小指ほどの鉛筆

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まさか、これで…

2013年05月29日 13時47分13秒 | ☆Weblog
これで創作キャラの設定小説がとりあえず…全部、書けた…?
うわああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!やったああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!
じゃあ順調に次は…!何を…書けば、いいんだ…?
ダグラスが第五に来る話?ルオキルケンタッキーデート?←
なんか達成感で虚無感が…

相互無理解テレパシー(アイオリア)

2013年05月29日 13時44分13秒 | ☆小説倉庫(↓達)
自分はいわゆる優等生なのだ。
そう自覚してしまうが早いか、親や先生の期待を裏切らないようにと努力を怠らずに生きてきた。
朝起きてから夜寝るまで、もちろん学校に行っている間中も、人より多く勉強していたと思う。
友達が校庭で遊んでいるのに図書館で本を読んでいることなんて日常茶飯事だったし、勉強会でガールズトークなんて洒落たこともそうそうなかった。
それでも友人と呼べる人が何人かいたことは、相手の多大な譲歩に他ならない。
自分勝手だと直接的に言われたことはなかったが、我が強いと言われたことは何度かある。大人の評価はいつだって冷たい。
地味な眼鏡をかけて、制服を着崩すことなんて絶対にしない、どこにでもいるありふれた女子中学生。
親の都合でお嬢様学校なんてところに入れられても、やることは幼稚園のころから何も変わらない。
可愛い趣味が少しだけ減ったくらいのこと。
夢?いい仕事について、自分よりも金のある男と結婚すること。
絶対に言わないけれど。
「アイオリアさんは学年一位だ!みんな拍手!!」
パチパチパチと乾いた拍手が教室中に満ちて、両隣のクラスに厭味ったらしく自分の正当性を主張する教師は、満足げに笑って見せた。
教科ごとにはもちろん担当があるから、何もクラスの担任が誇れることではないのだが。
クラスメイトたちはこうなることが当然であるかのようにいつものホームルームを終えて、それぞれの行きたい場所へと散り散りになった。
何人かの子たちが賛辞を述べながら話しかけてきてくれたりもしたけれど、それだって惜しみない努力を誉めてくれるものじゃない。
日々に虚しさを感じ始めた、中学一年生の夏のことだった。
「リアちゃん、明日プール行く?」
机の周りに集まってきた同級生の女子たちは、参加メンバーを記した手帳を片手に上機嫌だ。
ここ最近でずいぶんと暑くなってきたから、水浴びでもしないと勉強する気にさえなれない。
それは同感なのだが、アイオリアにはある悩みがあった。
けれどもそれを言ってしまうと、勉強は出来るくせにスポーツがからっきしという不名誉なことになる。
「あ、私は…」
言おうか言うまいか、というよりは、いかにして彼女たちのテンションを下げずに断われるか、という点が問題である。
「リアって泳げないよね?」
そこで口を開いたのは、特に面識もない窓際の席の女の子だった。
「え?そうなの?」
「知らなかった、ごめーん」
「でも水に入ってるだけでも楽しいよ!」
仲間内からの告白に、彼女たちは口々に驚いた声を上げながら、それでもと半ば強引に手帳に名前を書き込む。
悪いことではないのだが、自分の予想とは大きく外れた展開に戸惑いさえ覚えた。
どうしてあの子は自分が泳げない事を知っていたのか。まるでタイミングを計ったようにそのことを発言してくれたのか。
疑問を抱いたまま、次のターゲットに向かっていくその軍団を眺めていた。
彼女と話したことがない。それが自分の記憶が曖昧であるから忘れてしまっているなんていう可能性があればまだいいものの、本当に会話をしたことがないのだ。
ましてや、隠しておきたいことをわざわざ話せるような相手でもない。
名前だってやっと思い出せたくらいだ。
ならばなぜ?弱みを握ったつもりなら、切り出すにももう少しタイミングがありそうなものだが。
雪崩れこむ彼女たちの熱が、まだ自分の心臓をドクドクと早めているような気がした。
けれどもこれは、決して彼女たちが嫌いだとか、怖いだとか、そういった感情ではない。
きっかけさえあれば自分だって、仲良くしたいと思っていたのだ。勉強ばかりしているのが本意だなんて思われたくない。
言われた通りの日付に約束の場所へ水着を持って行けば、憧れていた風景がそこにはあった。
妹は心配して付いて行きたがったが、もともと大人しい性格の彼女はクラスの大半の女子が集まるその集いに尻込みして、結局来れなかった。
本当は自分もプールに行きたかっただけなのかもしれない。
「リアちゃん、おそーい」
小走りで向かったのだが、少しだけ遅刻してしまった。
他の子たちはそれぞれ待ち合わせて来たのか、いくつかのかたまりになって待っている。
「あ!可愛い水着選んでたんでしょー」
ビニール製のバッグに入れた水着を引っ張り出さんとしてちょっかいをかけてくる友人に、慌ててバッグを背に回して首を振る。
去年家族で行った旅行で着たものだから、昨日試しに着てちゃんと体が入った時には心底ホッとした。
「そ、そんなんじゃないって。遅れたのは…ごめん」
気まずく頭を下げた、その時だった。
「妹が行きたがったんでしょ?」
「え?」
「あー、リア妹いたもんね。名前なんだっけ」
「大変だねぇ」
まただ。また、自分の言いたいことが先に伝わっている。
まるで心を読んでくれたかのように、それにしても親切だから、まるで自分が意図したように言葉を発してくれているみたいだ。
「うん…もう行こう、混んじゃうよ」
なんだか気味が悪くなったアイオリアは、意識を自分へ向けないようにとプールを指差した。
思い出したように動き出す彼女たちの背を見つめながら、ゆっくりした足取りで後を追う。みんなの可愛い水着を見ていると、急に泳げない自分に嫌気がさした。
本当は深い水に入るのだって嫌なのだ。いくら涼しくなるとはいえ、これではリフレッシュよりも拷問に近い。
ヒラヒラの水着、可愛い水玉模様、大きなリボン、それらは彼女たちの可愛さを一層引き立てて、少女特有のフレッシュな印象を与える。
プールサイドに並んだ女子中学生の集団に、思わず目を奪われる男性だって少なからずいるのではないだろうか。
もっとも、そこまで大人びた魅力がないことくらい、アイオリアには分かりきっていたことだが。
「よーっし、男探しも頑張っちゃうぞー!」
「あれ?ジェシー狙いじゃなかったんだ」
「昨日フられたんだって」
「えー、ひどーい」
急に大人ぶった会話も増えて、彼女たちの発する言葉と言えば、恋愛ごとかファッションのことばかりだ。
この流れがあまり好きではないのだと、アイオリアはそっとその群れから抜け出すと、既に水に入っていた数名の女の子たちを眺めてため息をついた。
結局一人ぼっちで、水に足をつけることを促してくれる相手もいない。
これならクーラーの効いた部屋で勉強をしていた方がやっぱりマシだった。もしくは、時間稼ぎに妹も連れてくればよかった。
恐る恐る、つま先を水につけた。
日の光で生温くなった水は体温にとても近くて、張り付くように纏わりついたその感覚は嫌いではなかったけれども、やはり少し怖い。
ぼやけてしまった視界の向こう、真っ赤なリボンを首につけた友人の姿だけは、なんとか把握できた。
はぐれてしまうのはまずい。外してしまったメガネをもう一度とってこようかとも思ったが、それでは水の中には入れない。
楽しげにはしゃぐ彼女たちの様子は、ハッキリとは見えずとも楽しげに思える。
そこにわざわざ自分を入れてくれる必要などなかったのに、どうして今回に限ってこんな気を回してくれたのだろう。
水面をパシャパシャと蹴り上げながら、アイオリアは事の発端となったクラスメイトのひと言を思い出していた。
彼女は自分が泳げない事を知っていた。それは、小学校からの同級生か、身内でないと知り得ない事実だったはずなのに。
その一言によって周囲がフォローを重ねた結果、こうしてプールに来ることになったのだ。
別に嫌ではない。けれども度重なる自分と相手方の意思の疎通に、少し薄気味悪くなっただけ。
それは本当に彼女たちの優しさや気遣いからくるものだったのか?クラスにもさほど馴染めていない自分を置いて遊んでいる彼女たちを見ながら、アイオリアは首を傾げた。
最悪のことも考えれば…親に話して、然るべき検査を受けなければならないだろう。

その日の夜、仕事から帰ってきた父親を玄関で出迎えると、アイオリアは一室だけ灯りのついたリビングでその胸中を明かした。
自分の願う通りの事実や印象を相手に与えることが出来たこと。それは自分から取り計らってのことではなかったこと。これまで関連の無かった子とも話せたこと…
それは決して悪いことばかりではなかったが、自分の力で解決することのできた問題とはとても思えなかった。
父は眉をしかめて苦い顔をした後に、深いため息をついてジャケットを手に持った。
部屋に戻るつもりなのだとすぐに分かったが、引きとめようとしたアイオリアよりも先に、彼は重い口調で一言、おやすみとだけ告げて去って行った。
仕方がないと部屋に戻ると、まだスタンドの灯りがついている。
「レベッカ、まだ起きていたの?」
「うん…姉さん、お父さんとなんの話をしてたの」
布団を半分だけ被り、先程まで読んでいた本を膝の上に置くと、妹のレベッカは心配そうにアイオリアを見つめた。
レベッカにだけは、いつも素直に自分の感情を告げることができた。
勉強や成績を重視されるアイオリアに対して、レベッカはピアノや作法など、女性らしくあることを常に求められている。
互いに比べられることはないものの、どちらも強いられてしているに違いはない。
もっとも、アイオリアは勉強することが嫌いなわけではなかったが、それにも度合いというものがある。
だから時々レベッカが羨ましくなることもあったが、それはお互い様であって、互いに自分が出来ないことをしてのける姿には尊敬の念を抱いていたのだ。
「最近ね、ちょっと変なの」
引きだした椅子に座ると、アイオリアは明日の勉強道具を揃えながらぽつりと呟く。
「変って…風邪とか?」
「そうじゃなくて、なんか…自分のことを、みんなが理解してくれてるみたいな…」
「よかった!姉さんいつも一人で帰ってくるから」
「違うの!」
安堵したレベッカの言葉を遮るように、アイオリアは少し声を荒げて否定した。
驚いたように言葉を詰まらせた表情から顔を背けるようにして、アイオリアはカーテンの隙間から夜空を眺めた。
いつもとなんら変わらない夜のはずなのに、こんなにも胸騒ぎがするのはなぜ?
「そんなんじゃないの…気味が悪いくらいに…まるで打ち合わせしたみたいにピッタリのタイミングで、私のことを理解してくれるの」
「…それは、嬉しいことじゃなくて?」
静かに首を振って見せたアイオリアに、レベッカはただならぬ雰囲気を感じて強く拳を握った。
「父さんは、全然相手にしてくれなかった…でも、もしかしたら、私…」
最悪のことも想定するとすれば、アレしかない。
「〝能力者〟なんじゃないか、って」
「姉さんが!?」
「もしかしたらよ!そんなはずないわ…でも、怖くて…っ」
珍しく取り乱す姉の様子は痛々しくて、その不安要素が一方ならぬものであることは明白だった。
レベッカは布団から抜け出すと、うつぶせているアイオリアの隣に立ちその肩を抱きしめる。
父はおそらく、その可能性があったところで明らかにしようとはしないだろう。
世間では能力者に反する団体だってあるほどで、そんな人間を娘に持っていると知られた日には、父の地位だって危うくなるかもしれない。
母だって父と同じことを考えるだろう。地位や名声が何よりも大切な人たちだから。
「大丈夫」
けれども、レベッカだけは違っていた。
「大丈夫、姉さんに何があったって、私は姉さんの味方だもの」
震える身体はまだまだ子どもで、二人で寄り添って行けなければ倒れてしまいそうな程に弱い。
頼れる大人ばかりではないし、相談できる友人だってそれほど多くはない。
それでも、血を分けた姉妹ならばなんだって相談できた。協力して、乗り越えて行けるような気がした。
「レベッカ…」
力強い妹の慰めに顔を上げたアイオリアは、次の日家を出ると、学校とは正反対の病院へと足を運んだ。
不安要素は早いうちに片付けておいた方がいいに決まっている。その結果が良かろうと悪かろうと、うじうじ悩んでいるよりはマシだろう。
未成年で親が同伴していない状態ではあったが、しっかりとした物言いと賢そうな見た目に、医師もすんなりと診療してくれた。
通された部屋は能力者判定のためのもので、一般の患者さんからは入るところも出て行くところも見られることのない位置にあった。
それだけ、まだこの都市でも能力者差別が多いのだ。
そこでいくつかの問診や基本的な検査、触診まで受けて、哀れに見下す瞳で告げられたのは、黒だった。
「はい、確かに刻翼がありました。創歌の番号は23…記録と忘却ですね」
あまりの衝撃に言葉が出ない。
渡された診断書を震える手で受け取った後に、無料のカウンセリングを勧められてその資料も鞄に入れた。
誰になんと言えばいいのかも分からずに、けれどもまず最初に報告をするべき相手だけは定めたうえで、俯きながら家路についた。
まだ両親が帰ってきていないのは分かっていたが、ドアを開けずに門前でしゃがみ込む。
なによりも早く、レベッカに会いたかった。
「姉さん!」
パタパタと走り寄ってくる靴音、誰より安心する声。
「どうしたの?結果…もらってきたんでしょ?」
小さく頷いたアイオリアの様子に、レベッカはその結果も彼女の心情も察したうえで手を引き起き上がらせる。
鍵をあけて家に入ると、すぐに二階の部屋へと駆け登った。
荷物を投げ捨てるようにおろしてから、レベッカはアイオリアの両手を握りしめ問う。
「姉さん…能力があったの?」
「記録と、忘却だ、って…人の記憶とかも、変えられちゃうんだって…どうしよう、私、父さんと母さんになんて言えば…!」
わぁっと泣き出したアイオリアに、レベッカは戸惑いつつも握り締めた手を離さない。
「私がついてる。一緒に話しに行こう、ね?」
能力者といえば、一般の人間からすれば脅威でしかない。共にいれば知らぬうちに害を受ける可能性だってある。
目に見えぬ力であればなおさらのことで、アイオリアはまさにそれだ。
それでもこの手を離そうとはしないレベッカに、アイオリアは感謝も感激も極まって、もう涙を抑えきれない。
車庫のシャッターをしめる音がして、父が帰ってきたのだと分かると、二人はパッと顔を上げて涙を拭った。
ここまで来たら、言うしかない。
二人で手を繋ぎ、ゆっくりと階段を降りていく。
娘からの衝撃告白に、父は初めは唖然としていたものの、次第に顔を赤らめ、最後には激昂して怒鳴りつけた。
どうしてそんな余計な診断を受けに行ったのか。親にもことわらずに。それも結果は真っ黒だ。
家の恥だとかお前にはもう失望しただとか、そんな言葉ばかりが飛び交って、終いには帰宅した母も加わって娘を罵る。
それでも妹だけは強く手を握ったまま、部屋へ逃げて行くことなどなかったし、アイオリアを擁護して譲らなかった。
その存在に救われていたのだと思う。
そうでなければ、その後の生活においてアイオリアは常に自己の存在を恨めしく思うことになっただろう。
能力者は学校にも申請しなければならない。
制御できなければ困るからと、人工刻翼作りの職人に頼んで首から下げたその紋様は何か非現実的な感じがして、気味が悪い。
学校側との面談や手続きなど、面倒なことをいくつも通過したのちにやっと戻ってきた中学校、けれどもそこにアイオリアの居場所はなかった。
どこから情報を得たのだろうか、生徒たちは口々に彼女のことを噂し、話しはおろか、近寄ろうともしない。
良い成績をとっても褒めてくれる人などいなかったし、それがあたかも不正を働いて得たものであるかのように陰口をたたいた。
そんな生活をおくっていればますます引っ込み思案になるのは予想できたことだが、そうしてテストの点が下がれば親からも責められる。
逃げ場所は家に帰ってからの妹との会話くらいだったが、それも部屋を分かたれてしまえば哀しさしか感じない。
もちろんレベッカは姉の味方であるのだが、アイオリア自身が自分を卑下してしまい、自ら誰かに近づくことすらしようとはしないのだ。
やがて、能力者差別はより陰湿な形で現れるようになった。
机への落書き、下駄箱の中に泥が詰めてあったり、教科書が次々となくなったりと、人間不信に陥るのに時間はかからなかった。
夜な夜な隣室で声を殺して泣いている姉の声を、妹はちゃんと聞いていた。
そんな中学校生活も終盤、皆エスカレーター式に繰り上がって高校へと進学しようと意気込んでいる最中、アイオリアだけは受験に熱意を燃やしていた。
能力者というだけがいじめの原因ではない。
きっかけはそこであったかもしれないが、もともと周囲と馴染めるような性格をしていなかったし、勉強一筋で見た目にも気を遣ったりはしなかった。
それも裏目に出ての結果なのだ。そうでなければ、見て見ぬふりをしている憶病な学生たちのうち一人くらいでも、庇ってくれる人くらいいたはずなのだから。
肌のケアは欠かさないし、髪も明るい色に染めた。分厚いメガネはコンタクトにしたし、化粧だって勉強した。
そうしてアイオリアが変身していくうちにも時は過ぎ、ついに春を迎える。
知っている人など誰もいない、少し遠い学校。
けれども学力は親が文句も言えないほど高いところを選んだし、差別的風潮が少ないところだと評価を得ている学校だ。
それに、能力者であることは一般生徒には隠されているから、自由に学生ライフを満喫できる。
短いスカートをひるがえして部屋から出てきたアイオリアに、レベッカは懐っこい笑みでエールを送る。
それに明るい笑顔で応じながら、見事高校デビューを果たしたアイオリアは、幸せに時を過ごしていった。
そんなある日のことだ。
いつものように友人と談笑をしながら下校しようと下駄箱を開けると、白い封筒が入っていた。
かつてのいじめ経験からだろうか、こういった人目につきにくいところに知らない物があると、ドキリとする。
それを恐る恐る引き抜いてみると、ちゃんと名前が書いてある。なんだ、とホッと一安心したのもつかの間、友人たちの驚きの声に思わず肩をすくめた。
「それって、ラブレター!?」
「え、そ、そんなバカな!」
「サッカー部のキャプテンじゃん!超~イケメン!!」
「うっそ」
慌てて封をきる。
そこには確かに、告白ととれるような一文と、明日の朝校門で待っているとの旨が書いてあった。
生まれて初めての告白。思わず顔が赤くなり、手紙を持つ手も震える。
「でも、もしドッキリとかだったら…」
「そしたら私たちがボッコボコにしてあげる!リアを弄ぶなんて許さない!」
「私も私もー」
「自信持ってコクられてこい!」
バシバシと背を叩く力強い手の平に、きっと求めていたのはこんな理解者なのだと、遠くを懐かしむようにして目を細める。
あのころの自分には妹しかいなかった。いまではこんなに友人がいる。この上ない幸せに、頬がゆるみっぱなしだ。
次の日、アイオリアは言われた通り校門に寄りかかって待っている一人の男子生徒を見つけて一瞬立ち止まった。
本当に彼は自分のことが好きなのだろうか。もしも、全校生徒の前で茶化されたりしたら?自分の立ち位置は一気に最下層へと落ちていく。
震える手はほんの1,2年前の自分のままで、頼りなく憶病だ。
後押しされなければ、一歩さえ踏み出せない。
「…あ、アイオリアさん…!!」
そんな彼と目が合って、ビクリと肩を上げたアイオリアは走って逃げてしまいそうになる足をなんとかその場に留めて微笑む。
ぎこちなくないだろうか。これから大声で貶められたりしないだろうか。
怖くて怖くて、まともに顔も見れない状況の中、彼は一際大きく息を吸うと、周囲の生徒たちにも聞こえるような声で〝付き合ってください〟と叫ぶと、深々と頭を下げた。
その様子に次々と生徒たちが立ち止まる。
「あ、あの…私なんかで、いいの」
「アイオリアさんのこと、ずっと美人で頭いい人だなって、それで…」
「本当に?」
「本気だよ!!」
バッと顔を上げた彼の表情は真剣そのもので、さすがは体育系のキャプテンだなんて場違いなことを思いながら、気がつけば小さく頷いていた。
「マジで!?いいの!?」
「本気なら、私も嬉しい…」
「よっしゃーーー!」
朝の校舎前、一人の青年の純情な声がこだまして、その日彼は生活指導の先生に呼び出しをくらっていた。

「アイオリア、今日どこ行く?」
「ジュンくんの行きたいところでいいわ」
「えー、じゃあ、水族館とか」
不自由なことなど何もない、幸せな日々を過ごしていた。
放課後は彼の部活を最後まで見てから一緒に帰ったり、休日で部活の練習もない日にはデートもした。
忙しい彼と会える時間は限られていて、だから心構えもしやすかった。
けれどもアイオリアはいつだって、指先ひとつ動かすことにだって注意をはらいながら彼と過ごしている。
言葉遣いだってそうだ。これまであまり人と親しく話してこなかった自分が、ましてや男性とうまく話せるわけがない。
だからいつだって相手の顔色を窺いながら、まるでおしとやかな女性のように振る舞って見せる。
そんなアイオリアが不器用ながらにでも彼とこれまでやって来れた理由、それは他ならぬ彼女の能力にあった。
気味悪がれ、疎まれたこの能力は、自分から口にしなければ誰かの知り及ぶところではない。
発動するためには発声が必要だが、この能力であればその違和感ごと〝もみ消して〟しまえる。
つまり、アイオリアは自分の発言や動作に関して不満なところ、もしくは失敗したと思えば、自分の持つ能力でいわば記憶を改ざんすることが出来てしまうことに気が付いたのだ。
それは彼女にとっては画期的な能力であったが、その時はまだ、その危険性についてや繊細さに関して何一つ理解が出来ていなかったのだ。
彼の記憶の矛盾は、小さなことから積み重なって、やがて大きな壁にぶち当たる。
「あれ、もう3時?イルカショーは午前中に見る予定だったのに…」
「なに言ってるの、私たちお昼食べてから会ったじゃない」
「そう、だっけ」
本当は違う。
お昼に選んだレストランが予想外に高くて、彼に出費をさせてしまったから。
イルカショーで水がかかって化粧がおちてしまい、そのうえ奇声をあげてしまったから。
自分に都合の悪い記憶をすべて改ざんして、そうして彼にとっては常に自分が可愛い人でありたかった。
純粋な気持ちから始まった、ちょっとした裏技のようなつもりだった。
けれどもそれが卒業後も続いてしまえば、もう誤魔化しのきかない嘘が積み重なって、度重なる嘘の上塗りに彼の脳に異常が出てもおかしくはない。
彼の中での自分は、料理が上手で綺麗好きで、おしとやかな文学少女で、気が利いて礼儀正しい。
そんなのは全部嘘なのに。
彼が付き合っているのは、もはや自分ではない。そんな完璧な人間はどこにもいないのだ。
妄想を強いているのは自分で、そのくせ嫉妬のような感情が込み上げてきてはまた自己を美化して記憶させている。
そんな我が侭が祟ったのだ。
ある日のデート帰り、暗くなった道を手を繋ぎながら歩いている途中で、彼がぶつぶつと何かを呟いているのが聞こえた。
「え?なにか言った?」
「ぁ…ちがっ…ちがう、だれだ、だれだ……?」
覗き込んだアイオリアの顔を見た彼は、突然顔面蒼白になると、カタカタ震えて立ち止まる。
「ねぇ、どうしたの?」
肩をポンとたたくと、突然嘔吐した。
唖然とするアイオリアの隣、うずくまったまま食べたばかりのコース料理を吐き出す彼は、苦しそうにうめき声を上げ、口よりも頭を抑えて悶え続ける。
「苦しいの!?ねぇ、救急車…きゃっ!?」
ドンと突き飛ばされて、石畳の上に倒れ込む。
「来るなぁ!!今何時だ…何日だ…?昨日俺は、一昨日は、今日は今までは何をして…誰と、うぁ、あ、あ、ああぁぁぁぁぁ!!!!」
「ジュンくん!ジュンくんっ!!」
「誰だお前!!来るな!来るなぁぁ!!」
「っ…!」
暗闇の中で大声を上げて暴れる男なんて、事件性しか感じられない。
抱き起そうとしたアイオリアの手を弾き飛ばした彼を拘束する見知らぬ男性たちが警察やら救急車やらの手配をしているうちに、アイオリアは自分の意識まで遠くなっていくような気がした。
原因は自分に違いない。ついさっきまでの出来事までも忘れてしまうような、能力の後遺症のようなものがでたのだ。
もしくは、これまで積み重ねてきた嘘が少しずつズレを大きくしていって、ついに崩壊したのかもしれない。
なんにせよ、加害者は自分だ。それは調べればいずれわかることで、警察沙汰になるのは時間の問題、もしかしたらこの場で捕まってしまうかもしれない。
世間から疎外されるのが怖い。こんな能力さえなければ。幼い頃から自分を愛してくれるたくさんの精神的仲間がいれば。そうしたら人生、変わっていたかもしれないのに。
こんな自分を好きになってくれた彼を苦しめてまで、いったい何を得たかったのだろうか。
心配して声をかけてくれたサラリーマンの男性に促されるがまま、タクシーで自宅まで帰った。
あぁ、どうしてこんなことに!!
家に入る前から、既に涙が浮かんで視界を曇らせていた。
リビングには父と母と、それから最愛の妹がいて、いつものようにおかえりと声をかけてくれた。
けれどもアイオリアが泣いていることに気が付くと、食卓の真ん中に座らせられ、自然と事情聴取のような形となった。
「どうした、話してみなさい」
最初は娘を気にかけるようにしてそう促してくれる父だって、話を聞けば怒るに違いない。
それは当然のことだけれども、辛くて辛くて仕方がなかった。
この時間さえも全ての人の記憶から失われてしまえばいいのにと思ったところで、たった一人のわがままで、世界は変えられない。
コチコチと聞こえる時計の秒針は、記憶を変えたところで変わらないし、結局苦しむのは自分なのだ。
心配そうに隣に座ってくれている妹の視線に応えるようにして口を開くと、全てのことを打ち明けた。
震えている手を握ってくれる人は誰もいない。それでも、誰一人として話しを遮ったり、席を外したりする人はいなかった。
「この、バカっ!!」
話しがひと段落ついたところで、母親からビンタを喰らったアイオリアは、破裂音と共に熱を帯びる頬を押さえたまま、やはり涙する。
自分でもバカなことは分かっている。
どんなに頭が良くったって、顔が整っていたって、人道に反せばそれ相応の不幸が訪れることを知っていたはずなのに。
何が自分をこんなに変えてしまったのだろう。
これならいっそ、以前の引っ込み思案で冴えない自分の方がよほど良かった。
今日はもう遅いから寝なさいと言った父の、そのそっけなさから怒りが伝わってきて、そんなんで眠れるはずがなかった。
今回ばかりは妹からのフォローもなかったが、腫れた頬にあてる為のタオルにくるんだ保冷剤を手渡してくれたその目には、怯えは感じられない。
心配性で大人しいと思っていた彼女は、きっと自分が思うよりも強いのだ。
次の日、警察に連絡を入れた父から、彼が病院に搬送され詳しい検査を受けていると聞いた。
追って連絡が入るというので、その日は父も母も仕事を休んだ。妹も自分で学校側に連絡を入れて休んだらしい。
自分のせいで大事になったことは重々承知している。
けれども明確な証拠や事実確認が出来なければが警察は動けないのだと言われると、むしろどうして早く捕まえてくれないのか、不安を残したまま放置するのかと、逆恨みしたくもなるのだ。
明るい雰囲気が家庭に流れるはずもないが、誰一人言葉を発しない異様な雰囲気の中、電話のコール音が痛いくらいに響いた。
警察からの電話は主に病院にいる彼の容体についてのもので、アイオリア個人については深く追求されなかった。
能力者は、法にすら置いてけぼりにされるのだろうか。
疎まれ、嫌われるだけの存在ならば、いなくなった方がマシだった。希望なんてどこにもない。
「今は安定しているそうだ。が、お前のことを思い出すと急変するらしい。事情は相手方には聞けそうにないな」
「せめてご両親に謝罪をしに行きましょう」
「いや、それも拒否されているらしい。〝お互いのために〟だそうだが、顔を見せなければいいだろうか」
「逆撫ですることにはならないかしら」
「うむ…」
両親が暗い面持ちで話を進めるなか、アイオリアは涙をこらえることで精一杯だった。
泣きたいのは相手方の、そしてここにいる両親たちの方で、自分は加害者なのだから、泣く権利などない。
唇を噛みしめてグッと堪えるアイオリアの斜め向かいには、心配そうに姉を見つめる妹の姿があった。
けれどもこればかりは、姉妹間でどうにかできる問題ではないし、するべきではないことが分かっている。
今日のところはと電話を置いた両親は、ドッと疲れた様に椅子にもたれかかる。
妹の持ってきたコーヒーを飲みながら、なんと言うべきか、どうするべきかと思案しているように思われた。
家から追い出されたとしても、縁を切られたとしても、当然の報いだと受け止めることが出来る。けれども未練や不安は付き纏って、幾夜もアイオリアを眠らせない。
そろそろ体調にも影響が出てこようかという頃、呼び鈴の音にビクリと肩を上げた。
ついに警察がやってきたのだろうか。関係者が報復しにきたのかもしれない。新聞にもとりあげられてしまった事件は、名前こそ伏せられてはいるが、気が付いた人がいるのかもしれない。
様々な不安が入り乱れる中、同じく緊張した面持ちで玄関を開けた母は、そこに立つスーツ姿の男女に面食らったようだった。
「はじめまして、〝創士社〟の者です。アイオリア・イベルさんを我が社にお迎えしたく伺いしました」

はじめて間近に見た創士社の本社は、新聞や雑誌で見るよりもよほど大きく立派だった。
家に創士社の社員たちがやってきた日、父と母はもちろんのこと、アイオリアと妹のレベッカも動揺しながら話を聞いた。
能力者絡みの事件には、創士社が捜査協力をしていること。
はっきりと人物が特定できていたため、政府から情報を得て対応を練っていたこと。
その能力に見合った賢さを持つアイオリアに社長が目をつけたこと。
事情聴取、相応の法的処置、警察への情報提供、それらを全て済ませた後に、創士社で働かないか、と。
はじめは多少なりとも疑っていた両親も、正式な書類を手渡されると頷いた。
ここにいるよりは身も安全だろうと身支度を整えてくれた母は、危険なことがあったら帰ってきてもいいのよと、あくまでも母親らしく良心的だった。
一方父は娘の安全というよりは良い使い道ができたとでも言いたげな、世間体を気にした結果だったのだろうと思う。
会社に着くまで同行するとでも言いたげに見つめてきた妹に一度だけ微笑んで、それだけでもう全ての意味を悟ったかのように泣きそうになる優しさには、今まで本当に救われてきた。
そうして様々なことを思いめぐらしながらやってきた創士社の頑丈そうな門をくぐると、自動ドアが開いて迎えにきた社員たちよりもいくらかラフな格好をした人たちが案内をかって出てくれた。
まず初めに通されたのは社長室だった。初めにそんな大層なところへ通されてしまっていいのだろうかと足がすくんだが、体に見合わない大きな椅子に座る少女に、開いた口がふさがらなくなった。
「ようこそ創士社へ。アイオリア・イベルで間違いないか」
「えぇ…え?」
創士社の社長はとても頭が良くカリスマ性があり、人としては長く生きすぎていると聞いたことがある。
それがこの少女だとでもいうのか?
「ガーシャ・ベテリス・カカだ。…なんだ?私を見たことがなかったか」
長い白髪を揺らめかしながら立ち上がったガーシャは、アイオリアのすぐ目の前まで来ると手を差し伸べる。
その小さな掌を凝視しながら、アイオリアはいったいどういうことかとその顔を見る。瞳は煌々と燃えるように赤い。
「こんな姿をしているがな、もう1250歳になる。しがない老人だが、よろしく頼む」
「せんにひゃ…!そんなの、現実的じゃないわ!!」
「あぁそうだとも。だが、この世には及ばぬことがあって当たり前。その力も、この契約も、人の心も、歴史とて、理解するには人の世は儚すぎる」
動揺するアイオリアに、ガーシャは続けて述べる。
その言葉遣いや堂々たる立ち姿こそ見た目にはそぐわないものの、言葉自体は語りかけるようにして優しい。
「人が人を理解しようとすれば、その歴史、思想、すべてを把握できなければ不可能だ。が、そもそもそんなことが出来る人間など一人もいない。だからすれ違いもあれば反発だってあるだろう。アイオリア、貴女はその能力で、相手の心まで読むことが出来たか?歴史に自分を埋め込むことが出来たか?」
「…できません、でした」
「そうだろう。だが、力を使わずとも人と人とは繋がることができる。そうでなければ困るだろう?」
「はい」
差し伸べられた手に、アイオリアは自身の手を恐る恐る重ねた。
自然な力で握り締められたその手はじんわりと熱くて、これまでこんなに優しい関係があっただろうかと胸に問う。
彼女の記憶を、歴史を垣間見てみたい。
その気持ちは好奇心や狂気などではなく、心から信頼したからこそ。
自分を記憶させることができるのならば、相手の記憶を見ることだって出来る。
自分の能力がなかなかに汎用性のあるものだと気が付いたのはいつだったか。それをいたずらに用いることしかできなかったけれども、この人にならば、それが正しく使用できるような気がする。
小さな創歌。分かりきった顔をしているガーシャにだからこそ、ごまかしもなくそれが使える。
その記憶の隅にルーペをあてた程度の能力だった。けれどもまるで脳が一気に膨張したかのように、頭の中に様々な情報がなだれ込んでくる。
人と人とは常に争いを繰り返してきた。それでも何度だって和解し、徒党を組み、良くも悪くも繋がってきたのだ。
歴史の教科書なんて薄っぺらいものでは決して分からなかったものが、彼女の記憶の中では鮮明に残っている。
「私の記憶は、貴女には重いだろう」
「っ、はい、とても…」
手を離したアイオリアに、ガーシャは穏やかに微笑んで見せた。
「これから我が社で働いてもらうにあたって、一つ覚えていてもらいたいことがある」
「なんでしょう」
「自分を卑下するものじゃない。人は限りなく平等で、愚かしい。だが得意分野の一つくらいはあるものだろう。悪いところを逐一数えるようなことはせずとも、良いところを伸ばせばよいだけの話だ。それだけの力があるだろう、アイオリア」
優しく強い言葉。
これまで誰も与えてはくれなかった言葉。
アイオリアは深く頷くと、満足げなガーシャに優しく背を押されて部屋から出た。
施設案内の間も、ずっとガーシャのことが頭から離れなかった。
あんな包容力のある人に、もっと早く出会えていたら。いや、今だからこそ出会えたのかもしれない。これもすべて、自分だけの歴史となるべく辿った道。
彼女の元で働くことができる。その安心感に抱かれて、アイオリアは厳しい現実と法的責務を負うことが出来るような気がした。
そしてやがてアイオリアは、情報管轄チームである第四創士社に配属され、その仕事に対するひたむきさと勤勉さ、そして識別力の高さから所長に抜擢されることになる。
人の過去、その歴史は第三者の知り及ぶところではない。
けれどもそのたった一日を垣間見ただけでも、自分にないもの、知らぬことがいくつも発見できることだろう。
だから人は面白い。だから自分が自分らしい。
自分自身を愛せるようになったアイオリアは、真っ赤なルージュをひいた唇をゆるやかに引き伸ばし、今日も胸を張って歩く。


かきかきかきかき…

2013年05月29日 11時19分59秒 | ☆Weblog
姐さんの小説がなかなか書き終らなくて…いや、文字数が多いって話じゃなくて、やる気が出なくて…
それでもなんとか滾るところまで書き進めてやっとテンション上げて書き上げることが出来そうな気がする。
やっぱりね、やる気はね、自分で作らなきゃ、いけない、よね…(あえて自分に釘をさす)
ベティーがヒヨコに仲間認識されるアプのイラストを描いてくれたから!頑張る!!
欲を言えば、どうしてヒヨコ認識されているアプの金髪をベタ塗でもしてくれなかったのかということと、どうしてイズを描かなかったし公式カプー!と叫びたかった。
動物園に行くためイズがTシャツにUVカットパーカー羽織ってたら俺得とか思ったけど、そもそもあの人夏場は外に出ないわな。

えんどれすげーむカッコいいわぁ…
あのなんとなく嫌な感じのする曲調はかぞくげーむな感じがする。気がする。
リーダーの声が歳追うごとに高くなっているような気がするのだが。
久しぶりに低い声も聴きたいなぁvとか思っている昨今。ないものねだり。

2013-05-26 13:49:15

2013年05月26日 13時49分15秒 | ☆Weblog
電話。
仕事をやめて帰ってきたって、その前に次やるべきことも、ちゃんと周りの意見聞いて決めていたものね。
だからその報告に驚いたりしないし、腐れ縁として付き合ってやろうと思えるんだ。
まずは実家の部屋の模様替えだなんて、彼女らしくて実に気持ちがいい。