六本木のサントリー美術館で開催中の「絵巻マニア列伝」を見てきました。
期待以上の見ごたえでした。
絵巻を単に時系列に機械的に展示するのでなく、それにご執心だった歴史上のマニア達に絡めて分類展示していたのが趣き深かったです。
これは戦利品。
ちゃんと全部収録された図録も売ってます（ただ図は小さいですが）。
モブキャラのくせに薙刀大風車の秘儀を見せる石山寺縁起絵巻のあの男がなんと絵葉書デビューしてました！
あと何故か妙に「不眠の女」（平安時代）がプッシュされてました。
売店にクリアファイルまであるという。
絵ハガキもあります。
不眠症で一人だけ寝られずに指折り何か数えてる（羊ではないと思いますが）っぽいのが今と通じますね。
画像はありませんが、蒙古襲来絵詞の後編もありました。
主人公の竹崎季長は絵師と入念に打ち合わせして出来上がったこの絵巻を何度も見返したんだろうと思うと感慨深い。
そしてせっかく出来上がった絵巻の実際と違ってる場所に赤で汚い字の注意書きを入れるという鬼畜。
その注意書きもちゃんと見られます。
（この絵巻の前編がどんな感じなのかは昔自分が動画にまとめたのでよかったらご覧ください）
作画資料的には図版さえあれば事足りるんですが、本物は内面に訴えかけられるものが多いです。
塗料の盛り上がりや筆さばき、これを書いた人の周辺ではこの服装や仕草の人々がごく当たり前に生活してたんだ、という時空を救い上げるような感動は本物からしか得られません。
中世絵巻の本物を見に行ってみてください。
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