小指ほどの鉛筆

日記が主になってきた小説ブログサイト。ケロロ二次創作が多数あります。今は創作とars寄り。

37 今から……会いに行っていい?(クルル+トロロ)

2008年01月30日 20時28分37秒 | ☆小説倉庫(↓達)
カタカタとキーを叩くクルル。
同じ室内には、穏やかな表情で本を読むドロロがいた。
お互い相手の邪魔をすることも無い。
そんな平和なひとときが続いていた。
「ドロロ。」
時に、クルルはいきなりドロロを呼ぶことがあった。
「何?」
本から顔を上げると、ドロロは一つ伸びをする。
クルルは手を止めようとはしない。
「コーヒーくれるか。」
「うん。ちょっと待っててね。」
それまで座っていたソファーから立ち上がり、奥の調理室へとドロロは消えていった。
クルルのお気に入りは、モアの淹れたコーヒーと、ドロロの作ってくれるもの全て。
そしてありとあらゆるカレー。
ブレイクには大抵、ドロロの淹れたコーヒーを選んでいる。
「ったく・・・あのガキは・・・。」
クルルが手を止めることができない理由。
それは、最近やけに熱心にケロロ小隊のデータをハッキングしようとしてくる、小悪魔の所為だった。
勝手にライバル視していると思ったら、最近になってよく喧嘩を売ってくるようになった。
その子悪魔に、クルルは手を焼いているのだ。
「あーーー・・・うぜえぇ~~~~・・・」
「?どうしたの?」
しばらくすると、コーヒーの香りを携えたドロロがやってきた。
疲れ切ったクルルを見るなり、心配そうにそう声をかける。
クルルはコーヒーを一口飲むと、何かのボタンを押して、ドロロのほうを向いた。
「あぁ、心配ねぇよ。今終わった。」
「そうなの?画面・・・赤くなってるけど・・・」
「俺じゃねぇ。アイツの方が危険なんだぜえぇ~~w」
クックックと笑うクルルの眼鏡が、画面の逆行で不気味に光った。


「あーーー!!」
突然叫びだしたのは、ガルル小隊オペレーター、トロロ新兵。
タルルいわく「絶叫は心臓に悪い」
「ト、ロロ・・・」
たしなめるようにゾルルが名前を呼んだ。
けれども、トロロは怒られたことなど気にしていないとでも言うように絶叫を続けている。
「もーー!!何で何で何でーーーー!!?どうして僕の技術が通用しないのサ!!」
「・・・またクルル曹長か・・・。」
やれやれと首を振るガルルに、トロロは抗議した。
「ほのぼの暮らしてるアイツに、なんで僕が負けるのサ!!おかしいでショ!?」
「落ち着きなさい、トロロ新兵。彼は元々異端児だ。それに年の差というものがあるだろう?経験の差もな。」
「そんなの関係ないでショ!!!」
タルルはどこかでこんな台詞を聞いたことがあったな、と思いながら、腕立て伏せを続けた。
「どうして僕がアイツに通用しないノ!?努力もしたヨ!!なのにどうして何もしてないアイツのほうが上なのさ!!おかしいヨ!!」
「まぁ、そうだな。」
「でしょ!?」
「だが言っただろう?彼は特別だ。誰とも張り合えない。」
ガルルのその一言が、トロロの何かを断ち切った。
けれども空気はそんなに重いものではなく、むしろいつもと変わらないかのように流れ続けた。
それが不自然だという事には、誰もが気づいていた。
「トロロ君・・・?」
プルルが声をかけても、黙ったまま。
ガルルが声をかけても、やはり口を閉ざしたままだった。
「その、ままに・・・してお、け。」
戸惑っている二人にそう告げたのは、ゾルルだった。
「だがゾルル、どう見てもこれはおかしいと思うんだが・・・。」
かなり動揺してきたガルルに、ゾルルは溜息をついただけだった。
プルルとガルルは顔を見合わせると、首をひねった。


異端児・・・特異な人間。
特異な人間、ということは・・・彼は孤立していたんじゃないのか?
どんな過去があったかなんて知らない、というより、興味ない。
けれどもそれが悲痛な過去だったのならば・・・少しくらいほのぼのした生活を送ることも・・・。
じゃあ自分は、そんなほのぼのとした幸せを・・・
彼の少ない幸せな時間を・・・つぶしてしまっていたのか?
自分はどうなんだろう。
幸せなのかな?
この幸せは、どれくらい続くのだろう。
不安だ。
そして、誰とも張り合えない彼。
つまらない生活を送っているのだろうか?
これは、ガルルに聞くのはどうかと思う。
けれども聞きたい。
どうしても、知りたい。





「・・・あ。」
「トロロ君!!よかった・・・気絶してたのかしら・・・。」
「すまない・・・私が何かまずいことを言ったか??」
トロロが気づくと、ガルルとプルルが自分の顔を覗き込んでいた。
「な、何!?」
「何じゃないわよ!いきなり黙り込んだうえに、いくら呼んでも返事しないんだから・・・」
トロロは何がなんだか分からない。
ただ、心配をかけたのだという事だけ、しっかりと分かった。
「はぁ・・・。」
必要以上に思えるほど二人が心配してくるため、トロロは少しだけ身を引いた。


「クルル君、今度はどうしたの?」
いつもの平凡な日々の一日、クルルはいつものように忙しく手を動かすわけでもなく、ただ画面を見つめたまま、じっとしていた。
「・・・」
「何か鳴ってるけど・・・」
先ほどから鳴っているコールに、ドロロは落ち着いて本を読むことも出来ずにいた。
しかもクルルの趣味は最悪で、コールの音も不愉快だ。
「電話・・・?」
「まぁ、同じようなもんだな。」
「とらないの??」
不愉快な音が響き続けていて、頭がぐるぐるしてきている。
「・・・発信・・・ガキなんだよな。」
「トロロ君?」
ドロロが首をかしげると、クルルがヘッドホンからマイクを出して回線を繋げていた。
「あーあー・・・おい、ガキ。なんの用だ?」
『もっと早く出てよネ!!ガルルに見つかったら怒られちゃうでショ!?』
スピーカーから聞こえてきた声の大きさに、思わず耳を塞ぐ。
顔をしかめて回線を切ろうとしたクルルを、ドロロが必死に抑えた。
「てめぇ、親切に通信してやった俺に対してその仕打ちは何だ??(怒 」
「ク、クルル君・・・抑えて・・・」
『何?青い人、居るの??』
子供っぽい無邪気な質問だが、クルルには子供への容赦というものが無い。
「あ?」
ドロロが見ただけでも、クルルがトロロの言った「青い人」に怒っているのが分かった。
ドロロはクルルに微笑むと、一度自分と代わるように言い、優しい声でトロロに話しかけた。
「トロロ君?」
『あ、青い人。』
「僕はドロロ。呼び付けで構わないよ。」
クルルは不満そうだったが、ドロロは別に構わない。
むしろ堅苦しく呼ばれるよりはそうしてくれた方が反応しやすいのだ。
『・・・ま、どうしてもって言うなら、呼んでやってもいいけど・・・ドロロ。』
「おい、ガキ。」
ドロロが笑うと、横で会話を聞いていたクルルがマイクを奪った。
『なにサ。』
「お前結局何の用があんだよ。」
『メールじゃどうせ見てくれないでショ?・・・えっとさ・・・今から・・・・・・会いに行っていい?』
クルルが口をぽかんと開けたまま、固まった。
「クルル君、口、開いてる。」
「あ、あぁ・・・。」
「どうかしたのかな、トロロ君。普段ならそんなこと言わないのに。」
『ちょっと聞きたいことがあるんだヨ。』
そう言うと、トロロはすぐに回線を切ってしまった。
反対する間もなかったクルルは、苛立ちを隠すことが出来ずにキーボードを叩いた。


タッタッタというリズムカルな音が、通路に響いていた。
自室で銃を磨いていたガルルは敏感にその音を聞き取り、手を止めると立ち上がった。
「ガルル!!」
扉を勢いよく開けて飛び込んできたトロロを受け止めると、もう一度椅子に座りなおす。
「なんだ、トロロ新兵。そんなに慌てて。」
「べ、別に慌ててなんか無いヨ!!」
「そうか?」
「そうサ・・・で、あのさ・・・ちょっと・・・出かけてくるから。」
途切れ途切れにそう告げたトロロに、ガルルは少しだけ驚いた。
「珍しいな、外か??」
「まぁ、そんなトコ。」
それだけ言って部屋を出て行こうとしたトロロは、慌てすぎて、前方から来たゾルルに衝突してしまった。
「ゾ、ゾルル!!」
「何を、急いで・・・いる。」
「だーかーらー!!別に急いでないってば!!」
ゾルルはいきなりのことにキョトンとしているように見えた。
「だか、ら?」
「あー・・・えっと、さっきガルルにも同じこと言われたノ。」
ゾルルはのんびりと銃を磨いているガルルをちらりと見た。
「ねぇ、ボクってそんなに急いでるように見える??」
そう質問してきたトロロに、ゾルルはコクンと頷いた。
「そんなに?」
またしても頷く。
「どこら辺が??」
ゾルルとガルルはお互いに目を合わせ、苦笑した。
「トロロ新兵、今の君が急いでいるように見えなかったのならば、よほどの無神経だよ。」
「そ、そこまで??;」
「なぁ、ゾルル。」
「ん。」
あたふたしているトロロを微笑ましく見つめていたガルルは、思いついたように口を開いた。
「で、何所へ行くんだ??」
「え。」
「出かけるときは何所へ行くか、何時に帰るかをちゃんと伝えろ。」
「ボクを子供扱いしないでよネ!!!」
子供扱いが嫌いなトロロはギャーギャーとわめきだした。
何とかしてくれと言うかのようにゾルルを見てくるガルルに、ゾルルは自業自得だと言い放った。
それでもゾルルは溜息を一つつき、トロロに言った。
「地球・・・だろ。」
ゾルルが言ったことが図星だったのか、トロロが口をつぐんだ。
「じゃ、じゃあもう行くからね!!」
逃げるように走っていったトロロを、ゾルルはじっと見つめていた。


「あ。」
「そうちょーーーーー!!!」
ちょうど昼時、ラボに元気のいい子供の声が響いた。
「・・・」
「いらっしゃい、トロロ君。」
「・・・何の用だガキ。」
ドロロが笑顔で迎えてくれたのに対し、クルルは不機嫌極まりない様子でトロロを出迎えた。
そんなクルルに、トロロが意地悪い口調で問う。
「何?ドロロと二人ラブラブのとこ邪魔しちゃった??」
「と、トロロ君!;」
ドロロが顔を赤くし、肝心のクルルは平然とした様子で答えた。
「あぁ。」
「ククク、クルル君!?」
動揺しているドロロの頭にぽんと手を置くと、クルルはトロロを見下ろした。
トロロはムッとして立ち尽くしている。
「で??何を聞きたいって??この俺様に。」
ニヤリと笑ってそう聞くと、トロロは下を向いてしまった。
ドロロが首をかしげてクルルを見上げると、クルルも首をひねっている。
「えーっと・・・なんかこんなこと聞くのもボクらしくないんだよネ~・・・。大したことじゃないんだけド・・・。」
「もったいぶるな。」
クルルは画面の前においてある椅子に座り、ドロロはその横に立った。
トロロは床に座り込むと、重い口を開いた。
「そうちょーは「いたんじ」なの?」
クルルはその言葉を聞くと、トロロへと向き直った。
「誰がんなこと言った?」
「ガルル。」
「・・・そうか。ガルルがな・・・。」
どこか遠くを見るようなクルルに、トロロは少しの罪悪感を覚えた。
言うべきことではなかったのでは、と。
「言わなきゃよかったかナ?」
「で?結局お前は何が言いたいんだ?」
「えっと・・・でね、ガルルが言ってたんだけどサ、そうちょは誰とも張り合えないって。本当にそうなの?ライバルとか、居ないの?目標は?」
矢継ぎ早に質問をぶつけるトロロを、クルルはジッと見つめていた。
そんなクルルを、ドロロが知的な瞳で見つめていた。
「俺に勝る奴が居るとでも思ってんのかよ。」
「・・・いないの?」
「多分な。」
「じゃあ、目標にしている人とかも、いないの?」
「・・・・・・・・多分、な。」
クルルの表情が寂しそうだったのは、トロロの見間違いだっただろうか?
「それって幸せ??」
「は?」
「自分が一番で、もう目指す人も張り合う人も居なくて・・・サ。」
ドロロがトロロを見て微笑んだ。
まるで、「よく気がついてくれたね。」と言っているようだった。
その微笑に、クルルの微笑が加わった。
「お前は、どう思うんだよ。」
「ボク?ボクは・・・それは幸せとは・・違うと思う。」
「負け惜しみかぁ?」
ニヤリと笑ったクルルに、いつものような意地悪さは見当たらなかった。
「そうじゃなくて!!・・・それは、一時の満足でショ?」
「・・・一時の満足にすらならねぇよ。」
笑みが消えた。
悲しそうな目をしているだなんて、このときを除けばトロロは思うことも無かっただろう。
「ガルルは分かってたんだろうな。」
俺が頂点を目指すと共に、墜落を望んでいたことを。
知識を得ると共に、崩壊していくということを。
「異端児、確かに俺はそう呼ばれていたぜぇ。けどな、ガルルは俺に容赦しなかった。特別扱いもしなかったし、変な目で見ることも無かった。それがどんなに不思議なことか・・・そのときの俺には分からなかったぜ。」
「ガルルが?」
「ガキ。お前はいい隊長に恵まれたと思うぜぇ~・・・こんなこと今後一切言わないつもりだ。よく覚えとけ。」
そして目をつぶった。
「幸せかと聞かれて頷いたらウソになる。だが・・・まぁ、今は幸せなんじゃねぇのか?なぁ、ドロロ。」
「そう、だね。」
ドロロがにっこりと微笑んだのと同時に、クルルにも笑みが戻った。
やはりクルルは今、幸せなのだ。
彼が彼である限りは、不幸は続く。それでも、今は幸せでいられるのだ。
このひとときを邪魔してはいけない。
この二人の幸せを、一時すらも奪ってはいけない。
「そう。じゃあそうちょは今幸せなんだネ?」
「・・・とりあえずな。」
「ありがと。それだけだよ。じゃ、もう帰るね。邪魔したヨ。」
そう言って立ち上がったトロロに、クルルが最後に質問した。
「アンタの目標やライバルは、誰だ?」
「・・・」
トロロは少しだけ迷ってから、口を開いた。
「陰険陰湿で引きこもりな、嫌な奴だヨ。」
そして、ドアへと駆けていった。
ラボを出る直前、声が聞こえた気がする。

「いつかは越えられるといいなぁ?」

全く、本当に嫌な奴だ。
ボクが超えられるように願ってるんじゃなくて、自分を超えてくれることを願っているんでショ?
でも、これでアイツにはライバルが出来たって事だよネ。

ボクという名の、強豪が。

アイツが望んだんだ。
ボクはもう、関わるつもりはなかったんだから。
それでも少しだけそれが嬉しいと思ったのは、彼を目標としていたからだろうか?

あぁ、きっと超えて見せるサ。

アンタが異端児なんかじゃないって、証明してやるサ。

それが望みなんでショ?
それでこそ本当の、幸せを手にすることができるんでショ?
なら、それでいい。
頑張るから。

また、相手してよネ。


________________________________________

なんかゴチャゴチャとしちゃいましたね(汗
でもなんか満足できました。
やっぱりトロロは良い!!
すごく使える子!!(ぇ

次はなんの台詞を消化しようかな~~ww

雨上がりのコンクリートは、水を得て輝いていた。

2008年01月30日 18時02分59秒 | ☆Weblog
今日も朝、瀬戸内海に遭遇しました。
「おはよ。」って言った私に、相変わらずあいさつを返しませんでした。
切ないね~~。
あいさつくらい返そうよ(涙

で、それで朝からへこんでたんですがね・・・。
音楽の時間が終わって友達を待っている間に、次の時間に音楽室を使う2組がやってきたんです。
瀬戸内海ももちろん。

そこで・・・「久しぶりだー」って・・・アイツ、言ったんです。
今まであいさつ無視してきたのは何所の誰だよ。って感じですね。
「なんだよ!朝のあいさつは無視するくせに!!」って言ったら、
「なんかきしめんみたいなのが通ったなーって思った。」って笑いながら言うんですよ!?
まったく・・・酷い人だ・・・。
アイツ、クルルが好きみたいで、私のファイルにいたクルルを・・・。
まぁ、んで、久しぶりに話したっていうか、遊んだっていうか・・・。
「授業、始まるよ。」
のアイツの一声で、友達においていかれたことに気づいた。
酷いよね。
置いていくなんて・・・(涙
次の時間には間に合ったよ。
どうにか。

なんでこうやって話すだけのことが出来なくなっているんだろう。
そもそも瀬戸内海が朝のあいさつを返せばいい話じゃないか!!
なんで返さねぇんだよーーーー!!!
そうすりゃ私がこんなに悩むことないのにーーーー!!!

どうしたものか・・・。

2008年01月27日 17時27分31秒 | ☆一言
どうしたものかな・・・
最近、色んな事をやらなきゃいけないって思えば思うほど、何も出来なくなっていく。
小説もイラストも勉強も恋も・・・いや、恋はまぁどうでもいいや。
やりたいのに出来ない。
なのに出来るときに出来ない。
都合が良すぎるのかな?

どうしたものか・・・

パソコン開いても音楽聴いてばっかりだ。


31 仕事が滞るから、そういう事はやめないか。(ガルゾル)

2008年01月26日 22時09分57秒 | ☆小説倉庫(↓達)
最近自分は、やけにデスクワークが多いような気がする。
今日に至ってはまだ一度も銃を握っていない。
軍人がこんなことでいいのだろうか?
そんな自問をしながら、ガルルは一人事務室にいた。
「まぁ、隊長もまだ小さいからな・・・しょうがないと言えばそこまでだが。」
他の隊員は任務に出ていて誰もいない。
こうも静かだと逆にやりづらいのも本音。
音楽でもかけたい気分になる。
「今、戻った・・・。」
「おお、ゾルル!無事で何よりだ。」
そんなときに戻ってきたのはゾルル。
ここ一週間ほど任務で、顔を合わせていなかった。
「?」
周りを見渡し、誰もいないことに首をひねるゾルルに、ガルルは笑って答えた。
「他の皆は任務で居ないぞ。なぜか私はデスクワークだが・・・。」
「そう、か。」
ゾルルは普段自分が座っている椅子を引き寄せると、ガルルの横に居座った。
「Cケロロは・・・今、でも隊長・・・なのか?」
「そのようだね。本部はどうしても成功したクローン技術を手放したくはないようだ。」
「お前じゃ、ないのか。」
「あぁ。だがやっていることは隊長が本来やるべき仕事だからな・・・今は隊長として見てくれて構わないぞ。」
にっこりとして見せたガルルに、ゾルルは顔を背ける。
「・・・」
「さて、まだこんなに片付ける資料が残っているからな・・・今日も徹夜になりそうだ。」
再びデスクに向き直ったガルルが、ペンを持つ。
すでに仕事にも慣れてしまったようだ。
戦闘もデスクワークもこなせる軍人というのが、ガルルの女性から絶大の人気を誇る秘密なのかもしれない。
と、ゾルルは今ガルルが言った言葉に疑問を持った。
「今日、も?」
「ん?あぁ、昨日もほとんど寝ていないからな。・・・1時間寝たらノルマギリギリだ。」
ゾルルはデスクの上に積み重なっている紙の束を見た。
徹夜してまだこの量が残るのだ。いったい自分がいない間に何が起こったというのだろう。
「手伝う、か?」
「いや、この資料は責任者がやらなければいけないものだからな。それにお前は任務から帰ってきたばかりだろう?厚意はありがたいが、お前の方こそ少し寝たほうがいい。」
一瞬、本物の馬鹿だと思った。
印を押すくらいなら自分にも出来るし、機械のように動くだけの話だ。
石頭と言おうとした口を自分で塞ぐ。
「そうか・・・。」
けれども眠る気も起きない。
ゾルルはどうしようかと迷ったあげく、この場を離れないことにした。
「寝ないのか?いつもならもうとっくに自室に戻っているだろうに。」
「・・・俺の勝手、だ。」
「ハハ、そうだな。だが私には気を使わなくていいぞ?」
変なところで神経質な奴だ、とゾルルは思ったが、やはり口には出さなかった。
「だがちょうどいい。一人でここにいるのも寂しいものだと思っていたのだよ。」
「・・・そうか。」
ゾルルはこれで何度同じ言葉を口にしたかを考えた。
もしかしたら、これが自分の「口癖」というやつなのかもしれない。
「どうした?」
ボーっと考えていたゾルルの顔を、ガルルが心配そうに覗き込んだ。
「別に・・・。」
「やっぱり眠いんじゃないか?」
「・・・お前は、俺、が居ないほうが・・・いいか?」
あまりにも自分のことを気にかけてくれるガルルが不審に思えてきて、思わずムッとしたゾルルがそう問うた。
「まさか!むしろ嬉しいくらいだよ。一週間も顔を合わせることが出来なかったんだからな。だが・・・疲れたお前を見ているのは辛い。分かってくれるだろう?」
「・・・」
拗ねたようにひざを抱えるゾルルに、ガルルが慌てて言う。
「まぁ、お前がここに居たいというのなら別だが。」
「・・・そうか。」
何度目だろう。
「さ、私は本当に仕事に戻るからな。手が止まってしまった。」
こくりと頷くゾルルを見て、ガルルはペンを動かした。
けれども1時間もたたないうちにゾルルが口を開いた。
「任務・・・珍しく、苦戦した。」
「?」
ガルルが顔を上げないのも気にせず、ゾルルは話し続ける。
「子供、が・・・走り、回っていた。大人は逃げ・・・死にたくない、と喚いた。
だが・・・」
自分の左腕をなぞると、ゾルルは寂しそうに、重く言葉を繋げた。
「子供は・・・泣きもせ、ず、文句も、言わなかった。」
何も知らなかったのだ。
無知ゆえの、冷静さだったのだ。
「敵が居たら・・・ピン、を抜くようにとでも・・・言われたんだろう。何人か、は・・・自爆、した。」
「・・・」
ガルルのペンの動きが遅くなる。
それを見て分かっていながらも、ゾルルは話を止めようとはしなかった。
「何故・・・そこまで・・・する?」
思いの他手間取ってしまった。
普通なら女子供は隠すはずなのだ。それを爆弾のように、一つの兵器の様に扱うなんて・・・そんなのはアサシンの自分でもゾッとするものがある、とゾルルは言った。
「分からない、だろう?」
何故抵抗しないのだ。
どうして逃げないのだ。
「ゾルル・・・」
「なん、だ。」
「仕事が滞るから、そういう事はやめないか。;」
「そう、いう事、というのは・・・?」
「あー・・・その、なんだ、そういう暗い話はやめないか?」
「聞き、たくないなら・・・聞かなけれ、ば・・・いい。」
矛盾している。とガルルは思った。
「じゃあ何故お前は話を続けようとするんだ??;」
「・・・言いた、かった・・・だけだ。」
普段寡黙で、ガルルにでさえもあまりそういう話をしたことが無いゾルルがそんなことを言う。
「なにかあったのか?」
ただ事ではないと思って、詳しく話を聞こうとするが、ゾルルの赤い瞳はどこか違うところを向いてしまった。
「・・・なんでも、ない。」
「なんだ、さっきまでずっと喋り続けていたくせに。」
「お前が、聞いて・・・いな、かったからだ。」
「?」
やはり矛盾しているように思える。
「仕事、を・・・続けて、いろ。」
「あ、あぁ。」
続けろと言われても、話が気になってそれどころではない。
「・・・もういい。」
「?;」
「・・・寝、る。」
立ち上がったゾルルを目で追いかけ、ガルルは苦笑した。
きっとゾルルは本当に口下手で、恥ずかしがり屋なのだ。
話したい・・・が、真剣に話を聞かれてしまうと緊張してしまう。
だからこそ、自分がデスクワークをしていたのはとても都合がよかったのだと思う。
「ゾルル!!」
扉を開こうとしたゾルルを呼び止め、ガルルは椅子から立ち上がった。
「少し訓練に付き合ってはくれないか?」
どうせまだ眠くはないのだろう。
ずっと椅子に座っているのも身体によくない。
「今日は一度も銃を手にしていないんだ。鈍ってしまうだろう?」
「・・・いい、だろう。」
割と早い回答を出してくれたゾルルに、ありがとうと伝える。
「しばらくして火薬のにおいが嫌になったら、散歩にでも行こう。」
「・・・・・・・・・・」
何も言わない。
それがゾルルにとって一番早い肯定の返事だと気づいたのは、いつ頃だっただろう。
今ではもう、それが嬉しくて仕方が無い自分がいる。

「じゃあ行こうか。」

帰ってきてから徹夜すれば、きっと明日の昼には資料も片付くことだろう。
BGMはゾルルの語り声で、ゆっくりと仕事をしよう。
そう心に決め、ガルルはゆっくりと部屋を出た。

_______________________________________

大佐にしようかゾルルにしようか迷ったんですが・・・
ガルルの本命のお相手はゾルルなので(勝手な解釈)こちにしました。
うちの大佐は仕事しないしね。(オイ

これでなんだかお題が少しだけすっきりしたような気がします。
変に間が空いていてうずうずしてたんですよね。

ちなみに、私の小説に出てくるゾルルは、ガルルの前だと性格変わります。
甘くしようとすると台詞が多くなって大変だ(汗
ゾルルの喋り方はどう表現していいのか迷う。
でも大好きだ!!!

これからもガルゾルは増える予定ですww

As Long As You Love Me

2008年01月26日 12時37分09秒 | ☆Weblog
私が行っている中学校では、英語の時間に外国の歌を歌います。
最近は恋とか愛とかが多いような気もしなくもない。

と、今歌っている歌。
英文を見ただけだけではサッパリ意味が分からなかったのですが・・・
訳をみると、なんだかクルドロ妄想が止まらなくなりました。
後ろの席の子が「クルドロで妄想してるんでしょ?」とか言ってくるのですが、その通りです。一寸の違いもありません。(爆

なので、ここに訳をのせたいと思います。

________________________________________

孤独はいつだって友達みたいなものだったのに
僕の命を君に託してる
人は僕が狂っているって言うけれど、何も見えていないから
全ての危険を冒してそのあいまいな態度に賭ける
どうして君しか見えなくなってしまったのかは未だに謎だよ
頭から追い出せなくて
君の経歴がどんなものだとか気にならないよ
君がここに僕と一緒にいてくれる限り

※コーラス
  君が誰だろうと構わない
  どこから来たとか
  何をしたとか
  君が僕を愛する限り
  君が誰だとか
  どこから来たとか
  何をしたかなんて関係ない
  君が僕を愛する限り

君が言った、してきた些細な事
僕の中の奥深くにあるみたいに感じるよ
君が例えば何かの逃走者でも、大した問題じゃないよ
何かありそうな感じ

※コーラス

ずっと隠そうとして来たから誰も知らない事
でも見せちゃったみたいだね
君が僕の目を覗き込んだ時
君が何をしたとか、どこからやって来たとか
気にならないよ、君が僕を愛する限り、ねぇ

※コーラス

______________________________________

と、いう歌です。
なんだかすごく気に入っちゃいましたww
歌っているのは・・・

Backstreet Boys

ですね。

You Tubeより「As Long As You Love Me」

ちなみに個人的妄想としては・・・

軍の中でクルルはすでにゼロロのことが好きで、ゼロロは自分を求めてくれるクルルのことが大切。
クルルはゼロロのためならどんな危険だって冒して見せるし、ゼロロもクルルのためならどんな残酷な任務だって受け持つ。

クルルが過去にどんなことをしてきたのかは分からないし、ゼロロ自身も自分のしてきたことを隠そうとしている。
でも、ゼロロはクルルの瞳を真正面から見つめたときに、クルルが今までどんな辛い事を経験してきたかが分かってしまう。
クルルも、ゼロロの悲しそうな瞳でその辺のことを理解する。

けれども二人はお互いが自分を愛する限り、自分も相手を裏切ったりはしないと決意している。

てな感じですかね。

勝手な妄想すんません;


上手くなりたい。

2008年01月26日 12時16分15秒 | ☆一言
このブログを初めてから沢山の「極小」説を書いてきましたが・・・
ネタって尽きるものですね(爆
はじめた頃はいくらでも書けるような気がしたんですがね。
まさか自分がこんなに小説を書くことにはまるとは思ってませんでした(笑

でも今になってきてだんだんと、小説にまとまりがなくなってきたような気がします。今までもそうでしたが。
「書きたいことを書くんだ!」という思いよりも、「上手く書かなくては!」という気持ちのほうが先行してしまっているんですよね・・・。
もちろん上手く書けるようになりたいです。
綺麗な文章で、自分の世界を表現したいです。
でもそのために小説が短くなったりするのもどうかと思います。

これも経験として、上手く書けるようにすることを意識して書いたほうがいいのでしょうか?
それとも、昔のように書きたいことを書くことを目的として書いていったほうがいいのでしょうか?

その辺がよく分からず、難しくて悩んでいます。
出来ることなら綺麗な文章を書く練習もしたいのですが、そのために書きたいものを押さえつけたくはないんです。
どうしたらいいんでしょうね。



アニケロ感想

2008年01月26日 11時31分41秒 | ☆Weblog
今日のアニケロはすごかったですね。
30分であそこまでネタを詰め込むのか・・・詰め込めるものなのか・・・。
製作者さんはもう、ネタ切れでヤバくなっちゃうんじゃないでしょうかね?;

さて、たくさんの子ネタの中でも私が特に気になったのは・・・
多分今日のケロロを見た人はみんな思っていると思うのですが・・・

ギロロ擬人化。しかも金髪で美形って・・・

うちの姉貴が言うには、イメージが王子様だから、きっとイメージ通りに擬人化しちゃったんだ。ってことですが・・・。
いくらなんでも金髪はねぇよな・・・。
クルルは金髪だろうけど・・・ギロロは・・・そして白のアレは・・・(汗
しかもコゴローと靴のサイズ同じっていうのもまた。

そしてもう一つ。

ケロロは実写化しちゃダメだと思う。

だってただの「か○る」になっちゃうもん。
あいつ等宇宙人でしょ?
ただの「かえ○」はまずいって・・・。

今日はその二つが印象に残りすぎて、あまり他のことが頭に残っていません;
実写って・・・(沈


さぁ、気を取り直して次回は!!

ゼロロ、増えすぎ!!

ケロロ、穴があったら掘りたい。

だっけ??
なんかタイトル間違えてるような・・・。

ま、次回はゼロロが、ゼロロが、ゼロロが主役ってことでw
文句はないはずだ。

そういえば、何で幼年期ってCGなんだろう。
可愛さに欠ける。

次回も楽しみにしたいと思います。
それでは、アデューww

30 記事内に記入

2008年01月23日 19時29分53秒 | ☆小説倉庫(↓達)
30 こんな温度の高い場所に長時間放置されたらなぁ……俺はデリケートだから溶けちまうんだよ!(クルドロ)

_________________________________________________________


「雪だよ!!」
突然ラボに駆け込んできたドロロは、ここ一週間見せたこともないような笑顔をクルルに向けた。
当然の如く、クルルはいきなりのことに口をぽかんと開けて固まってしまった。
「クルル君!雪だよ雪!!雪が降っているの!!」
「ゆ、雪??あぁ・・・どうりで寒ぃわけだな。」
ラボの気温は10℃。厚着をして白衣を羽織っても、少々肌寒い。
そんな中クルルが暖房器具を一切使っていないのは、ちょうど一週間ほど前にドロロと喧嘩をしたからだ。

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「暑い・・・熱いよクルル君!!!」
「あ??」
その日ラボに来たドロロが真っ先に直面したのは、室内の異常なまでの暑さだった。
今の季節が冬だということを忘れてしまいそうなくらい熱せられたその部屋では、機械もおかしくなってしまうだろうに・・・
「クルル君!!止めるからね!!」
そう言い強制的に暖房器具を止めたドロロは、椅子の背にかけてあった上着をクルルに渡した。
クルルは最初こそ何も言わずにされるがままになっていたものの、流石にうんざりしてきたのか、椅子を回転させてドロロに向き直った。
「ドロロ、俺はここで快適なライフを送ってたんだが・・・?」
「快適?いくら外が寒くたって、こんなに暖房器具働かせてるんじゃおかしくなっちゃうでしょ!?それに電力だって莫大なはずだよ??」
「んなのは俺の勝手だ。」
キッパリと言い切ったクルルに、ドロロがあからさまに不機嫌な顔をする。
「僕は君を心配してるの。」
腰に手をあてクルルを叱るその様子は、クルルから見て母親のように見えた。
「あっそ。そりゃどーも。」
ドロロが心配してくれたのに対して、その軽い口調がいけなかったのだ。
気づけば、クルルの後ろからドロロの気配は消えていた。
「ドロロ??;」
後ろを振り向いたクルルの目の前には、確かにドロロがいた。
それなのに気配が無いということは、ドロロが意図的に気配を消しているか・・・怒っているときだった。
「ド、ドロロ・・・??」
クルルだってこれには流石にびびる。
ドロロを怒らせればどうなるのか、毎回想像もつかないのだ。
「あーー、悪かった。マジで。」
とりあえず謝ってはみるものの、そんなことで許してもらえるのならクルルはこんなに恐れる必要は無い。
「・・・毎回毎回同じように謝っては同じことを繰り返す・・・本当に反省してるわけ??」
「あ、あぁ。」
「じゃあ、証拠でも見せてもらえると嬉しいな。」
ドロロが言った意味が分からない。
「証拠??」
「うん。とりあえず・・・暖房は一切使わずに、過ごしてもらうね。クルル君の誠意しだいで、僕も許してあげる。」
クルルの表情が硬くなるのが見ていて分かった。
ドロロには許してもらいたい。
けれども、寒いのはイヤだ。
心の中で数秒間格闘した後・・・勝ったのは謝罪だった。
「分かった・・・。」
「それじゃ、楽しみにしてるね。」
いつもより冷めた笑顔で消えていったドロロを、クルルはこのときほど鬼のように思ったことは無かった。

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「・・・で、俺は許してもらえたわけ??」
ドロロによって強制的に外に連れ出されたクルルは、さらに寒空のした、小隊の面々と雪だるまやらかまくらやらを作る破目になっていた。
「クルル君!その雪玉はタママ君の雪玉の上に重ねて。」
「え?あ、あぁ。」
「クルル先ぱーい!!こっちですぅ~~w」
タママがケロロの横で呼んでいる。
クルルは雪玉を抱えると、渋々小走りでタママの元へと向かった。
「んしょ。ったく・・・これでいいのか?」
「完璧ですぅ!あとは目とかをつければいいんですよね?軍曹さん?」
「そのとーりであります!!んじゃ、夏美殿からなんかもらってこよー。」
「僕も行くですぅv」
走っていった二人を見つめ、クルルは溜息をついた。
息も白く、寒い。
「つーかなんで俺がこんなさみぃ日に外で雪玉転がしてなきゃなんねぇんだ・・・。」
文句を言いながら、ドロロの元へと戻る。
「次は小雪殿のかまくらのお手伝いをお願いね。」
間髪いれずにそう言われたクルルは、脱力せずにはいられなかった。
右を見れば、楽しそうに雪を積む小雪の姿が見えた。
「なぁ・・・ドロロ・・・」
「ドロローー!!ちょっと手伝って~~!」
クルルの声は、台所から聞こえてきた夏美の声にかき消された。
「今いくでござる~~。」
ドロロも返事を返すと、室内に戻ってゆく。
残されたクルルは再び右を見て・・・溜息をついた。


「ありがとね、ドロロのお友達v」
どうしてこの忍者娘はこうも体力気力共に充実しているのだろう。
そしてどうしてドロロ以外のケロン人は皆、「ドロロのお友達」なのだろう。
そんなことを考えながら、クルルは小雪の笑顔から逃げるようにギロロの元へと向かった。
「ん?なんだクルル。あの女の手伝いは終わったのか?」
倒れこむようにギロロに衝突したクルルに、雪かきをしていたギロロはスコップを持つ手を止めた。
クルルは自分の後ろを指で指したが、そこには見事な一軒家・・・いや、かまくらが出来上がっていた。
「・・・ずいぶんと使われたようだな。」
「・・・ぅん。」
脱力しきったクルルを哀れむように、ギロロは日向家へと目を向けた。
「全く・・・ドロロは容赦ないな。」
「・・・」
何か考え込むように、クルルはギロロへともたれかかった。

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「みんな~、お茶にしましょー。」
しばらくすると、夏美とドロロがお茶を運んで家の中から出てきた。
後ろからモアも大福を持ってやってくる。
「おおおお!!気がきくでありますな~夏美殿。」
「何様よ。」
一人ひとりにお茶と大福を配って回るドロロを、クルルはそっと目で追いかけていた。
「はい。クルル君。」
「どーも。」
クルルのお茶を配るのが最後だったらしく、ドロロはそのままクルルの横でお茶を飲みはじめた。
クルルはドロロを意識しながらも、湯のみで冷たくなった手を温める。
すぐ隣にはタママたちが作った巨大な雪だるまがあり、お茶の湯気で少しだけ溶けてしまっているように見えた。
その雪だるまを見ていると、一人寂しく孤独を味わっていたクルルには声が聞こえてくるような気がしてしょうがなかった。
『こんな温度の高い場所に長時間放置されたらなぁ……俺はデリケートだから溶けちまうんだよ!』
脳内の雪だるまにまで怒られてしまった。
「気にくわねぇ・・・」
独り言を呟くと、不意にドロロがクルルの方をむいた。
「ふは~~。やっぱりお茶はいいね、クルル君。」
笑顔を向けてきたドロロに、一瞬面食らった。
「お前さぁ・・・」
人を散々振り回しておいて、と言いたかったのだが、その言葉は出てこなかった。
「何?」
「・・・別に。」
何も言わなかったクルルに、ドロロが再び微笑んだ。
「クルル君っ」
ドロロがクルルに寄り添うと、クルルはびっくりしたように身体を震わせた。
「ゴメンね。」
「へ?」
まさか謝られるとは思っていなかった。
「冷たくされて、少し寂しかったのかもしれない。勝手でごめんね。」
「・・・」
クルルは何も言わずに、ドロロをぐっと引き寄せた。
「寒かった?」
「・・・あぁ。」
お前がいなかったからだなんて、クルルには言えそうになかった。
代わりに寒さを紛らわすようにドロロを抱きしめた。
「許してくれんのか?」
「もちろん。ちゃんと一週間がんばったもんね。」
「見てたのかよ・・・」
「見て無くても分かるよ。クルル君は有言実行派だもん。」
にっこりと微笑むと、雪合戦を始めたケロロたちを眺める。
「本当はもっと長い時間、話なんてしないようにしようと思ってたんだけどね。」
「え。」
クルルがぎくりとした。
「でも・・・雪って不思議だね。寂しくなっちゃって、ワクワクしちゃって、どうしてもクルル君と一緒にはしゃぎたかった。君が寒いのが嫌いだって知ってるのにね。」
「・・・雪か。」
太陽の光を受けてまぶしく光る雪を、クルルは目を細めて見ていた。
ドロロもそれに合わせるように前を見る。
手を振るケロロに笑顔を向け、熱くなっているギロロに苦笑した。
「楽しい、ね。」
「あぁ。」
素直にそんなこと言いたくなかったのだが。
どうしたものだろうか。
「さみぃ。」
「僕たちも参加してくる?」
無邪気にそう告げたドロロは、クルルの手を引っ張って走り出した。
「ちょ、ドロロ!?」
慌てるクルルにも笑顔を向けただけ。
けれどもその笑顔が、雪の所為か輝いて見えた。
「・・・しょうがねぇな・・・。」

どうしてこうもお前には弱くなっちまうんだか。
雪の所為?
雪の精?

不思議な、雪の力(スノーマジック)。



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オイ!!
最後の台詞なんだよ!!ダサいだろ!?
自分で言ってて失敗したとは思ってるけど・・・なんかいい終わり方が思いつかなかった。すんません。


雪が降った。そしてすぐに溶けた。

2008年01月23日 17時37分49秒 | ☆Weblog
学校にいる間に雪が降りました。
積もるかと思ったら雨になって・・・また雪が降り始めて・・・もう一度雨に変わって・・・。
なんだかもどかしかったです。

結局積もることも無かったわけですが・・・なんだかいいですね。雪って。
ついつい笑顔になっちゃいましたww

そして今日は嬉しかったことがもう一つ。

瀬戸内海がふざけているところに出くわし、巻き込まれたってこと(笑
普通はこんなこと、嬉しいことなんて言いませんよね。
でも、私にとってはすごく嬉しかったことなんです。
久しぶりに言葉を交わしました。

朝会っても、廊下ですれ違っても話さなくなっていた私たちが、今日、そんなことで話せたんです。
なんだか・・・大げさですけど、奇跡みたいです。
しかも、クルルと同じ笑いをしながら走って行きました。
「クックック~~~」って。

中学三年になってもまだ、鬼ごっことかしてるんだな~って。
無邪気なままなんです。
なんか本当に嬉しくなりましたww

でもすぐにどこかに行っちゃうんです。
掴んだと思ったら、消えちゃうんです。
雪と同じですね(笑

なんて、まぁ、そんなこと考えてました。
あーあ・・こんな時期になって、またアイツのことが気になるなんてな~~。
どうかしちゃったな、私。
どうせまたすぐに、いつもみたいに何も話さなくなっちゃうのに。
卒業までにまた話すことはできるんだろうか?
中学校生活最後に言葉を交わすのが、瀬戸内海だったらいいのに。

些細なことでしたが、今日の私はそれで少しだけハッピーです。
それじゃ、がんばれ私www