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相談料・着手金無料 新潟の弁護士による交通事故ブログ(新潟県の交通事故) 

弁護士齋藤裕(新潟県弁護士会)のブログです。交通事故の記事をまとめました。お悩みの方は025-211-4854にお電話を

損益相殺

2013-11-21 17:57:40 | その他

 交通事故によりお金を得ることとなった場合、損害賠償額からその額が控除されることがあります。

 たとえば、自賠責損害賠償額、労災保険・健康保険等の社会保険給付金の一部(給付が確定したもの)、所得補償保険金等が払われると、その額が賠償額から減額されることになります。

 自賠責や労災保険からの給付は人身損害に対して支払われるものです。ですから、物損分の賠償額からこれらの金額を引くことはできません。休業補償や障害補償年金は逸失利益に対するものであるので、慰謝料等から引くことはできません。労災保険の療養給付については、治療費から引くことができることについてほぼ争いはありませんが、その他の費目から引くことができるかどうかについては争いがあります。

 交通事故でお悩みの方は当新潟合同法律事務所の弁護士(新潟県弁護士会所属)にご相談下さい。交通事故の相談料は無料です。まずはお電話(025-245-0123)かメールでお申込み下さい。

                       弁護士 齋 藤 裕(新潟県弁護士会所属)

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責任能力のない子ども(11歳)が引き起こした交通事故と親の責任

2013-11-03 18:42:45 | その他

 民法では、人が不法行為責任を負う前提として責任能力が必要だとされています。未成年者については大ざっぱにいうと12歳くらいがその境だとされています。ですから、12歳未満の子どもが引き起こした交通事故について、その子どもは損害賠償責任を負わないことになります。

 その場合、親権者である親が損害賠償責任を負うことになります(民法714条1項)。但し、親が監督義務を怠らなかった場合等には責任が免除されます。

 神戸地裁平成25年7月4日判決は、11歳の子どもが自転車を運転しているときに歩行者に傷害を負わせた事故の損害賠償責任について判断を示しています。判決は、子どもには責任能力がなく賠償責任がないとしましたが、親には民放714条1項により賠償責任が認められるとしました。親は子どもに対し自転車の運転に関する指導をしていたと主張しましたが、判決は子どもが運転時にヘルメットをかぶっていなかったことから指導が功を奏していなかったとし、監督義務を尽くしていたとはいえないとしました。結果として約9520万円の支払いが命じられました。

 判決は、ほとんど結果論で監督義務の履行を否定しています。一般的に監督義務を尽くしたとされることは稀であり、この判決も一般的な傾向に沿ったものといえます。ですから、被害者としては、11歳以下の子どもの運転により被害を受けた場合、親に対する損害賠償の支払いを命ずる判決を受けることはそれほど難しくありません。問題は、子どもが自転車で事故を起こした場合まで補償する保険に加入していない場合も多いので、取立てが困難だということです。差し押さえや交渉等に工夫が必要となります。

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てんかん発作による事故と同居親の損害賠償責任

2013-09-28 15:53:31 | その他

 宇都宮地裁平成25年4月24日判決は、クレーン車運転中にてんかん発作で意識を喪失し、歩行中の児童6名を死亡させた事故について、運転手の母に損害賠償責任を認めています。

この事件は大きく報道され、社会的注目を浴びた事件です。のみならず、疾患を持つ者による交通事故について親族が法的責任を負うのか、どのような場合に負うのかという法的問題について重要は判断を示しているのでご紹介します。

運転手の同居の母は、運転手がてんかんであること、薬を飲まないと発作が出てくること、事故前夜に薬を飲んでいないことを認識していました。その他、免許の欠格事由に該当することを知りつつ母が運転手に何度も自動車を買い与えたこと、クレーン車の運転免許試験当日も運転手がてんかんの発作を起こしているにも関わらず母が運転手を自動車で送ったこと、運転手がそれまでてんかん発作による交通事故を5回も起こしていること、交通事故による刑事訴訟の際に母がてんかんによる事故であることを知りつつ寝不足による事故であると証言したこと等の事情がありました。

裁判所は、上記の事情を踏まえ、母には運転を回避するため会社に通報する法的義務があったのにそれを怠ったとして、損害賠償義務を認めました。

母の責任がかなり重大だと思われるケースですので、結論は穏当かと思います。但し、極端な事例ですので、一般化は難しいと思います。

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自転車レースでの参加自転車と歩行者の事故と主催者責任

2013-08-30 12:58:23 | その他
 広島地裁尾道支部平成19年10月9日判決は、公道での自転車レースに参加した自転車が、犬の散歩中に道路を横断していた歩行者と接触した事故について、主催者側の責任を認めていますので、ご紹介します。

 判決は、被害者において自転車レースがあることを知っていたら道路には出なかったと推測されるとしました。その上で、主催者側として、事前に周辺住民にレース開催の告知をしなかったこと、監視員を配置しなかったことについて過失があったとし、主催者に損害賠償責任を認めました。

 レースで使用された自転車はスポーツ系自転車です。スポーツ系自転車の危険性に照らすと参照価値のある裁判例といえるでしょう。

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適切な道路標識を設けなかったことの責任

2013-08-09 19:36:51 | その他

 東京地裁平成19年11月22日判決は、歩道工事のために道路の幅員が狭くなっていた場合について、工事業者において幅員が狭まるとの道路標識を設けず、その結果、自動車が漫然と狭くなった道路を通行し、反対車線にはみ出し、反対車線を走行してきたバイクと衝突したケースについて、道路管理者たる県の損害賠償責任を認めているのでご紹介します。

 判決は、工事業者に直接的な責任があったとしています。しかし、道路管理者において、工事業者に対して抽象的には道路標識を設置するよう求めたものの、具体的に設置場所、設置方法等について求めたとは言えないとして、損害賠償責任が発生するとしました。

 工事業者にもさまざまな業者がいますので、道路管理者が道路標識設置について具体的な要請をする責任を負うという形にしないと、適切な道路標識設置がなされない場合も多々生じ得ると思われます。ですから、穏当な判決かと思います。

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自動車が中央分離帯に衝突した事故と道路管理者の責任

2013-07-22 19:12:00 | その他
 
 岡山地裁平成25年2月21日判決は、大型貨物自動車が中央分離帯に衝突した事故について、道路管理者である岡山県に賠償責任を認めました。

事故は午前3時ころと深夜でした。事故現場の交差点付近は交通量が多かったのですが、街灯もなく、交差点マークも大部消えかかっており、反射板の反射性能も不良でした。そこで、判決は、通常有すべき安全性を欠いていたとして、県に賠償責任を認めたのです。但し、大型貨物自動車側に8割の過失を認めています。

指摘されているような道路の性状であれば事故を起こしやすいことに疑いはなく、県の賠償責任を認めたことについては妥当だと思われます。

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未成年者による自転車事故と法的責任

2013-06-11 09:48:56 | その他
 大阪高裁平成23年8月26日判決は、未成年者(14歳)が運転する自転車により高齢者が傷害を負ったという事故について未成年者に法的責任を認めています。

未成年者が賠償責任を負うためには責任能力というものが必要です。12歳程度の知能を有しているかどうかで責任能力の有無が決せられるという考えもあり、14歳であれば特段の事情がない限り責任能力があることになり、賠償責任を負うことになるでしょう。ですから、判決の結論自体は問題ないと思われます。

他方、未成年者に責任能力が備わっている場合、両親などの監督義務者に義務違反がありそのため事故となった場合にのみ両親らが法的責任を負うことになります。判決の事案では、未成年者が危険行為を行っていることを両親において知っていた等の事情が証明されていないとして、両親の賠償責任を否定しています。

両親の監督義務違反がなければ法的責任を負わないことは当然ではあります。しかし、未成年者に支払い能力がない状況において両親の法的責任を否定して、被害者が実際に支払いを受けることができるのか心配なところではあります。特に自転車の場合、保険に入っていないことが多いため、弊害が生ずる可能性もあるでしょう。事実上両親が払ってくれることを期待する他ないわけです。

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公園から道路に飛び出した児童と自動車間の事故と公園管理者である町の責任

2013-04-18 13:25:39 | その他
 名古屋地裁平成21年3月6日判決は、公園から道路に飛び出した児童(小2)と自動車間の事故について、公園管理者である町に損害賠償責任を認めていますのでご紹介します。

事故現場の公園は道路に面していましたが、公園の樹木が繁茂し、道路を交通する自動車からは公園内が、公園内にいる人からは道路の状況が分からないようになっていました。しかも、その公園には児童が自転車で乗り入れることがよくありました。

裁判所は、そのような状況において、樹木の繁茂により事故が発生する危険が高まっており、公園には瑕疵があるとして、管理者である町に損害賠償を命じました。

木が繁茂しているだけで公園の管理者に責任を認めさせることは無理としても、事故の危険性がかなり想定される状況で責任を認めたのは妥当だったと思います。

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交通事故でとりあえずの損害賠償金を払ってもらうための仮処分

2013-04-05 15:30:38 | その他
 交通事故で傷害を負った場合、治療費は保険会社が出すのが原則です。しかし、保険会社が治療途中なのに治療費の支払いを不当に打ち切るようなこともあります。また、働くことが出来ないようになって生活に困るような場合も考えられます。

そのような場合、訴訟の結論を待っていたのでは生活に困窮する事情があれば、損害賠償の仮払い仮処分が認められる余地があります。6ケ月分程度を認めるものが多いとされます。

交通事故で日々の生活費や治療費に困っている方は検討されると良いと思います。

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ひき逃げにおける同乗者の責任

2013-03-19 07:01:19 | その他
 福岡地裁平成21年9月17日判決は、ひき逃げで被害者が死亡したケースについて、同乗者に損害賠償義務を認めています。

 判決は、同乗者にも被害者を救護する義務があるとしました。しかし、同乗者らが救護をしなかったとして、運転者及び同乗者らは連帯して慰謝料100万円を支払うべきだとしました。他方、被害者が死亡したことによる損害については、被害者が轢かれてから比較的早く亡くなっており、救護義務違反と死亡との因果関係が認められないとして、同乗者らに責任はないとしました。

 この判決によると、場合によっては同乗者も全損害について賠償賠償義務を負うということになります。加害者が任意保険に入っていないような場合、同乗者の責任追及は有益だと思われます。

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