■ 午後Ⅱ形式 類題1:同期伝送と非同期伝送
企業間通信において、リアルタイム性と信頼性を考慮して、非同期伝送と同期伝送のどちらを採用すべきか検討している。非同期伝送では文字単位の送受信が容易である一方、同期伝送は高速で連続的な通信が可能である。
設問
(1) 同期伝送と非同期伝送の特徴をそれぞれ説明せよ。
(2) 非同期伝送が適している用途を述べよ。
解説
非同期伝送は各文字の送信にスタートビットとストップビットを付加する。オーバーヘッドが増えるが、タイミング調整が簡便であり、小容量通信やキーボード入力などに適する。同期伝送は事前に送受信のクロックを一致させ、大容量の連続伝送に向いている。
解答
(1) 同期伝送は事前に送信側と受信側でクロックを同期させ、大量のデータを効率的に伝送する。非同期伝送はスタートビット・ストップビットを付けてタイミングを調整し、比較的簡単な装置構成で通信できる。
(2) 非同期伝送はキーボード入力や低速の端末通信などに適している。
穴埋め問題
非同期伝送では「______ビット」により文字の始まりと終わりを示す。
⇒ スタート/ストップ
同期伝送では「クロック信号」により「______」を合わせる。
⇒ タイミング
■ 類題2:シリアル伝送とパラレル伝送
ある工場ではセンサーデータの収集において、伝送の方式を選定する必要があった。配線距離とコストの観点から、シリアルとパラレルのどちらを使うべきかを評価した。
設問
(1) シリアル伝送とパラレル伝送の違いを説明せよ。
(2) 長距離伝送に適しているのはどちらか、その理由を述べよ。
解説
シリアル伝送は1本の回線で1ビットずつ送るため、距離が長くても信号のずれが生じにくく、配線コストも低い。パラレル伝送は複数のビットを同時に送れるが、距離が長くなると信号の同期が難しくなる。
解答
(1) シリアル伝送は1本の信号線でデータを1ビットずつ送る。パラレル伝送は複数の信号線で同時に複数ビットを送る方式である。
(2) シリアル伝送。理由は、信号のタイミングずれが発生しにくく、長距離でも安定した伝送が可能だから。
穴埋め問題
シリアル伝送は「______本の線」で逐次的に送信する。
⇒ 1
パラレル伝送では「同時に______ビット」送る。
⇒ 複数
■ 類題3:バースト転送と逐次転送
マルチメディアデータを扱う通信システムでは、データを連続的に送信する手法が検討されている。そこで、バースト転送と逐次転送の特性について比較を行った。
設問
(1) バースト転送とは何かを説明せよ。
(2) 逐次転送との比較でバースト転送の利点を挙げよ。
解説
バースト転送はデータをまとめて一括で送る方式であり、オーバーヘッドの削減と高速転送に寄与する。逐次転送は小さな単位で逐一送信するため、制御は簡単だが効率が悪くなる。
解答
(1) バースト転送は、一定量のデータを一括してまとめて送る方式である。
(2) オーバーヘッドが減り、高速な通信が可能である点が利点。
穴埋め問題
バースト転送では「複数のデータを______」で送る。
⇒ 一括
逐次転送は「データを______に送信」する。
⇒ 順次
■ 類題4:ベースバンド伝送とブロードバンド伝送
企業の社内ネットワーク構築において、伝送方式としてベースバンド伝送かブロードバンド伝送を選択する必要があった。それぞれの方式の違いを理解した上で選定が求められる。
設問
(1) ベースバンド伝送とブロードバンド伝送の違いを説明せよ。
(2) ブロードバンド伝送が適している用途を述べよ。
解説
ベースバンド伝送は信号をそのままの形で伝送する方式であり、主に短距離通信やLANなどに用いられる。一方、ブロードバンド伝送は変調を用いて複数の信号を同時に伝送可能であり、CATVや高速インターネット回線などに適する。
解答
(1) ベースバンド伝送はデジタル信号をそのまま伝送するのに対し、ブロードバンド伝送は変調技術を用いて複数の信号を多重化して送信する方式である。
(2) ブロードバンド伝送はCATVインターネットや映像伝送に適している。
穴埋め問題
ベースバンド伝送は「______信号」をそのまま送信する。
⇒ デジタル
ブロードバンド伝送は信号を「______して送信」する。
⇒ 変調
■ 類題5:符号化と変調
データ通信において、送信前に行う符号化と変調の違いについて誤解があった。これらの技術を明確に区別する必要がある。
設問
(1) 符号化と変調の違いを説明せよ。
(2) それぞれの処理が行われる層と目的を述べよ。
解説
符号化は、誤り検出や圧縮のためにデジタルデータを変換する処理であり、主にデータリンク層または物理層で行われる。変調は、デジタル信号をアナログ信号に変換する処理であり、伝送媒体に適した形にするために物理層で行われる。
解答
(1) 符号化はデータの冗長性制御や誤り検出のために行う処理であり、変調はアナログ信号に変換して伝送可能にする処理である。
(2) 符号化はデータリンク層/物理層で行われ、変調は物理層で行われる。目的はそれぞれ誤り制御と伝送適応である。
穴埋め問題
符号化は誤り検出や「______」のために行われる。
⇒ 圧縮
変調は信号を「______信号」に変換して伝送する。
⇒ アナログ
■ 類題6:デジタル信号とアナログ信号の比較
あるネットワークシステムの設計において、使用する信号形式の選定が求められた。信号形式にはデジタル信号とアナログ信号があり、それぞれに特性と適用分野が存在する。
設問
(1) デジタル信号とアナログ信号の違いを説明せよ。
(2) デジタル信号が通信において有利な点を挙げよ。
解説
アナログ信号は連続的な波形で表現されるが、デジタル信号は離散的な値で表される。デジタル信号はノイズに強く、復号が容易であるため、誤り制御や再送制御が可能となる。
解答
(1) アナログ信号は連続値を持つ波形、デジタル信号は2値またはn値の離散値で表される。
(2) ノイズ耐性があり、誤り制御や符号化処理がしやすい点が有利。
穴埋め問題
アナログ信号は「______的な波形」で表される。
⇒ 連続
デジタル信号は「______値の組合せ」で構成される。
⇒ 離散
■ 類題7:伝送符号と同期
あるデータ通信の現場では、正確な受信のために伝送符号と同期方式の選定が重要とされている。
設問
(1) 伝送符号化とは何か説明せよ。
(2) NRZとRZ符号の違いを説明せよ。
解説
伝送符号化は、デジタルデータを物理信号に変換する方式である。NRZ(Non-Return to Zero)符号は信号が0と1で固定されるが、長い連続の1や0で同期が取りづらい。RZ(Return to Zero)は各ビットの中央で信号が0に戻るため同期がとりやすい。
解答
(1) デジタルデータを伝送媒体に適した電気信号や光信号に変換する技術。
(2) NRZは0や1の値に応じて一定の信号を保ち、RZは1ビットごとに必ず0に戻る。
穴埋め問題
NRZは信号が「______しない」ため、同期が難しい。
⇒ 戻ら
RZは各ビットごとに「______に戻る」。
⇒ ゼロ
■ 類題8:通信誤り制御と検出手法
ある企業では、データ伝送時の誤りを最小限に抑えるため、誤り検出と制御の導入を検討している。パリティチェックやCRCなどの手法を理解し、適切な方式を選定する必要がある。
設問
(1) パリティチェックとは何か説明せよ。
(2) CRC(巡回冗長検査)方式の特長を説明せよ。
解説
パリティチェックはビット列の偶数または奇数のビット数を用いて誤りを検出する単純な方法である。CRCは多項式を用いた強力な検出手法であり、通信プロトコルで広く使用されている。
解答
(1) パリティビットを付加して、データ中の1の個数を偶数または奇数に揃えることで誤りを検出する。
(2) 生成多項式を用いて符号を生成し、高い検出精度を持つ誤り検出方式。
穴埋め問題
パリティチェックでは「______ビット」で誤り検出を行う。
⇒ パリティ
CRCは「______式」によって符号を生成する。
⇒ 多項
■ 類題9:伝送媒体の種類と特性
通信インフラ構築の現場で、光ファイバとメタルケーブルの使い分けについての判断が求められている。それぞれの伝送媒体の特性を理解し、適切な設計を行うことが必要である。
設問
(1) 光ファイバの特長と用途を説明せよ。
(2) ツイストペアケーブルのメリットを説明せよ。
解説
光ファイバは広帯域・長距離伝送が可能であり、ノイズの影響を受けにくい。ツイストペアケーブルは安価で取り扱いが容易なため、LANなどで広く利用されている。
解答
(1) 高速・大容量のデータを長距離にわたって伝送でき、外部ノイズに強い。
(2) 導入コストが低く、柔軟性があり、短距離通信に適している。
穴埋め問題
光ファイバは「______に強い」伝送媒体である。
⇒ ノイズ
ツイストペアケーブルは「______コスト」で導入できる。
⇒ 低
■ 類題10:変調方式と帯域利用
無線通信で使用する変調方式の選定において、アナログ変調とディジタル変調の利点や欠点を比較し、適切な方式を判断することが求められた。
設問
(1) アナログ変調とディジタル変調の違いを説明せよ。
(2) デジタル変調方式の利点を述べよ。
解説
アナログ変調は搬送波の振幅・周波数・位相を変化させる方式である。デジタル変調は0と1のビット列に応じて搬送波の状態を変える方式で、ノイズに強く、多重化や誤り訂正に適している。
解答
(1) アナログ変調は連続信号の搬送、デジタル変調は2値信号を搬送波で変化させる方式。
(2) ノイズ耐性が高く、複数の信号の多重伝送が可能。
穴埋め問題
デジタル変調では「______波の位相・振幅」などを変化させる。
⇒ 搬送
デジタル変調は「______誤り訂正」に向いている。
⇒ 自動