小指ほどの鉛筆

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それでも君を愛してる(ゼロゾル)『ゆき様へ記念小説』

2008年11月01日 16時59分32秒 | ☆捧げ物
町を見下ろすことの出来る丘の上から、更に高い月を眺めていた。

影は二つ

月明かりに照らされて、決して長くは無いが、くっきりと現れていた。

そして、虫の声も静寂に消えてしまいそうなほどに暗く、深い闇が、その影すらも飲み込んでゆく・・・



その過程をゆっくりと追いかけながら、一人は溜息をついた。
「・・・ゼロロ・・・?」
もう一人が、不思議そうに首をかしげる。
「あぁ、何でもないよ。ゾルル。」
お互いの名を呼び合い、二人は顔を見合わせた。
そして、ゼロロは微笑む。
「綺麗な月だね。」
「あぁ。」
「君とこうやって見られるなんて、思わなかった。」
「そう、だな。」
昔はこうして月を綺麗だと思うことすら出来なかった。
だから、こうしているのがまるで夢のようだと思う。
「贅沢な時間だよね。」
「あぁ。」
決して口数の多い方ではないゾルルが、こうして一つ一つの言葉に相槌を打つのも、また月日の経過がもたらした奇跡。
ゼロロは視線を月から町へと移し、また溜息をついた。
「どう、した?」
二回目となる溜息に、ゾルルも訝しげな顔つきになる。
ゼロロは慌てて手を振って、ごまかした。
「なんでもないって。」
「・・・」
嘘だと言いたげな不満げなゾルルの口元に、思わず自然な笑みがこぼれる。
「・・なんだ。」
「いや、なんか可愛いなって・・・あぁっ!ごめん!!」
可愛いといった瞬間に、ゾルルの表情が見て分かるほどに沈んだ。
しまった!と思ったときには、既に膝を抱えてしまっていた。
「ごめんって!!」
そういう姿もまた、可愛いのだけれど。
「・・・何故、お前もガルルも・・・俺、を、可愛いなどと・・・」
「あ、やっぱりガルル中尉も・・・」
自分だけじゃないのだとホッとしたゼロロは、ゾルルに睨まれた。
「あはは、ごめんごめん。でも、本当に可愛いんだよ。」
「・・・」
「いじけたりするのって、どんな歳になっても可愛いものだと思うんだ。」
やはり不満げに目を細めるゾルルに、ゼロロは苦笑した。
―君だけじゃない。
「僕もよく、クルル君に可愛いって言われるし。」
その言葉に、ゾルルは更に機嫌を悪くしたようだった。
ゼロロは首をかしげる。
「何かまずいこと、言ったかな?」
「・・・別に・・・」
小さく溜息をついて、ゼロロは月を見上げた。
ゾルルは可愛いと思う。
自分も可愛いと言われることはある。
けれどもそう言われる事に抵抗がなくなったのは、『ドロロ』となってからのこと。
昔は上司に可愛いといわれることも無かったかもしれない。
言われたら言われたで、寒気がしたことだろう。
だからゾルルの気持ちは分からないでもないのだ。
「お前は・・・」
「ん?」
「いや、なんでも・・・ない。」
言いたいことは分からないが、ゾルルが何に気を悪くしているのかはやっと理解した。
恐らくはクルルとの関係のことだ。
ゾルルの独占欲が強いわけではない。
昔からゼロロとゾルルは2人で一つのように存在してきて、今でもそれは深く根付いているのだ。
あの頃の独占よくとしては、ゼロロの方がよっぽど強い。
「ゾルルは、ガルル中尉のこと好き?」
「なっ・・・」
赤くなった顔に、微笑みかける。
してやったりなゼロロの表情を、ゾルルは悔しそうに見た。
「僕は、クルル君のこと好きだな。」
「・・・」
けれども突然の惚気に、顔色も元に戻った。
ゼロロは月から町へと再び視線を移す。
ゾルルは分かっていたのだ。

その月を見て、この悪魔が誰を想っていたのか

その地上を見て、この天使が何を考えていたのか

「ねぇ、ガルル中尉のこと、好き?」
「・・・」
「答えて。」
「・・・・・・・・良い奴、だ。」
―『かけがえの無い、大切な人だ。』
そう言おうとしたのだと思う。
「そっか。」
ゼロロは小さく微笑んで、腰の刀を取り出した。
何をするのかと見ているゾルルの横で、ゼロロは更にもぅ一本、刀を取り出す。
二本目はゾルルもよく知っていた。
アサシン時代に使っていた、血の染み込んだ刀だ。
「さて、」
二つの刀を草の上に置き、ゼロロは正座をした。
「僕がどうしてここにいたか、分かる?」
ゾルルが地球に来たとき、ゼロロは既にこの丘の上にいた。
「知ら、ん。」
「うん。あのね・・・『どっちの刀を捨てようか、使おうか、考えてたんだ。』」
その言葉に、尋ねてくるタイミングを間違ったと後悔した。
「この星で『ドロロ』として、地球と小雪殿を守るか・・・」
選択肢は、二つ。
「ケロン星で『ゼロロ』として、軍と君を守るか・・・」
そしてゾルルは、先ほどの自分の答えも間違ったのだと思った。
「そこに、君が来た。」
地球には守るものがたくさんある。
守りたいものがありすぎて、離れることが出来ないのだ。
いずれは決めなくてはいけないことなのだと知っている。
だからこそ、この月の綺麗な夜に・・・
大切な人を重ねながら考えようと思ったのだ。
大地を見渡せる丘の上で、悩んだのだ。
「君は、強くなったね。」
ゼロロはゾルルに向かってそっと微笑んだ。
「こうして僕が離れていっても、もぅ暴れたりしないんだから。」
そして、いずれは自分を越えるアサシンとなる。
「・・・」
「ケロン星は君が守ってくれる。君は・・・ガルル中尉が守ってくれるでしょう?」
だから、決めた。
「僕はこっちを選ぶ。」
ゼロロがゆっくりと手に取ったのは、シンプルな木製の柄の刀だった。

分かっていた。
最初から、知っていた。

だから暴れたりなんてしない。

それでも・・・

本当は泣きたかった。

「そう、か。」
一番大切なのは星でも恋人でもなくて、自分を保つこと。
それに不可欠なのはお前ただ一人だったというのに。
ゾルルは地球の刀を大切そうに握り締める『ドロロ』の前に残された、無機質な銀色の刀に手を伸ばした。
そしてその冷たさを確認して、掴み取った。
そっと刃を取り出す。
自分の顔と瞳を映したその銀色が、無性に悲しい。
この刀と自分は同じだ。
主に捨てられ、染み込んだ血の赤を拭い去ってくれる人もいなくて、ただ錆びていくだけの、悲しい兵器。

「でも、君が大好きなんだ。」

突然伸びてきた白い手が、二つの銀色を包んだ。

片手はしっかりとゾルルの頭を抱え込み、もぅ片手は鋭利な刃物を握り締めていた。
当然の如く、白い手からは赤い血が滲み出す。
「ゼロ・・・」
何か言おうとしたのだが、それは強い力で抑え込まれた。
「地球を守るために、僕は血を流したくは無い。でもね、君のためなら、僕はいくらだって血を流せる。」
ずっとずっと大好きだったのだ。
今更、ポイと捨てられるわけが無い。
「僕は地球とケロン星を同時に守る事は出来ない。同時に、君とクルル君、小雪殿をいっぺんに守り抜くことも出来ないんだ・・・」
自分は無力だとでも言うかのように、刃物を握る手からは血が滴り落ちる。
「もぅ・・・もぅ・・・いい・・・」
もぅお前が傷つくのは見たくない。
お前が傷ついてまで、俺は守られたくなんてない。
「もぅ・・・お前は・・・傷、つくな・・・」
ドロロの顔を上げさせ、ゾルルは訴えかけるかのようにそう言った。

もぅ十分だ。

お前はもぅ、そんなに多くのものを抱え込まなくても良い。
誰も責めたりしない。
誰を失いもしない。
「俺は・・・ガルルが、好きだ。」
お前のためなら、彼に対しての愛だって語ってやる。
彼を愛し続けて、幸せになってやる。
星も自分も守れるくらい、強くなってやる。
全て全て、お前のためなら。
「だから・・・お前は、地球に居れば、いい・・・」
ゾルルはそう言って笑った。

切なさも寂しさも全てを押し込めて、綺麗に微笑んだ。

「ゾル・・・ル・・・」
ドロロの頬を伝った涙の意味も分からなかったが、ゾルルはドロロを強く抱き締めた。
ドロロが握っていた二つの刀が、同時に地に落ちる。
本当なら、どちらの戦いも捨ててしまいたい。
けれどもそうしたら、君は僕を忘れてしまうのではないかと思ったのだ。
自分の意味など、何所にも残らないのではないかと思ったのだ。
でも、君は僕に傷つくなと言ってくれた。
だから、僕は

安心して戦える。

君が微笑んだから、僕は・・・

「良かった、」
君が微笑んでくれて、良かった。

僕はためらうことなくココに留まる事が出来る。
もぅ、何も恐れない。
失うことも、傷つくことも・・・


月が雲に隠れ、真っ暗な闇が2人を飲み込んだ。
風が吹き、草が擦れる音がする。
「ガルル中尉が君の傍に居てくれたら、安心だ。君がケロン星にいてくれたら、その星も安心だよ。」
ドロロは微笑んだ。
ゾルルに負けないくらい、優しく。
「君だけは、どうしても後にしておけなかった。地球を守ろうと決心するたびに、君のことが頭から離れなかった。」
大好きだった。
「でも、君が笑ってくれるなら・・・僕は、安心していられる。勝手な判断だけど・・・自分勝手だけど・・・僕は、君の言葉に甘んじてココにいるよ。ずっとずっと、大好きだよ。」
そう言われてしまったら、離れたくなくなってしまうじゃないか。
でも、決めた。
ドロロのために、自分はあの星で戦い続けようと。

月はまだ隠れたままだ。
彼の恋人に悪いのではないかという気兼ねも無く、ゾルルはドロロの唇に噛み付いた。
そうだ。
昔もこうして、自分は彼を送り出していた。

何ヶ月経っても
何年経っても

あの日の誓いと微笑みは忘れない。

ずっとずっと、忘れない。

「ゾルル。」
気がつくと、その口付けの主導権はドロロに奪われていた。
お互いが愛し合っているのだと、容易に理解できた。
「忘れない。絶対に忘れないよ。でも君は、君のために、ガルル中尉を愛さなくちゃいけない。」
「あぁ・・・」
この際、忘れてくれたって構わない。
この気持ちが消え去って、ドロロを縛り付けるものがなくなるのなら。
それなら、悔いも無い。
「ん・・・」
深いキスは何度目か。
ドロロはゆっくりと目を閉じた。
本当なら、手を出してはいけなかった。
絶えられなかったのは自分の方で、求めていたのもいつだって自分だった。

ごめんね。

いつの間にか相手から求められるようになって、それで初めて気がついた。
縛っていたのは僕の方だった。
それでも、もぅ手遅れだったのだ。
手放せないほどに愛おしくて、危なっかしくて、孤独な人だった。

―いっそ、愛してしまおうか。

好きだった。
大好きだった。
愛していた。

守れないのは辛い。
守ってあげられなくて、ごめん。






―それでも・・・


「俺、は・・・お前を・・・愛し、ている。」






そうして彼は、また微笑んだのだ。


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ゆき様へ。
『ゼロゾル』で。
後半からドロになっているのは仕様です。←

なんだか全体的に暗くなってしまって申し訳ない・・・orz

私はどうやら、ほのぼのが苦手なようです。

50個・・・本当に沢山の小説を、お疲れ様です。
そしておめでとうございます!!

文章は暗いですが、私は今とてもはしゃいでいます。(ぇ

次に目指すのは100個ですね!

そのときまでには、幸せな小説を書けるようになっていれば良いな、と思います。

土曜日なのに・・・orz

2008年11月01日 16時12分32秒 | ☆イラスト
土曜日なのに・・・なぜ学校・・・ゆとりはまだ続いているはずなのに・・・!!

今日は模擬テストのために学校に行ってました。
英語80分、数学100分、国語80分です。
数学異常に長い・・・
10分で終わったよ、私。(イロイロな意味で。

来週も土曜日あるんですよね・・・まぁ、これは振り替え休日があるから良いですけど・・・

ケロロが・・・リアルタイムで見れない・・・


今日もテスト中に描いてました。絵。
ダメだもぅ。
止めよう。(そう言い続けて幾年・・・

でもその前に、ちょっとUPしそこねていた絵を・・・・


友達の文化祭のときに持っていった絵。
印刷したらリトアニアが吐血してウケた。
プレゼントしたら可愛いイラスト貰ったよ!!やったね!!


露様UP。
腹黒さが出ていれば嬉しい。


立v
あぁ、リトアニア可愛い。萌える。


そうそう、ある授業のときに思ったんですよ。
私、真面目にタルルを描いた事ってあったっけ?
って。
確かに描いてはいるんですけど、愛が足りなくて微妙だったんですよね・・・
なので!
タルトロ熱が来ている今、改めて描いてみよう!!と思いました。
授業中にコツコツと描いていって・・・

気がついたら・・・



こんな感じに。

これもぅ二度と描けない気がする(笑
凄く描きにくい髪型ww
でもこれくらいが理想。
後ろは結べるほど長くないです。
人の良さそな顔を作るのは難しいね・・・うん。
タママを師匠と呼べるような顔にしたかった。


ちなみにトロロはこんな感じ。
可愛さを前面アピールしたくなった。
無理。←

さて、と。

いよいよ今日のテストの後ろを公開か・・・

別に面白いもの描いてないのに、何だこの間は。


まずは一枚目。
クルルの髪の毛をくるくるにしてみた。
意外とよくね?
でもクルドロにしずらいので却下。(どっち。


二枚目。
軍服って考えるの難しいな・・・
女の子で考えると楽しいけど、男の服を考えるのは結構難しくて嫌になる。

そういや、前にトロロの大人想像図を描いたけど・・・
擬人化設定変わったらそれも変えなきゃね。

と、思って描いたよ。


どうだろう。
この絵では笑ってるけど、基本無愛想なくらいでもいいかな、と思ってる。
クルルとはまた違った感じで。


近づいてみた。(笑
クルルに見えないように頑張ったんですが・・・
うん。陰険な感じは無いはず。ムカつく奴だけど。
目つきはクルルより良いです。
基本受けなので。
だがこうして見ると、トロロにも見えない。(!!
根本的にダメじゃないかと思った。(えぇぇ

以上!