リバーリバイバル研究所

川と生き物、そして人間生活との折り合いを研究しています。サツキマス研究会・リュウキュウアユ研究会

自然にたいするテロである。 イタセンパラなど密漁

2010-01-11 12:48:55 | サツキマス研究会/長良川調査会
絶滅危惧種の淡水魚密漁し、不正に取り引き(読売新聞) - goo ニュース

 密漁者のネットワークの一端が明らかになった。

 私見だが、密漁対策にも「おとり捜査」を導入して、購入する人間の犯罪性を問うべきだ。


 ☆テキスト版
 絶滅危惧種の淡水魚密漁し、不正に取り引き
読売新聞2010年1月10日(日)22:34

 国の天然記念物で、絶滅 危惧 ( きぐ ) 種に指定されている淡水魚のイタセンパラ(コイ科)、アユモドキ(ドジョウ科)を不正に取引したなどとして、愛知県警は10日、同県一宮市木曽川町、会社員時田信夫容疑者(51)ら3人を、種の保存法違反(譲渡など)と文化財保護法違反(現状変更)の疑いで逮捕した。

 ほかに逮捕されたのは、大分県別府市鶴見、無職河村徳浩(47)、岡山市中区祇園、淡水魚販売業佐々木保夫(65)の両容疑者。いずれも「優越感を味わいたかった」「趣味が高じた」などと容疑を認めているという。

 発表によると、時田容疑者は昨年5~8月、一宮市内の河川でイタセンパラ約200匹を密漁、うち40匹を無許可で佐々木容疑者に譲り渡すなどした疑い。河村容疑者は2008年6月、時田容疑者にアユモドキ2匹を譲り渡した疑い。取引は主に宅配便で、「金魚」「水入りワサビ」などと偽って発送していたという。3人は密漁現場やネット取引で知り合った。

 時田容疑者は2002年頃から約1200匹のイタセンパラを密漁。自宅で育て、マニアらに1匹6000円程度で販売していたといい、県警は流通ルートを調べる。

 イタセンパラは全長10センチ前後。濃尾平野、淀川水系、富山平野にしか生息していない。アユモドキは全長約15センチ。ともに、マニアの間で高値で取引されているという。


 関連ニュース

 中日新聞
絶滅危惧魚取引で3人逮捕 無許可捕獲、譲渡疑いで愛知県警
2010年1月11日 01時53分
国の天然記念物で環境省の絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚を無許可で捕獲
、譲渡したとされる事件で、愛知県警生活経済課と一宮署は10日、種の保存法違反と文
化財保護法違反の疑いで、同県一宮市木曽川町外割田、会社員時田信夫(51)、大分県
別府市鶴見、無職河村徳浩(47)、岡山市中区祇園、淡水魚販売業佐々木保夫(65)
の3容疑者を逮捕した。
逮捕容疑では、時田容疑者は昨年5月、一宮市内の木曽川で、イタセンパラ198匹を
捕獲。同6月と8月にイタセンパラ計40匹を佐々木容疑者に譲り渡したほか、一昨年か
ら昨年にかけ愛知県犬山市と岐阜県美濃加茂市の河川でネコギギを捕獲し、自宅で4匹を
飼育。一昨年6月には河村容疑者からアユモドキ2匹を譲り受けたとされる。河村、佐々
木両容疑者はそれらの取引の相手方になったとされる。
時田容疑者はイタセンパラの密漁を2002年に始め、これまでに約1200匹を捕獲
。譲り渡す代わりに別の希少魚を受け取っていた。県警の調べに「希少魚を入手し、優越
感を味わいたかった」と供述しているが、1匹5500円で販売したこともあり、県警は
利益を得る目的もあったとみて、ほかの販売先や売り上げを調べる。
貝のネット取引で時田容疑者と知り合った佐々木容疑者は県警の調べに「岡山周辺で捕
れない魚を繁殖させ、売ってもうけたかった」と供述。昨年11月には希少魚の譲渡で滋
賀県警に逮捕されていた。時田容疑者と木曽川で知り合った河村容疑者も「趣味が高じた」
と容疑を認めている。
昨年5月、淡水魚の保護関係者から警察への通報で、時田容疑者の密漁が発覚した。

(中日新聞)
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14 コメント

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Unknown (とくだ)
2010-01-12 00:00:03
いや~、私としては、日本でこの手の犯罪に警察がちゃんと捜査したというのを、感動したんですけど…
今回の検挙はかなりの抑止力になると思います。まぁ、生け贄みたいなもんやろなぁ。
なんにしても、こういう愛好家はわりと普通の人だと思うので、かなり減ると思います。



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愛好家 (ニイムラ)
2010-01-12 04:45:48
愛好家ねぇ。
1200という尾数、5000円以上という金額、そんなものが一人歩きすることは怖いことだけれど、一定の産業となっていることは実態なのだと思う。
 善人が悪の道に進まぬよう。小さな事件も立件して欲しいね。

 それにしても、イタセンパラ、ネコギギ、アユモドキ、悪の三角トレードだぁ。
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希少魚だけなのでしょうか (けら)
2010-01-12 09:58:48
凡種含めて、国内国外に留まらず、
店頭で売買可能なこと自体を
再検討可能な時代になってきています
(DNA調査が可能であること、DNA汚染が問題になってること)
専門家として皆様はどうお感じなのかが知りたい昨今だったりします...。
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Unknown (ナカニシ)
2010-01-12 16:57:20
私見ですが,凡種含め売買禁止に賛成です(そうなれば生息地情報が売買されるかも・・・というのは置いておきます)。店頭以外も含めます。
外来生物法が議論された際に,クワガタなど甲虫類も議論になったと聞いています。これはあくまでも”外来”生物ですが,ヒステリックにならない程度の純淡水魚の純系保護は必要な時期に入りつつあるのかなと感じます。
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Unknown (とくだ)
2010-01-13 09:15:18
当然、相補的に必要なのでしょうけれど、どんなに店頭販売を禁じても、それらの生物の生息環境が系として守られていなければ、無意味ですよねぇ。
私が子供だった頃、ネコギギは雑魚でした。子供(小学生)でも、少し川で遊んでいる子であれば簡単に採れたんですよ。

簡単なところから禁止を検討しようというのも判りますが、土地利用や公共工事のあり方などの難しい問題に対して、専門家はもっと声を上げるべきなのでは?

と少しへそを曲げて考えてしまうのは、私だけか…
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Unknown (あきば)
2010-01-13 15:43:33
ご無沙汰しています。

先日知人の案内でいわゆる「雑魚」の生息環境を埼玉県で見て回りましたが、殆ど壊滅状態(特に母貝として二枚貝の生息環境)で何から保全して行くべきかを議論しなければならないような状況でした。

翻って北海道では環境破壊・密漁はともかく、法的保護を受けてないイトウを水系別の遺伝的多様性についてあまり考慮せず、関係者の合意形成が得られないまま、資源回復のためと称して釣り人サイドが無差別放流する活動が広がりを見せています。

違法行為ではないので正面切ってストップを掛けられないのがもどかしいところですが、取り返しが着かないと言う意味では環境破壊・密漁と言った行為よりも重大だと感じています。
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火事場泥棒 (ニイムラ)
2010-01-13 20:00:39
密漁というのは火事場泥棒みたいなものだ。
 焼け残った、わずかな想いでの品々を奪っていくワケだからね。

 もちろん、生息地の保護が一番大切なことです。そんな想いから、またメコンに来ています。
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保護対象ってどうなんでしょう? (けら)
2010-01-14 18:58:30
管理人様はリュウキュウアユに関わってらっしゃったり組合に所属されたりとされてますが、
内地のアユの各海域斜面等の地方集団等の系統保存、というか漁業面からの種苗放流はどのうようなお考えをお持ちなのかなぁ、
というところにも興味を持ったりもします。
観賞魚種に留まらず、それで生計を立てている漁業種個体群の水系移動は同等の罪を持つのか?
また、リュウキュウアユは現在の分類学ではたまたま別種レベルに位置しましたが、内地の各水系のアユ個体群についてはどうなのか?
極端に過ぎては誰も耳を傾けませんが、そろそろ実効性を伴ったそれなりの議論が展開されたりしないのかなぁ、、、なんて思ったり。
管理人様はそのあたりについて、現在国内で最も適任者?

お立場を考えず、勝手に妄想させて戴きました。
スミマセンです...。
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その意味で アユ 100年 (ニイムラ)
2010-01-14 21:09:00
的確かどうかはわからないけれど、アユ放流から100年の視座での放浪は続いている。
 なんでメコンに居るのかというのはなしですよ。
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禁止だけでは無能だ (たもん)
2011-09-29 10:14:23
昔は雑魚だったものが人為的なものも含めて環境が変化し自然環境下では絶滅が危惧されているからと言って無闇に飼育繁殖を禁止するのは如何なものか、根本原因を究明しないで行政の無策を禁止でごまかそうとしているだけだ。アユでも養殖して放流しているから絶滅しないのだから絶滅危惧種は養殖して放流すればいい。もちろん愛好家が飼育繁殖するのも禁止しなければいいのだ。
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