この法律が整備されるに至った背景について述べたいと思いますが、まずは、結論から。
 地域には、自治会町内会といった地縁団体、社会福祉協議会、民生委員、消防団、スポーツ推進委員、青少年指導員といった様々な団体があります。そういった地域の団体の役員や委員には、特に意識して障害者を登用してください。ある団体の事務局に登用されたとします。事務局の役割の中には、障害があるためにできないことがあります。それは、本人がこれまでと同じやり方ではなく、自分でできるやり方に変えてその作業を行うことがあります。それでもできないことは、周りがサポートすればいいのです。ある団体の会長になったとしても、できないことがあれば、副会長が変わりにやればいいだけのことです。そもそもが、健常者と同じ役割、同じやり方でという考え方は、この障害者者差別解消法の主旨とは異なります。

<障害者差別解消法が整備された背景>
 この法律が整備された目的は、平成18(2006)年に国連で採択された「障害者の権利に関する条約」に我が国が署名したことから、条約の締結に必要な国内法の整備の一環として進められてきたものです。
この条約のスローガンは、
「“Nothing About Us Without Us”(私たちのことを,私たち抜きに決めないで)」
 このスローガンは大変古いもので、今から30年くらい前から障害当事者の間で使われるようになりました。障害者自身が主体的に関与して、名実ともに障害者のための条約を起草しようという意思表示でもありました。それが、国際社会の総意として「障害者の権利に関する条約」が採択されました。
 「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」という理念の下で、政府は、障害当事者と学識経験者等からなる「障害者制度改革推進会議」を設けて、この法律を検討してきました。
 横浜市でも副市長をトップに、全区局統括本部長による推進会議を組織し、庁内における障害者差別解消の取組について、副市長が先頭に立って、障害者当事者と一緒に、指針を策定してきました。

<法の整備が障害者の自立を拒むことがある>
 ちょっと話は逸れますが、
 昭和12(1937)年にヘレン・ケラーが来日したときに、中村久子さんという、当時41歳の障害者が、日本人形をヘレン・ケラーに贈りました。
 中村さんは、飛騨の高山に生まれで冬の寒さのために2歳のときに凍傷になり、脱疽(だっそ)をひき起こしてしまい、3歳のときに、手は手首から、左足は膝とかかとの中間から、右足はかかとから切断しました。
 中村さんは、おばあさまに厳しく育てられたそうで、口をつかって器用に文字を書き、編み物まで自分でできるようになりました。
 中村さんは、障害者だからといって、恩恵にすがって生きれば、甘えから抜け出せないと、一人で生きていく決心をし、二十歳の時に、ここ横浜の見世物小屋で「ダルマ女」として手足のない体で、裁縫や編み物を見せる芸を披露することで、自ら身を立てて一人暮らしを始めました。ヘレンケラーに贈った日本人形は、中村さんが口で縫って製作したものなのです。
 昭和50年に、法律によって、見世物小屋が人を見せ物にすることを禁じました。「人道的ではない」ということが理由です。中村さん自身がこの法律に直接影響したわけではありませんが、仮に中村さんの芸を例えとすれば、お客さんは見世物小屋に一体何を見に来たのかというと、和裁をしたり、きれいな書を書いたり、そして、芸事を磨いているその立派な中村さんの生きざまを、その姿を見て感動しに来ました。その凛とした姿が「見世物」となったわけです。
 ですから、「人道的でない」というけれども、中村さんのように障害者が自ら身を立てようというチャンスを奪ってしまうようなことにもなる場合があります。

<「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」>
 話を元に戻しますと、だから、「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」ということが、ひそかにスローガンとなったわけです。
もっと大切なことがあります。こういった法律というレベルだけでなく、現実的な個々の対応の方が、この「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」が大切だとういうことです。
 日常の一対一で対応しなければならない場合に、思い込みで判断するのではなく、わからなかったら、障害者当事者とぜひコミュニケーションをとって、どうしたらよいかを双方で対等の立場で決めていただきたいと思います。

<わざわざ「障害者」に特化した人権条約が必要だったわけ>
 そもそも、人権に関しては、世界人権宣言や国際人権規約といった中核的な国際人権文書があり、すでに法的拘束力がありますが、それにもかかわらず、なぜ、わざわざ「障害者」に特化した人権条約が必要だったのでしょうか。
 一言で言ってしまえば、健常者と障害者では、そこには明らかな能力差というものがあります。自由競争を前提とする社会は、この能力による結果の相違については、「健康で文化的な生活を保障する」といった「福祉的」な支援をすることで、不平等を解消するというのが社会通念となっています。
 しかし、当然のことながら障害者も人としての尊厳を持ち、人の役に立って生きたい、社会的な地位、組織の中での地位を得たいといいった、障害を抱えていても自己実現の欲求があります。自分たちは「保護」される立場だけではない、という思いが募ります。
 その辺りの部分が―福祉的支援で保護はするが、それ以上に障害者の主体的な権利主張には応えきれない。競争社会の中で世間の邪魔にならない範囲で保障されているにすぎないといったことが現在の状態でもあります。
 そして、そういったことが、一般社会と障害者の間に、見えない壁が生じて、障害者はどんどん社会参加の権利も機会も逸してしまうような、声高々に権利を主張するような対立軸を生んでしまうことにもなっていたわけです。そこで、そういった壁を作らないためにも、障害当事者に限定した、一般社会の一員として、健常者と同等の権利が保障できる社会を目指して「障害者の権利に関する条約」を作り採択されたわけです。
 そんな、長い背景があって、2016年4月から「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称:障害者差別解消法)が施行されました。

(文責 事務局)

<参考>
「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の施行について(横浜市職員研修資料)
昔も今もすごいぞ 日本人 小名木善行 著 ほか


【消費生活推進員について(地域活動ワンポイント知識)】

2016年07月23日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
【消費生活推進員について(地域活動ワンポイント知識)】
 消費生活推進員は、消費者の主体的活動を促進し、市民の安全で快適な消費生活の推進を図ることを目的とした制度で、市長が委嘱しています(委嘱期間は2年)。
港北区においても、悪質商法等の消費者被害未然防止のための学習や、消費生活に関する諸問題について取り組み、知識を深めて消費者力を身に着けるとともに、地域で熱心に活動しています。

 横浜市では、横浜市消費生活条例に基づき、自治会町内会ごとに1名の消費生活推進員が推薦され活動しています。消費生活推進員は、消費者の主体的活動を促進し、市民の安全で快適な消費生活の推進を図ることを目的とした制度で、市長が委嘱しています(委嘱期間は2年)。港北区においても、悪質商法等の消費者被害未然防止のための学習や、消費生活に関する諸問題について取り組み、知識を深めて消費者力を身に着けるとともに、地域で熱心に活動しています。
 主な活動は、悪質商法被害防止に関する啓発講座の開催、環境にやさしい購買 行動の推進や消費者と事業者の交流促進をするものでです。区内で概ね 130人程度の推進員が活動しています。推進員の任期は2年、市内在住で20歳以上。年1回、消費生活推進員だより「あゆみ」を発行し、自治会・町内会にむけて情報発信をしています。
 担当は 地域振興課 地域活動係
 ホームページ https://www.city.yokohama.lg.jp/kohoku/kurashi/sumai_kurashi/shohiseikatsu/shouhi.html
(文責:事務局)
参考:港北区 自治会町内会活動のしおり - 横浜市ほか


【消防団について(地域活動ワンポイント知識)】

2016年07月19日 | 地域活動豆(ワンポイント)知識
 消防団員の身分は、地方公務員法及び消防組織法に規定された、市町村における非常勤の特別職地方公務員です。
 消防団とは、普段は本業を持ちながら、火災発生時における消火活動、地震や風水害といった大規模災害発生時における救助・救出活動、警戒巡視、避難誘導、災害防ぎょ活動などを行う消防組織法第九条に定められた市町村の消防機関の一つです。
また、平常時には、訓練や、応急手当の普及指導、巡回警戒、広報活動など、地域における消防力・防災力の向上に重要な役割を担っています。
横浜市消防団ホームページ
https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/bousai-kyukyu-bohan/shobo/bosai/shobodan/shouboudan.html

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○沿革
明治27年5月 消防団の前身である消防組が、横浜市に3組(伊勢佐木、石川、山手)217人体制で編成される。  消防団の前身である消防組が、横浜市に3組(伊勢佐木、石川、山手)217人体制で編成される。
明治45年 消防組に常設消防隊が併設される。
消防組に常設消防隊が併設される。  
大正8年 常設消防隊が消防署となったが、消防組はそのまま存続する。
大正11年11月 伊勢佐木、戸部、南太田、平沼、神奈川、子安、関内、加賀、寿、山手、特置(現山下町)、水上、中村、磯子、北方の15消防組となる。
昭和14年4月 警防団令が公布され、消防組は警防団に統合される。
昭和20年 警防団は20団(加賀町、伊勢佐木、水上、山手、磯子、寿、大岡、鶴見、神奈川、川和、戸部、保土ヶ谷、戸塚、中和田、豊田、中川、本郷、川上、瀬谷、大正)8,932人となる。警防団は昭和22年5月消防団令が公布され改組されるまで存置する。勅令185号により消防団令が公布される。  
昭和22年12月 法律第226号により消防組織法が制定され、これに伴って横浜市消防団条例(条例第41号)が公布される。
消防組織法が施行となり、これにより自治体消防が発足し、消防団は公設消防とともに横浜市に移り、横浜市消防団の第一歩がはじまる。
当時の消防団設置数は、横浜市8行政区に13団(鶴見、神奈川、西、伊勢佐木、加賀町、山手、寿、大岡、保土ヶ谷、磯子、港北、川和、戸塚)7,809人体制で運営される。
昭和27年11月 磯子区が2分割され、磯子区を受持ち区域にしていた磯子消防団が2分割され、金沢消防団が誕生し条例定数も15人増員され、14団7,824人体制となる。
昭和44年10月 横浜市域行政区の再編成が行われ、港南区(南区より分離)、旭区(保土ヶ谷区より分離)、瀬谷区(戸塚区より分離)の3区が新たに誕生し、同日よりそれぞれの区名を冠称した消防団が編成されるとともに、川和消防団が緑消防団と改称され、17消防団7,824人となる。
昭和61年11月 戸塚区が、戸塚、栄、泉の3区に再編成され、同日よりそれぞれの名称を冠称とした消防団が誕生し、19消防団7,824人となる。
平成6年11月 港北区、緑区の再編成が行われ、同日より新たに青葉区、都筑区が誕生し、それぞれの名称を冠称とした消防団が設置され、18行政区、21消防団、7,824人をもって運営される。
平成9年10月 鶴見、神奈川、西、伊勢佐木、加賀町、寿、大岡、港南、保土ヶ谷、旭、磯子、都筑の12消防団で本市で初めて190人の女性消防団員が任命される。
平成10年10月 残る9消防団を中心に平成10年度女性消防団員の任命を行うため200人増員の条例定数を改正し8,024人とし、200人の女性消防団員を採用し、累計390人となった。
平成11年10月 200人増員(女性120人、男性80人)条例定数を改定し、8,224人とし、累計で女性消防団員は510人となった。
平成12年10月 女性消防団員の当初採用予定の最終年度であり、140人増員の条例定数の改定を行い、現在10月1日採用を予定。これにより、女性消防団員は累計650人となる。

〇身分と入団資格
 ・消防団員の身分は、特別職の地方公務員です。
・入団資格は、年齢18歳以上で横浜市に居住し、勤務し、又は在学している人ならば、男性でも女性でも入団できます。
  報酬 横浜市条例により、34000円から84000円(年額)

○職務
  消防団員とは、日ごろは本業を持ちながら、自分の居住する地域の消防団に所属することで、火災、事故あるいは災害などが発生した際に消防活動を実施する者を指します(消防組織法第9条、第15条の2)。
 消防団員の役割は、平時にあっては本業を有しながら消火訓練・応急手当訓練などを通して技術を修練するとともに、規律ある部隊行動をとるために消防の規律・礼式を習得すること、並びに防災思想の普及、すなわち広報及び啓蒙にあたることで災害の予防に努めることです。災害時においては消防団長の指揮に従い(なお、消防本部を置く市町村では消防団は消防長または消防署長の所轄のもとに行動する)、消火・応急手当・水防活動等にあたり、災害対策基本法及び国民保護法が適用された場合には市町村長の指揮を受けた消防団長の指揮に基づき避難住民の誘導にあたることになります。火災等の災害において、消防団員は消防警戒区域を設定して総務省令で定める者以外の者に対して、その区域からの退去を命じ、又はその区域への出入りの禁止し若しくは制限することができます(消防法第28条)。消防団員が消火活動又は水災を除く他の災害の警戒防御及び救護に従事するに当たり、その行為を妨害した場合は1年以下の懲役又は百万円以下の罰金(消防法第41条)、暴行及び脅迫をはかった場合、公務執行妨害罪が成立します。 

 ○横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例
 (全文) 
昭和26年12月1日

条例第65号
注 昭和61年9月から改正経過を注記した。
横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例をここに公布する。
横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例

第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、消防組織法の規定に基き、本市消防団員の定員、任免、給与及び服務等について必要な事項を定めることを目的とする。

第2章 定員
(定員)
第2条 消防団員の定員は8,305人とし、消防団ごとの定員については規則で定める。
(平18条例33・一部改正)

第3章 任免
(団員の資格)
第3条 消防団員は、次の各号に該当するものでなければならない。
(1) 年齢18歳以上の者であること。
(2) 志操堅実身体強健のものであること。
(3) 当該消防団の区域内に居住し、勤務し、又は在学する者であること。
(平9条例34・平18条例33・一部改正)

(欠格条項)
第4条 次の各号の一に該当するものは、消防団員となることができない。
(1) 成年被後見人又は被保佐人
(2) 禁こ以上の刑に処せられ、その執行を終ってから2年を経過しないもの
(3) 第13条の規定により免職の懲戒処分を受け、当該処分の日から2年を経過しないもの
(平12条例50・一部改正)
(失格条項)

第5条 消防団員が、次の各号の一に該当するときはその身分を失う。
(1) 死亡したとき。
(2) 所在不明となったとき。
(3) 第3条第3号に規定する資格に該当しなくなったとき。
(4) 後見開始又は保佐開始の審判を受けたとき。
(5) 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を受けたとき。
(平12条例50・平18条例33・一部改正)

(罷免)
第6条 消防団員が、心身の故障のため職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合若しくは消防団員たることに必要な適格性を欠く場合は、任命権者は、これを罷免することができる。

(定年による退職)
第6条の2 消防団員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日(以下「定年退職日」という。)に退職する。
2 消防団員の定年は、年齢70年とする。
3 任命権者は、定年に達した消防団長、副団長、分団長、消防団本部の部の部長及び副分団長(以下「消防団長等」という。)の職にある消防団員が第1項の規定により退職すべきこととなる場合において、当該消防団員の退職がその業務の遂行上重大な障害となる特別の事情があるため、当該消防団員の退職によりその所属する消防団の運営に著しい支障が生ずると認めるときは、当該消防団員に係る定年退職日における次条第1項の規定による消防団長等の残任期間を超えない範囲内で期限を定め、当該消防団員を消防団長等の職務に従事させるため引き続いて勤務させることができる。
4 任命権者は、前項の規定により消防団員を引き続いて勤務させる場合には、当該消防団員の同意を得なければならない。
5 任命権者は、第3項の期限が到来する前に同項の事由が存しなくなったと認めるときは、当該消防団員の同意を得て、期日を定めてその期限を繰り上げて退職させることができる。
(平23条例46・追加)

(任期)
第7条 消防団長等の任期は、4年とする。ただし、再任を妨げない。
2 消防団長等に欠員を生じ、新たに任命された者の任期は、前任者の残任期間とする。
(平23条例46・一部改正)

第4章 服務紀律
(服務の基準)
第8条 消防団員の服務は、非常勤とする。

第9条 消防団員は、別に定める召集の命によって出動勤務するものとする。
2 召集の命を受けない場合であっても、水火災又は非常災害の発生を知ったときは、あらかじめの指示に従い出動し、服務しなければならない。
(解散及び点検)

第10条 出動した消防団員が、解散する場合は、人員及び携帯機具につき所属長の点検を受けなければならない。
(遵守事項)
第11条 消防団員は、次の各号に掲げる事項を遵守して服務しなければならない。
(1) 常時召集に応ずることができるように準備しておき、又服務中はみだりに持場をはなれないこと。
(2) 長期に及んで居住地をはなれる場合は、消防団長にあっては消防署長、その他の者にあっては消防団長に届け出ること。
(3) 貸与品及び給与品は丁重に保管し、職務以外に使用し、又は他人に貸与しないこと。
(4) 機械器具その他消防団の設備資材は、職務以外にこれを使用しないこと。
(5) 消防職員又は警察職員の命のないときは、職務のためであっても、みだりに建物その他の物件を破損しないこと。
(6) 職務に関し、私に金品の寄贈若しくは酒食の接待を受け又はこれを請求しないこと。
(7) 職務上知得したこと又は他から聞知したことを問わず機密はいっさいもらさないこと。
(8) 消防団又は消防団員の名義をもって他人の訴訟若しくは紛議に干与しないこと。
(9) 消防団又は消防団員の名義をもって、みだりに寄附を募集し、又は営利行為をなし、若しくは義務負担となるような行為をしないこと。

第5章 賞罰
(表彰)
第12条 消防団又は消防団員が、その任務遂行に当って功労があると認めたときは、別に定めるところにより表彰することができる。

(懲戒)
第13条 任命権者は消防団員が、次の各号の一に該当するときは、これを懲戒することができる。
(1) 消防団に関する法令、条例又は規則に違反したとき。
(2) 職務上の義務に違反し、又は職務を怠ったとき。
(3) 消防団員としてふさわしくない行為があったとき。

(懲戒の種類)

第14条 前条の懲戒は次の区分により行う。
(1) 免職
(2) 停職
(3) 戒告
停職は1ケ年以内の期間を定めて行う。

(懲戒猶予)

第15条 任命権者は懲戒に該当する者で情状をしやく量すべき点がある者に対しては、1ケ年以内の期間に限り懲戒を猶予することができる。
2 前項の猶予された者で改しゆんの状のないときは猶予を取消し、その懲戒を行う。
3 猶予を取消されることなく猶予の期間を経過したときは、その懲戒はこれを行わない。

第6章 給与

(報酬の額及び支給方法)
第16条 消防団員に対し、別表に定める額の年額報酬及び出動報酬を支給する。
2 年額報酬は、年度ごとに支給するものとし、前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当する場合は、それぞれの勤務した期間に応じて月割により計算した額を支給する。
(1) 年度の中途において、新たに消防団員となり、若しくはその職を退いた場合又は勤務しない期間がある場合
(2) 年度の中途において、年額報酬の額の異なる階級に異動した場合
3 出動報酬は、各年度の4月分から9月分まで及び10月分から3月分までの期間の実績に応じて支給する。
(平20条例22・全改)

第7章 雑則
(雑則)
第17条 この条例実施のための手続その他その執行について必要な事項は、市長が定める。

附 則
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 横浜市消防団の定員等に関する条例(昭和23年10月横浜市条例第59号)は、廃止する。
3 この条例施行の際、従前の規定によって任命された消防団員は、この条例により任命されたものとみなす。
4 現に在職中の消防団長、副消防団長、分団長及び副分団長の任期は、従前の規定によって任命された日から起算する。
附 則(昭和27年11月条例第57号)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 この条例施行の際、現に磯子消防団員であって金沢区内に居住する消防団員は、金沢消防団員に任命されたものとみなす。
付 則(昭和42年3月条例第13号)
この条例は、公布の日から施行する。
付 則(昭和44年9月条例第61号)
(施行期日)
1 この条例は、昭和44年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際、現に消防団員(以下「団員」という。)であって、横浜市消防団の設置等に関する条例の一部を改正する条例(昭和44年9月横浜市条例第60号。以下「消防団設置条例」という。)の規定により新たに設置される消防団の区域内に居住する団員は、当該消防団の団員に任命されたものとみなす。
3 消防団設置条例の規定により新たに設置される消防団の消防団長、副団長、分団長及び副分団長の任期は、横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第7条第1項の規定にかかわらず昭和47年3月31日までとする。
附 則(昭和61年9月条例第57号)
(施行期日)
1 この条例は、昭和61年11月3日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例の規定に基づき、最初に任命された戸塚消防団、栄消防団及び泉消防団の消防団長、副団長、分団長及び副分団長の任期は、この条例による改正後の横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第7条第1項の規定にかかわらず、昭和63年3月31日までとする。
附 則(平成6年9月条例第61号)
(施行期日)
1 この条例は、平成6年11月6日から施行する。
(経過措置)
2 この条例による改正後の横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第7条第1項の規定にかかわらず、この条例の施行の日以後最初に任命された港北消防団、緑消防団、青葉消防団及び都筑消防団の消防団長、副団長、分団長及び副分団長の任期は、平成8年3月31日までとする。
附 則(平成9年3月条例第34号)
この条例は、平成9年4月1日から施行する。
附 則(平成10年3月条例第21号)
この条例は、平成10年4月1日から施行する。
附 則(平成11年3月条例第32号)
この条例は、平成11年4月1日から施行する。
附 則(平成12年3月条例第50号)
(施行期日)
1 この条例は、平成12年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に民法の一部を改正する法律(平成11年法律第149号)による改正前の民法の規定により、心神耗弱を原因とする準禁治産の宣告を受けている準禁治産者以外の準禁治産者については、この条例による改正前の横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第4条第1号の規定は、この条例の施行後も、なおその効力を有する。
附 則(平成18年3月条例第33号)
この条例は、平成18年4月1日から施行する。
附 則(平成20年3月条例第22号)
この条例は、平成20年4月1日から施行する。
附 則(平成21年3月条例第28号)
この条例は、平成21年4月1日から施行する。
附 則(平成23年3月条例第28号)
この条例は、平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成23年9月条例第46号)
(施行期日)
1 この条例は、平成24年3月31日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)の前日までにこの条例による改正後の横浜市消防団員の定員、任免、給与、服務等に関する条例第6条の2第2項に規定する定年に達している消防団員は、施行日に退職する。
附 則(平成25年3月条例第26号)
この条例は、平成25年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月条例第32号)
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
別表(第16条第1項)
(平20条例22・追加、平21条例28・平23条例28・平25条例26・平27条例32・一部改正)
1 年額報酬
階級
報酬の額
団長
年額 84,000円
副団長
年額 70,000円
分団長
年額 50,000円
副分団長
年額 45,000円
部長
年額 39,000円
班長
年額 36,000円
団員
年額 34,000円

2 出動報酬

種別
報酬の額
水火災等の防御活動に従事したとき。
1回につき 3,400円
消防訓練、防災指導等の職務に従事したとき。
1回につき 2,400円
(文責:事務局)
参考:港北区 自治会町内会活動のしおり - 横浜市ほか