「週刊 東洋経済」(11/12号)で『仕事と両立できますか? 介護離職』を特集しており、仕事と介護の両立は難しいと。
当方は、認知症の老母(95歳 要介護5)を在宅介護中ですが、人的・経済的な余裕に幸運がなければ介護の担い手は生活破綻すると実感しております。
当方の場合には幸運でしたが、高齢少子化の核家族社会の現下で介護離職ゼロは非現実的な願望に思われますね。
東洋経済サイトの記事『殺意を抱くまで追い込まれる介護離職の過酷 突然降りかかる難題に、企業は備えているか』で、介護の担い手が「妻を殺し、自殺するところまで追い詰められた。仕事を辞めようと思います」、「親を殺してしまって、僕も首を吊ろうと何度も思った」の事例を紹介しており、「週刊 東洋経済」でも記事『ルポ ある日突然訪れた 私と介護離職』でも「仕事も介護もつらい 首を吊ろうと思った」「首に手をかけたら妻がほほ笑んできた」の事例を紹介し介護離職者の心労を紹介しています。
本ブログ『週刊現代:「必読!家で看取るには、実はこんなにカネがかかります」・・・そうですね』(2015-10-17 )で、老母の在宅介護を紹介しましたが、東洋経済の記事に接し、当方は恵まれた環境と思いました。
当方の場合は、老母が徘徊中の転倒事故で救急車に運ばれる事態になり、当方が老母の世話をすることになり、ディサービス(4年間)を利用し、その後、特養入居(10ヶ月)、療養病院入院(1年半)、現在は退院し在宅介護中(1年半経過:訪問医療・看護・介護・入浴)で、在宅で経管栄養の認知症の老母(95歳:要介護5)を看取ることを考えていますが、東洋経済の介護離職の記事に接して、幸運と思いました。
徘徊事故で、老母の今後について3兄弟の課題になり、物理的距離、自由時間を鑑み、取りあえず定年退職直後の当方が実家に移り老母の世話をするようになりました。
世話を開始した時は、介護保険制度も認知症も無知で、老母の異常言動に往生し衝動的に腕力で抑制していました。
近隣に開所したディサービスを利用するようになり、当方に精神的な余裕ができましたが、徘徊には難渋しました。
その後、特養入所し所内での転倒事故で拒食なり、療養病院入院し経鼻栄養を施し1年半の入院生活後、在宅で看取ることを決断し、現在は経鼻栄養による在宅介護中です。
当方が幸運だったのは、老母の介護開始は定年退職後で、時間に自由度があり介護に時間を割けたことと、介護費用は老母の年金で賄え兄弟に費用の負担が無かったことです。
また、訪問介護のヘルパーは地元のパート主婦が主体ですが恵まれ、老母は在宅介護に馴染んでおります。
介護には、人的と経済的な余裕がなければ介護の担い手の生活負担は限界になるのは明白で、在宅介護が潮流の現在、ヘルパーに恵まれなければ担い手の心労は軽減されないと思いますね。
一方、介護人材については、東洋経済の記事『ニチイ学館、介護最大手が赤字転落する理由 中堅中小事業者の倒産は過去最高に』で、介護最大手のニチイ学館は事業構造の問題もあるが介護人材不足が業績不調の主因とし、安倍晋三政権の掲げる「介護離職ゼロ」目標にも逆風となりつつあると報道があり、人的、経済的に余裕があってサービス付高齢者住宅に入所しても最大手の(株)イメージが運営する施設は、入所者3人が相次ぎ転落死や虐待があり施設入所には介護の質で慎重にならざる得ないでしょうね。
当方は介護離職せずに過ごせたが、介護離職は人生破綻の1道程であり、高齢少子化の核家族社会の現下、特養増設で介護離職ゼロなど絵空事ですね。