新潟久紀ブログ版retrospective

新潟暮らし推進課17「人口減少問題啓発マンガリーフレット(その1)」編

●人口減少問題啓発マンガリーフレット(その1)

 人口減少問題について、県の担当課長として内外での説明に使用するのは、平成9年の249万人をピークに年々右肩下がりを続ける棒グラフをはじめとする人口推移データや、やたらと黒い▲印、つまり減少とかマイナスの表示ばかりの計数が並びがちな統計データといった資料。議員や役人に説明するものとしてはシンプルで無駄な飾りがなくて良いのであるが、先般の新潟大学の学生さん達との座談会で使用した時の反応が忘れられない。例えば、20年間で約25万人、新潟県で2番目に大きい自治体である長岡市分の人口が減ったという話をすると「それは深刻だ」という理解は得られるのだが、あまり臨場感のある切実さや対応についての意見等が返ってこないのだ。
 マクロの統計データで見ると、その計数の大きさに、どうしても人ごと他所ごとという感覚になってしまうのはやむを得ないことだ。こうしたアプローチでの意識啓発のみならず、人口減少がもたらしている身の回りの個別具体の事象などのミクロからその深刻さが自分の生活を脅かしているリアルさを知り、どう関わっていけば良いかを考えていけるようなアプローチも必要なのではないか。
 そのアプローチで働きかけるターゲットは大学や就職の進路を考える高校生や中学生になろう。授業や部活、塾など生活時間に隙間が無く、人口減少問題について意見交換する座談会の設営を控えた年代層だ。となれば、学術的な統計グラフや文章の羅列でなく、とっつきやすくて課題のイメージを頭の中に浮かべやすいマンガ形式が良いに違い無い。ページ数は、数多く制作することや配りやすさ、取り敢えず手に取って見てもらえそうな手軽さを考えると、A3判紙の折りたたみA4判の4ページ程度に抑えたい。伝えたい内容とそれに応じたコマ割りなど内容の構成は、そんなものの作成などしたことのない部下に指示するのも申し訳ないので、かつて農政や行革関係で自作のマンガリーフリットを制作した経験のある私自身で企画立案することにした。マンガ制作の過程で言うところの、いわゆる"ネーム"の作成である。
 1日程度掛けて4ページ分のネーム案を作り、若手の課員に示してみたが、彼らは30から40歳代であり、やはり本来のターゲットである高校生や中学生に近い人からその内容が対象者に共感されるものかどうか見てもらいたいもの。そういえば、新潟市は著名なマンガ家を多数輩出していることもあってマンガ文化の推進に力を入れている。そんな環境の下でマンガ家育成の専門学校もあるではないか。その20歳代くらいの学生さん達にターゲットに近い感覚でネームを若者感覚で修正してもらい、作画もお願いしてはどうかと考えた。

(「新潟暮らし推進課17「人口減少問題啓発マンガリーフレット(その1)」編」終わり。県職員として11箇所目の職場となる新潟暮らし推進課の回顧録「新潟暮らし推進課18「人口減少問題啓発マンガリーフレット(その2)」編」に続きます。)
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