横浜地裁平成21年7月2日判決は、交通事故当時82歳の男性が交通事故により死亡したことについて、逸失利益についての判断を行っています。
裁判所は、男性が6人で暮らしていた、料理と洗濯のほかパーキンソン病に罹患していた妻の看護などをしていたこと、計116万0560円の年金を受給していたことを踏まえ、同年齢の家事従事者より家事の量が多いとしました。その上で、平均余命の半分の期間について賃金センサス女子労働者女子全年齢平均である343万4400円を基礎収入として逸失利益を算定しました。
その年齢層ではなく、全年齢の賃金センサスを用いて逸失利益を算定したのは被害者救済の観点から妥当といえます。しかし、なぜ男性なのに女子の平均賃金なのか、家事労働=女子の労働という固定観念で判断をしていないかなど疑念の余地がないわけではありません。いずれにしても、低くなりがちな高齢者の逸失利益についても家事の内容を具体的に主張することで一定程度増額させることができることを示しているといえるでしょう。
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弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)
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