新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域振興局長の日記番外編(インタビューでタジタジ)

 <○:インタビュアー、●:私>
○「敬和キャンパスレポ」は新潟県新発田市冨塚にある敬和学園大学の大学生が、大学に関わるイベントや人、新発田のことなどをテーマにお届けします。
本日は新発田地域振興局長さんにおいでいただきました。どうぞよろしくお願いします。
●新発田地域振興局長です。緊張しているのでお手柔らかにお願いします。

○実は最近、新発田地域振興局の企画で、局長さんと敬和学園大学の学生との座談会があり、ワタクシも、番組チームを代表して参加して、局長さんとお話をさせていただきました。無事に記事も公開されほっとしております。どうもありがとうございました。
局長さんは、長らく新潟県の職員として勤務され、直近では県庁の病院局で勤務された後、2023年4月より、新発田地域振興局長に着任されました。新発田でお仕事をされるまでに、どのような部門や地域でお仕事をされてきたのか、差し支えない範囲で教えていただけますか?
●3月までは新発田病院を含む県内13か所ある県立病院の経営管理にあたっていました。
 新潟県庁に勤めて35年ほどになりますが、新潟県の予算全体の調整に関わる仕事が長く、
 ほかには農業を盛り上げる仕事をしたり、福祉事務所のケースワーカーとして家庭訪問をしたり、市役所へ出向したこともあるんですよ。
4月からの、新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町の4つの自治体をエリアとする新発田地域振興局への勤務は、実は30年ぶりの県庁の出先機関での勤務ということなので、敬和学園さんとの意見交換を始めとして、先ずは地域内の色々な機関の方からお話を聴いてまわって、振興局として地域により貢献できるための取組を考えているところです。

○新発田地域振興局、という名前ですが、新発田市役所とは異なる「県」の組織であり、県庁の出先機関であり、管轄する地域も新発田市内にとどまらず、もう少し広い範囲ということになるかと思います。局長はあらゆる部門を統括されているということで、非常に範囲は広いと思うのですが、どういった部門が振興局のお仕事になり、市役所・町役場とはどのように違う立ち位置になるのか、少し噛み砕いて説明お願いしてもよろしいでしょうか。
●県の役割を一言で言うと、「広域性と専門性」ということになります。
 市町村の境界を越えて広く効果を出せるようにするための道路や川の整備や、広く県内外へ米や野菜、果物の出荷を盛んにできるように産地を育てる支援、県内遍く同じ水準を保つべき自然環境の保全や保健衛生、児童や障害者への福祉の取組、それらが新発田地域振興局として業務量の多い分野になります。加えて、市町村ごとの魅力を数珠繋ぎにして情報発信し、新発田地域への観光客や関心を持ってもらえる人が増えるような仕事にも力をいれているところです。

○そして局長さんご自身が、新発田地域振興局のウェブページとは別に、ブログやTwitterでの情報発信に取り組んでいらっしゃいますね。こちらは新発田振興局長に就任される前から、さまざま情報発信されていて、局長就任後も続けていらっしゃるものと拝見しました。就任前と就任後で発信する内容や心境に変化はありますか?
●より良い県行政のためには生活者としてのプライベートな視点も重要なので、公私をまたいだ情報の「発信」と「通じ合い」を求めてSNSの利用を始めました。
 地域振興局長になって「地域を盛り上げる」ための取組を考える時に、「食べて働いて遊んで学んで」といった個人的で総合的な生活感覚が大事だという思いは益々強くなっています。
 SNSのハンドルネームは「新潟久紀」ですが、「新発田局長のブログ」とでも検索していただければヒットするので、つたないコンテンツではありますが、見ていただいて、ご意見などいただければ本当に有難いと思います。

○新発田地域振興局は、かなり広い範囲を管轄されていますし、就任以降各市町村の現場を回られて、私たち大学生を含めて、いろいろな方とお話しする機会を持たられているとききました。この地域にどのような可能性を感じていらっしゃいますか?
●色々なところを訪ね歩いてお話を聴いていると、様々な場所で地域への貢献を意識した色々な取り組みがあることが分かってきました。その多くは各々の立場に基づいて専念されている活動なのですが、一見接点のないそれらの人々や取組が関連すれば「相乗効果」であったり「化学反応」が生まれて、より大きな地域の盛り上げにつながりそうな可能性を感じています。
 分散する取り組みを取り持ったり関連付けたりするのは、市町村などの枠を超えて活動できる県の役割であると考えるので、そうした連携づくりに力を入れたいと考えています。

○私の参加した座談会では、若者の働く場所をどのように確保するのかという話題がでるなど、多くの課題が見つかっているかと思います。これまでのところで、どんな課題を感じていらっしゃいますか?
●貴方にご参加いただいた座談会などを通じて、
新発田地域で育ったり、わざわざ外部から学びのためにやってきて住んでいる皆さんのような若者が、この地域で「やりたいと思える仕事」で暮らしていける収入を得られること、それを就活までに「見える化」できるかどうかが大きな課題の一つだと感じています。
 実は今準備中なのですが、独自にこんな仕事で新発田地域で生活できないかと考えている若者を囲んで、起業や資金調達の実践者たちが助言や知恵を出し合う座談会を開催予定です。話せば意外にも既存の会社勤めで希望が叶うという助言が出るかもしれません。
 この座談会を単に一時的なお喋りの集まりではなく、起業や副業など若者の意向に応じて集まるメンバーを変えながら、新発田地域で働いて暮らし続けることのできる収入確保の多様なパターンを見出していく「仕組み」にできないかと考えています。
 この「新発田地域に若者が残れるための座談会」では、参加者では対応しきれない色々な事柄もでてくると思いますが、そうした課題を浮き彫りにして、応用できる制度はないかとか、誰にどう協力を求めたらよいかなど、更なる知恵出しにもつなげたい。
 若者にとって、助言や支援を求めることができるだけでなく、厳しい努力を求める指摘なども受けて成長も促せる場にもしたいと考えています。

○私たちのゼミではドキュメンタリー映像制作にも取り組んでいます。地域振興局のページを拝見すると、農林水産関係や、道路、河川などのインフラなど、多くの事業を管轄されています。地域の歴史として興味深い内容、あるいは、河川やダムなどの大規模な施設で、その整備の歴史を現在のダイナミックな映像で撮れそうなところなど、おすすめいただけるようなところはありますか?
●例えば、加治川の上流にある「内の倉ダム」は、中がなんと大きな空洞になっていて、音響が良いのでコンサートを開いたりできる特殊なダムです。
 見学可能日やイベント時期などは振興局に問い合わせて欲しいのですが、ダムに限らず先人達の努力が現在の土木施設等に残ることに思いを寄せてみるのはお勧めです。
 私の振興局では、そんな大規模施設や観光スポットなど、新発田地域の見どころを一枚の地図にまとめて無料で配布しています。「しばたディスカバーマップ」で検索してゲットしてください。

○新潟県庁で働く県の職員というのは、新潟県で就職を希望する大学生からすると、一つの目標になるようなお仕事だと思いますが、しかし、広い新潟県を転勤して動くということや、大きな組織の中で自由にならないことも多いように思います。長らく新潟県で働いてこられて、私たちの若い世代に対して、県の仕事の魅力ややりがい、あるいはこういう人は民間や市町村で働いたほうがいいよといった点も含めて、教えていただければと思います。
●県職員でありながら市役所へ出向もした私の経験から言うと、日常生活に直接関わる身近な課題に関わりたいと思う人は市町村向きだと思いますが、私的には、やはりもう少し大きな事柄に向かっていきたい、それでいて郷土への貢献も実感したい、という思いが強くて県職員を選びました。
 遠隔地や多様な分野への転勤を敬遠する向きもありますが、お決まりの狭いフィールドでは分からない自分自身の可能性や生き方を気付かせてくれること もあります。
 私が3月までいた病院局のように民間並みの企業経営に関われる分野もあります。
 是非とも県職員を選択肢に入れて考えてみて欲しいです。結局は宣伝になってしまいましたね。

○さて今日の敬和キャンパスレポは、2023年4月に着任された新発田地域振興局長さんにおいでいただいて、お話をうかがいました。どうもありがとうございました。
●貴重な機会とお時間をいただけてとても嬉しかったです。ありがとうございました。

(「新発田地域振興局長の日記番外編(インタビューでタジタジ)」終わり。「へたれ県職員の回顧録」の「仕事遍歴」シリーズで現在進行形の日記形式「R5.7.24-R5.7.30新発田地域振興局長の細々日記」に続きます。)
☆ツイッターで平日ほぼ毎日の昼休みにつぶやき続けてます。
https://twitter.com/rinosahibea
☆新潟久紀ブログ版で連載やってます。
 ①「へたれ県職員の回顧録」の初回はこちら
 ②「空き家で地元振興」の初回はこちら
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