小指ほどの鉛筆

日記が主になってきた小説ブログサイト。ケロロ二次創作が多数あります。今は創作とars寄り。

・闇に跪くなら・・・ (カゲ→ジラ)

2008年11月25日 12時33分25秒 | ☆小説倉庫(↓達)
・闇に跪くなら、光に背くわけでもなく。闇と光が相容れない訳でも、ましてや対であるはずもなく。

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どうして
どうしてお前は、そんなに遠くなってしまった。

あんなに楽しそうな笑みを浮かべていたのに
何度も何度も技を競い合ったのに
日が暮れるまで走り回ったのに

お前は言うんだ

「お前は光あってこその影。俺は、闇だ。」

と。

それはお前の傍にいてはいけない理由にならない。
闇に跪くなら、光に背くわけでもなく。
闇と光が相容れない訳でも、ましてや対であるはずもなく。
お前と俺には、何の関係もないのだ。
何の関係もないからこそ、一緒にいれた。
これからも
ずっとそうだと信じていたい。
何も変わっていないのに
どうして今更、そんなことを言う?

影と形と

闇と光と

180度違うようで、実は360度違うだけ。
回って回って、同じところに辿り着く、似たもの同士。
それに運命を感じて、ここにいるのに・・・

お前には、迷惑だった?
目障りでしかなかった?
アサシンとして失格だったから
捨てられた?
それなら、彼らも同じなのに。

光があって、影がある。

闇があっても、形は出来ない。

影には形が無い。

闇には、光が無い。

けれどもどれもこれも繋がっていて
ぐるぐる廻って

あぁ

また、貴方のところへ戻っていきたい。

あの心地よい闇へと、堕ちて逝きたい。

その身に浸るためなら、自分の影なんて惜しくない。
なのに
なのに貴方は・・・

もぅこの地平線の、何所にもいないのか。

どんなに廻っても、戻れないのか。

何故何故如何して・・・

ココで泣いたら

お前らしくも無い、と

貴方が叱りに来てくれるのだろうか。


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私のカゲ→ジラの基本体勢(?)みたいなもの。
いわゆるカゲゲの一方通行。
でもいずれ書く小説で、両想いっぽくします。(ぇ
切ないのは・・・最初だけで十分です・・・orz


・その言葉だけで、もう何でも良いし、それだけでも良いと思えたから。(大ガル)

2008年11月25日 11時33分09秒 | ☆小説倉庫(↓達)
コツコツ

コツコツコツ・・・

通路に響く靴音は、嫌いではなった。
刻みよい音は、下手な音楽よりも好きかもしれない。
「ガルルです。」
一つの扉の前に立って名を名乗れば、それはすんなりと開く。
無用心なものだと思う。
用件などは一切聞かずに、ただ自分の存在一つで開いてしまう扉。
それは中にいる人物の性格を良く現しているのかもしれない。
「大佐。もう少ししっかりとした警備をしたほうが良いと思いますよ。」
そう言いつつ彼の座るデスクに進んでいけば、彼は組んだ手と足を解いて笑顔を見せる。
「やあ、いらっしゃい。」
自然と溜息が出てきてしまうのは、この能天気さのため。
随分前から、彼の性格には悩まされ、同時に救われてきた。
「今日は何の用だい。」
嬉しそうな顔は、この広い部屋で孤独に生きてきた彼の救いに、自分がなれているからなのか。
そうだとしたら、少しは嬉しい。
「今度の会議の資料だそうです。」
「捨てておいて。」
「ダメです。」
どちらも即答。
大佐の仕事嫌いも、随分と板についたもので・・・
「次の会議にも出席しないようでしたら、私はもぅ来ないと思ってください。」
「えぇぇ!それは無いだろう!!」
そしてそれをなんとかするのは、ガルルの役目となっていた。
「君はあの会議に出席したことがないからそんなことが・・・」
「それが彼方の仕事でしょう。それに、前線で命の駆け引きをしてきた後で彼方の仕事場に紙束を持って行かなければいけない、私の気持ちも考えてください。」
ココに来ると、いつも溜息ばかり。
けれども目の前の相手はニコニコと笑顔ばかり見せていて。
本当は知っている。
この空間で一人黙々と仕事をしなければいけない彼の孤独も、その仕事の辛さも。
けれどもだからと言って、甘えさせるわけにはいかないのだ。
いや、もし甘えさせてくれる人がいたとしても、彼はそれに乗ることはないだろう。
彼の仕事はこの軍に必要で、もし欠かしてしまったら、それは軍の存続に関わってしまう。
少しでも手を抜いてしまったら、誰かの死に繋がってしまうかもしれない。
彼はいつでも笑っている。
けれどもその裏に義務や責任を背負った、苦悩の顔を隠していることも知っていた。
「悪いとは思っているよ。けど、ねぇ?」
「何ですか。」
今までのどれよりも極上の笑顔を浮かべて、大佐は言う。
何度聞いたか分からない。
何度も何度も、重要なことのように聞かされてきた、その言葉。
わかっているくせに聞き返してしまうのは、やはり嬉しいからなのだろうか。
「君が来てくれることが、何より嬉しいから、さ。」
何度も何度も、彼は言った。
この前も、その前も聞いた。
「君が来てくれるなら、誰に怒られても構わないよ。」
そのたびに、自分は溜息をつくのだ。
この上司の遊びと戯言に付き合って、精神力を使い果たす。
けれどもやはり、そこまでしてこの部屋に留まっているのは、彼の孤独を知っているから。
そして、彼が仕事をすることを、望んでいるから。
それが彼にとっての幸せだと、そう思っている。
「何を言っているんですか。」
その言葉は聞き飽きた。
そう言う割には、毎回毎回、聞いている。
そんな自分が居て・・・
いらない感情に気づいてしまいそうで。
「口説き文句なら、仕事の後にでも考えてください。」
ついつい、悪態をついてしまう。
でも、それでいいのだと思う。
「まぁ、君がそういうのなら、頑張ろうかな。」
その後にでも口説き文句を聞いてくれるかい?と、そう言って大佐は足を組んだ。
「えぇ。良いですよ。」
「本当かい!?」
応えるかどうかは別だけれども。

「よし!頑張って仕事するぞ!!会議にも出席しようじゃないか!」

その言葉だけで、もう何でも良いし、それだけでも良いと思えたから。
自分は今日初めてとなる、やわらかい微笑を浮かべたのだ。