歌舞伎街

月末の所用で上京している。

　ネットで探したホテルは、新宿の歌舞伎町の真ん中。風林会館の隣だった。
遅かったので、コンビニでビールを買って、部屋で飲んで寝ようかと思っていた。
荷物を置き、上着をハンガーにかけて、外に出た。
　でも、いい陽気、ふらり、いつしか、足は程近い、ゴールデン街に向かっていった。
20数年前、このあたりには良く飲みに行っていた。石の花という店の森田さんは、店に行く事が少なくなっていても、年賀状の遣り取りをする仲だったけど、２年ぶり。

どうしたの、どこから来たの

マスターに言われてみれば、確かに、近所のおっさんのような格好だった。手ぶらで、よれたYシャツ。
これではさすがに客引きも声をかけてこない訳だ。

すぐに、帰るつもりが、つい長居して、飲み代は結局ホテル代より高くついてしまった。

たわいのないことだけど、歌舞伎町で気が付いた事がある。
客引きする人に黒人の方が増えているのだけど、彼らは、本当のアフリカの人々のようだ。
仲間同士では、スワヒリ語で話している。
ケニヤか、あのあたりか、東アフリカから新宿にやってきたのか、と思うと、すこし、遠くを観た想いがした。

にいむら