新潟久紀ブログ版retrospective

新潟独り暮らし時代20「下手の横好きでバンド活動(その2)」

●下手の横好きでバンド活動(その2)

 バンドメンバーが決まると、何を演奏するかの話し合いが始まった。演奏したい楽曲が共通にある有志が集まったのではなく、学業や趣味での楽器持ち達が、あまり厳しくなくユルい遊び感覚で何か演奏したいという発意だったので、お互いに遠慮がちな中で、どうしてもこれを演奏したいというような強い主張が出てこなかった。
 私は、どうしたいと問われれば当然、ジョン・メレンキャンプなど泥臭いロックを演奏したかったのだが、教育学部の音楽科に入るようなハイソな女性陣からは支持されないだろうし、そもそも玄人はだしと思しきメンバーの中で私は唯一の未経験者であり、発言権など有りようがないので静かにしているしかない。
 こうした場合は経験的に見て、主旋律を奏でるギターやキーボードの担当が協議をリードするものだ。案の定、ギターの彼が、そのプレイが美しく目立つハードロック系を提案してきた。しかし、結局は女性が主導権を握るもの。ロックには同調するが、シンセサイザーが映えるきらびやかな楽曲にしたいという方向に。
 皆から意見を引き出しては静かに聞くばかりだったベースの彼が、気配りの人らしく、控えめなボーカルの彼がそれほど主張がないことを確認するも、彼がレンジが広くかなりハイトーンまで出せることを知っていたので、それも映えるようなメジャーグループを提案してきた。「エイジアなんてどうだろうか」。
 エイジアといえば、キングクリムゾンやイエス、ELP、バグルズなど超有名なブリティッシュバンドのキャリアを持つメンバーが集まった知らぬものはいないスーパーグループ。この頃は1982年リリースのファーストアルバムの世界的大ヒットに続き、セカンドアルバムが話題になっていた。
 エイジアは、極めて高度なテクニシャンの集まりであり、プログレッシブロックというカテゴリーで語られることもあったので、とても手を出せないのではと驚いたか、教育学部で音楽を専攻する女性陣は、よく聴こえてくるヒット曲などは非常にポップな楽曲で、学業のクラシックに比べればやりやすいと言う。
 ギターの彼も、ほぼ神のような存在のギタリスト、スティーブ・ハウをコピーすることはやぶさかでなさそうだし、新作アルバムに並ぶ楽曲のドラマティックに繰り広げられるな歌唱を知っていたボーカルの彼も賛同。ただ、未経験の私だけが、高校生の頃に、ELP時代のドラムテクニックに圧倒された、あのカール・パーマーをコピーできるのかと青くなっていったのだ。大変なことになってきたものだ。

(「新潟独り暮らし時代20「下手の横好きでバンド活動(その2)」」終わり。仕事遍歴を少し離れた独り暮らし時代の思い出話「新潟独り暮らし時代21「下手の横好きでバンド活動(その3)」」に続きます。)
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