
東京地裁平成22年7月14日判決は、路外駐車場に入るために右折後対向車線上に停止した自動車と対向車線を走行してきたバイクの事故の過失割合について判断を示しているのでご紹介します。
事故が発生したのは午前11時40分ころでした。
自動車は道路を走行し、右折して対向車線側の駐車場に入ろうとしました。しかし駐車場から出る自動車があったので、道路とほぼ直角で、自動車前部を歩道に乗り上げたまま停止していました。そこに対向車線を走行してきたバイクが衝突したのです。バイクは制限速度時速60キロメートルのところ対向車線を時速60キロ超で走行していました。バイクは自動車の手前72メートルの地点で自動車に気付きましたが、転回すると考え減速するにとどめました。その後駐車場に入ろうとしていることが分かり、急ブレーキを踏みましたが、間に合わず衝突したのです。
裁判所は、バイクには前方注視義務違反、速度保持義務違反があったとしました。自動車には右折の際の安全確認義務違反があったとしました。結論的にはバイク20パーセント、自動車80パーセントの過失割合を認定しました。
別冊判例タイムズ「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準 全訂4版」243ページは、自動車が路外に出るために右折する過程で対向車線を走行するバイクと衝突した場合の基本的な過失割合を、自動車90パーセント、バイク10パーセントとしています。修正としてバイクに著しい過失がある場合にバイクの過失割合を10パーセント増としています。東京地裁判決は、バイクにおいて72メートル手前で自動車を発見したのに減速しかしなかったことをとらえて著しい過失を認め、バイクの過失割合を10パーセント増としたと考えられます。
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弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)
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