中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

中国における日本語教育の現状についての講演

2016年12月18日 | 中国の大学

吉林大学外国語学院の院長で、中国日語教学研究会の会長の周 異夫教授の講演の内容に拠れば、2013年に中国の教育部が発表した資料に拠ると、中国では506校の大学に日本語専攻科があるの事です。特に2000年以降増えており、ここ14年間で日本語専攻科を設けた大学が300校に上ったとの事です。また、近年の新しい傾向として、修士課程を設ける大学も増えているとの事です。この結果、日本語を専攻する学生や日本語を教える先生も大幅に増えているとの事です。

また、近年は公立の学校ばかりでなく、民間の学校や組織に依る日本語教育も増えているのが特徴との事で、特に上海、広州、北京等の一線級の都市や大連や青島等の沿海部の都市や日系の企業が多い都市では、特に民間の日本語教育機関が大幅に増えているとの事です。

確かに、貴州省でも以前貴州省内では、日本語専攻のある大学は、貴州大学、貴州師範大学、貴州民族大学の三校だけでしたが、2011年に凱里学院、2013年に安順学院、貴州財形大学に日本語専攻科が設けられ、日本語専攻が出来た大学は倍増した事なります。また、2014年度から六盤水市や凱里市の高校でも日本語の教育が始まり、2016年度から黔東南苗族トン族自治州の県立高校でも日本語教育が始まった様です。高校で日本語専攻する生徒は、大学入学試験の際、外国語を、英語ではなく、日本語で受験することになるとの事。雲南省は、日本語専攻科がある大学は、現時点では、雲南大学、雲南師範大学、雲南民族大学の三校だけで、日本語専攻を設けた大学は増えてはいない様です。 

また、最近の傾向として上げられる点は、日本語を学ぶ目的が以前と比べると多様化しているとの事。以前においては、多くの学生は、就職に有利との理由で、日本語を学ぶ人が多かったそうです。現在でも日本語を専攻する学生はその傾向は基本的には変わらないものの、日本語専攻以外の学生の、日本語にたいする興味、関心が増えているとの事です。

以前は就職の為に日本語学ぶ人が多かったのが、最近は良く知られている様に、日本語漫画やアニメに興味を持ち、趣味で日本語を勉強する人が増えているとの事です。この様な人達は、独学で日本語を勉強したり、民間の日本語学校やネット(オンライン)で日本語を勉強する人が多いとの事。驚きべき事には、この様な人達の日本語レベルは、極めて高いとの事です。

一時期私が大理で日本語教えていた学生は、まさしくこの様なタイプのが学生で、日本のアニメが好きで日本語を独学、日本語能力試験も一級に合格して現在は、日本に留学して大学院修士課程で勉強中ですが、彼の大学での専攻は心理学です。大理では日本語教える民間の学校もなく、日本語を教えてくれる日本人もなく、全くの独学でしたが、発音等にも全く癖がなく綺麗な日本語を話し、読み書きも含めてその日本語能力の高さには驚かされましたが、この学生等はまさしく、上記に様なタイプと云えると思います。

最初日本の文化のある側面に興味を持ち、日本語を勉強をし始め、その後、日本の他の面に興味を持ち、一層日本語勉強をすると云う様な中学生や高校生も増えているとの事ですが、これらの中学生や高校生が、将来大学で日本語を専攻する様になるだろうと周教授は予測しています。

また、周教授が講演の中で、大学で日本語専攻する学生は、必ずしも多くはなく、また必ずしも積極的に日本語専攻する学生が多い訳ではないと指摘している事に関しては、私も思い当たる節があります。私も一時期大学で日本語を教えていたのですが、日本語専攻の学生の中でも、第一志望が日本語専攻と云う学生は、意外少なく、本来は英語専攻だったが、点数の関係で不本意にも日本語専攻に編入されたと云う様な学生が半数近くを占めていました。日本の大学とはシステムが違う様で、本人の希望に反して違う専攻課程に編入される事が多い様です。

 

 

 

 

 

 

 

 



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