新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会26「五頭連峰を活かしたい(その1)」

●五頭連峰を活かした地域振興(その1) [R60617]

 新潟県の北部にある新発田市、阿賀野市、胎内市、聖籠町の4自治体を主な所管区域とする県の出先機関である新発田地域振興局の局長として、管内において地域を良くしようと活動している人々や集団、組織などを関連づけることで、取組の効果や企画力を上げたり、展開が幅広にできたりはしないか、いわば”相乗効果”や”化学反応”を生めないかと考え、新発田地域に散らばる潜在性を秘めた人や各々で活動している人を「集め」て働き掛けて関連付けさせて、いわば「振動させて」「ふるわせて」、少しでもこの地の活性化の取組が広まり、深まるように貢献したい。そんな考えで令和5年から始めた「ふるわせ座談会」。
 令和6年度においては、管内の森林公園のトイレや登山道関連の設備などの改修に予算が投じられることもあり、これも契機として当該の外遊び空間へ更なる誘客を図れないかとの思いで、「アウトドア」をテーマに座談会を展開していくことにしたところだ。
 今年度第2回目は、阿賀野市におけるアウトドアの至宝「五頭連峰(ごずれんぽう)」において、登山道の渓流に架かる丸太橋の架け替えや標識を整備する事業があることから、この地の登山愛好家や山の麓で旅館や観光施設を経営にあたる人達で意欲的に活動されている方々にお声掛けして、来訪者の増などについてどのような希望や課題意識をお持ちなのか、それらを共有することで知恵を出し合えないかとお集まりいただいた。
 私としては特に、コロナ禍を通じて盛り上がっている「低山ブーム」の時流に上手く乗って、ハイキング感覚で気軽にも楽しめる山空間として、都市部の住民を、とりわけ来訪の持続性を見据えて子供連れ家族層などを、いかに呼び込んでいけるかという観点を持ちながら、座談会に臨んだのだ。
 「笹川かおり」さんは「藤田金属株式会社」の職員で新潟市出身。山の仲間を見つけたいとの思いから、山の日制定にちなんた五頭自然学校のイベントに参加した際、「安田山の仲間の会」と知り合い、現在も所属しているという。安田山の仲間の会は主に「宝珠山」を登っており、年2、3回、草刈りなどの整備も行っているという。山の環境が任意の人達の積み重ねで維持されているということに改めて頭が下がる思いだ。
 しかし、「会」の高齢化が進み、べニア板で製作していた標識の貼替作業がとても大変となってきたため、自身の勤務先で加工過程で発生するステンレスの廃材をSDGSの目線で活用できないかと考え、昨年度から阿賀野市と共同で60枚程度設置している。廃材に着眼して地域貢献に繋げた取り組みは大いに評価されるべきだと思う。
 「関仁」さんは阿賀野市に隣接する阿賀町にある「株式会社阿賀の里」という観光施設経営の会社の役員。三条市出身で地元の外からの目線を活かせる人のようだ。我が新発田地域振興局の管外の町であるも五頭山への登山道があるという繋がりで座談会に駆けつけてくれた。ありがたく思うとともに、五頭連峰に対する思い入れの強さが伝わる。
 観光施設「道の駅阿賀の里」では、コロナ禍で入込が減少し、経費削減を迫られ、厳しい状況が続いていたが、今年1月からは、台湾からのインバウンドが好調で、明るい兆しも見えてきたという。近隣市町村とも連携した受入体制が構築できれはと考えている。
 道の駅としては地域の特性を出していく必要があると考えていて、地元のおばあちゃんが手作りで出来立ての「笹団子」を提供できるよう菓子製造業許可を取得したり、持続可能性を考え、フリーマーケットを常設できるよう古物商許可を取得したりと、現状をより良く変えていくことに余念がない。
 敷地が広いので、様々なイベントで活用ができること、更には、天候に関係なく遊べる巨大な屋内施設「あがりーな」が6月2日にオープンして、土日を中心に、ファミリー層で賑わっており、キッチンカーも出店するなど賑わい空間として盛り上がりを見せていることを更なる誘客につなげたい思いのようだ。
 冬場の降雪期はもとより年間通じて天候が悪い日が少なくない新潟県においては、屋内型で子供を遊ばせられる空間は大きな誘因になる。そこを軸に少しずつ近隣の五頭連峰フィールドへ少しずつ優しく誘う仕掛けを講じていければ、人工の遊具に飽きた子供達や、また、少しワイルドでも逞しく育ってほしいと思う若い親たちを呼び込めるのではないだろうか。大いに知恵出しをして行けそうな材料があるなあと感じた。

(「新発田地域ふるわせ座談会26「五頭連峰を活かしたい(その1)」」終わり。「新発田地域ふるわせ座談会27「五頭連峰を活かしたい(その2)」」続きます。)
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「活かすぜ羽越本線100年」をスピンオフ(?)で連載始めました。

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