旅立ち

いよいよ旅立つ時がきたようです

ずっとずっと前から

旅立ちを待っていたのです

その旅立ちは

旅立てる状態になるまでの

長い長い道を進むことが必要でした

その道には

たくさんのトンネルがあり

ひとつ抜ける度に

ひとつ荷物を手放すのです

簡単に手放せるものもありました

手放しても悔いが残り戻ってまで眺め

また手にしたものもありました

手放しながら懐かしくなり似たようなものを

探した時もありました

そんなことを繰り返し

たくさんのトンネルを越えながら進んできたのです

すべてを手放したはずだと思えた時に

深い孤独を味わうのでした



次はこの孤独を乗り越える
水のトンネルがあるのです

その水のトンネルは

自らを洗い流すように

思いもよらない時に

押し寄せるのです


その孤独を

手放さなければ

水のトンネルは消えないのです

どうしたら

この孤独を手放せるのか

深く深く求めると

その孤独は

ますます深くなるのです

そしてある時

気づいたのです

手放す前に

受け入れることを

人はみな

孤独なのだと


すると水のトンネルは無くなりました

それからは

平坦な穏やかな道が続くのです

その道がどうなるのか？

その道が間違いないのか？

そんな思いすら出てくる平坦な穏やか道

そこで自分が進んで来た道に疑念を持ってはいけません


その道で

これまでの自分への感謝

周りへの感謝をたくさん捧げるのです

その感謝で

その道は

力強い道となり

一歩また一歩と進んで行くと

旅立ちの時となるのです

その時は

何も気にすることは

ありません

旅立ちを迎えられたのは

その時が来たからです


その時は

自分の真ん中の奥から

ぐるんとひっくり反るのです

すると

世界が変わるのです

自分が世界を包み込み

見ていたことがわかるのです

だから

旅立ちを恐れることはありません

静かに望めばいいのです

その時の姿が

ほんとうの自分だとわかるのです

老若男女などにくくれない

真の姿を思い出すのです