新潟久紀ブログ版retrospective

新発田地域ふるわせ座談会30「剣龍峡と街なかの大学生(その2)」

●30剣龍峡と街なかの大学生(その2)

 一方の敬和学園大学の学生さんには3名の方から出席いただいた。
 「富田楓芽」さんは、新発田市内の印刷を主とする企業「株式会社エンジュ」さんの地域貢献したいとの発意を受けて我が新発田地域振興局企画振興部が学生さんとのコラボを仲立ちして生まれた、地域の情報を発信するインスタグラム「しばたニア」の編集長。
 他県出身ということで、今回の座談会を前にして、「しばたニア」アップ用の取材で初めて剣龍峡を訪れたという。意外だったのは荒川川沿いに野鳥観察者が多かったことで、大変珍しい鳥がいると聞いたのでその辺も情報発信に活かせれば良いのではという。
 「高橋由翔」さんは「しばたニア」の副編集長で、やはり今回の取材で初めて剣龍峡を訪れたという。水がとてもきれいで透きとおっていることに感激、下から見上げる「たいこ橋」のシルエットも魅力的だったと現地の印象を語る。
 「羽賀周平」さんはしばたニア編集員で、実はこれまで「地域ふるわせ座談会」に2回も出席して頂いている"準レギュラー"だ。
 新発田市から少し離れた地域で生まれ育ち、剣龍峡という地名こそ覚えが無かったのだが、前の2人と同様に取材で訪れてみたら、小さい頃に親にドライブで連れてきてもらったことを思い出したという。幼い頃に見た景色がずっと記憶に残っていたのだ。荒川地区の方から一眼レフカメラを借りてインスタ「しばたニア」用に撮影したという。景色の素晴らしさ、清流の動態などが、いろんな撮り方をしてみたいと思わせてくれたという。
 以上のメンバーに、地域エフエムの「FMしばた」(通称シバラジ)から取材に来られたパーソナリティーの「杉野朋子」さんも円卓に巻き込んで、荒川地区の方々の剣龍峡に対する思いを聴きながら、現地に足を運んだ学生さんからの剣龍峡の魅力をアピールするための提案を受けるなど、活発な意見交換が繰り広げられました。
 ほんの一部ですがご紹介しましょう。
 学生さん側から、剣龍峡の誘客を図る方策として、「剣龍峡の美しい景観を撮影したポストカードを作り、近隣の温泉など人目のつくところに置いて販売するやり方があると思う。」「剣龍峡は日本画を切り取ったような風景だと思う。美術館と絡めて、日本画を描く体験をしてもらうなどしてアピールする方法が考えられる。」「訪れる人を増やすには子どもをターゲットにすることを考えるのも一つの策。剣、龍という名前がついているので、これを前面に出すというやり方を考えてもよいのでは。例えば、剣や龍に因むキャラクター制作とか子ども向けのイベントがあってもよいと思う。」などと提案が。
 比較的年輩である地区住民の方々は、ポストカード制作販売や絵画体験の場としての展開などによる関心向上策など、大学生ならではの新鮮な発想に大いに刺激を受けた模様。
 剣龍という名前の活用については、「これまで秋に開催してきたイベント時に、お土産としてお米を「荒川剣龍峡米」と称して参加者に配ってきたが、米袋には龍のイラストをあしらっている。」「地元ならではの龍にまつわる話がある。剣龍峡には「龍の剣堀」と呼ばれる穴がある。これは甌穴(おうけつ)と呼ばれる丸い穴で、穴の中の石が水流で転がって穴を広げてできたもの。穴にたまった水をかき混ぜて雨乞いをすると龍が雨を降らせてくれるという話が地区に伝わってる。龍は水神様の扱いだ。」「荒川地区に伝わっている話をまとめた本もある。話を聞いて、今、地元にある物語などの情報資産を活用できるなと思った。」などと”地元の引き出し”を開いてくれました。
 私からは、地元に伝わっている話を分かり易く親しみやすくホームページなどで発信すること、それも連載形式にして、少しずつ関心が高まっていくように発信していくというやり方も良いのではないかとお話しさせていただいた。
 続けて地区住民の方々からは、「地区では柿を栽培している。イベントの際は試食してもらったり、お土産にしている。希望者には販売もした。」「イベントの参加者については、新型コロナ禍の際は参加者を新発田市内に限定してきた。昨年は市外も含めて参加者を募ったが、残念ながらクマの出没により中止としたところ。今年は広い範囲から参加者を募って開催できたらと考えている。」「イベントが開催される秋は紅葉が映えるが、新緑に包まれた剣龍峡も美しい。道路状況に気をつけなければならないが、冬の剣龍峡はモノクロの景色で雰囲気がある。残雪が残る早春の頃も含めて周年をとおして魅力あるところだと思う。」といったこれまでの取組や課題などのお話が。
 学生さんからは「やはり誘客には情報発信が課題だと思う。取材に行く前に検索して調べたが、”剣龍峡”でのヒット数が少ない。」「ホームページ、チラシなどさまざまな情報発信のツールがあるが、これらを全体的にまとめる体制があるとよいと思う。」などと意見が。
 市役所の澁谷さんからも、大学生の話を聞いて、地域の情報発信にあたっては検索の上位にくることが大切だと改めて考えさせられたし、剣龍峡は日本画のような風景だという発言については、美術にスポットをあててアピールするアイデアも視点が斬新でいいなと思った。若い人の着眼点は大変参考になったとのコメントが。
 私からも、県の地域機関としての広域的な目線で、新発田地域の魅力あるところを珠数つなぎにして発信していくことで、単体では足を運びにくいかもしれない剣龍峡という観光スポットに色々な組み合わせの中で訪れる箇所に加えられるような情報発信などに取り組んでいきたいと申し上げた。
 新発田市の荒川川の上流にある絶景の渓谷「剣龍峡」への誘客について、地元住民の思いを聴きつつ、街なかの敬和学園大学生の若い感性による意見をいただきたいとの思いで企画したのだが、近くの大温泉街で美しい景観のポストカードを売るなど小さな取組から、子どもを魅了して家族連れを誘う仕掛け等々、提案が続出する「第9回地域ふるわせ座談会」となった。この場で縁ができた皆さん同士の連携が深まるように意を用いて取り組んで行きたいものだ。

(「新発田地域ふるわせ座談会30「剣龍峡と街なかの大学生(その2)」」終わり。続きは近く掲載します。)
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「活かすぜ羽越本線100年」をスピンオフ(?)で連載始めました。

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